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[GDC 2011]売価99セント。「Angry Birds」のブランド化成功事例
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印刷2011/03/02 00:00

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[GDC 2011]売価99セント。「Angry Birds」のブランド化成功事例

Peter Vesterbacka氏
 iPhoneやiPad,Android搭載機といった“タッチ世代”向けのモバイル端末向けゲームタイトルのなかで,群を抜いた存在といえるのが,フィンランドのRovio Mobileによる「Angry Birds」(アングリーバード)である。
 GDC 2011では,同社のCEOであるPeter Vesterbacka(ぺテル・ベステルバチュカ)氏がGDC初登場。「Angry Birds - A Entertainment Franchise in the Making」(生み出されつつある娯楽ブランド)というタイトルでセッションを行ったので,その内容をお届けしたい。


Angry Birdは「製品」ではなく「サービス」


[GDC 2011]売価99セント。「Angry Birds」のブランド化成功事例
 2009年12月,99セントという価格でApp StoreにデビューしたAngry Birdsは,「ブタの軍団が立て篭もる積み木のような建物」に対して,怒れるトリたちが自らを投石機に載せて飛び,建物を壊し,ブタの軍団を倒すというもの。重力と物理効果,そしてタッチスクリーンを利用した細かな飛び出し角度&強度制御を利用したゲームだ。

 わずか12名の開発チームが完成させたAngry Birds,リリース直後の売れ行きは芳しくなかったらしいが,地元フィンランドからスウェーデン,イギリス,そしてアメリカといった具合に人気が飛び火。世界70か国で何十週にもわたって人気第1位の座を守り続けていたので,プレイしたことはなくとも,聞いたことがあるという人は多いのではなかろうか。
 今日(こんにち)では,PSPやAndroid,webOSにも移植されており,売り上げ総計は5000万本。モバイル端末向けゲームタイトルの怪物級ヒット作と評していいだろう。

通常版,「Seasons」と呼ばれる季節感のあるバージョンとも,マメにアップデートが入る
[GDC 2011]売価99セント。「Angry Birds」のブランド化成功事例
 さて,Vesterbacka氏はセッション中,任天堂が以前(モバイル端末向けゲーム全般を指して),「99セントという価格でゲームを出してしまうと,まるで使い捨てのようであり,ゲーム産業を破壊しかねない」と批判していたことを引き合いに出しながら,「99セントという価格に慣れるしかない」としつつ,「Angry Birdsは,『製品』ではなく,『サービス』なのだ」と断言していた。
 確かに,99セントの「製品」だと,一度作ったら売るだけであり,任天堂のいう「使い捨て」に合致してしまうかもしれない。だが,Angry Birdsは発売以来,ほぼ2か月ごとにエピソード化されたレベルパックが次々と投入されるなど,アップデートが頻繁に行われてきた。このように,頻繁なアップデートを繰り返し,問題があれば修正しながら消費者の信用を得ていく「サービス」であると,Vesterbacka氏はAngry Birdsを位置づけている,というわけだ。

[GDC 2011]売価99セント。「Angry Birds」のブランド化成功事例
 サービスという観点から,氏は2つのエピソードを挙げていたので,ここで紹介しておきたい。
 1つは氏が,「Angry Birdsの場合,ソフト面のアップデートが特徴的だった」と振り返る,「Mighty Eagle」(マイティ・イーグル)である。
 Mighty Eagleは,建物を崩す方法がどうしても分からないときに発動できる“お助けマン”のような存在。投げつけたイワシの缶詰に反応して,どんな建物でも必ずぶっ壊してくれる鷲である。

 この鷲は1匹99セントで,Angry Birdsのソフトと同じ値段だが,「レベルの攻略法に何日も悩むより,たった99セントで解決する」という方法を選ぶプレイヤーからの引き合いは高く,現在までに,Angry Birds本編プレイヤーのうち,40%を超える人々が購入しているという。
 ゲームのDLCを購入する層は一般に10%程度と言われるので,顧客のニーズを相当にうまく掴んだといえそうだ。

[GDC 2011]売価99セント。「Angry Birds」のブランド化成功事例
 もう1つは,Angry Birdsの熱狂的なファンという5歳のゲーマー,イーサンくんが送ってきたという絵。Rovio Mobileでは,これを基にレベルを1つ作り出し,それをアップデート時に追加したという。
 Vesterbacka氏は,「イーサン君は,史上最も若いレベルデザイナーになった」と言って会場を笑わせていたが,こういった継続的なサービスが,Angry Birdsのファンを生み出し続ける源泉になっているのは間違いなさそうである。


“使い捨てでは終わらない”99セントタイトル


展開されているぬいぐるみ
[GDC 2011]売価99セント。「Angry Birds」のブランド化成功事例
 継続的なサービスと,増えていくプレイヤー数。これによって快進撃を続けるAngry Birdsだが,最近では,ゲーム開発を超えた部分での展開も生じている。具体的には,ぬいぐるみやオリジナルiPhone用ケースなどだが,おもちゃだけでも,すでに200万個以上を売り上げているというから,なかなかのフランチャイズに育っていると言っていいだろう。

[GDC 2011]売価99セント。「Angry Birds」のブランド化成功事例
[GDC 2011]売価99セント。「Angry Birds」のブランド化成功事例
 加えて,2月に開催されたNFLの優勝決定戦「Super Bowl」(※北米最大のスポーツイベント)では,モバイル端末向けゲームタイトルとして史上初めて,テレビコマーシャルを実施している。そのなかでは,隠しアイテム「金色のフットボール」がどこにあるか分かる映像が数フレームながら挿入されていたため,多くのファンが,YouTubeなどで,何度も繰り返しこれを見たという。

 そもそもこのコマーシャルは,20th Century Fox(20世紀フォックス)が今春の全米公開を予定しているアニメーション映画「Rio」のものだったのだが,20th Century Fox側は,映画に出てくる「飛べない,丸い鳥」という設定がAngry Birdsの影響を受けたものであると認め,事前にRovio Mobileとの提携交渉も行っていたとのこと。その後,映画のタイトルも正式に「Angry Birds Rio」へ変わっている
 今回は映画だが,両社は,上手くいけばテレビアニメ化したいという思惑も持っているようだ。


 ……というわけで,多くのプレイヤーを抱えるだけでなく,おもちゃやグッズ,映画といったフランチャイズが増え,「ブランド化」に成功した例というのは,スマートフォン向けアプリとしてスタートしたゲームのなかでは,おそらくAngry Birdsが初ということになるはずだ。もちろん,5000万本も売れていれば,さまざまな話が出てくるのは当然,と見る向きもあると思われるが,Vesterbacka氏が,「今後は,Angry Birdsのような『ブランド』が,モバイル端末向けゲームのなかから次々生まれてくることになるだろう」と予告して,セッションを締めくくっていたことは憶えておきたいところだ。
 99セントだから使い捨て,ではなく,使い捨てでは終わらない。“99セントゲーム”でデベロッパの目指すべき方向性の一端が示されたように感じられた。


Rovio Mobile
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