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ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第40回「『007/慰めの報酬』国内発売記念! 最強の007ゲーム大特集!(5)」
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印刷2009/04/16 20:36

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ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第40回「『007/慰めの報酬』国内発売記念! 最強の007ゲーム大特集!(5)」


画像集#001のサムネイル/ジャンクハンター吉田のゲームシネシネ団:第40回「『007/慰めの報酬』国内発売記念! 最強の007ゲーム大特集!(5)」
 前回の予告どおり,今回は2001年以降にElectronic Arts(以下,EA)がリリースしてきた,映画「007」関連作品を紹介していこう。

 EAは2001年に,PlayStation 2向けにゲームだけのオリジナル作品「007: Agent Under Fire」をリリースした。
 もちろんEAはMGM Interactiveとの契約は結んでいたのだが,ピアース・ブロスナン氏のエージェントとの間で,ゲームオリジナル作品への肖像権使用許諾を結ぶことができていなかったため,ゲームには「全然知らないヤツ!」という感じのダブルオーエージェントが登場(一応はダブルオーセブン扱い)。
 ゲームのパッケージも,「なんとなくブロスナン?」「なんちゃってブロスナン?」とでも言いたくなるようなシルエットが描かれているのみだった。

 ゲーム自体は,ユニークなガジェットが特徴的なFPS。壁にワイヤーを撃ち込むとそのポイントエリアまで運んでくれる“Q-Claw”や,ドクター中松博士のジャンピングシューズもびっくりな“Q-Jet”が,ゲームらしさやボンドらしさを見事に演出。ただし,現在の一般的なFPSとは操作方法が異なるので,最近のFPSに慣れている人にはちょっと難しいかもしれない。
 個人的には,Q-Jetと戦車に乗って街中をドカドカ走り回れるのが楽しかったものの,全部で12ステージ分のオリジナルストーリーは,少々ボリューム不足に感じた。また,自キャラの姿が見えない一人称視点のゲームなのに,スニーキングしなければならないミッションもあり,隠れているつもりが敵からは丸見えなんて極悪な仕様に苦しめられたりもしたものだ。

 なお本作は,2002年にGame CubeとXboxでも発売されたが,日本ではPlayStation 2時代のタイトルが売り上げ不振だったこともあってか,正式に発売されることはなかった。
 ちなみに開発元はElectronic Arts Redwood Shoresで,スタジオ立ち上げの一発目が本作である。
 Electronic Arts Redwood Shores Studioはその後,「007: Everything or Nothing」「007: From Russia with Love」の開発も担当。さらに「The Lord of the Rings」シリーズや「The Godfather」など,EAのシネマゲーム開発において必要不可欠な開発チームとなっている。
 また,あのホラーアクションゲーム「Dead Space」も彼らが開発した作品だ。

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 さて,次に発売された007シネゲーは,「007 Nightfire」である。今度はピアース・ブロスナン氏の肖像権も獲得できたのだが,声の出演は契約に盛り込まれていなかったため,キャラクターの声は別人が担当することに。見た目はピアース・ブロスナン氏なのに……。
 こちらもAgent Under Fire同様,ゲームオリジナルのストーリーが用意されている。PlayStation 2,Game Cube,Xbox,PC,そしてGame Boy Advanceの各プラットフォームで,2002年秋に発売された。
 開発元は,シネマゲームで定評のあるEurocom Entertainment Software。ただし,PC版だけは「Brothers in Arms」の開発元であるGearbox Softwareが担当しており,内容も異なっている。

 Gearbox Softwareといえば,SEGA of Americaが2008年末に発売する予定だったものの延び延びになっている「Aliens: Colonial Marines」や,マイケル・マン監督作でロバート・デニーロ氏&アル・パチーノ氏主演のクライム映画「HEAT」のゲームも開発しているのだが,これらが本当に発売されるのか不安でならない。
 というのも,版権モノのゲームの場合,開発期間が延びているうちに契約期間が切れてしまい,結果的に完成直前まで開発は進んでいたにもかかわらずお蔵入りしてしまう作品が少なくないからだ。それこそHEATなんて,ゲーム制作への参加が確定しているのは,マン監督と助演のヴァル・キルマー氏だけのようだし……。

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PC版「Nightfire」
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 さて,いつもながら余談が長引いてしまったので,Nightfireに話を戻そう。
 本作は前作のようなFPSではなく,三人称視点のシューティングゲームだが,ステージ数は前作同様の12で,強制シューティングのステージや乗り物を活用するステージ,そしてFPSステージなどが用意されている。
 だが個人的には,前作のほうが面白く遊べたような気がする。なんというか,ブロスナン氏の肖像権に頼りすぎてしまったのか,ゲームの作り方が若干雑になっているように感じられたのだ。
 なお本作は,日本語版も発売されている。こちらでは,登場人物であるマキコ・ハヤシの声を小池栄子さんが担当していた(オリジナル音声は「ベスト・キッド2」のタムリン・トミタさん)だが,声優としての芝居に慣れていなかったであろうことが,誰の耳にも明らか。
 そういえば本作の発表会は,六本木のvelfarreで行われ,筆者は取材へ行っていた。そこにも出演した小池さんは,全身をレザーウェアで包みボンドガールさながらの姿を見せてくれたものである。少々自慢だが,筆者はそのとき舞台上で彼女と本作の対戦をし,大人げなく勝ってしまった。まさかそんな彼女が,あの坂田 亘とねぇ……。

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 といったところで,今週はここでお開き。次回はEA発売の残り3タイトルを紹介します。


■ドブ漬けゲームスープレックス(40)

PlayStation 2
「Virtua Fighter 10th anniversary 復刻版」(セガ)

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 北米と韓国のPlayStation 2でのみ発売された「Virtua Fighter 4 Evolution」の特典ゲームであり,欧州ではプロモーション用非売品ゲームであった「Virtua Fighter 10th anniversary」。これは,Virtua Fighter 4のキャラや技を,初代「Virtua Fighter」のカクカクしたポリゴングラフィックス&システムで楽しめるという作品だ。
 日本では,2003年にエンターブレインから発売された書籍「Virtua Fighter 10th Anniversary 〜Memory of Decade〜」の 特典として,DVD-Videoと共に同梱される形でリリースされたこともあるが,それももう6年も前のこと。
 こんな作品の復刻版が,PLAYSTATION 3版「Virtua Fighter 5」の予約特典となっていた。筆者も入手済みだったのだが,バーチャファイター5で遊ぶのに夢中で,こちらのことはすっかり忘却の彼方に……。

 ところが先日,事務所を秋葉原から恵比寿へ引っ越すタイミングで発掘! 早速,弊社の会長と対戦してみた。ジョイスティックではなくパッドでの操作は,最初のうちはしんどかったのだが,20分もすればきちんと適応。このあたり,人間の順応力ってやつは素晴らしいものだ。
 そんなこんなで,気づけば2時間ほど熱い戦いを繰り広げてしまったのだが……おかげで今回の原稿も遅れ気味に!

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「Virtua Fighter 5」公式サイト



■■ジャンクハンター吉田(シネマゲーム研究家)■■
サンボのティーチングを依頼され,脚関節を教えるべき時間に腕の関節技で盛り上がっていたら,先輩から大目玉を食らってしまったという吉田氏(38歳)。「後頭部に思いっきりパンチされて,気絶しそうになった!」そうです。ちなみに現在発売中の月刊誌「ダ・ヴィンチ」5月号では,“殿堂入りプラチナマンガ ランキング150”という企画に参加しているそうなので,気になる人は書店へ。


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