レビュー
これぞ国民的ゲーム。ポケモンと“歩く”だけでも楽しい充実のリメイク作
ポケットモンスター ハートゴールド
「金・銀」が10年ぶりにリメイクされてリリース
9月12日に発売されたニンテンドーDSソフト「ポケットモンスター ハートゴールド」「ポケットモンスター ソウルシルバー」は,「ポケットモンスター(ポケモン)」シリーズの最新作にして,ちょうど10年前の1999年11月21日に発売された「ポケットモンスター 金・銀」のリメイク作品となる。
筆者のようなアラフォーゲーマーには単純に“懐かしいリメイク”,というのが妥当な印象だが,小学生の頃に「金・銀」を初めて遊んだ現在二十歳前後のプレイヤーにとっては,非常に感慨深い作品ではないだろうか。「金・銀」はゲームボーイの時代に国内で730万本以上のセールスを記録したメガヒット作品だが,本作も発売初週の2日間で約140万本を売り切って,しばらくは量販店などでも週末に入荷しても日曜には売り切れてしまうという,「さすが」の人気ぶりを見せている。
10年が経過した作品のリメイク作としては珍しく,当時のグラフィックスの素朴な印象を強く残している本作。基本的には2Dグラフィックスだが,背景の建物など一部に3D表現が採用され,色数などもニンテンドーDSのスペックに応じて増えており,実に丁寧に作り込まれた作品だ。
もちろん最新のポケモンシリーズだけあって,戦闘時の演出もバラエティに富み,数百種類のどのポケモンも表情豊かだ。また先頭にいるポケモンに限っては,主人公の後ろをついて歩き,タッチ操作やAボタンで話しかければ,可愛らしいリアクションを楽しむことができる。ポケモンに愛着が沸くことひとしおだ。
登場ポケモン数百種類! さて,どう捕まえる!?
前者はWi-Fiを介さないワイヤレス通信プレイか,互いの「ともだちコード」の入力が必要だが,後者は欲しいポケモンを提示して,こちらが提供するポケモンを預けておけば(もちろんその逆もOK),全世界のプレイヤーとのトレードが可能だ。よほど無茶な条件を出さなければ,交換相手は意外と簡単に見つかる。GTSにアクセスしたときに,交換成立を現すモンスターボール(ポケモンを入れるどうぐ)が上から落ちてくる演出は本当に嬉しいものだ。また,今回はGTSでの交換が成立したときに,登録したメールアドレスにメールが届くサービスも実装されている。
そのほか,前作の「ダイヤモンド・パール・プラチナ」や,ゲームボーイアドバンス(GBA)ソフトの「ルビー・サファイア・エメラルド」「ファイヤレッド・リーフグリーン」の過去のソフトからポケモンを連れてくることも可能だ。なおGBAソフトと通信する場合,GBAスロットのある初代ニンテンドーDSか,ニンテンドーDS Liteが必要となる。
ポケモンと一緒に歩く歩数計「ポケウォーカー」
今回の「ハートゴールド・ソウルシルバー」の最大の目玉が,ソフトに付属する「ポケウォーカー」だ。歩数計の機能を備えたこの機器は,ゲーム中で捕獲したポケモンを転送して,持って歩いて歩数を重ねることで,さまざまな恩恵を受けられる。かつて「ポケモン金・銀」では,大ヒットした歩数計「ポケットピカチュウカラー」と連動していたが,今回も近年の健康ブームによる歩数計のヒットを,うまくゲームに連動させている形だ。
ポケウォーカーでは,ポケモンを特定のコースに「おでかけ」させられる。歩数を重ねていくとポケウォーカー内の「ワット(w)」がたまっていき,それをソフトに持ち帰ることで,おでかけ先のコースが増えていく。
そのほか,ワットを使ってポケウォーカー内の「ポケトレ」を選べば,コース別のポケモンと簡易バトルが展開。うまくやりとりすればポケモンを捕まえられるという仕組みだ。実はポケトレでは,通常では手に入りにくいポケモンなども入手できるので,「金・銀」の頃とは違ったメンバーで序盤からゲームを進めることもできるのだ。
歩数計としても考えられたポケウォーカー
また,短い衝撃などによって歩数が加算されないよう,歩き始めて数秒間してからカウントが始まる(そのため,歩き始めは歩数が増えず,その後にまとめて歩数が加算される)機能も搭載している。これは近年の歩数計には普通に搭載されている機能で,本機が単なるオマケでないことの証明でもある。
ちなみに筆者は,少し前に仕事で各社の歩数計を検証したのだが,それ以来趣味で持ち歩いているオムロンの歩数計とポケウォーカーを比較してみたところ,約1万歩の計測で1000歩前後の誤差が出た。ポケウォーカーが若干多めに歩数を計測していたが,歩数計はメーカーによってセンサーの感度が異なるため,この程度の誤差は個人的には許容範囲と見ている。
これだけ面白いガジェットが付属して,お値段据え置き(ソフトとセットで4800円)というのだから,品薄にもなるのもうなずけるというもの。ゲームのほうは相変わらずの,気が遠くなるような膨大なデータ量を備えており,見た目よりもずっとマニアックなところまで遊べるようになっている(対戦の奥が深すぎる)。
さらにポケモンとともに競技を行う「ポケスロン」など,いくつかの新要素も追加され,やり込もうと思えば今年いっぱいは余裕で遊べそうなボリュームである。といって,決して取っつきにくい内容ではないので,これをきっかけにディープな「ポケモン道」へと入っていくのもいいだろう。相も変わらず遊びやすく,とことん遊び込めるポケモン最新作の魅力にぜひとも触れてほしい。
- 関連タイトル:
ポケットモンスター ハートゴールド
- 関連タイトル:
ポケットモンスター ソウルシルバー
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(c) 2009 Pokémon. (c) 1995-2009 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc. ポケットモンスター・ポケモン・Pokémonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標です。
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