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CM Stormの新型マウス「Mizar」「Alcor」レビュー前編。事実上の「DRTCM37&38後継製品」は買いなのか
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印刷2014/12/22 21:00

レビュー

事実上の「DRTCM37&38後継製品」は買いなのか

CM Storm Mizar,Alcor

Text by BRZRK


Mizar(上),Alcor(下)
メーカー:Cooler Master Technology
問い合わせ先:アユート(販売代理店) marketing-all@aiuto-jp.co.jp
Mizar実勢価格:7600〜8800円程度(※2014年12月22日現在)
Alcor実勢価格:6500〜7000円程度(※2014年12月22日現在)
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 2014年の春に,Cooler Master Technology「CM Storm」ブランドから発表されたゲーマー向けマウス「Mizar」(マイザー)と「Alcor」(アルコー)が,この秋,国内発売となった。かつてのDHARMAPOINTブランドから市場投入された「DRTCM37」「DRTCM38」にそっくりの外観をしたマウスが,ついに国内市場へ登場してきたわけだ。

 Cooler Master Technologyはその類似性を否定しているが(関連記事),エンドユーザーからしてみれば,どこまでそっくりで,果たしてDRTCM37&38からの買い換え先として機能するかのほうが重要だ。今回は,かつてDRTCM37&38の開発に少しだけ関わった筆者が弄り倒して,MizarとAlcorが信用に足るのかどうかを検証してみたいと思う。


DRTCM37&38とは異なり,明確にMizarが上位モデル

Alcorはいろいろ削られている


 DRTCM37&38がそうであったように,形状がそっくりのMizarとAlcorも,右手用のワイヤードマウスだ。Mizarがレーザーセンサー搭載モデル,Alcorが光学センサー搭載モデルだ。

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上段はMizar,下段はAlcorと,「DRTCM38BL」を並べて比較したもの。ご覧のとおり,ほぼ同じと言っていいほどよく似ている
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 そんな4製品の主なスペックは下のにまとめたとおり。MizarとAlcorのスペックは「未公開」というのが多いのだが,搭載されるセンサーがDRTCM37&38と同じことから,推測できるところは( )付きで記載している。

表 MizarとAlcor,DRTCM37&38の主なスペック
Mizar DRTCM38 Alcor DRTCM37
接続インタフェース ワイヤード ワイヤード ワイヤード ワイヤード
持ち手 右手用 右手用 右手用 右手用
ボタン 左右メイン,センタークリック機能付きスクロールホイール,スクロールホイール手前×2,左サイド×2,右サイド×2 左右メイン,センタークリック機能付きスクロールホイール,スクロールホイール手前×1,左サイド×2 左右メイン,センタークリック機能付きスクロールホイール,スクロールホイール手前×2,左サイド×2,右サイド×2 左右メイン,センタークリック機能付きスクロールホイール,スクロールホイール手前×1,左サイド×2
搭載センサー PixArt ImagingADNS-9800 PixArt ImagingADNS-9800 PixArt ImagingADNS-3090 PixArt ImagingADNS-3090
最大トラッキング速度 未公開(おそらく150IPS) 150IPS(≒3.81m/s) 60IPS(≒1.52m/s) 60IPS(≒1.52m/s)
最大加速度 未公開(おそらく30G) 30G 20G 20G
フレームレート 未公開(おそらく12000fps) 12000fps 未公開(おそらく6400fps) 6400fps
画像処理能力 未公開(おそらく10.8Mpixels/s) 未公開(おそらく10.8Mpixels/s) 未公開(おそらく5.8Mpixels/s) 未公開(おそらく5.8Mpixels/s)
DPI/CPI設定 200〜8200 DPI(※100 DPI刻み) 200〜8200 CPI(※1 CPI刻み) 400〜4000 DPI(※ファームウェアによる) 400〜3500 DPI(※1 CPI刻み,一部エミュレーション)
USBレポートレート(ポーリングレート) 100/111/125/142/166/200/250/300/500/1000Hz 125/142/166/200/250/333/500/1000Hz 125Hz 125/142/166/200/250/333/500/1000Hz
データ転送フォーマット 未公開 16bit 未公開 16bit
リフトオフディスタンス 未公開(※おそらく1mm) 可変(※設定可能) ファームウェアによる 可変(※設定可能)
設定内容保存用フラッシュメモリ 内蔵 内蔵 内蔵 内蔵
実測本体サイズ 68.0(W)×124.8(D)×40.2(H)mm 68.0(W)×124.8(D)×40.2(H)mm 68.0(W)×124.8(D)×40.2(H)mm 68.0(W)×124.8(D)×40.2(H)mm
実測総重量※ 約120g 約127.5g 約120g 約129.5g
実測本体重量※ 約86g 約89g 約86g 約91g
マウスソール 未公開 PTFE 未公開 PTFE
ケーブル長 約2.0m 約1.7m 約2.0m 約1.7m
※総重量はケーブル含む値。本体重量はケーブルを取り外した後の値

左から順にMizar,DRTCM38BL,Alcor。ちょっと分かりにくいかもしれないが,センサーの位置が前寄りだったDRTCM38BLに対し,Cooler Master Gamingの2製品は中央寄りに回帰している
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 本体サイズは完全に同じで,重量は若干軽い。そしてスクロールホイール手前側のボタン数は多いというのが,旧DHARMAPOINTのマウスに対するMizarとAlcorのスペック面における違いということになる。
 ただそれだけに,AlcorでUSBレポートレート(ポーリングレート)が125Hzに固定されている点は気を付けておくべきだと思う。Cooler Masterの発表だとAlcorのUSBレポートレートは1000Hzなので,どういう理由なのかは分からないが,複数の個体でこの結果を確認できたので,少なくとも2014年12月初旬時点のファームウェアでは125Hz固定だと理解しておいてもらえれば幸いだ。

 MizarとAlcorの外観について述べると,Mizarでは本体左右側面に滑り止め用のラバーが貼られているのに対し,Alcorにはそれがない。MizarのスクロールホイールにはLEDの発光ギミックがあるのに,Alcorにはやはりないという違いがある。
 DRTCM37とDRTCM38は「同じ製品ランクで,センサーが異なる」というものだったが,MizarとAlcorでは前者が上位モデル,後者が下位モデルという印象を強く受ける。

上段,下段とも左から順にMizar,Alcor,DRTCM38BL。Mizarにだけ,本体両側面の滑り止めラバーが用意されている。スクロールホイール部のLEDがあるのもMizarだけだ
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 左右メインボタンはセパレートタイプを採用。人差し指と中指を置く部分はごくわずかに凹んだ形状となっており,自然とベストポジションに指を配置できる。
 スクロールホイールは幅が実測約7.3mmで,幅約5mmのラバーが中央にぐるりとホイールを一周するように取り付けられている。このラバーには滑り止めとして,幅約1mm長さ3mmの突起が1mm間隔で2列あり,指先での操作を快適に行えるようになっていた。センタークリックは適度な硬さで押下でき,押し返しも適切な硬さだ。

左から順にMizar,Alcor,DRTCM38BL。左右メインボタンの凹み方もそっくりだが,ホイールには違いが見て取れる
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 左側面にあるサイドボタンは,上面部の左メインボタンと上面カバーとの溝に沿うように配置されている。本体奥側(=左右メインボタン側)のボタンは全長が19mm,本体手前側(=後側)は28mmで,幅は8mmあった。

ケーブルはMizarが布巻タイプでAlcorはビニール皮膜タイプ。こんなとこでも差別化されているが,どちらも太さは3mmで,とくに引っ張られる感じもなく馴染みやすい
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DRTCM37&38と持ちやすさは変わらず

あえていえばMizarはグリップが良好


 以上,DRTCM37&38と“かなり同じ”なMizarとAlcorだが,それだけに,当然のことながら,握ったときのフィーリングはDRTCM37&38と変わらず,端的に述べてとても持ちやすい。あえて違いを指摘するならば,側面にラバーが貼られているMizarが持ちやすさでは一段上だが,別にAlcorが特別にグリップ力で劣るということはない。
 実際に握ってみた印象は,以下,写真とともに短評でまとめてみたので,参考にしてほしい。

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「つまみ持ち」の例。親指と薬指と小指を両側面のくびれた位置に配置すると非常に持ちやすい
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「つかみ持ち」の例。側面に配置する指は,くびれた部分よりも奥側(=左右メインボタン側)に配置するとグッドだ
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「かぶせ持ち」の例。マウス本体に対し,手を少し斜めから持つようにすると小指の位置が定まり,持ちやすくなる
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筆者独自の持ち方である「BRZRK持ち」の例。小指と薬指をくびれより手前側(=マウス後方側)に配置すると持ちやすい

 いや,それにしても,本当に握った印象は同じであり,驚いた。「そのまんま」という言葉がこれほど適切なケースは滅多にないだろう。


細かな設定が可能なのはMizarのみ

Alcorは非常にユニークな仕様を採用


 MizarとAlcorは,DRTCM37&38と同じくWindowsのクラスドライバで動作するので,いわゆるドライバレス仕様のマウスということになる。しかし,その能力をフルに使い切るためには,Cooler Master Gamingのサポートページから入手できる専用のソフトウェアとファームウェアを入れておく必要がある。

 ……と書くと,両製品に対して専用ソフトウェアが用意されているように思うかもしれないが,実のところ,専用ソフトによる細かな設定が可能なのはMizarのみ。Alcorでは,「特定のゲームジャンルに向けたファームウェア」の入れ替えによって,最低限のカスタマイズを行えるという,妙な方式が採用されている。

 というわけで,Mizarでのみ利用可能な設定用ソフトウェア「Mizar Software」を見てみよう。下に示したのは,設定ソフトウェア起動直後のスクリーンショットで,上部には「メインコントロール」「プロパティ」「マクロ」「ゲームプロファイル」「ライブラリ」「サポート」という6つのタブから,メインコントロールが開いた状態になっている。6つあるタブから,設定したい項目を選んで調整していくという,よくあるデザインだ。

Mizar Softwareというそのままな名称の設定用ソフトウェアを開いたところ。ウインドウ中央の広い部分がタブごとの設定項目となっており,ウインドウ下部の1段はプロファイル切り替え用のボタンで,タブを切り替えても変わらないため,「いまどのプロファイルに対して設定を行っているか」が一目で分かるため,地味に便利だ
画像集#026のサムネイル/CM Stormの新型マウス「Mizar」「Alcor」レビュー前編。事実上の「DRTCM37&38後継製品」は買いなのか

 そのほかの項目はスクリーンショットとキャプションでまとめたので,参考にしてもらえればと思う。

画像集#027のサムネイル/CM Stormの新型マウス「Mizar」「Alcor」レビュー前編。事実上の「DRTCM37&38後継製品」は買いなのか
プロパティではDPI設定だけでなく,10段階で設定可能なポーリングレート,さらにLEDイルミネーションの設定,直線補正の有無を調整可能
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マクロに用意されたマクロ機能は,ゲーマー向けマウスにおける標準的なものといった感じ。使い方の難度も標準的だ
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ゲームプロファイルでは,複数のプロファイルから,Mizarに保存する4つを選択することが可能
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一見分かりにくいが,ライブラリでは,作成したマクロをプロファイルに組み込んだり,ボタンに割り振ったりできる
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サポートでは,使用しているファームウェアのバージョン確認と,英語サポートサイトへのジャンプができる

 Mizar Softwareは,日本語化されているうえに細かいところまで設定でき,見た目もごちゃごちゃしていないため,初心者から上級者まで安心して扱える印象だ。マクロも含めて(OSと連動する項目以外では)すべての設定内容をプロファイルとしてMizarに保存できるため,プロファイルごとに,マウス側のボタンへプロファイル切り替えを割り当てておけば,Mizar SoftwareがインストールされていないPCでも,すぐに設定した状態で使えるのはいい。
 個人的に面白かったのはやたらと細かなポーリングレート設定だったが,なぜこんなことになっているのか,Cooler Master Gamingはとくに説明していない。

プロパティタブの「LED色」から選択できる7色を切り替えてみたところ。左から順に赤,白,黄,緑,青,水,紫だが,黄と緑,青と紫の違いは微妙だ
画像集#042のサムネイル/CM Stormの新型マウス「Mizar」「Alcor」レビュー前編。事実上の「DRTCM37&38後継製品」は買いなのか

Alcorの製品情報ページからファームウェアは入手できる
画像集#032のサムネイル/CM Stormの新型マウス「Mizar」「Alcor」レビュー前編。事実上の「DRTCM37&38後継製品」は買いなのか
 次にAlcorだが,前述したとおり,設定したい場合は,Cooler Master GamingのAlcor製品情報ページに複数用意されているファームウェアをダウンロードして,適宜,導入することになる。12月中旬時点の選択肢は「FPS」「FPS 8ms」「RTS/MMO」「RTS/MMO 8ms」「Original」の5パターンで,リフトオフディスタンスがOriginalだと4.4mm未満のところがそれ以外では1.7mm未満になっていたり,FPSだとDPI設定が400/800/1600/2000の四択となるところがMMO/RTSだと400/800/2000/4000になるといった違いはある。
 前述のとおり,「8ms」表記の有無にかかわらず,レポートレートは125Hz(=8ms)固定なので,正直,「8ms」表記の有無が意味するところはよく分からない。

Alcorではファームウェアごと,DPI設定ごとに,LEDイルミネーションの色が変わる。写真はRTS/MMO用ファームウェアを使って色の違いを見たところで,左から400DPI(青緑),800DPI(橙),2000DPI(紫),4000DPI(白)だ。Mizarよりは違いが分かりやすい
画像集#043のサムネイル/CM Stormの新型マウス「Mizar」「Alcor」レビュー前編。事実上の「DRTCM37&38後継製品」は買いなのか

 説明がないので分かりにくいのだが,分かる範囲で紹介しておくと,Originalを使うメリットはあまりないので,FPSかRTS/MMOを選んでおくといいのではなかろうか。本稿では以下,「FPS」を使ってテストを行っていく


Mizarのセンサー性能は優秀

一方のAlcorは気になる部分が多い


 MizarとAlcorが搭載するセンサーは,いずれもDRTCM37&38に搭載されていたのと同じだ。最近のトレンドからするとやや古めのセンサーだが,定評ある旧Avago Technologies製センサーなので,致命的なことにはなっていない可能性が高いだろう。
 ただし,マウスの読み取り性能というものは,センサーだけで決まるものではない。細かいチューニングが必要で,そこにメーカーの個性が出るのだ。そこで,今回も,リフトオフディスタンスの計測と,ネガティブアクセルの計測を行っていきたい。
 テストに用いたPCの構成とテスト条件は下にまとめたとおりだ。

●テスト環境
  • CPU:Core-i7 4770(定格クロック3.4GHz,最大クロック3.9GHz,4C8T,共有L3キャッシュ容量8MB)
  • マザーボード:GIGA-BYTE TECHNOLOGY GA-Z87X-UD4H(Intel Z87 Express)
    ※マウスのレシーバーはI/Oインタフェース部のUSBポートと直結
  • メインメモリ:PC3-12800 DDR3 SDRAM 8GB×2
  • グラフィックスカード:GIGA-BYTE TECHNOLOGY GV-760OC-2GD(GeForce GTX 760,グラフィックスメモリ容量2GB)
  • ストレージ:SSD(CFD販売「CSSD-S6T128NHG5Q」,Serial ATA 6Gbps,容量128GB)
  • サウンド:オンボード
  • OS:64bit版Windows7 Ultimate+SP1

●Mizarテスト時のマウス設定
  • ファームウェアバージョン:V1.2.0
  • ソフトウェアバージョン:V1.0.8
  • DPI設定:200〜8200 DPI(※主にデフォルト設定の1600 DPIを利用)
  • レポートレート設定:100/111/125/142/166/200/250/300/500/1000Hz(※主にデフォルト設定の1000Hzを利用)
  • Windows側マウス設定「ポインターの速度」:左右中央
  • Windows側マウス設定「ポインターの精度を高める」:無効

●Alcorテスト時のマウス設定
  • ファームウェアバージョン:V2.2.1(FPS version)
  • ソフトウェアバージョン:なし
  • DPI設定:400/800/1600/2000 DPI(※主に800 DPIを利用)
  • レポートレート設定:125Hz
  • Windows側マウス設定「ポインターの速度」:左右中央
  • Windows側マウス設定「ポインターの精度を高める」:無効

 まずはリフトオフディスタンスからだが,今回,新たにSteelSeriesの新製品である布系マウスパッド「SteelSeries DeX」を入れ,代わりに「Razer Sphex」を外したことを,あらかじめお断りしておきたい。
 テストに用いるのは,厚さの異なるステンレスプレートで,これらを重ねながら,カーソルの反応が途絶えるポイントをチェックしている。その結果が下のだ。

表 リフトオフディスタンス検証結果
Mizar Alcor
ARTISAN 隼XSOFT(布系) 1.1mm 2.1mm以上
ARTISAN 疾風SOFT(布系) 1mm 2.1mm以上
ARTISAN 飛燕MID(布系) 0.9mm 2.1mm以上
Logicool G440(プラスチック系) 0.7mm 2.1mm以上
Logicool G240(布系) 0.8mm 2.1mm以上
Razer Destructor 2(プラスチック系) 0.8mm 2.1mm以上
Razer Goliathus Control Edition(布系) 1.1mm 2.1mm以上
Razer Goliathus Speed Edition(布系) 0.9mm 2.1mm以上
Razer Manticor(金属系) 0.8mm 2.1mm以上
SteelSeries 9HD(プラスチック系) 0.8mm 2.1mm以上
SteelSeries DeX(布系) 0.9mm 2.1mm以上
SteelSeries QcK(布系) 1.0mm 2.1mm以上
ZOWIE G-TF Speed Version(布系) 1.1mm 2.1mm以上
ZOWIE Swift(プラスチック系) 0.7mm 2.1mm以上

 Mizarは,おそらくターゲットとなる距離が1mmなのだと思われるが,2mm以下なら合格ラインといえるゲーマー向けマウスのなかにあって,とても良好なチューニングがなされていると断言できる。一方のAlcorは,適用したファームウェアだとリフトオフディスタンスは1.7mmのはずなのだが,すべて2.1mm以上。追加テストしてみると,軒並み4mmで,Originalとされるファームウェアの設定値と大して変わらなかった。露骨なチューニング不足,といった感じだ。

 続いて,「MouseTester」を使ったセンサー性能の検証に入ろう。ここでは,マウスパッドにARTISAN 隼XSOFTを使うこととし,Mizarではレポートレートを最大の1000Hzに設定したうえでDPI設定は800/1600/3200/8200の4段階,レポートレートが125Hz固定のAlcorはDPIを400/800/1600/2000の4段階に切り替えながらテストを行った。

 グラフではY軸のプラス方向が左への移動,マイナス方向が右への移動時におけるそれぞれカウント数,横軸がms(ミリ秒)をそれぞれ示す。青い点が実際のカウント,青い波線はそれを正規化したもので,簡単にいえば,波線が上に乗っかっていればいるほどセンサーの性能が良好だということになる。カーブがプラスからマイナス,あるいはその逆のところでブレているようだと,いわゆるネガティブアクセルが疑われる,といった感じだ。
 それを踏まえたうえで,下のグラフ計8枚をチェックしてほしい。

画像集#033のサムネイル/CM Stormの新型マウス「Mizar」「Alcor」レビュー前編。事実上の「DRTCM37&38後継製品」は買いなのか
Mizar:800DPI設定時。直線部分がややブレているのが気になるが,全体としてはまずまず安定している印象だ
画像集#034のサムネイル/CM Stormの新型マウス「Mizar」「Alcor」レビュー前編。事実上の「DRTCM37&38後継製品」は買いなのか
Mizar:1600DPI設定時。800DPI時に見えた「直線部分のブレ」が少なくなっており,安定している。ただ,加速開始時に若干のブレがあるようだ
画像集#035のサムネイル/CM Stormの新型マウス「Mizar」「Alcor」レビュー前編。事実上の「DRTCM37&38後継製品」は買いなのか
Mizar:3200DPI時設定時。全体としては1600DPI設定時と変わらない印象を受ける
画像集#036のサムネイル/CM Stormの新型マウス「Mizar」「Alcor」レビュー前編。事実上の「DRTCM37&38後継製品」は買いなのか
Mizar:8200DPI設定時。ここでも3200DPI時との違いはまずもって認められない

画像集#037のサムネイル/CM Stormの新型マウス「Mizar」「Alcor」レビュー前編。事実上の「DRTCM37&38後継製品」は買いなのか
Alcor:400DPI時設定時。カーブの部分で青い点のブレが目立つ。直線部分はまずまずだ
画像集#038のサムネイル/CM Stormの新型マウス「Mizar」「Alcor」レビュー前編。事実上の「DRTCM37&38後継製品」は買いなのか
Alcor:800DPI設定時。カーブとその前後における青い点のブレが400DPIより目立つ結果となった
画像集#039のサムネイル/CM Stormの新型マウス「Mizar」「Alcor」レビュー前編。事実上の「DRTCM37&38後継製品」は買いなのか
Alcor:1600DPI設定時。ブレ方は800DPIと変わらない印象だ
画像集#040のサムネイル/CM Stormの新型マウス「Mizar」「Alcor」レビュー前編。事実上の「DRTCM37&38後継製品」は買いなのか
Alcor:2000DPI設定時。1600DPI設定時までと比べるとかなり安定しており,良好な印象となった。ただ,加速開始時のブレは多少認められる

 センサーが異なるので,挙動が異なるのは想像できていたが,ここまでMizarとAlcorに違いがあるとは思わなかった。Mizarは800DPI設定時に若干の不安があるものの,全体的には優秀な結果になったといえるだろう。一方,Alcorは2000DPI設定時に良好であるものの,それ以下では気になるところが目立った。


DRTCM37&38の後継といえるMizar。Alcorは微妙。気になる内部構造は後編で


MizarとAlcorの製品ボックス
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 以上,MizarとAlcorを見てきたが,Mizarの存在は,DRTCM37&38のユーザーを勇気づけるものだといえるだろう。形状はもうそのまんまで,本体左右のラバーによってグリップが強化され,また,センサー性能も上々だ。「どう見てももろパクり」「北米市場における実勢価格が50ドル前後なのに日本では7900〜8800円程度(※2014年12月22日現在)」というあたりをどう判断するかはともかく,DRCTM37&38ユーザーの受け皿として,Mizarには十分な価値があるといえる。
 一方のAlcorは,形状以外のすべてがMizarの劣化版,といった印象だ。ファームウェアが改良されれば,状況は変わってくるかもしれないが,少なくとも現時点では,DRTCM37&38と比較する以前の問題であり,わざわざ選択する価値はない。

 ……と,普段ならここで締めるのだが,本稿でMizarとAlcorの分解を行っていないことに気づいただろうか? いつもは筆者が自分でマウスを分解しているのだが,今回は,スペシャルゲストを招いた「分解セッション」を,別途,お伝えしたいと考えている。
 後編は近日中に掲載する予定なので,お楽しみに。

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CM Stormの新型マウス「Mizar」「Alcor」レビュー後編。スペシャルゲストとともにその内部構造へ迫る


Cooler Master GamingのMizar製品情報ページ

Cooler Master GamingのAlcor製品情報ページ

  • 関連タイトル:

    Cooler Master(旧称:CM Storm)

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