プレイレポート
Xbox 360版よりはWii版「バイオ4」に近い? 「デッドライジング ゾンビのいけにえ」先行体験会のレポートを掲載
本作の主人公フランク・ウエストはフリーのジャーナリストで,「今,ウィラメッテが事件らしい」という情報をキャッチし,カメラ一つを持ってアメリカ・コロラド州のウィラメッテという街に乗り込んだのだった。
ヘリで街を訪れてみると,なんだか様子がおかしい。街の中心にあるショッピングモールを見て事態異常さを察知したフランクは,単身で潜入することに。モールに降り立ってみると,そこはゾンビだらけの地獄絵図。フランクは果たして迎えのヘリが来る3日後(72時間後)まで生き残れるのだろうか――というのが,おおまかなプロローグである。
本作のプロデューサーの中井 実氏によれば,なぜWiiでリメイクしたのかについて,「バイオハザード4 Wii edition」の操作システムを使って何か新しいタイトルを作るというのが出発点で,最終的に選ばれたのが「デッドライジング」だったという。単なる移植ではなく,操作体系に合わせて一から作り直したため,ゲーム性はがらりと変わっているとのこと。視点も「バイオハザード4 Wii edition」同様,キャラクターの背中越しのビハインドカメラ視点となっている。
一番の違いは“カメラでスクープ写真を撮る”という表向きの目的が基本的に省略されたこと。本作では,ショッピングモールの各所にいる生存者を救出するというミッションをクリアしていくことでストーリーが進み,ゾンビ発生事件の謎に迫っていくという形になる。
Xbox 360版では,ゲームプレイ中に時間が経過し続け,時間軸に沿ってイベントが発生していたが,Wii版では基本的にミッションをクリアすると次のミッションが出現するという,ミッションクリア方式へと変更された。なおWii版の時間の経過はミッション中のみで,ミッションとミッションのインターバルでは時間が経過しないようになっている。
本作では,ゾンビを倒したり生存者を救出したりすることで,PP(Prestige Point)というポイントが溜まっていく。PPを溜めると主人公フランクのレベルが上がり,持てるアイテムの数が増えたりサブウエポンの攻撃力/耐久力が上がったりと,どんどん強くなるわけだ。Xbox 360版では,スクープ写真を撮ることでもPPがたまったのだが,前述のとおりWii版では写真撮影の要素は省略されている。その代わり,ゲーム内のミニゲームでPPを溜められるようになった。
武器はメインウエポン/サブウエポンの2種類。銃などのメイン武器は,WiiリモコンのBボタンを押すと武器を構え,Bボタンを押したままAボタンを押すと攻撃する。照準はWiiリモコンのポインティングで行う。なお,Bボタンを押して構えた状態で十字キーを押すと,装備武器の変更やメイン武器のリロードができる。武器を構えた状態でWiiリモコンを振ってもリロードは可能だ。
これらサブウエポンの攻撃は基本的にAボタンで行うのだが,Wiiリモコンを振ることで“強”攻撃を出せる。また,アイテムによってはWiiリモコンを振ってゲージを溜めることで強攻撃を繰り出せるものもある。
中井氏は,Wiiリモコンを振るのがおっくうになってしまうようでは本末転倒なので,「Wiiリモコンを“振らされる”のではなく“振りたい”と思えるようなもの」が本作のコンセプトであると語っていた。そのため,ゾンビを振り払うときにWiiリモコンを振る回数も,意図的に少なくしたとのことだ(実際,数回Wiiリモコンを振るだけで済む)。
また,Wii版で追加されたゾンビプードルやゾンビインコといった新クリーチャーは,動きが速くやっかいな敵だ。ただ,武器の照準はWiiリモコンによるポインティングで直感的に行えるので,攻撃が間に合わないというほどではなく,よりスリリングな戦闘が味わえると思う。
そのほかWii版では,ストーリー進行の特定タイミングでセーブできるようになったり,セーブポイントが複数あってリトライをしやすくなったりと,よりプレイヤーに優しい設計になっている。
発売日の2月19日まであと2週間弱と迫った「デッドライジング ゾンビのいけにえ」は,Xbox 360版のグラフィックスには及ばないものの,今回のレポートで紹介したように,ゲームシステムに大幅な変更が加えられており,Xbox 360版とは別のゲームとして楽しめそうだ。Xbox 360版の単なる移植だと思っていると痛い目(?)を見るかもしれない。
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