インタビュー
「DIVINA」に新職業モンクも追加される12月アップデートや気になることあれこれを開発スタッフに聞いてみた
まずは,気になるアップデートの内容から。
今回のアップデートは,高レベル向けコンテンツが中心だ。DIVINAは,比較的サクサクとレベルが上がるため,すでにレベルキャップに達していたプレイヤーにとっては待望の追加コンテンツといえるだろう。12月のアップデートでは,レベルキャップは現在の81から110まで開放され,あわせて新マップ,新インスタンスダンジョン,新ボスキャラなどが追加される。
まず,新マップだが,前回の取材でも軽く紹介したように,中国風のマップが追加される。中国神話や,封神演義,白蛇伝,西遊記といったものをモチーフとしたモンスターやクエストが登場する模様。システィアの次のエリアは日本神話を意識したものとなっていたこともあり,DIVINAは香港でもサービスされていることを考えると,ごく順当な流れだろうか。
「DIVINA(ディビーナ)」公式サイト
また,中国に関連した新職業が追加されるのも大きなトピックだ。
新職業は,格闘系のもので,取材時に使用していたクライアントは中文が残っていて,職業名は「拳師」となっていたが,日本では「モンク」となる模様。
中国をイメージしたということで,カンフー使いの職業だ。素早い打撃と気功を使ったスキルを持っている。特徴としては,防御力はファイターよりやや弱めだが,攻撃力はかなり強めに設定されていることが挙げられる。多くの攻撃がマルチヒットする。基本的に近接職だが,一瞬で離れた場所の敵に接近するようなスキルが用意されているほか,一応「気功波」のような感じの飛び道具も存在する。全体的にスキルエフェクトは,これまでの職業とはちょっと雰囲気が違うものとなっており,全体にかなり派手めだ。
モンクはダメージディーラーとして活躍するほか,指定したメンバーが受けたダメージの半分を自分で引き取るようなことができる。一撃必殺系の攻撃をしてくるボスなどではタンクの負担を減らしたり,体力が減って危うい状態のパーティメンバーをとっさにかばうようなこともできるということだろう。もっとも,パーティのヒーラーからすると,ヒール対象が増えるのは微妙なところかもしれない。いずれにしても,なかなかプレイヤースキルの問われる要素になりそうだ。
新たなやり込み要素も充実
トロフィーシステムと称号システム
また,トロフィーと似たもので称号システムというものも追加される。だいたいのイメージで分かると思うのだが,キャラクターの名前表示部分に追加で表示されるものとなる。
称号には「一般称号」と「特殊称号」の2種類があり,面白いのは,それぞれが形容詞と名詞の形で定義されていることだ。「伝説の」「流浪」や「究極の」「守護者」のような感じで,2種類を組み合わせて使用する。獲得した称号のうち,どの称号の組み合わせにするかはプレイヤーの自由で,称号の組み合わせによって,さまざまなバフ効果が発生するという。
「どの組み合わせで,どんなバフ効果が出るかは,プレイヤーの皆さんで探してみてください」(Jack氏)
なお,称号というのは,どれくらいのレベルから獲得できるのかと聞いたところ,レベル1から付けられるものもあるという。また,これらの称号は,称号システムの実装と同時に遡及して反映されるとのことなので,すでにさまざまな冒険をこなしてきているプレイヤーならば,実装された途端に多くの称号を手に入れることになるだろう。
トロフィーと称号は,よく似たシステムで,獲得条件が重なることもあるものの,その味付けはちょっと異なる。
トロフィーは獲得しても,即時でなにかがアンロックされたりといったものではない。達成度のランキングくらいにしか使われないのだが,その代わり,難しい条件をクリアすると,全体チャットでおめでとうメッセージが流れるようになっているという。全体に,プレイヤーの自己顕示欲に訴える仕様になっている。
一方の称号のほうは,ランキングなどとは無縁だが,さまざまなバフ効果が得られるので,トロフィーよりも実利的な魅力のあるものとなっている。その代わり,レアな称号を獲得したからといって,サーバー内に通知されるようなこともない。
戦いながら育てる新システム「戦友のエッグ」とは?
戦友と一緒に冒険をして,戦闘したり,ダンジョンを攻略していると,ポイントが溜まってくる。それを「アイテムの卵」に振り分けることで,卵を孵化させることができるのだ。
ルーセントハートは恋愛系のゲームだったので,どうしてもキャラクターの性別に依存するものだったのだが,戦友であれば,そういった条件も緩やかで,より身近なものとなっているといえるだろう。報酬はランダムで,装備だったり,フェアリーペットだったりと,とにかく卵を孵してみなければ分からない。こういう部分も地味に改善点といえるかもしれない。
クラリスとクラリアをめぐるストーリーが大きく進展
象徴的なのが,この二人がボスキャラとして登場してくることだ。
取材時の画面では,クラリアが単独ボスとして登場するのが確認できたほか,今回のストーリーラインでの最終ボスは,クラリス(?)&クラリア(?)の合体攻撃になる模様。最終ボスは「恐ろしく強い」(稲川氏)とのこと。
そこに至るまでのストーリー展開にも見所が多いので,次回のアップデートでは,最終ボスを一つの目標にしてほしいとのことだった。
アップデート内容を駆け足でまとめたところで,DIVINAの開発を行ったPlayCoo(台湾Gamaniaの開発子会社)のCEOであるJoice氏とJack氏にいろいろ聞いてみたので,インタビュー形式でお届けしたい。
4Gamer:
よろしくお願いします。DIVINAの正式サービスが始まって2か月近く経ちましたが,プレイヤーからの反響はいかがですか?
Joice氏:
ルーセントハート,DIVINAともに,日本の皆さんに気に入ってもらえたかなと感じています。PlayCooの作るものが日本で受け入れられているのは非常に嬉しいですね。
現在は運営を開始していますが,ルーセントハートのときとは状況など異なっている部分がありますので,主にプレイヤーからの意見を回収している段階です。
4Gamer:
ルーセントハートから引き継いだ部分,逆にルーセントハートから変わった部分はどんなところでしょうか。
PlayCoo CEO Joice氏 |
ガマニアデジタルエンターテインメント 稲川氏 |
Joice氏:
引き継いだのは,キャラクターなどが可愛いというビジュアルの部分,ユーザーインタフェースなどですね。変えた分としては,新しく追加されたものですね。二つの職業を使えるダブルキャストやモンスターに変身できるモンスターキャスト,一緒に戦ってくれるソウルメイトやテリトリーシステムなどになります。また,ルーセントハートに比べると一人でも遊べる要素というのを増やしています。
4Gamer:
テリトリーシステムなのですが,日本での使われ具合はどんな感じなのでしょうか。
稲川氏:
そうですね。だいたい半分くらいの人は使っているのではないでしょうか。クランの設立は毎日新しいものが続々とできている状況ですし,クランメンバーの活動によってクランにメリットが生じ,クランマスターが働きに応じてメリットを分配していくということで,コミュニティは活発になっているようです。
4Gamer:
最初にテリトリーシステムの話を聞いたときは,MMORPGとソーシャルゲームを組み合わせた,なかなか恐ろしいシステムだと感じました。プレイスタイルとしては,むしろこっちが主体になって,コマンドの待ち時間にダンジョンに行くとかいった感じになるのかなと思っていたのですが。
稲川氏:
そこまでではないですね。プレイスタイルとしては,インスタンスダンジョンをクリアするという部分が動機になっている人が多いようです。そこを有利にするために,特典マップやバフなどでテリトリーシステムが活用されているという感じです。
4Gamer:
なるほど。ブラウザゲーム風のものにしたのはなぜでしょうか。
Jack氏:
一つには新しい要素を入れたいというのがありました。市場での発展具合が著しいブラウザゲームの仕組みを研究してみました。
4Gamer:
そもそもテリトリーシステムを開発しようとしたきっかけはなんでしょうか。
Jack氏 |
これはルーセントハートの経験からきています。ルーセントハートでは,クランマスターが一人でクランを運営しています。これをみんなで運営に参加するようにできないかと考えました。
また,ルーセントハートではログインの時間帯などによってクラン活動で活発に参加できない人がちょっと肩身の狭い思いをしていました。場合によっては,あまりログインしていないとクランから排除されることがあったりといった問題も出ています。そこで,誰もがクラン活動に参加しやすい形というものを考えました。最近流行し始めたブラウザゲームの流れも取り入れて作ったのがテリトリーシステムです。テリトリーシステムでは,短時間のログインしかできない人でも,クランの活動に参加でき,クランにメリットをもたらすことができます。ブラウザゲーム風の仕組みがうまくマッチしたと思っています。
4Gamer:
せっかく開発の方がいらっしゃるので,ちょっと気になる点について聞かせてください。オートランはなんとかならないですか? ちゃんと目的地に到着はするのですが,かなり遠回りをすることが多いのですが。また,これは飛天オンラインのオートランと挙動が似ているのですが,ひょっとしてSOFTSTARの開発者が移られたとか?
Jack氏:
いえ,そういうわけではありません(笑)。ルーセントハートで自動移動をしていたペット用のアルゴリズムをそのまま持ってきたところ,あんな挙動になってしまいました。我々としても,あれがベストであるとは考えていませんので,あまり寄り道をしないように今後いろんな方式を導入して調整をしていく予定です。
4Gamer:
4Gamerのユーザーレビューを見ていると,いわゆる「横殴り」の問題が多く出ているようにも見受けられますが。
Jack氏:
クラスによって攻撃を始めるまでの時間が違いますので,そういった問題が起きることがあります。また,モンスターの密度が高めですので,かちあうこともあるようです。そういった点については,これから攻撃を始めるんだということが分かりやすい表示方法などを導入することを検討しています。
4Gamer:
ほかのキャラクターを非表示にしている場合に,横殴りが分かりにくいという指摘も出ていますが。
Jack氏:
そういう場合は,攻撃のメッセージを表示する設定にしておいてもらると,誰が戦っているのかなどが分かりますので,プレイヤーキャラクターを非表示にする場合はこれをチェックしておいてほしいですね。
4Gamer:
DIVINAでは,街ごとに巨大な動物オブジェクトがありますよね。あれはどういうふうに決めているのですか?
Jack氏:
基本的に,その街のテーマとなっている神話から持ってきています。ただし,システィアについては,まったく神話と絡んでいない部分ですので,いろいろなものを追加しています。今後もいろいろな神話をPlayCooなりにアレンジして追加していく予定です。
4Gamer:
それでは,12月アップデート以降の展開について教えてください。
Jack氏:
現在,CvCシステムを開発しています。クローズドβテスト時にはPvPが入っていましたが,ルールのないPKができるシステムでしたので,これは見直しを図っています。ルールのある対戦が望ましいということでクラン戦のようなものを検討しています。また,戦闘のルールなどもいろいろ考えていまして,クラン対クランのほかに,複数のクラン対複数のクランといった形式などにも対応する予定です。
また,トレジャーハントのような,レベルに関係なく楽しめる横の広がりを重視したミニゲーム的なものを追加していこうと考えています。
今後のアップデートでは新しい神話を追加するなどの縦の広がりと,ミニゲームなどの横の広がりの両面で開発を行っています。
開発の方向性として,PlayCOOとしては,日本のプレイヤーや運営からの声を非常に重視しているというのはこれまでと変わりありません。日本のプレイヤーは,キャラクターを強く育てるよりもコミュニティ部分を重視していると認識していますので,そういった部分については今後も力を入れていく予定です。もちろん,ゲームを引っ張っていくコアプレイヤーの満足度を高く保つように開発していきますので,今後ともDIVINAをよろしくお願いします。
ルーセントハートでは,いろんな種類のペットがほしいということで,多くのペットを開発したところかなり反応もよく,日本のプレイヤーの方にも喜んでもらえました。PlayCooでは,プレイヤーのニーズをうまく開発に生かしていくことを考えていますので,今後も皆さんの意見を広く求めています。インナー(下着)などについても要望をお待ちしていますので,どんどん要望を送ってください(笑)。
4Gamer:
期待しています(笑)。本日はありがとうございました。
「DIVINA(ディビーナ)」公式サイト
- 関連タイトル:
DIVINA(ディビーナ)
- この記事のURL:
(C) 2013 PlayCoo Corporation
(C) 2013 Gamania Digital Entertainment Co., Ltd.