インタビュー
「ブレイドアンドソウル」8周年記念インタビュー。運営プロデューサー山本浩正氏に本作の今とこれからを聞いた
8周年を迎えた「ブレイドアンドソウル」の“今”
4Gamer:
本日は,よろしくお願いします。「ブレイドアンドソウル」は今年5月20日で8周年を迎えます。まずは今の心境をお聞かせください。
8周年ということで,MMORPGとしては古参の域に入ってきているのかなと思います。遊んでくださり,支えてくださっているプレイヤーの皆さんにはとても感謝しております。
4Gamer:
キム・ヒョンテ氏によるアートワークと,スピード感がありアクション性の高いバトルがあまりにも衝撃的で,リミテッドトライアルの記憶が今でも鮮烈に思い起こされます。もう8周年ですか。
山本氏:
鮮烈なイメージでスタートしたとしても,月日の流れでゲームプレイに対する刺激はどうしても薄くなってしまいがちです。ただ,「ブレイドアンドソウル」は昨年大きな変化がありました。新しい要素を追加しつつも,多くのプレイヤーに受け入れてもらえるような土台を作る──8周年を迎える今でも地ならしと言いますか,基盤をしっかりと整えている最中なんです。
4Gamer:
前回お話を聞いたのは6周年のタイミングでしたが,そこから2年で大きな変化があったと。具体的にどんな変化があったのでしょう。
山本氏:
昨年9月にゲームエンジンが「Unreal Engine4」へと変更され,グラフィックスが美しくなると同時に,ローディング速度の向上やゲーム動作の快適化を実現しました。また,報酬の提供の仕方も変わり,各種コンテンツが遊びやすく生まれ変わっています。
4Gamer:
これまでの「ブレイドアンドソウル」は,難度の高いダンジョンをしっかりと攻略しながら進めていくイメージでしたが,ここ最近はカジュアルに楽しめるようなコンテンツも増えている印象がありますね。
山本氏:
気軽に楽しめるコンテンツや4人用のダンジョンなどは意識的に追加していて,ほぼ毎月新規ダンジョンを実装するなど,矢継ぎ早にコンテンツを増やしている状況です。
また,昨年12月に「ソウルブースト」というキャラクターの成長に合わせてアイテムを支給するシステムも導入しているので,手軽にキャラクターを育成してどんどん新しいダンジョンに挑戦していくのが,現在の「ブレイドアンドソウル」の主流な遊び方になっています。
4Gamer:
なるほど。新規や復帰者にとっては,8周年のイベントやキャンペーンもありますし,今こそ遊ぶタイミングと言えそうですね。
山本氏:
この記事が掲載されるころには8周年のイベントが開催されていますので,ぜひ参加して豪華な報酬を入手してください。
4Gamer:
オススメのイベントなどはありますか。
山本氏:
ログインするだけでアイテムがもらえる「エイトプレゼント」に参加しながら,「衣装カスタマイズSNSキャンペーン」にチャレンジしてほしいです。衣装のバリエーションは「ブレイドアンドソウル」の魅力の1つにあげられますが,キャンペーン期間中は衣装のカスタマイズが行える「衣装室」が30日間使い放題になるアイテム「無限の糸玉」をプレゼントしています。「オリンピア」と「オリーブ」,2種類の白い衣装もプレゼントしますので,自由にカスタマイズしてみてください。
4Gamer:
衣装室の使い放題は喜ばれそうです。
山本氏:
あと,8周年に掛けて天下無双の武人集団「八部器才」をフィーチャーしたイベントも行っています。公式サイト内で遊べる「八部器才パズル」などですね。オリジナルのイラストも用意していますので,1年に1度のお祭りを楽しんでもらえると嬉しいです。間違いなく過去最大級の周年イベントになっています。
イベント「八部器才パズル」公式ページ
4Gamer:
ソウルブーストのシーズン1が6月15日までなので,8周年のイベントを楽しみつつ,ソウルブーストも進めておくと良さそうですね。
山本氏:
ソウルブーストは6月15日に報酬をリニューアルしたシーズン2が始まるので,今のうちに少しでも多くの報酬を獲得しておくとお得です。
本作ならではの色褪せぬ魅力と今後の課題
4Gamer:
周年インタビューということで,ちょっと昔話もしたいのですが,山本さんはいつぐらいから「ブレイドアンドソウル」に関わっていたのでしょうか。
サービスを開始する前にカスタマーサポートを統括するような立ち位置で仕事をしていました。なので,「ブレイドアンドソウル」も立ち上げのときから見ています。それからいろいろありまして,直接「ブレイドアンドソウル」に関わるようになったのは,2015年くらいからです。
4Gamer:
「ブレイドアンドソウル」の歴史を,ほぼすべて見ているわけですね。この8年間で忘れられないイベントや出来事はありますか。
山本氏:
そうですね……比武大会,ジャパンチャンピオンシップあたりは思い出深いイベントです。お客様と直接接しながらだったので,大変でしたが,楽しかったイベントでした。
4Gamer:
スポーツライクなPvPで当時盛り上がっていましたよね。2022年現在のPvPの状況はいかがでしょうか?
山本氏:
最近はPvEコンテンツの拡充がメインだったので,大会を催していたころに比べると控えめになっています。これはお客様から指摘されることもありまして,実は今年4月から「戦場アドバイスキャンペーン」を行い,プレイヤーの皆さんからアイデアを募っていました。5月18日からは,皆さんから集めたアドバイスをもとに戦場に挑戦するプレイヤーを応援するイベント「いざ戦場へ」を実施していますので,PvPに興味がある方はぜひご参加ください。
イベント「いざ戦場へ」公式ページ
4Gamer:
今まさに土台作りの最中ということですね。
山本氏:
お客様からのご意見にはしっかりと目を通して,韓国本社の開発を通す関係でどうしても遅くなりますが,実現可能なものはできるだけ早く実現すべく動いています。ちなみに,PvP関連はまだテコ入れをする予定で,早ければ7月にも調整できたらと考えています。
4Gamer:
分かりました。PvEとPvPどちらも本作には欠かせない要素だと思いますが,山本さんから見た「ブレイドアンドソウル」の良いところはどこだとお考えでしょうか。
山本氏:
ビジュアルの良さとキャラクターカスタマイズの豊富さは本作ならではだと思います。スマホ向けのタイトルを含めて新作のMMORPGはその後も少なからず世に出ていますが,「ブレイドアンドソウル」のビジュアルは今なおトップクラスのクオリティだと自負しています。
4Gamer:
パラメータを気にせず,好きな衣装で戦えるのも魅力ですよね。
山本氏:
アバター性の高さは「ブレイドアンドソウル」の大きな魅力です。あとはやっぱりスピード感のあるバトルでしょう。0.5秒だけ回避できるスキルなどもあり,コンマ何秒のやり取りが勝敗を分けるようなバトルは本当に面白い。操作難度が高いと言われることもありますが,自分がうまくなっていく感覚を実感できる良いバトルシステムに仕上がっていると思います。
4Gamer:
良いところは,サービス開始当初から今も変わらずといった感じですが,逆に現在課題になっていることがあれば教えていただけますか。
山本氏:
冒頭で大きな変化があったとお話ししましたが,それに関連して,アイテムの進化方式や材料の入手状況も変わりました。お客様から「ゲーム内通貨の供給はもう少し増やしたほうがいいのでは」といった問い合わせが多く寄せられています。
4Gamer:
どのような改善策を考えているのでしょうか。
山本氏:
5月18日に改善を狙ったアップデートとして,「ウィークリーチャレンジ」の報酬としてゲーム内通貨を入手できるように調整しました。ほかにも主要なデイリークエストの報酬を1.5倍から2倍に増やしましたので,これまでと同じように遊んでいるだけで収入が増えるようになっているはずです。
4Gamer:
なるほど。課題としているということは,それで改善が終わったというわけではないんですね?
山本氏:
はい。8周年直前のタイミングで「ユーザーアンケート」を実施した際にも,ゲーム内通貨などの材料不足とエンドコンテンツに関することが,プレイヤーの皆さんから問題視されていました。
これまで,一週間に一回だけチャレンジできる12人用のダンジョンがPvEのエンドコンテンツとして機能していました。メンバー内で攻略法を模索しながら,数か月を掛けてクリアを目指すイメージです。
ただ,この12人用ダンジョンは長く追加されていない状況で,開発陣もエンドコンテンツ不足と認識しているようです。サービスチームとしても何か手はないかと考えている最中で……具体策の提示はもうしばらくお待ちください。
8周年以降もアップデートが盛りだくさん。9月には新職業も
4Gamer:
お話いただける範囲で,8周年以降の展開についても教えてください。今年3月に「エピック12幕〜幕間〜」アップデートがありましたが,エピック12幕の1章はいつごろ始まりそうですか。
エピッククエストは毎年1つ追加されるのがお決まりのペースになっていたのですが,昨年はUnreal Engine 4のアップデートの関係で遅れて,“幕間”の実装が今年3月になってしまったんです。なので,12幕の1章は来年の実装になりそうです。
4Gamer:
5幕から11幕で物語の第2部が終わり,12幕から新しい物語になるとのことで,期待している人も多いと思います。
山本氏:
ゲーム内のマップを見るとモヤがかかって見えていない大陸があると思いますが,12幕では新しい大陸での冒険を予定しています。
4Gamer:
期待しています。
山本氏:
連続して追加しているダンジョンコンテンツは,6月にソロ用のダンジョンを追加して一区切りで,次は,9月からまた連続してダンジョンをいくつか増やしていく予定です。
4Gamer:
7月と8月には,何かアップデート予定はあるのでしょうか?
山本氏:
もちろん何らかのアップデートは行いますが,ここではお楽しみにということでお願いします。また,毎年恒例になっている新職業ですが,今年も追加します。
4Gamer:
直近で見ると2020年9月に「宙導士」,2021年9月に「双剣術士」が実装されているので,今年も9月に?
山本氏:
はい。9月に実装できると思います。ほかにも,具体的な日時は未定ですが,今年の下半期には門派(いわゆるギルドのようなコミュニティ)のメンバーで挑戦するコンテンツの実装も考えています。
4Gamer:
門派用コンテンツですか。「ブレイドアンドソウル」ではもしかして初めてじゃないですか?
山本氏:
門派に入ることによるさまざまな特典はありましたが,門派用レイドとか門派用ダンジョンといったコンテンツは今までありませんでしたね。まだ具体的な内容までは明かせないのですが,ここにきてようやく専用コンテンツをお披露目できそうです。エンドコンテンツの1つにもできるかなと,サービスチーム内でも期待しているところです。
4Gamer:
お話を聞く限り,9周年に向けてまだまだ面白いアップデートが続いていくようで安心しました。エヌシージャパンのタイトルは長寿と言いますか,長期運営を続けているものが多いので,本作もやはり長く続けていくことを意識しているのでしょうか。
山本氏:
もちろんです。「リネージュ」が今年で20周年を迎えましたが,開発のNCSOFTも含めて長くサービスを続けていくことを重要視しています。目先のことに捕らわれず,長期的に考えて後々問題になるようなものは安易に入れないこと。そうした意識を持っているからこそ,長く続けていけるのかなと。「サービスが終わらない」ことこそが,お客様に対する最大のサービスだと考えていますので。
4Gamer:
分かりました。それでは最後にファンへのメッセージをお願いします。
山本氏:
「ブレイドアンドソウル」は常に変化を続けていくタイトルです。8周年を迎える長いサービスになりましたが,昨年大きな変化があったように,新鮮な気持ちでプレイできるコンテンツを用意し,同時にプレイヤーの皆さんが不満を感じているところはすぐさま修正できるよう,これからも運営を続けてまいります。
4Gamer:
本日は,ありがとうございました。
「ブレイドアンドソウル」公式サイト
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