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Intel,新型Xeonを発表。最大28コア56スレッドに対応するサーバーおよびデータセンター向けCPU
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印刷2017/07/12 14:13

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Intel,新型Xeonを発表。最大28コア56スレッドに対応するサーバーおよびデータセンター向けCPU

 北米時間2017年7月11日,Intelは,サーバーおよびデータセンター向けのCPUとして「Xeon Scalable Processor」計51製品と,対応チップセット「Intel C620」を発表した。
 新しいXeonは,開発コードネーム「Skylake-SP」と呼ばれていたプロセッサで,最大ではCPUあたり28コア56スレッドに対応。CPUあたり最大1.5TBのメモリバス帯域幅を確保する。ターゲットとなるソケット数は2,4もしくは8なので,2ソケットモデルではAMDのEPYCと真っ向勝負することになるだろう。

Xeon Scalable Processorの製品概要。CPU 1基あたり最大で28コア56スレッドに対応する
画像集 No.005のサムネイル画像 / Intel,新型Xeonを発表。最大28コア56スレッドに対応するサーバーおよびデータセンター向けCPU

 Intelは,そんなXeon Scalable Processorで,製品名の命名ルールを変更している。従来のXeonが,対象とする市場ごとに「E7」「E5」「E3」といった識別子の付くものだったのに対して,新世代Xeonでは「Platinum」「Gold」「Silver」「Bronze」といった単語をつけ加えるルールとしたのだ。

新しいXeon Scalable Processorのイメージ。製品名には「Xeon」に続けて,SKUレベルを示すBronze,Silver,Gold,Platinumという単語が付くようになった
画像集 No.002のサムネイル画像 / Intel,新型Xeonを発表。最大28コア56スレッドに対応するサーバーおよびデータセンター向けCPU

 4つの単語はSKU(Stock Keeping Unit,スキュー。商品の種別,あるいは商品群といった意味で使われることが多い)の「Level」(レベル)を示すものとのことで,要は「偉さ」くらいの理解でいいだろう。
 たとえば「Xeon Platinum 8160T」という製品の場合,最初の「8」はSKU LevelがPlatinumであること,次の「1」は第1世代であること,続く「60」はCPUのSKU,末尾の「T」は「High Tcase/Extended Reliability」,つまり動作限界温度が高く,長期間の使用が可能な製品であることをそれぞれ示す。だが,これだけでは肝心のコア数などがまったく分からない。

Intelが示している「Xeon Scalable Processorにおける型番の見方」
画像集 No.006のサムネイル画像 / Intel,新型Xeonを発表。最大28コア56スレッドに対応するサーバーおよびデータセンター向けCPU

 というわけで下に示した2枚のスライドが全ラインナップを示すものだが,これを見ると判断できるように,型番は,CPUコア数も動作クロックもTDP(Thermal Design Power,熱設計消費電力)も規定していない。普通に「4コアのPlatinumモデル」が存在したりしているので,純粋に,型番の見方はさらに分かりづらくなったという理解でいいのではなかろうか。

Xeon Scalable Processorのラインナップ表。1枚めはコアあたりの性能に最適化したSKUと,消費電力あたりの性能に最適化したSKUのそれぞれ一覧,2枚めは10年間の利用を想定した「T」シリーズと,「Xeon Phi」の「Intel Omni-Path Architecture」に対応する「F」シリーズのSKU一覧となる
画像集 No.007のサムネイル画像 / Intel,新型Xeonを発表。最大28コア56スレッドに対応するサーバーおよびデータセンター向けCPU
画像集 No.008のサムネイル画像 / Intel,新型Xeonを発表。最大28コア56スレッドに対応するサーバーおよびデータセンター向けCPU


Skylake-X+新インタフェース=Skylake-SP?


 Skylake-SPという開発コードネームから想像できるとおり,Xeon Scalable Processorのマイクロアーキテクチャは,7月14日の発売が見込まれているSkylake-X世代のCore Xシリーズプロセッサとよく似たものになっている。

 Skylake-Xでは,CPUコアごとに存在するL2キャッシュの容量を256KBから1MBへと大幅に増量する一方で,CPUコア同士で共有するL3キャッシュ(※Intelの表記ではLast Level Cache,LLC)の容量を減らすといった変更――Intelいわく「キャッシュ階層のリバランス」――を採用した(関連記事)。新型XeonのL2およびL3キャッシュシステムも,これと同じものだ。
 またSkylake-Xでは,CPUコア同士の接続を,長年使い続けたリングバス方式から,上下左右に並ぶCPUコア同士を接続したメッシュ構造に変更したが,新型Xeonも,これらの構成を踏襲している。

従来型のリングバス構造(左)と,新型Xeonにおけるメッシュ構造の違いを示したスライド。メッシュ構造では,メモリーコントローラやI/Oインタフェースから物理的に遠いところにあるCPUコアでも,リングバス構造より低遅延でアクセスできるのが利点である
画像集 No.004のサムネイル画像 / Intel,新型Xeonを発表。最大28コア56スレッドに対応するサーバーおよびデータセンター向けCPU

Omni-Path対応版の新型Xeon。通常版にはない端子が目立つ
画像集 No.003のサムネイル画像 / Intel,新型Xeonを発表。最大28コア56スレッドに対応するサーバーおよびデータセンター向けCPU
 そのほかにも,メモリコントローラを従来の4チャネルから6チャネルへ増強していたり,CPUパッケージ同士を接続するインタフェースを,従来の「Quick Path Interconnect」(QPI)から,帯域幅を増大した「Ultra Path Interconnect」(UPI)に変更していたりといった改良も入っている。
 なおIntelは,UPIに加えて,数値演算アクセラレータ「Xeon Phi」で使用している外部インタフェース「Intel Omni-Path Architecture」(以下,Omni-Path)を備えた製品もラインナップしている。

 大雑把に言えば,Skylake-Xで先行して導入済みのアーキテクチャを使いつつ,複数のCPUパッケージを搭載するシステムで性能を発揮しやすくする仕組みを加えたCPUが,新型Xeonといったところだ。
 ここまでの説明からも分かるとおり,ゲーム用途とは完全に無関係だが,Intelがサーバー&データセンター市場向けCPUの世代をSkylakeへ引き上げたことは,押さえておいて損はしないだろう。

Intelの当該プレスリリース(英語)


#### 以下,リリースより ####

インテル株式会社
次世代のビジネス/コンシューマー体験の実現を推し進めるインテル Xeon スケーラブル・プロセッサーを発表

データセンター・プラットフォーム向けに業界最高水準の性能と豊富な機能を提供

ニュース・ハイライト
・進化する今日のデータセンターおよびネットワーク・インフラストラクチャー向けに設計されたインテル Xeon スケーラブル・プロセッサーは、業界最高レベルのエネルギー効率とシステム性能を備え、前世代製品と比べて平均で*21.65倍のシステム性能向上を実現。人工知能(AI)などのワークロードに対して、前世代製品と比べて2.2倍の性能向上(*3)を実現

・クラウドコンピューティング、ハイパフォーマンス・コンピューティング、人工知能などさまざまなワークロードのデータセンター/ネットワーク向けに最適化

・インテル AVX-512、インテル・メッシュ・アーキテクチャー、インテル QuickAssist テクノロジー、インテル Optane SSD、インテル Omni-Path Fabricなど、イノベーションと性能向上をプラットフォーム全体で実現するさまざまな機能を搭載。4年前のシステムと比較して最大4.2倍以上の仮想マシン(VM)*13の集約率を実現しTCOを最大65%削減(*14)

・データセンターとネットワーク・インフラストラクチャー導入の簡素化と迅速化を支援するインテル Select Solutionsを発表

インテル株式会社(東京本社:東京都千代田区丸の内3-1-1、代表取締役社長 江田 麻季子)は、新しいインテル Xeonスケーラブル・プロセッサーを発表しました。同プロセッサーは、リアルタイム分析や仮想化インフラの構築、ハイパフォーマンス・コンピューティングなど演算処理能力が必要なタスクにおいて、かつてないほどの性能向上を実現し、この10年で最大規模となるプラットフォームの進化を実現するデータセンター/ネットワーク向けプロセッサーです。

インテル コーポレーション 主席副社長 兼 データセンター事業本部 本部長のナビン・シャノイは「データセンターとネットワーク・インフラストラクチャーは、精密医学や人工知能、5Gの実現に向けた俊敏なネットワーク・サービスに代表される新しい用途をサポートするために大きな変革を続けています。インテル Xeon スケーラブル・プロセッサーは、この10年で最大規模となるデータセンターの進化を可能にします」と述べています。

本日発表と同時に出荷開始されたインテル Xeon スケーラブル・プロセッサーは、インテルとしては過去最大規模となる早期出荷プログラムをデータセンター向けに実施し、エンタープライズ、ハイパフォーマンス・コンピューティング、クラウド、通信サービス事業者などの主要顧客に対して、既に50万個以上の製品を販売しています。インテル Xeon スケーラブル・プロセッサーは、前世代製品と比較して平均で*21.65倍の性能向上を実現します。また、58の世界最高の数値を記録し、広範なワークロードに対して業界をリードする性能を提供します。

インテル Xeon スケーラブル・プロセッサーは、種々のプラットフォームのイノベーションを通じて、主要なワークロードで下記に挙げるような大幅な性能向上を実現しています。

  • 人工知能:前世代製品と比べ深層学習のトレーニングと推論(*3)の処理能力を2.2倍高速化。また、AIサービスの迅速な提供を可能にするソフトウェアとの最適化により、最適化されていない3年前の製品と比較して、深層学習の処理能力(*3)を113倍向上
  • ネットワーク:インテル QuickAssist テクノロジーとDPDKの使用により、前世代製品と比較して主要なネットワーク・アプリケーションでのIPSec転送レート(*22)を最大2.5倍向上させネットワーク・トランスフォーメーションを加速
  • 仮想化:4年以上前のシステムと比較して最大4.2倍以上の仮想マシン(VM)(*13)の集約率向上を実現し、迅速なサービス展開、サーバ使用率の向上、電力費用の削減、省スペース化を実現しながら、エンタープライズ・データセンターの最新化を推進
  • ハイパフォーマンス・コンピューティング:インテル AVX 512のサポートならびに統合型インテル Omni-Pathアーキテクチャーにより、1クロックあたりのFLOP値(*1)が最大2倍向上。演算処理能力、I/Oの柔軟性、メモリー帯域幅が向上することで研究や革新を支援
  • ストレージ:インテル Optane SSDおよびインテル Storage Performance Development Kit(SPDK)との組み合わせにより、NVMe SSD製品と比較してレイテンシーを最大70%(*11)短くしつつ、IOPS(*11)性能を最大5倍向上することで高度な分析におけるデータ・アクセスを改善

インテル Xeon スケーラブル・プロセッサーは、新しいコア・マイクロアーキテクチャー、新しいインターコネクトとメモリー・コントローラーをオンダイで搭載し、データセンターとネットワーク・インフラストラクチャー向けプラットフォームに求められる信頼性、セキュリティー、管理性、そして性能を提供します。

  • 性能向上:インテル Xeon スケーラブル・プロセッサーは、前世代製品と比べて最大1.65倍(*2)、また現在インストールされているシステムとの比較で最大5倍(*19)のOLTPウェアハウス性能向上を実現。モデリングやシミュレーション、機械学習、HPC、デジタル・コンテンツ制作など今日のワークロード処理を加速化。インテル Advanced Vector Extensions 512(インテル AVX-512)により計算力を重視するワークロード処理能力を向上。新しいインテル・メッシュ・アーキテクチャーによりシステム遅延を短縮し、インテル QuickAssist テクノロジーにより暗号化・圧縮処理をハードウェアレベルで高速化、統合型インテル Omni Path アーキテクチャーによりコスト効率の良いHPCクラスター環境を実現。
  • 拡張性:データセンターや通信ネットワークで求められる幅広い用途向けに最適化されたインテル Xeon スケーラブル・プロセッサーは、最大で28コアと6テラバイトのシステムメモリー(4ソケットシステム)を搭載。2ソケットから最大8ソケットもしくはそれ以上のシステムをサポートし、エントリー・レベルからミッションクリティカル・アプリケーションまでのワークロードに柔軟に対応
  • 俊敏性:演算処理能力、メモリー、ネットワークとストレージのパフォーマンス最適化されたエコシステムを備えるインテル Xeon スケーラブル・プロセッサーは、software-defined、優れたTCO(総所有コスト)、を提供し、ワークロードのニーズに応じて、オンプレミス、ネットワーク経由、あるいはクラウドにダイナミックにリソースをセルフ・プロビジョニングできるデータセンターの構築を実現。
  • 更なるセキュリティー強化:すべてを暗号化することによるデータ保護は、これまで長きにわたって大幅なパフォーマンス低下の原因となってきましたが、インテル Xeon スケーラブル・プロセッサーでは、保存されているデータを暗号化する機能を活用することで、わずか1%未満16 のオーバーヘッドでアプリケーションを稼働させることが可能。また、前世代製品と比較して、データ暗号化を3.1倍高速化(*18)。インテル Key Protection テクノロジーを搭載したプロセッサーでセキュリティー機能を拡張し、深刻なセキュリティキー攻撃に対する保護を強化。インテル Xeon スケーラブル・プロセッサーは、“Root of Trust(信頼の基点)”をハードウェアで担保

次世代データセンターおよび通信ネットワークの基盤
インテルは今回、新たなソリューションとしてデータセンターとネットワーク・インフラストラクチャー導入の簡素化と迅速化を支援するインテル Select Solutionsを発表し、最初のソリューションとしてCanonical Ubuntu*、Microsoft SQL 16*、およびVMware vSAN 6.6*を提供します。インテル Select Solutionsは、インテルがIntel Builders エコシステムとのコラボレーションのために行っている多くの取り組みを展開し、インテルが検証したさまざまなソリューション構成を市場に提供します。ユーザーは必要なワークロードを すぐにインテル Xeon スケーラブル・プロセッサー・ベースのインフラストラクチャーで稼働させることで、早期に投資対効果を得られます。

インテル Xeon スケーラブル・プラットフォームは、クラウド・インフラストラクチャーの導入を加速化に加え、通信ネットワークの変革、人工知能の活用に向けた独自の設計に基づき、最適化された製品を提供する数百のエコシステム・パートナー、480社以上のIntel Buildersほか、数多くの業界リーダーによって支えられています。さらに、インテルは7,000社以上のソフトウェア会社と協力し、プラットフォームを活用したソフトウェアの最適化を推進してきました。インテル Xeon スケーラブル・プロセッサーは、Amazon*、AT&T*、BBVA*、Google*、Microsoft*、Montefiore*、Technicolor*、Telefonica*ほか、広範な企業から支持を受けています。

顧客の実績や推薦コメントは、www.intel.com/xeonscalable または http://launchevent.intel.com でご覧ください。
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