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PSP用“ヒラメキ発見ミステリ・ノベル”「TRICK×LOGIC」の推理力検定試験 ナゾトキ模擬試験に参加してきた
このイベントは,「TRICK×LOGIC」推理力検定 ナゾトキ模擬試験。端的にいえば,発売に先駆けて「TRICK×LOGIC」をプレイできる先行体験会なのだが,ちょっと変わった趣向がこらされていた。
その趣向というのは,ゲームメディアの記者だけではなく,東京大学をはじめとしたいわゆる高学歴大学の現役学生,ミステリ研究会メンバー,ミスキャンパス,体育会系学生などを中心とした,約100名が参加する「模擬試験」という形式が採られていたこと。なお,イベントの会場となったのは,東京都豊島区にある「みらい館大明」(元:大明小学校)だ。
そして模試結果は,推理の評価,得点とともに“トリロジ偏差値”として算出され,受験者のプロフィールと合わせて公式サイトで本日(7月8日)より公開されている。推理力が高く閃きやすいのはどういった人なのかを,導きだしてみようというわけである。
「TRICK×LOGIC」公式サイト
「推理力検定 ナゾトキ模擬試験」結果発表ページ
4Gamerにも「プロのゲームソフト研究・評価を生業としてらっしゃる,御メディアの皆様にも是非,このナゾトキ模擬試験を受験して頂ければと思っております」という挑戦状(?)が届いたので,不肖ながら筆者が参加してみたというわけだ。うーん,成績が悪かったらどうしよう……。
なお「TRICK×LOGIC」は,プレイヤーの分身となる天才検事・芳川樹が,閻魔大王ヤマ・ラージャから手渡される冥界の書物「アカシャ」に記された,未解決事件の解明に挑むというストーリーだ。シナリオを我孫子武丸さん,綾辻行人さん(※),有栖川有栖さん,竹本健治さん,麻耶雄嵩さん,大山誠一郎さん,黒田研二さんという,豪華な作家陣が担当しているのが見どころである。
※綾辻さんの「辻」の字は二点しんにょうです。
また本作は,あまり類を見ないパターンでの販売形式が取られている。「TRICK×LOGIC」に収録される“事件ファイル”は全10本。2010年7月22日に発売される「シーズン1」には,練習問題+事件ファイルNo.1〜No.4,そしてボーナスとしてNo.5の“推理編”が収録される。
発売日の1週間後となる7月29日には,PlayStation Storeにて事件ファイルNo.5の“解決編”(※「シーズン1」購入者のみ,無料でダウンロード可能)と,No.6の“推理編”(※400円)が配信開始となる。以後,週に1本のペースで新しい事件ファイル推理編と,その1本前の事件ファイル解決編が配信されるわけだ。1話ずつ購入した人も,翌週の木曜日には購入話の解決編が無料でダウンロードできる。詳細は,公式サイトにて確認をしてほしい。
ちなみに2010年9月16日に発売予定となっている「シーズン2」は,PlayStation Storeで先行販売される事件ファイルNo.5〜10をまとめてUMDに収録したものとなる。
我孫子武丸さん,綾辻行人さん,竹本健治さんが来場
さらにはサプライズゲストの乱入も?
“受験”前には,シナリオを手がけた作家陣のうち,我孫子さん,綾辻さん,竹本さんのお三方がゲストとして出演し,本作の開発経緯や見どころなどを語ってくれた。
本作開発の経緯は,我孫子さんがチュンソフトのスタッフからゲーム開発での相談を受けたのがきっかけだったとのこと。
そのコンセプトは,綾辻さん,有栖川さんが共同執筆したテレビドラマ「安楽椅子探偵」シリーズのような“犯人・トリック当て”をゲームの形に落としこむというもので,我孫子さんには,そのシナリオを書いてほしいという依頼があったそうだ。
話を聞いた我孫子さんは,「シナリオを一人で書くよりもさまざまな作家に参加してもらいたい!」と思ったため,犯人当てを書ける作家さんに声をかけてお願いしたとのこと(綾辻さんによれば,お願いというよりは“招集”だったようだが)。
綾辻さんは,通常,作家とゲームの関わり方は難しいが,今回は我孫子さんが監修し,さらには制作が「かまいたちの夜」を作ったチュンソフトということで信頼できる,しかも,「小説家としてお手のものである『小説部分のみ』を書き下ろせばよい」という段取りだったので,この話を受けたと笑顔で話していた(昔,「かまいたちの夜」制作途中の我孫子さんを見ていて「ゲーム制作は,かなり大変だ」という認識だったらしい)。
竹本さんは,ゲームのシステムがどうなるかはまったく分からなかったものの,「そういうことはあまり気にせずに,小説で犯人当ての問題を書いてほしい」と頼まれたので,それならばということで引き受けたと話していた。
我孫子さんは,「TRICK×LOGIC」について,サウンドノベルとは違い「小説をまず読む」ため,本を読む感覚に近く,犯人当てで解く段階がゲームになると,ポイントを挙げた。
細かい手がかりを積み上げて,全部拾って組み合わせていかないといけない,一足飛びに犯人に辿り着けないようになっており,難度は高いので心してかかってほしいと話していた。
綾辻さんは,有栖川さんの「犯人の名前だけ当てられても痛くもかゆくもない」というコメントを引き合いに出し,「TRICK×LOGIC」では,勘で怪しい人物が分かっても,ちゃんと筋道,犯行のロジックを示さないとクリアできないので,難しいかもしれないと話した。
ちなみに,竹本さんが担当したのは初級編・中級編に当たるシナリオとのことだ。
最後に我孫子さんは,受験者に向けて,「割と本筋とは関係なさそうな,でも“何か気になる手がかり”を拾っていかないと,100%の回答にはならないので,注意深くやってみてください」とコメントした。
そしてここでサプライズゲストとして,南海キャンディーズの山里亮太さんとチーモンチョーチュウ(白井鉄也さん,菊地浩輔さん)が登場した。お三方は,吉本興業所属のゲーム・推理好きの芸人達で立ち上げた「よしもとミステリ研究会」のメンバーで,自分達にも受験させろということでやって来たとのこと。山里さんは自信満々で「解いちゃいますよ」と語っていたので,「TRICK×LOGIC」公式サイトで,その結果を確認してみてほしい。
「推理力検定 ナゾトキ模擬試験」結果発表ページ
そして模試では,我孫子さんのシナリオである,事件ファイルNo.1「盗まれたフィギュア」に挑戦。制限時間は90分だ。ここからは,ゲームの流れを,実際にプレイした感触と共にお伝えしていこう。
最初は,小説を通読することから始まる。一度読み終えると,2回めからは文章中のキーワードが赤く表示される。ここからが推理の本番となる。
キーワードは最大五つまで「スロット」に入れることができる。正しいキーワードがスロットに入った状態で「推理実行」をすると,「ナゾ」が生まれる。さらにこの「ナゾ」と別のキーワードを正しく組み合わせると,「ヒラメキ」が生まれる。
この「キーワード」「ナゾ」「ヒラメキ」を集め,犯人とトリックが分かったら,「調書」の解答欄に入力をして,推理を完成させる。見事正しい犯人と犯行のトリックを説明できたらクリアとなる。
説明すると簡単に見えるかもしれないが,実際にプレイするとかなり難しい。たとえば,本編となる小説は,PSPに表示されるページで数えて30ページ以上(第一話なのに!)あるし,キーワードも数十個は軽くある。実は“意味のないキーワード”も多々含まれているので,行き当たりばったりではダメだし,総当りは組み合わせの数を考えただけでもめまいがするほど。素直に,自分の推理力を働かせるしかない感じである。
なお,小説を読んでいるときには,気になったページに“付箋”を貼ることができるので,気になるキーワードがあるときは,がしがし貼っていくといいだろう。また,詰まってしまった場合はヒントを見ることもできる。
ちなみに,プレス関係者が集まった会場で制限時間内にクリアできたのは,筆者を含めて5〜6人といったところ。筆者の場合,クリアするまでにかかった時間は60分程度だったが,制限時間内にクリアしなければという焦燥感から,なりふりかまわずヒントを使ってしまった。今振り返れば,ちょっともったいないことをしてしまった気がする。
我孫子さんによれば,シナリオの中には「事件ファイルNo.1」の2倍以上のボリュームのものもあるとのことなので,ボリューム感についても,心配はなさそうである。
記事の冒頭でも書いたように,この模試に参加した人達の結果は,本日「TRICK×LOGIC」公式サイトで公開されている。山里さん,白井さん,菊池さんの結果や,おまけで筆者の結果も多分載っているので,気になる人はチェックしてほしい。
「TRICK×LOGIC」公式サイト
「推理力検定 ナゾトキ模擬試験」結果発表ページ
- 関連タイトル:
TRICK×LOGIC シーズン1
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