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Valveが公開した,「Portal 2」のE3 2010プレス向けデモのムービーを掲載。会話の内容を翻訳してみよう
Valveが発売を予定している,「Portal 2」(PC/Mac/PlayStation 3)のインゲームムービーを掲載した。これは,Sony Computer Entertainmentのプレスカンファレンスで制作発表が行なわれたあと,Electronic Entertainment Expo(E3)の会期中にプレス向けにお披露目された映像の一部で,筆者が取材時に見たものと同じだ。
Valveでは,今後七つのパートに分け,週ごとに新映像を公開していくとしており,来週からはプレス試写でも披露された,パズルの新たなロジック6種類が公開されていくものと思われる。
さて,今回公開されたムービーは,ゲームの導入部分をつなげたもののようで,プレイヤーの序盤のガイド役になると思われる球体ロボット,Wheatleyと一緒に,GLaDOSが蘇りつつある屋外へ向かう様子が描かれている。
なお,E3の取材記事では,筆者の聞き取り間違いによりロボットの名称を「Weedly」としているが,実際にはWheatleyが正しいようだ。
以下,今回の映像に出てくる会話を翻訳したが,ほとんどすべてのセリフは,ゲーム中に一言も言葉を発しないプレイヤーに向けて行なわれているものと考えていい。
イギリス風のアクセントでしゃべるWheatleyが,コミカルなキャラクターとして描かれているのに加え,GLaDOSも前作以上に感情を表に出している。今回は,ロボットやAI達の個性を強調することで,ストーリーに面白みを加えているのだろう。
シーン1:研究施設の内部
Wheatley:
ねえ,そこのお嬢さん! ここだよ! ああ,良かった。戻って来たんだね。僕を残して逃げようとしたんじゃないかって,馬鹿なこと考えてたよ。ほら,そこに穴を開けてよ(と言って,向かいの部屋に出口用のポータルを開くことを促す)。
Wheatley:
パーフェクト。彼ら(Aperture Scienceの研究者だろうか?)は僕に,絶対このレールから離れちゃいけない,さもないと死んじゃうって言うけど,もうほかに選択肢がないからね。ここから離れた時点で絶対に受け止められるよう準備してくれる? いくよ,ワン,ツー……。ああ待って,大丈夫,大丈夫。練習は終わりだよ。準備できてる? ワン,ツー,スリー。受け止めて……痛ててて……(床に落ちる)。
シーン2:研究施設の通路
Wheatley:
あそこのドアロックに僕を投入して。ドアを開けてあげるよ。(プレイヤーがWheatleyを投入したあとで)見られてたらやりにくいんだよね。
Wheatley:
(しばらくして)よし。もうこっち見ていいよ! これが秘密のトンネルだ。
シーン3:秘密のトンネル1
Wheatley:
うわあ,なんてすごいんだ。いろんなところ見回せるよ!
タレット:
ハロー(横になった状態で助けを求めている様子)。
Wheatley:
ああ,目を合せちゃいけないよ。ノーサンクス。僕ら問題なし。ありがとねー! ほらほら,歩いて歩いて!
シーン4:秘密のトンネル2
Wheatley:
ほんと,わずらわしいロボットだな。でも,このルートしかないんだよ。彼女のチャンバーの向こう側に,開いている場所がある。誰も知らないところなんだけど,そこに今連れてってあげるよ。
シーン5:GLaDOSのチャンバー
Wheatley:
(GLaDOSが動き出しているのを見て)大丈夫。今,止めるからパニックにならないようにね。パスワードさえあれば大丈夫なんだけどね。まあ僕が今からハッキングするから問題ないよ。A-A-A-A-A-A (ハッキング失敗の警告音) 。これじゃないな。A-A-A-A-A-C (ハッキング失敗の警告音)。あ,今Bを飛ばしちゃった? ペン持ってたら,ちゃんと記録しておいてよね,間違えないように(その間に,GLaDOSが首をもたげるような動作で起動する)。
Wheatley:
ああ,嘘だろ! よし,新しい計画を錬ろう。自然体を装うんだ。何にも悪いことしてないんだから。
GLaDOS:
ああ,あなたなのね。
Wheatley:
え,彼女のこと知ってるの?
GLaDOS:
しばらくぶりね,元気にしてた?
Wheatley:
彼女,あんたのこと気に入ってるみたいだね!
GLaDOS:
私はずっと忙しかったのよ,死んだフリをしているの。分かるでしょ,あなたに殺されてからのことよ。
Wheatley:
あんた,何をしたって?
GLaDOS:
(ため息をついて)オーケー。まあ,いいわ。私達はあなたが後悔するようなことを言い過ぎちゃったかも知れないわね。でも,そんなことは水に流しましょう。科学のためにね,モンスターちゃん。
筆者がE3の取材時に,Portal 2のプロダクトディレクターであるErik Johnson(エリック・ジョンソン)氏から聞いた話だが,GLaDOSはプレイヤーキャラクターを殺す気はまったくないのだそうだ。話し方が冷たく,話の内容は不気味なのだが,AIであるため生死に関する感情はなく,主人公にさまざまなチャレンジを与える動機も,殺すための罠を仕掛けているわけではなく,「実験用マウスのように,主人公を使って新製品の性能を試している」という理由しかないという。
それゆえ,有望な実験体であるのに,思いどおりに行動してくれない主人公に対して「モンスターちゃん(You,Monster)」などと語りかけているものの,敵対的な感情を持っているわけではないのである。
現在のところ,Portal 2は2011年のリリースを予定しており,今からムービーを使ったプロモーションを始めるのは少し早すぎるような気もする。しかし,本作には相当数のキャラクター(ロボットやAI)が登場すると見られており,早めの告知をしてもすべて語り尽くせない,かなりボリュームある作品になるのだろう。来週以降も続くという,映像の公開に期待したい。
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