プレイレポート
キーワードは“育成”と“発展”。先行タイトルと一味違う「武天ソウル」の魅力とは?
ゲームそのものの内容は,ブラウザゲームで人気の,いわゆる“村ゲー”である。すなわち,まずプレイヤーは資源を集め,内政を行って自らの領土を発展させ,さらに兵力の充実を図る。その一方で,クエストおよび戦闘を通じて,兵を率いる「武将」を育成していく。兵力が整い,武将がそこそこのレベルに達したら,近隣のNPCやほかのプレイヤーの領土に遠征し資源を略奪,さらには自らの領土にしてしまうことも可能だ。無論,ほかのプレイヤーとギルドを組み,敵対勢力と攻防を繰り広げることもできる。
そうした本作の基本的なゲームシステムは,正直なところ,多くの“村ゲー”と大きく変わるところはない。それでは,どこに違いがあるのか。今回,4GamerではSeedCの運営スタッフの解説のもと,武天ソウル独自の特徴的な部分を体験してきたので,さっそく紹介していこう。
最初の領土にほかのプレイヤーが踏み込めない仕様で“先行者有利”を解消
武天ソウル最大の特徴は,サーバーリセットがなく,プレイヤーが自分の領土をずっと発展させられるという点にある。そもそもサーバーリセットは,“先行者有利”となってしまいがちな“村ゲー”で,後続プレイヤーにチャンスを与えるための措置だ。それをなくしてしまっては,本作はますます後続が先行者のカモにされてしまいそうだが,そこはきちんとシステム的にフォローしている。
というのも,武天ソウルでは各プレイヤーが最初から所有する領土は,ほかのプレイヤーに占領されないという特徴があるのだ。プレイヤーが占領できるのは,NPCが所有している領土か,もしくはほかのプレイヤーがNPCから略奪した領土のみ。したがって,プレイヤーは最初から所有している領土だけは,誰にも奪われることなくじっくりと開発を進めることができる。
また,地下倉庫のあるなしにかかわらず各3000の資源は保守される仕様だ。時間をかけて最初の領土を開発し,兵力を蓄えることで先行プレイヤーへの対抗手段を整えることも可能だろう。
なお,NPCのレベルは1〜9まであり,いずれも攻め込んで資源を略奪することができるが,プレイヤーが占領して自分の“領土化”できるのはレベル3と5の2種類のNPC領土だけとなっている。
勝利のカギは武将・兵士の相性。偵察からの作戦立案が重要なポイントに
武天ソウルは,戦闘システムにもいくつか特徴を持っている。まず兵士を率いて戦う武将は,軍事指揮所で召喚できるほか,NPCとの戦闘などで「封霊珠」として入手できる。武将には得意な兵科(後述する兵士のタイプ)が存在するほか,成長パターンに応じた「武勇型」「体力型」「知力型」……「万能型」といったような全10種類のタイプが存在し,率いる兵士の能力に影響を与える。
封霊珠は,倉庫の容量が許す限り相当数を所持できるが,戦闘をさせるために召喚できる数は当初5人だけ(最大12人)。したがって,敵のタイプと相性が悪い武将を封霊珠に戻し,別の武将を召喚する局面も出てくるわけである。武将の封印および召喚には費用がかかるが,育成したレベルやパラメータなどは維持されるので安心だ。なお,封霊珠はオークションに出品可能となっており,ほかのプレイヤーが育てた武将を入手して,即戦力にすることもできる。
武将の装備品には各種のパラメータが付与されている。得意な部分の強化や弱点の補強が可能だ |
得意な兵科や成長パターンによって,敵の武将との相性が変わる。場合によっては封印して別の武将を召喚することも |
また,武将には「レアリティ」が設定されている。レアリティが高いほどレベルアップに必要な経験値が増えていくが,そのぶんパラメータ上昇率も高くなり,成長した暁にはより強力な武将となるわけだ。なお武将はレベル70になると「転生」が可能となり,レアリティを一つ上げられる。今のところ転生は武将一体につき一度きりだが,ゲームバランス調整の関係で,将来的に回数を増やす可能性もあるという。
武将が率いる兵士にも,さまざまなタイプが存在する。大きく「歩兵」「弓兵」「騎兵」などといった系統に分かれるが,同じ歩兵でも「剣兵」「槍兵」と細分化されており,総数は10種類以上にも及んでいる。基本的には騎兵は歩兵に対して有利で,逆に弓兵に対して不利というような三すくみの関係だが,兵士の細分化に伴って相性もより細かく設定されている。うまくマッチングすると,例え敵の兵力が自分の5〜6倍あっても勝てるケースがままあるとのこと。
兵士募集。武将には体力の概念がないため,兵力さえ揃えば何度でも繰り返し遠征が可能だ |
兵士は,各系統3種類前後に細分化される。それぞれ相性があるので,組み合わせを考えるのも楽しい |
上記の特徴から,武天ソウルの戦闘では,敵の武将や兵士の情報を得るための「偵察」が,同タイプのゲームと比較してもかなり重要になる。そのため,偵察に関する開発項目も多めになっており,開発を進めると敵の偵察を妨害できるようにもなったりもするのだ。偵察を駆使して凝った戦略・戦術をじっくり練りたい人や,最小限の努力で最大の効果を得ることに喜びを感じるなんて人はハマってしまうかもしれない。
武器の開発。戦力の強化は,どうしても必要になるので,早めに手を付けておきたいところだ |
偵察術の開発。偵察妨害ができるようにしておくと,それだけで周囲への牽制ができるのでオススメとはスタッフの弁 |
“育成”“協力”“発展”に注力し,“敵対”と“略奪”に振り回されないプレイスタイルを容認
さて,一般的な“村ゲー”と異なる特徴を持つ武天ソウルだが,それに伴って容認されるプレイスタイルも,より幅広いものとなっている。すなわち,同タイプのゲームでは弱肉強食が基本になるため,必然的にほかのプレイヤーと同盟を組んだり,敵対したりといった政治的な駆け引きの手腕も問われることになる。しかし本作では,そうしたプレイが可能なだけでなく,反対に周囲にはあまり関知せず,自分のペースで黙々と領土を発展させることもできるというわけだ。今回,解説を担当してくれたスタッフによれば,武天ソウルでは“対決”“略奪”よりも,“育成”“協力”“発展”といったキーワードを意識してプレイしてもらえると嬉しいとのこと。
そのほか,チュートリアルクエストでは,一部ポップアップメッセージが表示され,初心者にも分かりやすいよう配慮がなされている点も見逃せない。あるいは,チャットウィンドウのプレイヤーネームをクリックするだけで,そのプレイヤーの情報を把握できたり,あるいは宣戦布告やフレンド登録,メール送信などが簡単にできたりと,全般にユーザビリティが高くなっているという印象を受ける。
チュートリアルクエストでは,一部ポップアップウィンドウが表示され,より初心者に親切になっている |
ポップアップウィンドウだけでなく,よく使うコマンドはさまざまな場所からアクセスできるなどユーザビリティが高い印象 |
今後の展開としては,定期的なアップデートを通じて,装備アイテム改造や同盟対同盟の攻城戦などの実装を予定しているという。また,一部の有料アイテムと引き換えることができるゲーム内アイテム「商品券」や,ゲーム内資源と引き換えられる「資源引換券」を,随時イベントで配布していくとのこと。
ともあれ,この記事を読んで武天ソウルに興味を持った人は,一度プレイしてみてほしい。
「武天ソウル」公式サイト
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武天ソウル
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