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NVIDIA,Pascal世代の新SoC「Tegra X2」を採用する組み込み向け開発キット「Jetson TX2」発表
Jetson TX2は2017第2四半期に出荷開始の予定で,1000個ロット時における1枚あたりの価格は399ドル(税別,約4万5465円)。
単体に先行して3月14日には北米および欧州市場向けに出荷開始となり,アジア太平洋地域を含むそのほかの地域には4月に登場予定となるJetson TX2 Developer Kitのほうは,単体価格が599ドル(税別,約6万8254円)となっている。
ちなみにこれらの仕様は,NVIDIAが2016年8月に自動運転車向けSoCとして発表した「Parker」(開発コードネーム)と同じ。NVIDIAがそう言っているわけではないのだが,Parkerの正式名称がTegra X2になったという理解でおそらく正しい。
Tegra X2以外にも目を向けてみよう。Jetson TX2に載るメインメモリはJetson TX1のLPDDR4 4GBからLPDDR4 8GBへと倍増。さらに,メモリインタフェースもJetson TX1の64bitから128bitへと強化を果たしている。
基板上に搭載しているストレージ用のeMMCチップも,Jetson TX1の容量16GBから32GBへと倍増となった。
またNVIDIAは,Jetson TX2には「MAX-Q」(電力効率優先)と,「MAX-P」(性能優先)という2つの動作モードがあることも明らかにしている。
MAX-Qモードで動作する場合,Jetson TX2の消費電力は7.5W以下,電力効率はJetson TX1の2倍になるという。一方のMAX-Pモードでは,Jetson TX2の消費電力は15W以下となり,Jetson TX1比で2倍の性能を発揮するとのことだ。
なおNVIDIAは,Jetson TX2用ソフトウェアである「JetPack 3.0」も,Jetson TX2と同時に発表している。
JetPack 3.0は,Linux Kernel 4.4をベースにしたソフトウェア開発キット(SDK)で,「Vulkan」や「OpenGL」といったグラフィックス用APIや,「OpenCV」
「Jetson TX2とJetPack 3.0,および関連開発ツールを使えば,組み込み機器向けAIを開発しやすくなりますよ」というのが,NVIDIAのアピールポイントというわけである。
現在のところ,国内における発売時期や価格の情報は明らかになっていない。ただNVIDIAは,Jetson TX1を扱っていた販売パートナーが,引き続きJetson TX2も扱うとしている。パートナー一覧には,菱洋エレクトロの名前も挙がっているので,国内発売の可能性は十分にあるだろう。
ゲーマーが個人で買ってどうこうするものではないが,Tegra X2を搭載する最初の製品という点では,注目に値するのではないだろうか。
NVIDIAのJetson組み込みプラットフォーム 公式Webページ
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