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[TGS 2009]現代に甦る黙示録の世界。「DARKSIDERS 〜審判の時〜」のディレクターは日本製アニメ,マンガ,ゲームの大ファンだった!
「Darksiders」は,テキサスのデベロッパであるVigil Gamesが開発し,北米ではTHQがパブリッシングを予定している三人称視点のアクションゲームだ。9月24日に掲載した記事でもお伝えしたように,日本国内ではTHQの販売パートナーとなったKONAMIがリリースをする予定。発売日や価格などは未定だが,北米では2010年1月の発売を目指して開発が続けられている。
デベロッパのVigil GamesはTHQ傘下のスタジオで,本作以外のビッグバジェットのタイトルとしては,とくにPCゲーマーにとっていささか気になる「Warhammer 40,000 Online」を制作中だ。
さて,東京ゲームショウ2009(以下,TGS 2009)では,THQとの提携第一弾タイトルとしてそんなDarksidersがプレイアブルで展示されていたのだ。日本向けのタイトルは既報のとおり「DARKSIDERS 〜審判の時〜」(PlayStation 3/Xbox 360 以下,DARKSIDERS)となった。
そして今回,TGS 2009の開催を機にVigil Gamesのファウンダーの一人であるジョー・マデュレイラ(Joe Madureira)氏が来日し,メディアの質問に答えてくれたのである。
マデュレイラ氏はもともと,「Uncanny X-Men」「Battle Chasers」「The Ultimates 3」などを手がけた有名なアメコミ作家だ。独自のアートワークはアメコミ界に新風を吹き込んだとされているが,同氏によれば,それは日本のマンガやアニメに強い影響を受けた結果とのこと。ニューヨークにある日本の書店に通い,内容は分からないながら,たくさんのマンガを買い集めたこともあるという。そんなマデュレイラ氏だけに,DARKSIDERSも日本のゲームとは切っても切り離せない関係にある……といった話が聞けたのだ。
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。TGS 2009の印象はいかがですか?
マデュレイラ氏:
たくさんの人が来ていて,すごいですね。KONAMIのブースに行って,お客さんがDARKSIDERSをプレイしているのを見ましたが,我々の作ったゲームを日本のゲームファンがプレイしてくれる光景をとても光栄に感じました。それから,コスプレの人が多いのが印象的ですね(笑)。
4Gamer:
日本のゲームファンの印象はどうですか?
マデュレイラ氏:
そうですね。女の人が多いことがちょっと驚きです。それに,皆さんゲームが上手ですね。アメリカではどうしても男性の遊びと思われてしまうゲームですが,日本ではゲームがカルチャーの中にしっかり組み入れられていると感じます。
4Gamer:
ところで,もともと有名なアメコミ作家だった人が,どうしてゲームを作ろうと思ったんでしょうか?
マデュレイラ氏:
ゲームが好きで,前からゲームを作りたかったから……じゃ,ダメですか。
4Gamer:
とはいえ,そのために会社(Vigil Games)を作ってしまうというのは,なかなかできることではないような気も。
マデュレイラ氏:
4Gamer:
DARKSIDERSでは,クリエイティブディレクターを担当しておられますが,それは具体的にどういうお仕事なんですか?
マデュレイラ氏:
なんでもやりますよ。アートワークからキャラクターデザイン,プレイフィールの調整やゲームシステム……。ただ,プロジェクトの規模が大きくなってきたので,すべてを一人でやるというわけではありませんけどね。あとはストーリーですとか。
4Gamer:
ゲームのバックストーリーをちょっと教えていただけますか?
マデュレイラ氏:
いいですよ。まず,「審判の日」がきて現代社会は壊滅します。プレイヤーは,「ヨハネの黙示録」に出てくる四騎士の一人“War”として世界を崩壊させますが,やがて彼はこの破壊が時期尚早だったことを知ります。いったい何が起きたのか? この出来事の背後には何があるのかと突き止めるために彼は戦うことになります。
基本的に本作は,ポストアポカリプスを描いた三人称のアクションゲームというわけです。
4Gamer:
なんとなくアメコミっぽいですね。ところで,そういうアイデアはどこから得られるんですか?
マデュレイラ氏:
全然分かりません。どっからなんでしょうね。ただ,DARKSIDERSに関していえば,車で走っているときに思いつきました。で,そのまま友達に電話をかけて「なあ,現代社会に黙示録の騎士が復活したら面白くないかい?」みたいな感じで話が始まりました。
4Gamer:
運転中に思いついちゃったわけですか。へえ。ところで,簡単でいいので,ゲームの特徴を教えてください。
マデュレイラ氏:
これらの武器はアップグレードが可能で,アップグレードには,敵を倒して得られる「魂(ソウル)」を使います。敵として登場するのは天使と悪魔,そしてゾンビのようになってしまった人間達です。
4Gamer:
巨大なボスキャラなども登場するようですが。
マデュレイラ氏:
ええ,すごく大きな黒いドラゴ……いやまあ,それはプレイしてのお楽しみに。
4Gamer:
マップはリニアですか。それともオープンエンド?
マデュレイラ氏:
ああ,それから謎解き要素も多いですよ。Warは走ったり飛んだり登ったりといろいろなアクションをこなしますので,それらを使って行けそうにない場所へ行ったり,アイテムを入手したり。
また,アップグレード以外に,「アイテム集め」の要素もありますから,アクションゲームとはいえ,RPG的な雰囲気もかなり強いかもしれません。
アイテム集めは,例えば,世界に散らばってしまった10個のアーマーパーツを集めると強力な防具になるといった具合です。また,愛馬“RUIN”も最初から使えるわけではなくて,ミッションをクリアしなければなりません。もともと日本のRPGを面白いと思っていたので,そういう楽しみ方をDARKSIDERSにも加えたかったのです。
4Gamer:
なるほど。とすると,影響を受けた日本のゲームというのは何かありますか?
マデュレイラ氏:
DARKSIDERSについて,何かのタイトルをとくに意識したということはありません。ですが,日本のゲームを昔からずっと遊んでいましたので,間接的にはさまざまなタイトルの影響を受けているといえるかもしれません。
4Gamer:
どういった作品がお好きなんですか?
マデュレイラ氏:
4Gamer:
いっそのこと,悪魔城ドラキュラシリーズの最新作をVigil Gamesが作るというのはどうでしょうね。“どうでしょうね”と言われても困るでしょうけど。
マデュレイラ氏:
うわ,そりゃすごい! 任せてください。全力を挙げていいものを作りますよ。
4Gamer:
では,最後に読者にメッセージをお願いします。
マデュレイラ氏:
はい。日本のマンガやアニメ,そしてゲームが大好きな私にとって,日本の人に向けてゲームを出すのは一つの大きな夢でした。その夢が叶って大変嬉しく思っています。ぜひプレイしてください。
4Gamer:
本日はどうもありがとうございました。ところで,日本語のほうはいかがです。分かったほうが,今後いろいろと便利そうじゃないですか。
マデュレイラ氏:
そうなんですが,てんでダメですね(笑)。でもアニメを見て,なんとか日本語を三つだけ覚えました。まずは(日本語で)「なんですか?」。
4Gamer:
ほほう。
マデュレイラ氏:
「やめろ!」
4Gamer:
……。
マデュレイラ氏:
「くそー!」
4Gamer:
あんまり使いどころがなさそうですねえ。
日本のゲーム,アニメ,マンガ,そしてオタク文化などについて,確実に筆者より詳しいマデュレイラ氏だが,実は初来日。インタビューを行ったのは9月26日の午後だったが,きつかったスケジュールもこれで終わるので,これから生まれて初めて秋葉原に出かけるとのこと。「お金を使いまくってきますよ」と笑顔で語っていた。また,オフィスの机にはアニメ/ゲームのフィギュアが並び,二人のお子さん(女の子)は「NARUTO -ナルト-」の大ファンであるという,いろんな意味で筋金入りである。
ユニークな世界観と爽快なアクションを特徴とするDARKSIDERSについては,上述したように今のところ発売日,価格などは発表されていないが,KONAMIから新しい情報が入り次第お伝えしていきたいと思っている。
取材/撮影協力:トニーローマ 幕張WBG店
- 関連タイトル:
DARKSIDERS 〜審判の時〜
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