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「龍が如く」次回作のヒントも見えた? キャバクラ嬢オーディション第2次審査潜入レポート&名越氏ミニインタビューを掲載
今回は,セガ本社で6月28日に行われたオーディション第2次審査を取材してきたので,その模様をお届けしよう。なお,オーディション受験者の方々については,プライバシーに配慮して写真は拡大できないようにしてあるので,あらかじめご了承を。
「龍が如く」ポータルサイト
オーディションは2〜3人ごとの集団面接形式で行われ,審査員として,「龍が如く」シリーズの総合監督である名越稔洋氏,プロデューサーの菊池正義氏,プロジェクトマネージャーの植村幸司氏が出席していた。
オーディションでの質問事項は,「志望動機」「キャバクラなど水商売での勤務経験はあるか」「『龍が如く』シリーズを知っているか」「普段ゲームで遊ぶか」「カラオケは好きか」「カラオケではどんな歌を歌うのか」「CGキャラクターとして出演することになったら,どんな性格のキャラクターになりたいか」といった内容だった。
また,以下のセリフを,それぞれ演じてもらうという審査も行われた。以下にオーディション用台本のセリフとシチュエーションを掲載しておこう。
「いらっしゃいませ」(お客さん相手に)
「○○です。よろしくお願いします」(○○は受験者の下の名前)
「そうそう!」(相手に同意するとき)
「すご〜い!」(クイズを出して相手の客が正解だったとき)
「ありがとう!」(プレゼントをもらって喜ぶ)
「ふふふっ♪」(楽しく笑っているとき)
「ひどい……」(ひどいことを言われて傷ついたとき)
「もう、いい加減にしてください!」(かなり怒っているとき)
「もう帰っちゃうの?」(お客さんが延長してくれなかったとき)
「どこ行こっかー?」(店の外でアフターの待ち合わせをし、行き先を決めるとき)
「ねぇねぇ、デュエットしようよ」(カラオケでデュエットを誘うとき)
「桐生さんったら……」(見つめられて照れながら)
審査で演じるセリフということは,確定ではないにせよ,「『龍が如く』次回作でキャバクラ嬢にこんなことをしゃべらせよう」という開発陣のコンセプトが含まれている可能性は高いだろう。そこから推測するに,「龍が如く」次回作では,キャバクラ嬢とのクイズやカラオケのデュエットがあったり,好感度が上下したり,延長やアフターのシステムがあったり,そしてなんらかの形で,「龍が如く」シリーズの主人公,桐生一馬が出てくるのではないか,とも考えられる(真意の程は確かではないが)。
第2次審査の受験者は,現役&元キャバクラ嬢,大学生,専門学校生などと幅広く,「龍が如く3」でコラボレーションした雑誌「小悪魔ageha」で見て応募した人や,モデルやタレント活動をしている人もいた。今回の取材で,審査を傍聴したのは東京会場の合計5人と,第2次審査全体のごく一部だったが,どの受験者もかなり個性が際立っていると素人目にも感じられた。
なお,第三次審査はWeb投票による公開オーディションとなっており,最終的に5〜10名が選出される予定となっている。
最後に,総合監督の名越氏に合同インタビューの時間をもらい,オーディションの感想や「龍が如く」次回作について聞いてきたので,ぜひ目をとおしてほしい。
――今回,キャバクラ嬢のオーディションを行うことになった経緯を教えてください。
「龍が如く」シリーズは,これまでもなんらかのチャレンジを積み重ねてきたプロジェクトなんですけど,今回は究極の「ユーザーさんに参加してもらう」というチャレンジをしようかなと。
実際,通行人でもいいから出演したい,何かしらの形で関わりたいという声をたくさんいただいていました。以前からニーズはあるんだということを,ヒシヒシと感じていたので,今回は思い切って「龍が如く」を愛してもらっている方々に,実際に出ていただくつながりを求めてみようかなと思って企画しました。
――今回のオーディションは,どのくらいの応募があって,どういったキャラクターを出そうと考えているのでしょうか?
名越氏:
募集で来たのは1500弱くらいです。何人くらい採用するかは,一人だけを選ぶわけじゃないのでいい人がいれば採りたいし,オーディションを見てから決めようかなと悩んでいるところです。
あとはゲームを彩ってもらうキャラクターになるのでいろんなバリエーションの人が欲しいですね。
生身の人間として“日本全国のどこかに住んでいる誰か”とゲームの中で出会うという感覚は,ゲームの中に普通に出るキャラクターとは違った“血の通い方”が出てくると思いますし,不思議なものができ上がるだろうな,という予感がしています。いろんなタイプの人と出会えたほうが面白いと思いますし,そういった人が揃えられるように選考基準を設けています。
――「3」のときのキャバクラやキャバつくの要素と,今回作っていくコンテンツとして,どのくらいのボリュームアップになるのでしょうか?
名越氏:
ボリュームとテイストの両方をカスタマイズして,リアルな豪華さみたいなものを出したいですね。キャバクラは一般の参加を求めたことで,ゲームで「この子がいいな」と思ったら,極端な話,実際にどこかにいけばいるわけですから,それはそれで面白いと思います。
「キャバつく」は前回から始めた中で,もう少し細かくカスタマイズしたいという要望をいただいたので,さらにディープな作り込みができるようになっています。
今回はさらに「キャバつく」で作るという要素が物語にぐっと絡んでくるようになっているので,まだ深くは言えないんですけど,本編で期待してもらいたいなと思います。
――ここまでの選考の中で,とくに興味を引いた人はいましたか?
名越氏:
水商売をやっている方もやっていない方もいますし,「龍が如く」が好きな方もいれば聞いたことがある程度だけどオーディションが楽しそうなので来たという方もいます。
受かってからの話になるんですけど,年齢から職種からバリエーションに富んでいてどの方も面白いんですよ。一次の書類選考の時点で興味津々の女の子ばかり選んでいるので,ゲームの製品の中に入る方々は,一人一人がかなりネタになる経歴を持っていることになると思います。そのあたりも期待してもらいたいですね。
――実際にオーディションを行った感想はどうですか?
まだ第2次審査は終わっていませんが,いろんな方がいますよね。個性的な方が揃っていて,プロではない人のほうが多いんですけど,セリフを読むのも予想以上に上手でびっくりしました。
正直な話,いい人にいっぱい来てもらって,選びきれなくてどうしようかなと悩んでいます。先ほど,何人選ぶかと質問をいただきましたが,事前は“選びたい”という基準に達している子がどれだけ来てくれるかが心配だったんですけど,今はむしろ増やしたいなと思っています。
――名越さんが考える,良いキャバクラ嬢悪いキャバクラ嬢の条件を教えてもらえますか?
名越氏:
売り込むように見せかけて,実際は客のほうが勝手にのめり込んでいくのが水商売ですから,自己中心的はダメですよね。僕らもある意味そうなんですけど,ゲームがあってお客さんがいるわけじゃなくて,お客さんがいてゲームがあるわけですから。
僕は“プロの仕事”が好きなので,気分よくのめり込ませてくれる感じがいいですね。楽しませようという前提が女の子にあって,こっちはそれをいい感じで楽しませてもらうという,男性より“上”にいて仕事をしてくれる女の子が最高ですね。
――現在,サブストーリーの募集も行われていますが,こちらもユーザー参加という挑戦から生まれた企画なのでしょうか。
名越氏:
そうですね。男の人が参加してもらえる機会を増やしたかったのと,作品によりリアリティが出ることを期待してやってみました。
男の人も出たいという話を聞いてはいたのですが,今回(オーディション)は女の子限定です。通行人募集というのもなんなので,イメージを変えて,夜の街なりナイトスポットなりの“経験”を募集してみようかなと。
僕自身が経験したことや人に聞いたことなどいろいろなものを「龍が如く」に込めて,物語が成り立っています。さらにいろんな人の経験を募ることで,作品により厚みが出るんじゃないかと思います。いい意味で等身大のゲームなので。
「1」からずっとそうなんですけど,今回もリリースする年,リリースする月からゲームがスタートするという形でやっていきたいので。ネットゲームとは違うんですけど,世の中とのつながりを感じるようなコンテンツって面白いと思うし,そういう作品を目指してやっていきたいと思います。
――ありがとうございました。
- 関連タイトル:
龍が如く4 伝説を継ぐもの
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龍が如く3
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