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印刷2009/10/29 20:08

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NVIDIA,開発者向けのOpenCLセミナーを開催(速報版)

画像集#002のサムネイル/NVIDIA,開発者向けのOpenCLセミナーを開催(速報版)
 2009年10月29日,NVIDIAは東京・秋葉原の秋葉原ダイビルで,ソフトウェア開発者を対象としたOpenCL(Open Computing Language)解説イベント,「OpenCL seminar〜GPUコンピューティングがもたらすもの〜」を開催した。技術面に振った詳報は日をあらためてお伝えするとして,本稿では,その概要を速報としてお伝えしたい。


GPUコンピューティングの選択肢を広げるOpenCL


杉本博史氏(エヌビディア・ジャパン ディレクター)
画像集#003のサムネイル/NVIDIA,開発者向けのOpenCLセミナーを開催(速報版)
 イベントでは,エヌビディア・ジャパンの杉本博史氏が,「『NVIDIAがOpenCLをやるの? CUDAじゃないの?』と思っているかもしれないが,NVIDIAは,GPUコンピューティング全体を推進している」と挨拶。GPUコンピューティングの選択肢を広げる存在として,OpenCLを強力にサポートするとアピールした。

 「NVIDIAは,CUDAに2年半取り組んできた。バージョンはもうすぐ3.0になる。その間,機能の追加や性能の引き上げを実現してきたが,OpenCLはまだ1.0。これから機能の追加や性能の引き上げが行われていくだろう。(CUDAでもOpenCLでも)使いたいツールを使って,GPUコンピューティングの恩恵を受けてほしい」(杉本氏)

OpenCLを策定するKhronos Groupには,NVIDIAから多数のスタッフが関わっており,OpenCL策定グループの議長も同社のNeal Travett氏であることや,NVIDIAの社内に,OpenCLの選任チームがあることなども紹介された
画像集#004のサムネイル/NVIDIA,開発者向けのOpenCLセミナーを開催(速報版)
 GPUコンピューティングのための開発環境として,CUDAとOpenCLの親和性は非常に高く,「CUDA C言語で開発したアプリケーションをOpenCLで実行する」こともできるほど。実際のところ,見方によっては両者はほとんど同じようなものだが,そのなかでも,CUDAが最新の仕様をいち早くサポートし,その後,Khronos Group(以下,Khronos)のワーキンググループで“揉んで”,必要なものが取捨選択されたうえで,OpenCLにも取り込まれていくというイメージだろうか。

 独自仕様だが,最先端のGPUコンピューティング仕様だというメリットがCUDAにはある。だから,そこに魅力を感じるのであればCUDAを使えばいいし,標準化された,オープンなAPI(Application Program Interface。あるソフトウェアを開発するときに利用可能な命令や関数を集めたもの)を使いたいのであればOpenCLを使えばいいというのが,NVIDIAのスタンスというわけだ。

河西 仁氏(Khronos Group 日本担当ビジネスマネージャ)
画像集#005のサムネイル/NVIDIA,開発者向けのOpenCLセミナーを開催(速報版)
 OpenCLの概要については,同APIを策定したKhronosの河西 仁氏が説明した。
 氏は,一つのプラットフォーム上に,CPUとGPUが混在する状況が増えてきていること,その両方を区別することなく同時に使っていくことで,処理の効率化が期待できることを指摘。そのうえで,「各企業が,それぞれ別個に用意している開発環境だと,別の環境では使いにくい。この問題を解決できる,『特定のベンダーにこだわらない,共通のフレームワーク』を作ろうと,Appleから提唱されたのが,OpenCLだ」と位置づける。

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「CPUとGPUを協調して動作させる仕組み」を,特定ベンダーの意向や実装にとらわれない形で実現するのがOpenCL
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OpenCLワーキンググループ参加企業一覧。「シリコンベンダーだけではなく,ゲームデベロッパも参加している」(河西氏)

 Appleからドラフト仕様が出されたのは2008年6月のことで,それから半年後の12月には,バージョン1.0が策定されたOpenCL。現在は,実際に対応ドライバやSDKといったツール群が,AppleやNVIDIA,AMDから提供され,OpenCLを利用できるようになっている状況だ。なお,今後については,「来年のSIGGRAPHまでには,OpenCL 1.1をリリースしたい」(河西氏)との見通しが示されている。

OpenCLの歴史とこれから
画像集#008のサムネイル/NVIDIA,開発者向けのOpenCLセミナーを開催(速報版)

 後日掲載予定の詳報では,OpenCLの詳細,そしてCUDAとの関係性について,踏み込んだ解説を行っていく予定だ。
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