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竹やりの使いづらさまで忠実に再現。多人数対戦が生み出す真の“いっき感”にも注目の「いっき おんらいん」先行プレイレポートを掲載
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印刷2010/06/04 15:03

プレイレポート

竹やりの使いづらさまで忠実に再現。多人数対戦が生み出す真の“いっき感”にも注目の「いっき おんらいん」先行プレイレポートを掲載

あの「いっき」がPS3専用ゲームとして堂々の復活!


画像集#017のサムネイル/竹やりの使いづらさまで忠実に再現。多人数対戦が生み出す真の“いっき感”にも注目の「いっき おんらいん」先行プレイレポートを掲載
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 「スーパーマリオブラザーズ」が発売されファミコンが全盛期を迎えることになる1985年,1本のゲームが産声をあげた。“農民一揆”という殺伐とした題材でありながら,どこか「まんが日本昔ばなし」を思わせる牧歌的な世界観や,たった二人の農民が一揆を起こすという無茶な設定から,多くのゲーマーの記憶に残ることになるアクションゲームが登場したのだ。後年,そのズンドコぶりをして世間で初めて,愛すべき「クソゲー」と定義されたタイトルとして,その名前を知る方々も多いだろう。

 そのゲームの名を「いっき」という。

オリジナル版の「いっき」は1985年にアーケードとファミコンで登場。8方向にスクロールするマップで敵を倒しながら,小判を集めるアクションゲームだ。ファミコン版は,Wiiのバーチャルコンソールでもプレイ可能
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 と,仰々しい前置きとなったが,ファミコン時代を体験したゲーマーの多くが知っている,あの「いっき」が,約25年の時を超え,PS3用ダウンロード専用ソフトとして奇跡の大復活を遂げる。その名も「いっき おんらいん」だ。今回はサンソフトにお邪魔して,開発中の“ほぼ完成版”を先行体験させてもらう機会を得たので,ファーストインプレッションをお届けしよう。

「いっき おんらいん」公式サイト


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 ひらがなで書かれた筆文字ロゴの脱力感がたまらない「いっき おんらいん」。タイトル名ですでにお分かりだろうが,本作はオンライン対戦を主軸としているアクションゲームだ。プレイヤーは,農民軍か代官軍のいずれかのチームに属してゲームに参加。最大12人によるオンラインバトルを繰り広げることになる(ゲームの概要は過去記事を参照)。

 ファーストタッチで抱いた印象は,かなりオリジナル版を踏襲しているな,ということ。画面外から敵が放った弾(鎌や手裏剣など)がいきなり飛んできてヒヤリとするのもそうだし,画面が自分を中心にスクロールするので敵と急に出くわしがちなのもそう。本来はパワーアップアイテムであるはずの竹やりを取ると,飛び道具が撃てなくなり,むしろ弱体化するのも実に懐かしい。プレイしながら思わず笑ってしまうくらいに「いっき」そのままで,当時のプレイ感覚がよみがえる。

簡単な操作で意思/感情表示ができるセリフチャットが用意されているほか,ボイスチャットにも対応。ボイスチャットは敵味方関係なくプレイヤー全員に聞こえるため,あちこちのプレイヤーから「うわっ,やられた!」の声が届く
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 だが,プレイを進めていくうちに,その第一印象が徐々に置きかわってくる。なにしろ迫ってくる敵を操作しているのは人間なのだ(シングルプレイモードも存在するが)。ファミコン版では画一的にプレイヤーを“殺し”にきていたCPUキャラとは違い,その行動はまったく読めない。遠くからひたすら飛び道具だけで攻撃してくる人もいれば,むやみやたらに突っ込んでくる人もおり,どこから何をされるか分からない,カオスな展開が楽しめるのである。

 フィールドのあちこちに存在するトラップ(転がり落ちる丸太や足止めをするもぐらなど)が,それをさらに助長する。とにかく「アッ!」と思った瞬間に死んでしまう展開が多く,ボイスチャットからはプレイヤーの悲鳴が幾度となく聞こえてきた。ちなみに今回は,東京支社のスタッフおよび「いっき おんらいん」開発チームに協力してもらい,計8人で対戦プレイをしたのだが,例えば2対6といったハンディキャップマッチも可能だ。

ビジュアルとサウンドは,プレイ開始前に「ゴージャス」「クラシック」に切り替え可能。どちらを選んでもゲーム性に変わりはないが,“ピコピコ”な「レトロ」のほうがゲームのテイストにはあっているかも?
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 かといって,対戦ゲームとして成立していないかというと,そんなことはない。画面右下には,敵味方の動きを察知できるレーダーが用意されているので,ゲームに慣れてくれば,それを頼りにチームで連携を取るようなシリアスな戦い方もできるだろう。残機がなくなったプレイヤーが味方の救出を待つ「捕虜システム」のおかげで,劇的な逆転劇を体験することもあった。さらに,FPSにインスパイアされたかのような多彩なルールも,なかなかに考えられている。以下では,「みんなでいっき」(マルチプレイ)モードのルールごとの解説をしていこう。

オープニング画面も「ゴージャス」「クラシック」の2バージョンが用意されている
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意外と“対戦ゲーム”しているルールの数々


■すたんだーど
 フィールド内に散らばる小判12枚,すべてを集めるのが目的。すべての小判を味方チームが集め,10秒間守り切ると勝利となる。相手チームのプレイヤーを倒すことで小判を奪えるのだが,小判はプレイヤーごとに所持しているため,多くの小判を持ったプレイヤーが倒され,一発逆転となるケースもあった。

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■きゃぷちゃあ・ざ・米俵
 敵陣近くに置かれた四つの米俵を奪い合う対戦ルール。米俵に触れて持ち上げ,自陣に持ち帰るとポイントとなる。ただし,米俵は重いため,担いでいる間はプレイヤーの移動速度が遅くなる。運び役のプレイヤーを,ときには自分の体を犠牲にして守るといった,役割分担が勝敗を分けるカギとなりそうだ。

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■ですまっち
 ルール名のとおり,ひたすら敵を倒していく問答無用の戦い。一定数の味方を倒される,または味方チームが全員捕虜になると負けとなってしまう。ここまでの三つのルールでは「捕虜システム」が適用されるので,いかに味方の数を減らさないようにするかも重要となる。

■じきそれぇす
 ほかの三つのルールとは,毛色の違った遊び。縦に長い迷路状のマップを進み,悪代官がいるゴールまでいちはやくたどり着き「直訴」するのが目的。プレイヤーの着順ごとに点数が入り,チームの合計点が高いほうが勝ちとなる。敵プレイヤーを攻撃することもできるので,競馬やショートトラックスケートのような“どこで仕掛けるか”という駆け引きが楽しめる。

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 なお,それぞれのルールで,自分の周囲のみしか見えないピープホールや,敵の攻撃に3回まで耐えられる「かんたんモード」のオプション設定も可能で,対戦にアクセントを加えられるようにもなっている。

プレイヤーキャラは複数から選択可能。キャラクターごとに足の速さや飛び道具の距離など性能が異なる。ゲームをやりこむことで登場するアンロックキャラクターもいるとか
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真の「いっき」は,このゲームからはじまる!?


大きな穴ぼこや撃つと転がる丸太の山など,うっかり触れると死を招くトラップがフィールドのあちこちに。触れると足止めを食らうもぐらなど,おじゃまキャラも多数が登場し,ファミコン版で多くのちびっこにトラウマを与えた「腰元」も控えている
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 オリジナル版「いっき」の持つハチャメチャなゲーム性が,オンライン対戦にうまくマッチしているな,というのが今回プレイしたうえでのトータルな印象。見下ろし型の2D(平面上)アクションということで,ジリジリと敵との距離を測る“ドット単位の見切り”を感じさせる緊張感は,お世辞抜きに手に汗握るものだった。今回は8人でのプレイであったが,最大12人プレイでのさらなるカオス感を想像すると,配信時のプレイヤーの反応が楽しみになる。
 また,「東海道五十三次」や「水戸黄門」など,当時のサンソフトの魅力(のひとつ)であった,いい意味での脱力感までもが見事に受け継がれているのは,おっさんゲーマーにとっては懐かしく,ナウでヤングなプレイヤーにとっては新鮮に感じることだろう。

 いずれにせよ,大勢のプレイヤーがひとつのフィールドで激突するゲームとなった本作。農民達が立ち上がり,集団で戦う迫力が味わえるという,真の意味での「いっき」へと生まれ変わったと言えるのではないだろうか(うまくまとまった!)

ラウンド間に行われるのが「おにぎり争奪戦」。仙人が投げるおにぎりを10個,または巻物を1本キャッチするごとに,プレイヤーの残機が1人増え,次のラウンドを有利に運ぶことができる
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オフライン用の「ひとりでいっき」も搭載。ファミコン版のテイストを残しつつも,対戦時のルールが適用されていたり,デモシーンが追加されていたりと,グラフィックスだけを現代風にした“なんちゃってリメイク”には終わっていない。全32ステージと,やりごたえもかなりのもの
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