インタビュー
メタルユーキさん,「ときめきメモリアル4」の都子があんな話題になるって想像していましたか?
そんな本作の発売後,主にネット上では,主人公の幼なじみであり,通常のゲーム進行上はアシスタント的な立場にいる大倉都子というキャラクターが,プレイの仕方によっては,なかなかたいへんなことになってしまうということで大きな話題を呼んだ。
そこで今回,本作のプロデューサーであるメタルユーキ氏に,あの盛り上がり方を目の当たりにしたときの率直な感想や,この作品,およびシリーズの今後の展開について聞いてみた。
「ときめきメモリアル4」発売前後の期待と不安
今日は,「ときめきメモリアル4」発売後ということで,東京ゲームショウのときには伺えなかったことを中心に聞かせてください。
まず,発売前後はどんな気分だったのかを教えていただけますか?
メタルユーキ氏:
これはもう,毎回のことなんですけど,新作の発売前後は期待半分,不安半分という複雑な気持ちになります。
4Gamer:
期待と不安は,それぞれどんなところに感じるものですか?
メタルユーキ氏:
ゲームの出来に関しては,誰よりも早く分かっていますし,早く楽しんでいただきたい,楽しんでいただけるだろうなっていう期待がありました。
一方,今回のようなシリーズ作品の場合は,以前からのファンが戻ってきてくれるだろうかとか,シリーズを知らなくてもPSPをお持ちの方にゲーム性を受け入れてもらえるだろうかとか,そういう部分の不安は常にありました。
4Gamer:
これは何度も繰り返しの話題になってしまうと思うんですが,発売直前までずっと「絵が地味」ということは言われていましたよね。それについての不安はありましたか? 実際に遊んでみれば気にならなくなるんですけど,遊んでない人にはなかなか伝わらないというか……。
メタルユーキ氏:
このシリーズって毎回のことなんですが,遊んでみないと良さが実感できない作品なんです。活字や言葉で伝えるのは,難しいコンテンツだと思っています。
4Gamer:
だからこそ,ある意味,事前の反応も予想の範囲だと。
メタルユーキ氏:
そうですね。まあ,プレイしているときの楽しい感覚を,何らかの形で新しいお客様に伝えることや,関心を持ってくれている方々に体験していただくような機会は,重要だと思いますね。
4Gamer:
実際,店頭体験会もありましたね。あのときの評判はいかがでしたか?
メタルユーキ氏:
やっぱり時間が限定されますからね。
我々が提供したいのは,何時間かプレイしていただいて,その努力の結果として女の子から告白されたときの達成感なんです。体験会では,ここを実際に体験していただくことはできないのが残念ではあります。
4Gamer:
まあでも,それは難しいですよね……。
メタルユーキ氏:
どんなキャラクターが出てきて,どんなしゃべり方をするのかとか,あとはユーザーインタフェースがどうなっているのかとか,その辺は試していただけたと思うんです。
そこから先は,どこまでプレイしていただければ,ゲームの良さや楽しさを分かっていただけるのか? というのが難しくなってきますね。
とはいえ,スクリーンショットだけを見て判断されるよりはずっと良いと思いますし,ああいう機会を設けて良かったとは思っています。
4Gamer:
とくにユーザーインタフェースの部分なんかは,触ってすぐに違いが分かりますよね。これに関しては,どうしてもスクリーンショットだけじゃ分からないし,実際に触ってみて「お,進化してるな」って気付く部分だと思うんです。
メタルユーキ氏:
スクリーンショットだけだと,これが本当に快適なのかどうか,なかなか想像しにくいと思うんですよ。
でも触っていただいた方には,こういうデザインにした理由や,快適さを実感していただいているようです。
ゲーム性には自信あり。ただそれを伝えるには……?
基本的な操作以外でも,とにかくすべてが繰り返しプレイを快適に進められるようなデザインになっているという印象を受けました。
メタルユーキ氏:
ええ。1回クリアしたら,それで終わりというのではなく,何度も何度も遊んでもらおうというコンセプトで開発していますので,その部分は当初からこだわっています。
4Gamer:
先日,4Gamerでもムービー記事をUpさせていただいたんですが,あの記事を担当したのは,やたらゲーム性とUIにうるさい硬派なゲーマーなんです。
でも,「遊びやすい」「ゲームとして面白い」だとか,「特技システムでスキルツリーみたいなのが出てくるとゲーマー的に燃える」なんて言っていて,実は遊びさえすればそういう層にも評価されるタイトルなんだなぁと思いました。
メタルユーキ氏:
ありがとうございます。
ときめきメモリアルシリーズって,昨今,市場を席巻しているようなノベルタイプの美少女ゲームとは一線を画す存在なんです。とくにゲーム性の部分を,美少女ゲームがお好きな方以外にも評価していただけるのは,非常に嬉しいことですね。目指しているところでもありますし。
4Gamer:
ただ,普段,美少女ゲームみたいなものを遊ばない人は,なかなかときめきメモリアルのようなゲームを遊ぼうと思わないんですよね。
メタルユーキ氏:
ええ。そのきっかけ作りが何か一つあると,もっと幅広いゲームが好きな方々に理解してもらえる作品だとは思っているんですが。
今後はそういう方々にも,触れてもらう機会をいろいろ考えて増やしていって,より多くの方々にときめきメモリアルの良さを知っていただけるよう努めていきたいと思います。
4Gamer:
そのために,何か具体的に考えていることはありますか?
メタルユーキ氏:
実際に体験している方々の感想や体験している様子を,動画など何らかの形で公開したいとは思っています。
そうすることで,スクリーンショットをずらずら並べるよりも,プレイしたときのわくわく感やどきどき感を伝えられるんじゃないかと考えているんですよ。
4Gamer:
ゲームそのものというより,遊んだ人の感情の動きみたいなものを見せたいということですね。
メタルユーキ氏:
ええ,そうすることで僕らが面白いですよと何度も言うより,信憑性が増すと思うんです。
4Gamer:
それによって,普段,美少女ゲームのようなものに興味を持っていない人が,遊んでみようという気になるかもしれないですしね。
都子があんなに話題になるとは思っていなかった
さて,そんなときめきメモリアル4ですが,個人的には,ものすごくまっとうに進化したシリーズ最新作だという感想があります。
メタルユーキ氏:
当然,商品ですから他社の商品との差別化はしていくべきですし,とんがっている部分も必要です。でも,奇をてらいすぎているものを,誰もが欲しているかというと,決してそうではありません。安心してプレイできるという部分も必要なんです。
4Gamer:
人気シリーズなら,なおさらですよね。
メタルユーキ氏:
あまり冒険しすぎて,期待していた方々が裏切られたという思いを持ってしまったら,このブランドとしてどうなんだろうという話にもなるんですよね。
ですから,ときめきメモリアルというものを,どういう形で継承していくかというのは,毎回の課題ではあるんですが,今回に関してはその部分もうまく打ち出せたかなと思います。
4Gamer:
過去の作品のファンも,そうではない人でも,安心して楽しめる作品になっていますもんね。
メタルユーキ氏:
ありがとうございます。
そのうえで,特技システムのように新しい部分を積み重ねていくことで,さらにゲームの奥深さや,進化した感じを出せたのかなと。
4Gamer:
そんな作品ながら,実は発売直後から大きな話題を呼んだのは,主人公の幼なじみである大倉都子というキャラクターだと思うんです。
メタルユーキ氏:
はい,そうでしたね(笑)。
4Gamer:
彼女を攻略しようと思うまで,「ああ,ときめきメモリアルだなぁ」「今までより遊びやすいなぁ」「普通に楽しいなぁ」みたいな感じだったんですが……あんなことになってしまい。
衝撃を受けると同時に,それまでの安心感とは別の方向に大きく針が動いて「うわっ,これは凄い!」って思ったんです。彼女のキャラクターに,新作としての冒険的な要素を詰め込んだのかなと思ったんですが,そのあたりはいかがでしょうか?
メタルユーキ氏:
いや,そこまで……でもなかったんですよ。
というのも,ときめきメモリアルの世界に登場するキャラクターって,過去に流行したものを十分に分析したうえで,設定しているんです。
その中の一つである,“ヤンデレ”という要素を,たまたま大倉都子に割り当てただけなんですよ。
4Gamer:
わ。けっこう,ドライというかなんというか……。
そして,それがシナリオになり,音声が入り……と,できあがっていくに従って,ある程度はそういう要素が好きな人の間で話題になるだろうなと予想はしていました。ただ,世間の人達がみんなヤンデレ好きというわけではないので(笑)。
4Gamer:
もしそうだったら,そのほうがよっぽど病んでますよね。
メタルユーキ氏:
ええ。だから,あの部分がトリガーになって盛り上がるというのは,予想外のところがありましたね。
4Gamer:
都子に関するシナリオも凄いですよね。いろいろな意味で。
メタルユーキ氏:
各キャラクターに共通しているんですが,今回はとくに,それぞれ第一印象と,仲良くなってからの印象の二面性というか,意外な面が徐々に出てくるような設計にしているんです。
とくに都子の場合は,その変化が非常に分かりやすいんですよね。ビジュアルや音響効果も含めて。
4Gamer:
都子の場合,二面性というか,三面性みたいなものまで見えますよね。最初と,ああなってからと,最後とで。
メタルユーキ氏:
凝ってるでしょう?(笑)
ただ,どこまでやるのかっていうのは,凄く葛藤した部分ではあります。過去に,ヤンデレキャラばっかり出てくる作品も世の中にはあるわけで,そこだけで際立て手しまったら,違う作品になってしまう可能性もありますし。
4Gamer:
あんなキャラばっかりだったら,ときめきメモリアルシリーズとしては,あまりに突飛ですよね。
メタルユーキ氏:
ああいうドロドロした感じが嫌いな人にとっては,いやな作品になってしまう恐れもありますからね。そのバランスは,チーム内でもさんざん議論したうえで,あそこに落ち着けたという感じです。
4Gamer:
落ち着いてあれだったんですか(笑)。
メタルユーキ氏:
まあ,うちの商品としてお届けするギリギリのラインを狙ったかなという感じです(笑)。
サウンドとビジュアルの臨場感は,やってみないと分からない
そう考えると,星川真希なんかは正統派すぎるぐらい正統派ですよね。
メタルユーキ氏:
星川は一番最初に遊んだときでも,比較的簡単に攻略できるキャラクターなんですよね。これで,ときめきメモリアルをクリアしたときのうれしさみたいなものを味わってもらおうと。
ただ,二度目以降はお邪魔キャラとしての位置付けになっていくんですけどね。
4Gamer:
最初に星川さんでクリアしちゃうと,二回め以降に遊んだとき,ほかの女の子を狙っていても,星川さんに話しかけられると心理的なブレーキがかかりそうになるんですよ,悪いことしてるみたいで(笑)。
ところで,現段階ではどのキャラクターに人気が集まっているような印象がありますか?
メタルユーキ氏:
今回はどのキャラクターもまんべんなく愛されているようですね。いわゆる鬼っ子と呼ばれるようなキャラクターは,今回は見かけないような感じがしています。ただやっぱり,大倉は突出していますね(笑)。
4Gamer:
いや,正しい反応だと思います。
そういえば,「ゲーマガ」さんが都子の抱き枕カバーを,今度のコミケで販売するんですよね。
メタルユーキ氏:
修学旅行のときにああいうイベントがありますから,親和性が高いような気がしますね。シチュエーションは近いものがあるんで(笑)。
4Gamer:
確かに!
ゲーマガの担当の方から話を聞いたとき,「僕はゲームをやって都子だと思ったんですけど,都子で大丈夫ですよね?」って確認されたんですよ。でも,都子以外はちょっとあり得ないですよね。
ははは。
そういう意味では,地味かもしれないですけれど今回は,バイノーラルサウンドシステムという立体音響を使っているんですが,それもああいうシチュエーションでは生きてきますよね。
4Gamer:
インパクトが凄かったです。耳元でささやかれているかのようで。
あれを体験してしまうと,このゲームはヘッドフォンでやらなければならないとすら思います。
メタルユーキ氏:
このシリーズを据え置き機で展開していた時期は,ヘッドホンを使って遊ぶ必然性がなかったんですよね。わざわざ家庭で,テレビにヘッドフォンを差してゲームを遊ぶというのは,少数派でしょうし。
4Gamer:
音響にこだわりを持っている人以外は,なかなかそういう発想もしませんよね。
メタルユーキ氏:
でも今回は携帯型のゲーム機ですから,小さいスピーカーから女の子の声を聞くよりも,ヘッドフォンを繋げたほうが明瞭に聞こえますし,臨場感も増しますから。
これを最大限に生かす手法として,バイノーラルサウンドシステムを採用したんです。技術自体は20年以上前からあるものなんですが,あえて今,取り入れてみました。
4Gamer:
携帯型のゲーム機って,ともすればヘッドフォンするのも面倒で,音を切って遊ぶようなこともありますよね。でもああいうシチュエーションがあるとなると,ヘッドフォンをしないわけにはいかなくなります。
メタルユーキ氏:
環境音なんかも,実際にバイノーラル録音していますから,そのあたりも楽しんでいただけると嬉しいです。
4Gamer:
やっぱり,サウンド出身者としてのこだわりがあるんでしょうか?
メタルユーキ氏:
それはありますよ(笑)。
例えば,寝る前に窓の外から聞こえてくる自然の音とか,普段は意識しないような音に対しても注意して聞くような習慣があったからこそ,音によってその場にいるような雰囲気を出せるような演出を目指そうと考えたんだと思います。
4Gamer:
確かに,小鳥のさえずりみたいなものも,わざとらしさがないんですよね。
メタルユーキ氏:
そこはやはり,ハードウェアが進化したことによる恩恵でしょうね。音声データの再生レートも高くできるようになりましたし,決まったタイミングで定期的に鳴らすみたいなことをしなくても良くなりましたし。
4Gamer:
同じ環境音がひたすらリピートされているというのとは,ちょっと違うなというのは感じていました。
メタルユーキ氏:
このタイミングでまたこの音か,みたいなのがだいぶ緩和できるようになりましたね。
4Gamer:
そこにモーションポートレートで描かれたビジュアルが重なることで,臨場感が生まれていますね。
ビジュアルも,光の効果をうまく利用しているんですよ。背景の中にキャラクターが立っていて,キャラクターに光が映り込んだり,影ができたりするようなところは,割とこだわって作り込んでいます。
こういう地味なところの臨場感の積み重ねで,臨場感や雰囲気を演出しているんですが……。
4Gamer:
それこそ,やってみないと分からないという……。
メタルユーキ氏:
そうなんですよね。止め絵だと光が動いていたりするのも分からないですしね。
ただ,人間の印象って言葉を交わす前と言葉を交わしたあと,さらにだいぶ打ち解けてからとで,それぞれ変化していきますよね。そういう意味では,スクリーンショットを見たときの印象から,実際に遊んでみたときとで印象は変わるはずなので,キャラクターの見せ方としては一つの解だったのかなと思います。ベストは存在しないと思うんですが,ベターの解の一つとして。
声優陣は素の声を重視
キャラクターの見せ方ということでいうと,声……つまり,声優の力も大きいですよね。今回は,どうやって声優陣を決めていったんですか?
メタルユーキ氏:
まずキャラクターの設定が決まり,シナリオ作成がある程度進んで,あらすじとでもいえる部分までできあがった段階で,100人以上のエントリーがあった中からオーディションを行って決めていきました。
4Gamer:
オーディション時に重視したのは,どういったところでしょう?
メタルユーキ氏:
一番大きいのは,素に近い声での演技ですね。作った声ではなく,素の声がキャラクターのイメージに近いかどうかを重要視しているんです。
これは私だけの主観ではなく,スタッフなどいろいろな人達の意見を取り入れています。
4Gamer:
なぜ,素の声を重要視するんですか?
メタルユーキ氏:
一つは,ときめきメモリアルって,収録時間がものすごく長くて,何日もかけるんですね。その場合,作った声だとその日その日のテンションで揺らいでしまったりする場合がありますし,同じ日にやっても疲れてくると変化してしまうことがあるんです。
でも,素に近い声だと比較的安定した形でしゃべり続けることができるんですよ。それに,元々の声だと忘れにくいですしね。
4Gamer:
どこを切っても同じキャラクターの声として,きちんと認識できるようにということですね。
メタルユーキ氏:
それに,発売から数か月後にイベントなんかがあったとしても,すぐに近い形で再現できるというメリットもあります。
もちろん,演技力とかその他の要素も見ますけどね。
4Gamer:
ほかの作品のキャラクターのイメージが強い声優さんが,この手のゲームにしては少ないようにも思うのですが,それも意図的なものですか?
メタルユーキ氏:
ええ,実力は重視しますが,特定の色に染まりきっていないという部分も考慮はしています。
声を聞いた瞬間に,ほかのキャラクターをイメージされてしまうと,そこに出ている絵とのギャップが生じてしまう可能性がありますからね。それは,このシリーズを通じて意識している部分です。
ただ,最近は声優さんってアニメだけでなく,ゲームやインターネットなんかも含めて,活躍するフィールドが増えていますから,まったく無名の新人で,なおかつ実力者……というのは,見つけづらくなっていますけど。
4Gamer:
まあ,知っている人は知っている……という部分は,どうしても避けられませんよね。
でもその声優さんの人気ありきでキャスティングしているわけではないので,あくまでも声とキャラクターのイメージが,いかにマッチするかを重視しています。
いろいろな方の意見を聞きながら,なるべく客観的に判断して,多くの人達に共感してもらえるようなところに着地させたつもりです。
4Gamer:
実際,聞いたことのある声であっても,キャラクターを見ながらだと,とくに違和感はないんですよね。
メタルユーキ氏:
そういう風に評価したいただけるというのは,我々のやり方が,間違っていなかったということなんでしょうね。
4Gamer:
例えば,声優さんの人気ありきのゲームもありますよね。そういう方向には振らないということですか?
メタルユーキ氏:
商売として考えたとき,そういうやり方は否定はしませんし,作品としても成功している例はあります。
でも,私達はゲームに出てくるキャラクターありきで勝負したいんですよ。そのために,こういうキャスティングの方法を選んでいるだけで。
4Gamer:
逆に,ここからさらに飛躍をする声優さんも生まれるかもしれませんし。
メタルユーキ氏:
そうですね,それが理想的ではあります。
そうなってくれると,その声優さんもこの作品をずっと愛してくださると思うんですよ。
例えば金月真美さんや野田順子さん,神田朱未さんなんかは,ブレイクのきっかけの一つになったと思いますし,久しぶりにお会いしても,ゲームや演じていただいたキャラクターに特別な思いを持ってくださっているんです。そういうのは,やっぱり嬉しいものですよ。
4Gamer:
今回は,都子役の福圓美里さんの器用っぷりに驚かされました。うさぎさんが怖くて怖くて……。
メタルユーキ氏:
いやぁ〜,本当に器用で良かったですよ。
4Gamer:
うさぎさんの笑い声が,本当に頭から離れなくなるんですよ……。
「ときめきメモリアル4」の今後の展開は……?
それでは,ときめきメモリアル4の今後の展開もお聞きしたいです。
メタルユーキ氏:
具体的なことはなかなか言いにくいんですが,発売から1か月近く経って,遊んでくださった方からのいろいろな声が届いていますので,ご要望にはお応えしていきたいですね。
そうやって,制作側と遊んでくださった皆さんとのキャッチボールで,この作品を発展させていきたいという思いは強いですから。
4Gamer:
それは,例えば……?
メタルユーキ氏:
一つは,今回の作品を機に新しくファンになってくれた方と,これまでずっと支えてくれた方が,お互いに盛り上がる環境を作っていきたいというものです。
その第一弾として,ゲームアーカイブスで「ときめきメモリアル 〜forever with you〜」「ときめきメモリアル2」などの作品を,お求めやすい形で提供しています。
こういうサービスは,今後も積極的にやりたいなと思っています。
4Gamer:
パッと思いつくだけでも,いろいろとありますね。期待しています。
ダウンロード関連でいうと,ときめきメモリアル4のダウンロード販売は考えていないんでしょうか?ついついPSP goを購入してしまった者としては,けっこう期待しているんですよ。UMDって,ロード時間や音でふと我に返ってしまうことがありますから(笑)。
メタルユーキ氏:
没頭していればしているほど,気になるかもしれませんね(笑)。検討はしていきますよ。
4Gamer:
では今後,ときめきメモリアルシリーズをどのように展開していきたいと考えていますか?
メタルユーキ氏:
4に関していえば,私に与えられた制作環境の中では,やれることはだいたい盛り込んだつもりなんですね。当然,時間的な制約やリソース的な制約の中で,ということですが。
4Gamer:
まあ,お金も時間も人材も無制限だったら,いつまでも作り続けられる半面,完成もしないでしょうしね。
メタルユーキ氏:
そうなんです。ただ今後……今後ですか。
ハードウェアは今後も進化していくと思いますし,人とゲーム機のインタフェースの部分では,まだまだ新しいものが生まれてくると期待しています。その部分で,革新的なアイデアを盛り込んで,より直感的にゲームに没頭できるようなものを作っていけたら面白いなとは思っています。
4Gamer:
良くも悪くも,ゲームソフトってハードありきの部分はありますもんね。
メタルユーキ氏:
ええ。そしてシリーズの中身に関しては,オリジナルメンバーの一人であるIGAと,次のチャレンジコンセプトテーマを毎回決めているんですが……それについては,今の段階は秘密ということにさせてください(笑)。
4Gamer:
お。考えてはいる,ということですね。じゃあそれはそれで楽しみにしています。
メタルユーキ氏:
なので,とりあえず4に関していえば,キャラクターに対しての思い入れが強くなった方もいるでしょうから,それに応えていくような展開はしていきたいという思いはありますよ。
スピンアウト的なゲームであったり,ドラマCDや書籍,Web,携帯なども含め,今までやってきたことや,今の時代だからできることまで,さまざまな方策を考えています。
4Gamer:
あ,そういえば「ときめきメモリアル4 mobile」もすでにサービス中でしたね。
メタルユーキ氏:
まだ1キャラ分しか配信していませんが,これから毎月1キャラずつ追加するという形で,完成を目指していきます。常に進化していく様をお見せできるというのは,ああいう形のコンテンツだからこそで面白い部分だと思いますよ。
内容に自信あり。とにかく,気負わずに遊んでほしい
ところで,すでにときめきメモリアル4を遊んでいる人に,遊び方の提案みたいなものはありますか?
メタルユーキ氏:
このゲームは,誰か一人とハッピーエンドを迎えたら終わりというのではなくて,次のプレイでは最初のプレイの途中で出会った,次に気になる女の子とのハッピーエンドを目指してほしいですね。
そうやっていくことで,その子の人となりに触れる機会も増えて,また新たな魅力が見えてくると思います。
4Gamer:
あ,さっきの子よりいいじゃん! みたいなこともありますね(笑)。
メタルユーキ氏:
そうなんですよ。そのためには,最初のプレイとは違う自分(プレイヤーキャラクター)に育てていかなければいけないんですが,それによってまたゲームの展開も変わっていきますから,それも楽しんでいただけるんじゃないかと。
また,特技を一切使わないで難度の高いキャラクターを攻略するとか,そういう遊び方もしてみてほしいですし,特技をコンプリートするようなやりこみにも挑戦してほしいです。
4Gamer:
そういった遊び方もできるぐらい,自由度が高いんですよね。
メタルユーキ氏:
ええ。そうやって,自分なりの遊び方を見つけながら,スルメのように楽しんでいただければと思います。
4Gamer:
頑張っているうちに,恋愛シミュレーションゲームなのに,“恋愛”以外の部分に夢中になってしまうのも,このシリーズの特徴ですね。
そうですね。恋愛シミュレーションという側面と,自身のアバターを育てる学園生活シミュレーションという二面性を持っているゲームなんですよね。
女の子のキャラクターをきっかけとして,ゲームに入ってもらうのも嬉しいんですが,実はアバター育成ゲームとしての顔も持っているということに気付いていただいて,末永く楽しんでいただけると嬉しいです。
4Gamer:
では,まだこのシリーズで遊んだことのない人に向けてのメッセージもお願いします。
メタルユーキ氏:
このシリーズの楽しさのベースって,昔から今に至るまで変わっていないんです。だから,恋愛シミュレーションゲームや,自己育成ゲームのようなものが好きな方であれば,今回もきっと楽しんでいただけると思います。ぜひ,一度プレイしてみてほしいですね。
4Gamer:
シリーズ作の宿命ですが,作を重ねるごとに新規のプレイヤーにとってハードルが高くなるんですよね。
でもときめきメモリアル4は,第一作からのファンへのサービスはしつつも,そこに重きを置いていないという印象はあります。
メタルユーキ氏:
ええ,シリーズのファンに喜んでもらえるような要素は入れています。やっぱり,昔からこのゲームを応援してくださっている方との絆は大事にしたいですからね。
一方,間口は広くしていかないと,新しく遊ぼうという方が置いてきぼりになってしまいますから,そこは十分に配慮していますので,今回が初めてのときめきメモリアルでも,十分に楽しめると思いますよ。
4Gamer:
とにかく面白いから,気軽に遊んでみて! ってことですね(笑)。
メタルユーキ氏:
そうですね。私達は単純に,面白いゲームを提供したいだけなんで。
4Gamer:
まだ遊んだことのない人は,この年末年始にでもぜひ,ということで。
ありがとうございました。
さて,インタビュー中でも軽く触れているが,「ゲーマガ」が大倉都子抱き枕カバーを,12月29日(火)〜31日(水)に東京ビッグサイトで開催されるコミックマーケット77で販売予定だ。価格は1万円(税込)。
都子が気になって気になってたまらない,いつも側にいてあげたい,そんなことを思っている人は,西館4階のNo.231「GA文庫/ゲーマガ」ブースへ足を運んでみよう。
「ゲーマガ」からのコメント
「ゲーマガ」でも第一報から追いかけてきた「ときめきメモリアル4」ですが,レビュー用のサンプルROMをプレイした翌日には都子しか目に入らなくなっていました。
お小遣いが貰えなくなっても,ほかのヒロインの状況を教えてもらえなくなって爆弾が処理できなくなっても,都子の一途すぎる愛に脳がとろけてしまい,気がついたときにはKONAMIの担当者様に抱き枕カバーの企画書を提出していたのです……。
ありがたいことにKONAMIのスタッフの方にもご理解,ご協力をいただくことができ,当企画が成立しました。
熱意と愛情がふんだんに詰まった抱き枕カバー,是非とも同じ大倉都子ファンの方々に,お手にとっていただければ幸いです。ああ都子可愛いよ都子。
「ときめきメモリアル4」公式サイト
「あなたに,好きな人はいますか?」と問われたら「います!」と即答したくなる? 発売直前「ときめきメモリアル4」でメモリあった(4Gamer)
[TGS 2009]今までよりもアグレッシブに! 「ときめきメモリアル4」,メタルユーキ氏インタビュー(4Gamer)
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