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新型Kinectは力の入り具合やパンチの速さまで認識可能。日本マイクロソフトの研究開発動向説明会でその実力の一端を披露
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印刷2014/01/27 18:55

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新型Kinectは力の入り具合やパンチの速さまで認識可能。日本マイクロソフトの研究開発動向説明会でその実力の一端を披露

 2014年1月27日,Microsoftの日本法人である日本マイクロソフトは,都内にて同社の研究開発動向に関する報道関係者向け説明会を開催し,同社の技術研究部門「Microsoft Research」の動向説明と,Xbox Oneに付属する新型Kinectを使った動作デモを行った。日本ではいまだ発売日さえ明らかになっていないXbox Oneだが,新型Kinectがどのような認識能力を備えているのかその一端が披露されたので,簡単にレポートしたい。

画像集#002のサムネイル/新型Kinectは力の入り具合やパンチの速さまで認識可能。日本マイクロソフトの研究開発動向説明会でその実力の一端を披露 画像集#003のサムネイル/新型Kinectは力の入り具合やパンチの速さまで認識可能。日本マイクロソフトの研究開発動向説明会でその実力の一端を披露
Xbox One付属の新型Kinect(左)。東京ゲームショウ2013で見た人もいるだろうが,解像度の向上や新しい赤外線センサーの搭載などにより,Xbox 360用Kinectよりもかなり大型化している。背面には空冷用の小型ファンまで付いている


さまざまな先端技術を開発するMicrosoft Research

北京の拠点には日本人研究者が6人在籍


マイクロソフト ディベロップメント代表取締役社長兼日本マイクロソフト業務執行役員最高技術責任者の加治佐俊一氏
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 今回の説明会は,Microsoft Researchの動向と研究事例を紹介するというのが趣旨である。新型Kinectも,その一例として取り上げられたものだ。説明を担当したのは,日本にある開発拠点を統括する,マイクロソフト ディベロップメント代表取締役社長の加治佐俊一氏である。
 ゲームに関わらない話なので簡単にまとめるが,1991年に開設されたMicrosoft Researchは,世界に7つの研究所を持ち,約1100人の研究者を抱える巨大な研究部門であるとのことだ。アジアでは中国北京に「Microsoft Research Asia」があり,日本人研究者も6人が勤務しているという。

 説明会ではここで研究されている技術の例として,スマートフォンや自動車(タクシー)などさまざまなデバイスが備えるセンサーから得られるデータをもとにしたデータの分析と可視化や,スマートフォンの内蔵カメラで人の顔を複数枚撮影し,それをクラウド側で3次元のモデルデータに変換する技術「3D FACE」などが説明された。

Microsoft Researchの組織陣容と,アジア圏の拠点であるMicrosoft Research Asiaに関する説明スライド(左)。右の写真は,Microsoft Research Asiaがある北京で行っている「Urban Computing」の事例で,北京市内の大気汚染状況を集めて可視化したというもの
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 3D FACEでは,画像から頭部の3Dモデルを生成する処理はクラウドサーバーが担当するので,Kinectのカメラを使えばXbox OneやXbox 360でも実現できそうだ。プレイヤーの顔を取り込むゲームというのはすでにいくつもあるが,Kinectとクラウド技術を使えば,よりかっこよく3D化された自分がゲームの中で活躍する,なんてことも可能となるだろう。

3D FACEのデモ映像より。右の男性の周囲を(左),左の男性がゆっくり周りながら,手にしたスマートフォンで撮影していく(中央)。撮影データはクラウドサーバーに送られて,3Dデータに変換されてからスマートフォン側に送られる(右)
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新型KinectがあればWii Fitいらず?

力がかかっている部位を画像で認識


新型Kinectの特徴を示したスライド
画像集#010のサムネイル/新型Kinectは力の入り具合やパンチの速さまで認識可能。日本マイクロソフトの研究開発動向説明会でその実力の一端を披露
 さて,新型Kinectについては4Gamerでもたびたび紹介しているが,加治佐氏による説明をもとに,改めて簡単にその特徴を挙げてみよう。まず大きな特徴の1つが,内蔵カメラの強化によって1080p 30fpsでの動画キャプチャが可能なったことが挙げられる。カメラの視野角も広がり,最大で6人の人物を個別に認識することも可能になったとのことだ。
 また,奥行き方向の深度を測る赤外線センサーは新型を採用。大幅に高精細化されたほか,暗い場所でも人の姿を認識できるようになっている。

 加治佐氏は説明会場に用意したXbox Oneと新型Kinectを使い,高度な認識能力の一端を披露してみせた。人間の骨格をおおまかに認識するのは従来のKinectでもできたことだが,新型Kinectでは体のどこに力がかかっているかや,パンチを繰り出した腕の加速度といったことまで検出できるという。

画像集#011のサムネイル/新型Kinectは力の入り具合やパンチの速さまで認識可能。日本マイクロソフトの研究開発動向説明会でその実力の一端を披露 画像集#012のサムネイル/新型Kinectは力の入り具合やパンチの速さまで認識可能。日本マイクロソフトの研究開発動向説明会でその実力の一端を披露
加治佐氏による新型Kinectのデモ。左の写真は,力のかかり具合を認識しているもので,片足立ちになると,立っている足と腰回りだけが赤くなって,そこに力がかかっていると認識している

 下にはデモの様子を撮影したムービーを掲載しておこう。新型Kinectの認識能力を持ってすれば,格闘ゲームに自分の動きを高精度で反映させるといったことは簡単そうだ。むしろ,カメラとセンサーでこれだけの認識が可能であるなら,Wii用の「バランスWiiボード」で検出していた体の動きを,新型Kinectで画像認識により処理させるといったこともできそうに思える。


 新型Kinectの接続インタフェースはXbox One専用なので,そのままではPCに接続できない。しかし,接続する手段がまったくないわけでないようだ。2013年5月の記事で報じたように,MicrosoftはWindows PCにも新型Kinectを提供する予定があり,現在では一部の開発者向けに,「Kinect for Windows v2 Developer Preview kit」を399ドルで試験的に提供しているという。そしてこの開発者向けキットでは,USB 3.0に変換するアダプターを介して,PCに接続しているという話だった。
 加治佐氏は開発者向けの提供について,さらに500名分を追加募集するとコメントしていた。興味のあるソフトウェア開発者は,コンタクトをとってみてはどうだろうか。

Kinect for Windows Product Blogの「Kinect for Windows v2 Developer Preview kit」に関するポスト(英語)


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