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光学センサー搭載のROCCAT製マウス「Kone Pure Military」レビュー。カラバリの皮を被った最新世代モデルを徹底チェックする
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印刷2015/01/10 10:30

レビュー

カラバリの皮を被った最新世代モデルを徹底チェックする

ROCCAT Kone Pure Military

Text by BRZRK


Kone Pure Military
メーカー:ROCCAT
問い合わせ先:岡谷エレクトロニクス(販売代理店):問い合わせフォーム
実勢価格:8900〜9300円程度(※2015年1月10日現在。Power Packは同1万3200〜4000円程度)
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 ドイツのROCCATというブランドは,製品名と外観だけ見ると,「あれ,これって前からあるやつのカラーバリエーション?」と思ってしまう場合でも,その実,マイナーチェンジが入っていることが少なくない。世界市場でロングセラーとなっているKone Pureシリーズの新しいカラーバリエーション的に登場した「Kone Pure Military」もそうだ。

 「Desert Strike」(デザートストライク)「Naval Storm」(ネイヴァルストーム)「Camo Charge」(カモチャージ)と,戦場をイメージした3色展開となるKone Pure Militaryだが,では,一体何がどう変わったのか。今回は,2014年12月に,マウスパッドなどとのセット品として登場した「Power Pack」を入手できたので,それをチェックしてみたいと思う。


Power Packの中身をチェック

デザインは個性と統一感のある3種類


 というわけでPower Packだが,簡単に言うとこれは,ガンケース(あるいはミリタリーコンテナ)的なデザインを採用した段ボール製ボックスに,

付属のドッグタグ
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  • Kone Pure Military(※単品版と同じ製品ボックス入り)
  • Kone Pure Militaryと同じデザインを採用した布系マウスパッド「Sense Military」(※単品版と同じ製品ボックス入り)
  • 赤茶けたデザインのROCCATロゴ入りドッグタグ
  • War Thunder」の特典「XP-38 Lightning Premium Plane」「T-26 Light Premium Tank」「1000 Golden Eagles」と1週間分のプレミアムアカウントがもらえるコード入りシート

が,けっこうぞんざいに――ROCCATはきちんと梱包したつもりだと思うが,日本人の感覚からすると,そうとしか形容できない――入ったセット品だ。

弾薬箱風ボックスも,3つある製品のイメージに沿ったものとなっている(左)。段ボールの天板部はなかなか凝った感じ(右)
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Desert Strikeの製品ボックスを開けた状態(左)。内部にはかなりの余裕がある。右は内容物一式を取り出したところ
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 Kone Pure MilitaryとSense Militaryのデザインは下に示したとおりだ。特定のゲームタイトルとタイアップしたものではないこともあり,単体で見ると,意外にぼんやりした意匠という気がするものの,Sense Militaryの上にKone Pure Militaryを置いてみると,非常にしっくりくる印象も受ける。

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砂塵の舞う中東やアフリカの砂漠地帯をイメージしたようなデザインのDesert Strike。Sense Militaryには砂漠の嵐が描かれているため,筆者は湾岸戦争を連想した
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夜闇に包まれた海原と艦船的なイメージとなるNaval Storm。第二次世界大戦の海戦をテーマにしたゲームで使用すると気持ちが高まりそうだ
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濃い緑色をベースとしており,ジャングルを想起させるCamo Charge。ベトナム戦争や赤道付近の紛争地帯というビジョンが見える


Kone Pureシリーズらしく,右手用で小柄

形状自体は変わっていない


 冒頭でも紹介したとおり,Kone Pure Militaryの形状は,Kone Pureシリーズのそれを踏襲したものだ。搭載するセンサーは光学タイプなので,「Kone Pure Optical」のカラーバリエーション的な存在だと言ってしまっていいだろう。
本体底面にPro-Optic(R4)センサーを搭載する
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 ただし,これも冒頭で紹介したとおりだが,Kone Pure Militaryは,Kone Pure Opticalの単なるカラーバリエーションではない。搭載される光学センサーが,Kone Pure Opticalの「Pro-Optic(R3)」から「Pro-Optic(R4)」へ変更されているのだ。
 結果として,Kone Pure Militaryのスペックは下のとおりとなった。

●Kone Pure Militaryの主なスペック
  • 基本仕様:光学センサー搭載ワイヤードタイプ
  • ボタン数:7(左右メイン,センタークリック機能付きスクロールホイール,スクロールホイール手前×2,左サイド×2)
  • 最大トラッキング速度:130IPS(≒3.30m/s)
  • 最大加速度:30G
  • 画像処理能力:未公開
  • フレームレート:未公開
  • DPI設定:100〜5000DPI(100DPI刻み)
  • USBレポートレート(ポーリングレート):125/250/500/1000Hz
  • データ転送フォーマット:16bit
  • 本体実測サイズ:69(W)×118(D)×38(H)mm
  • 重量:約121.5g(※ケーブル含む),約91.5g(※ケーブル抜き)
  • マウスソール:未公開
  • ケーブル長:1.8m
  • 製品保証:2年間

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 端的にまとめると,Kone Pure Militaryが搭載するPro-Optic(R4)センサーは,Pro-Optic(R3)と比べて,トラッキング速度が20IPS低くなり,選択できるDPI設定は1000増えている。なので,好意的に見れば「4Kデスクトップでの有用性を考え,トレードオフを覚悟のうえで,より高いDPI値を選択できるようにした」といったところだろうが,ゲーマー向けマウスとしてのスペックは,数字だけ見る限りは確実に下がった。「実際にどうか」という話は後段でしたい。

 再三「Kone Pure Opticalと同じ」と繰り返している形状についても軽く触れておこう。

4Gamerの比較用リファレンスマウス「Gaming Mouse G500」との比較。一回り小さい一方で,形状は意外と近い
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 左右メインボタンは,上面カバーと一体化したワンピースタイプ。指を配置しやすくするような凹みはないため,自由に指を配置できる。現実的な話をすると,押下できるのはスクロールホイールとスクロールホイール手前のボタンの間から,それよりも本体奥側(=左右メインボタン側)の部分だ。

 親指を配置することになる左側面は,本体奥側が内側に向かって切れ込み,本体手前側(=後方側)に向かって,横からスプーンでくり抜いたような丸い凹みが生まれるような構造になっている。

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 一方の右側面は,薬指と小指の2本を配置する前提で,今度は上から右奥に向かってくり抜いたデザインだ。

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 左側面に配置されているサイドボタンは,奥側,手前側とも長さ実測約18mm。側面からは同2mm突き出た形状となっている。親指の側面で“ガワ”とボタンの段差をはっきり感じ取れる程度に段差があり,迷うことなく使い分けられた。

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スクロールホイールは,プラスチックの上にラバーが巻かれたタイプ。幅は実測約9mmとなり,同5mm間隔で凹凸が用意されていた。指先が段差に引っかかる感じで的確にコントロールできる
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ケーブルは布巻き仕様となっており,太さは実測約3mm。硬めで耐久度は高そうなのだが,厚みのあるマウスパッドの端に引っかかってしまい,ストレスを感じる可能性はある。ケーブルアンカーの利用がお勧め

 形状チェックの最後に,握りやすさをチェックしてみることとした。
 例によって,写真と短評でまとめておくので,参考にしてもらえればと思う。

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「つまみ持ち」の例。親指をサイドボタンの直下に置くようにすれば,とくにこれといった問題点を感じない
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「つかみ持ち」の例。手の大きさによっては,親指の位置が奥側となり,サイドボタンを操作するとき窮屈に感じるかもしれない。筆者は親指をベタ置きにしてみたところ,快適にコントロールできた
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「かぶせ持ち」の例。右側面が凹でいるため,小指の第2関節より先をうまく側面に配置できない。むしろ,小指がマウスパッドにべったり触れてしまうくらいの持ち方をしたほうがいいかも
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筆者オリジナルである「BRZRK持ち」の例。両サイドに配置する指は,気持ち奥側に配置すれば突っ張った感じが軽減される。ただ,その状態で長時間使っていると疲れる

 以上が手の大きめな筆者が抱いたそれぞれの持ち方の印象だ。個人的にはつかみ持ちが最もストレスなく操作できたのだが,手が小さめの人だと異なる印象を持つかもしれない。かぶせ持ちは,不可能ではないが人を選ぶだろう。


導入推奨。設定ツールは

サーフェスキャリブレーションをサポート


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 Kone Pure Militaryは,Windowsのクラスドライバだけでも,マウスとして最低限の機能は利用できるが,そのポテンシャルを最大限発揮させるためには,ROCCATのサポートページからドライバソフトウェアを入手し,導入する必要がある。
 ドライバソフトウェアにはファームウェアも含まれているため,初回導入時はファームウェアも導入されることになるだろう。

 そのメインウインドウは下のとおりで,タブで設定したい項目を選び,中央ペインで選択し,設定した結果は下に5つ並んだプロファイルスロットに登録したり,プロファイルを書き出したり読み込んだりできるようになっている。最上段の製品名表記を見る限り,設定用ソフトウェア自体はKone Pure Opticalと共通のようだ。
 起動時に開く「MAIN CONTROL」タブでは,スライダーを使って,最大5段階のDPI設定や,加速,ホイール回転の反応などを設定できる。

Kone Pure Militaryのドライバソフトウェアを導入し,設定ツールを起動したところ。Kone Pure Opticalと共通のようである。なお,左下のアイコンが日本の国旗になっている状態だと,チップヘルプは日本語で表示される
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 続いて「BUTTON ASSIGNMENT」タブだが,ROCCAT製品ならではの仕様で,ここはマウスが2個並んだものになっている。

BUTTON ASSIGNMENTタブ。マウスが2つ並んでいる。本体中央より少し下の[MACRO MANAGER]ボタンをクリックすれば,マクロエディタを起動可能
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MACRO MANAGERウインドウ
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EasyShift[+]で割り当てられる機能は使えそうなものから,そうでなさそうなものまでさまざまに用意されている
 このうち,標準で使うのは左側のマウス画像で,基本的には左側のマウスに対して割り当てた設定が有効になる。ただし,ROCCATのボタン設定には「EasyShift[+]」という,キーボードの[Shift]キーに似た機能が用意されており,EasyShift[+]が割り当てられたボタンを押している間だけ,右側のマウス画像側で設定したボタン設定を利用できるようになっているのだ。

 なお,EasyShift[+]機能を割り当てられるボタンは左サイドボタンのどちらかのみ。アクション性の高いゲームだと使い道はないと思うが,オンラインRPGのようなタイトルでは,左右メインボタンとスクロールホイール分だけ,追加の機能を割り当てられて便利かもしれない。

 「ADVANCED CONTROL」タブでは,直線補正や,リフトオフディスタンス,ポーリングレートなどを設定できるが,ここで注目したいのはリフトオフディスタンスの設定項目「DISTANCE CONTROL UNIT」だ。選択肢は「OFF(DEFAULT)」「NORMAL」「LOW」「EXTRA LOW」の4つで,ラジオボタンから選択すると,キャリブレーション用ウインドウがポップアップするので,それに従えば,センサーの出力をマウスパッドに対して最適化してくれるのである。

ADVANCED CONTROLタブ。DISTANCE CONTROL UNITのラジオボタンを選ぶと,キャリブレーション用ウインドウが開く。なお,「SOUND FEEDBACK」のチェックボックスは,すべてチェックを外しておくのがオススメ。でないと,チェックした項目に応じて,野太い男声のナレーションが入ってビビることになる
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サーフェスキャリブレーション用のウインドウ。最適化時は使用するマウスパッドの上で10秒間マウスを動かし続け,最後に承認するだけ
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 なので,あまりいないとは思うが,たとえばAというマウスパッドに対してLOW設定で最適化した後,最適化をリセットすることなくBというマウスパッドで使い始めると,とんでもない挙動になるという事態を迎えかねないのだ。
 マウスパッドを買い換えた後などはハマりやすそうなので,プレイ環境が変わったときには,一度OFF(DEFAULT)に戻すことを勧めたい。

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「COLOR CONTROL」タブ。マウスの手前側(=後側)にあるROCCATロゴ部へ埋め込まれたLEDイルミネーションの色や明滅具合を設定できる
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ボタンの使用状況などを確認できる「R.A.D.」タブ。使い込んでいくと実績も解除されたりするが,まあ,あまり意味はない
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「UPDATE/SUPPORT」タブからは,ドライバソフトウェアのダウンロードページやオンラインサポートのページへと飛べる

COLOR CONTROLから,LEDの色として,左から青,紫,赤紫,赤,深緑,白を設定したところ。全体的に赤の発色が強かったり弱かったりと今ひとつか
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 なお,全部のタブで下部ペインに表示される「GAME PROFILES」部分だが,ここには前述のとおり,最大5個のプロファイルを設定・保存できる。

 1〜5のスロットに保存したプロファイルは,この設定ソフトウェア側で保存した項目は,マウス側のフラッシュメモリに保存される。結論から先にいうと,設定した内容の多くは,ドライバソフトウェアが導入されていないPCでも利用できるため,一部のオンラインゲームでは,そういう設定が規約上問題ないかどうか確認する必要があるだろう。


センサー性能はまずまずか

サーフェスキャリブレーションの効果はある


 では,肝心要のセンサー性能はどうだろうか。下に示したテスト環境と設定で,いくつかの検証を行ってみたい。

●テスト環境
  • CPU:Core-i7 4770(定格クロック3.4GHz,最大クロック3.9GHz,4C8T,共有L3キャッシュ容量8MB)
  • マザーボード:GIGA-BYTE TECHNOLOGY GA-Z87X-UD4H(Intel Z87 Express)
    ※マウスのレシーバーはI/Oインタフェース部のUSBポートと直結
  • メインメモリ:PC3-12800 DDR3 SDRAM 8GB×2
  • グラフィックスカード:GIGA-BYTE TECHNOLOGY GV-760OC-2GD(GeForce GTX 760,グラフィックスメモリ容量2GB)
  • ストレージ:SSD(CFD販売「CSSD-S6T128NHG5Q」,Serial ATA 6Gbps,容量128GB)
  • サウンド:オンボード
  • OS:64bit版Windows7 Ultimate+SP1

●テスト時のマウス設定
  • ファームウェアバージョン:V1.10
  • ドライババージョン:V1.05
  • DPI設定:100〜5000 DPI(主にデフォルト設定の800 DPIを利用)
  • レポートレート設定:125/250/500/1000Hz(※主にデフォルト設定の1000Hzを利用)
  • Windows側マウス設定「ポインターの速度」:左右中央
  • Windows側マウス設定「ポインターの精度を高める」:無効

 まずはリフトオフディスタンス計測からだ。DISTANCE CONTROL UNITにある「OFF(DEFAULT)」「NORMAL」「LOW」「EXTRA LOW」の4段階すべてで計測を行うことにした。
 計測にあたっては,マウスパッドおよびDISTANCE CONTROL UNITの設定変更を行うたびにサーフェスキャリブレーションをやり直しつつ,厚さの異なるステンレスプレートを重ねて,スコアを取っていく。対象となるマウスパッドは,標準的に用いている14製品とは別に,Sense Militaryも追加している。その結果はのとおりだ。

表 Kone Pure Militaryのリフトオフディスタンス検証結果
OFF(DEFAULT) NORMAL LOW EXTRA LOW
ARTISAN 隼XSOFT(布系) 1.7mm 2.1mm以上 0.8mm 0.6mm
ARTISAN 疾風SOFT(布系) 2.1mm以上 2.1mm以上 2.0mm 1.6mm
ARTISAN 飛燕MID(布系) 2.1mm以上 2.1mm以上 1.1mm 1.0mm
Logicool G440(プラスチック系) 2.1mm以上 2.1mm以上 2.1mm以上 2.0mm
Logicool G240(布系) 2.1mm以上 2.1mm以上 1.1mm 0.9mm
Razer Destructor 2(プラスチック系) 2.1mm以上 2.1mm以上 1.2mm 0.9mm
Razer Goliathus Control Edition(布系) 2.1mm以上 2.1mm以上 1.3mm 0.8mm
Razer Goliathus Speed Edition(布系) 2.1mm以上 2.1mm以上 0.9mm 0.8mm
Razer Manticor(金属系) 0.6mm 1.5mm 0.4mm 0.8mm
SteelSeries 9HD(プラスチック系) 2.1mm以上 2.1mm以上 1.5mm 1.1mm
SteelSeries DeX(布系) 2.1mm以上 2.1mm以上 0.8mm 0.7mm
SteelSeries QcK(布系) 2.1mm以上 2.1mm以上 0.8mm 0.7mm
ZOWIE G-TF Speed Version(布系) 2.1mm以上 2.1mm以上 1.4mm 1.3mm
ZOWIE Swift(プラスチック系) 1.8mm 1.7mm 1.6mm 1.6mm
ROCCAT Sense Military(布系) 2.1mm以上 1.5mm 2.1mm以上 0.7mm

 今回特別にテスト対象としたSense Militaryでだけ「LOW」設定時のスコアがおかしいのだが,それ以外では,選択どおりの結果が得られていると述べていいだろう。マウスソールの重ね貼りをしたりしない限り,短めの設定で最適化してしまえばいいのではないかと思う。

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 続いてはセンサー性能検証だ。今回も「MouseTester」を使ってみたい。
 ここでは,マウスパッドをARTISAN 隼XSOFTで固定のうえ,レポートレートを1000Hzに固定し,初期のプリセットDPI設定である400/800/1600/3200/5000を選択した状態で,挙動を追うことにした。

 下に示したグラフは,Y軸のプラス方向が左への移動,マイナス方向が右への移動時におけるそれぞれカウント数,横軸がms(ミリ秒)をそれぞれ示している。青い点が実際のカウント,青い波線はそれを正規化したものなので,波線が青い点の上にあるほどセンサーの性能が良好という理解でいい。それを踏まえ,見比べてもらえれば幸いだ。

400DPI設定時。全体的には破綻が少ないだけに,左右への振り返し時,必ず1回だけカウントが飛んでいるのが気になる
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800DPI設定時。全体的には400DPI設定時と似た傾向だが,折り返し地点での乱れが若干増えている。中には,折り返し後にカウントが飛んでいるところもあった
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1600DPI設定時。やはり,折り返し地点でカウントが一瞬飛んでいる。画像には収まっていないが,この範囲外に飛んでいるカウントもあった
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3200DPI設定時。折り返し時の乱れ方が大きくなった印象もある
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5000DPI設定時。ここまでのテスト結果と変わらない
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 基本的には綺麗な波線を描いているのだが,DPI設定に関わらず,折り返し時,ほぼ確実にカウントの“すっ飛び”が生じているのは惜しい。全体としてはまずまず良好であるものの,優秀とまではいえない,といった感じである。

 最後に,直線補正周りもチェックしておこう。設定用ソフトウェアの「ADVANCED CONTROL」タブ以下にある「Angle Snapping」を「OFF」にした直線補正無効時と,「ON」にしたうえで1〜6の選択肢から最大の6を選んだ最大補正時で,Windows標準の「ペイント」を使って線を引いてみたが,「OFF」選択時は,体感レベルでは直線補正が無効と断言できるレベル。「ON」+6選択時だと,逆に気持ち悪いくらいの補正がかかった。ゲーム用途では「OFF」の利用が賢明だ。

直線補正無効時と有効時の比較。上段と下段のどちらが無効時で有効時かは,説明するまでもないだろう
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Pro-Optic(R4)は「PMW3310DH」で確定

センサーの性能はまずまず


 Kone Pure Opticalの搭載するPro-Optic(R3)センサーはPixArt Imaging(旧Avago Technologies,以下 PixArt)の「ADNS-3090」だったが(関連記事)が,Kone Pure MilitaryのPro-Optic(R4)の正体は何だろうか。
 探るべく分解してみると,レンズユニットが黒い布で覆われたメイン基板と,天板部に固定されたサブ基板が姿を見せる。

上面カバーを取り外すと,マルチ基板構成だと分かる。特徴的なのは,レンズユニットを覆う黒い布だが,これはいわゆる布テープのようになっており,貼り付けられていた
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 下に示した写真は,メイン基板を取り出して,黒い布も取り去ったものだ。センサーは,最近のゲーマー向け光学センサー搭載マウス上位モデルで定番の「PMW3310DH」で確定した。組み合わせられるUSBマイクロコントローラが,32bit版ARMアーキテクチャに基づくCPUコア「Cortex-M3」を統合するSTMicroelectronics製「STM32F103」なのも,最近のトレンドに沿ったものだといえるだろう。

基板に寄ったところ。光学センサー上の刻印は「PMW3310DH-AWQT」だった。マイクロコントローラは「STM32F103C8T6」
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 左右メインボタン用スイッチはオムロン スイッチアンドデバイス製の標準モデルとなる「D2FC-F-7N」。センタークリック用ボタンのスイッチに「OTM」という刻印が入っている点も含め,メイン基板側のスイッチ系はKone Pure Opticalから変わっていないようである。

左右メインボタンとセンタークリック用ボタンのスイッチは,いずれもKone Pure Opticalと同じ
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左はサブ基板と上面カバーから取り外したところ。サイドボタン用スイッチは「TTC」刻印入りだ
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 というわけで,Kone Pure Militaryは,Kone Pure Opticalよりも一世代新しいセンサーを搭載しており,サーフェスキャリブレーションも含め,イマドキの仕様を獲得していると述べてよさそうだ。これからROCCATの光学センサー搭載モデルを確実に手に入れたいなら,Kone Pure Militaryを選択したほうがよいとさえ言えそうである。


価格は高いが,“総合得点”も高い

見た目に惹かれたなら選択する価値がある


 以上,Koneシリーズのカラバリに見えて,その実,最新世代モデルとなるKone Pure Militaryをチェックしてきた。
 センサーは,“折り返し”時の乱れが少々気になるので,優秀とまでは言えないと述べたが,ゲームプレイにおいての体感で,問題は最後まで感じなかった。よほど気にする人でなければ挙動に違和感を覚えることはないと思う。サーフェスキャリブレーション機能もあり,総合点は高い印象だ。

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 問題は価格だろうか。単体で8900〜9300円程度,豪華とはいえPower Packだと1万3200〜1万4000円程度というのは,やはりちょっと高すぎる印象が否めない。「War Thunder」のプレイヤーには申し訳ないが,日本でWar Thunderのバンドルがあっても,喜ぶ人はそう多くないだろうというのも,引っかかるところがある。
 ただ,いわゆるゲーマー向けマウスらしくなく,それでいてコラボモデルのようなゴテゴテした感じにもなっていない配色は悪くない。外観に惹かれたのであればアリだろう。

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ROCCAT公式Webサイト(英語)


4Gamer×ROCCAT特別企画。ミリタリー調マウス&マウスパッドのセット「Power Pack」を購入して,「Kave XTD」ヘッドセットを当てよう

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