プレイレポート
竹やりの使いづらさまで忠実に再現。多人数対戦が生み出す真の“いっき感”にも注目の「いっき おんらいん」先行プレイレポートを掲載
あの「いっき」がPS3専用ゲームとして堂々の復活!
そのゲームの名を「いっき」という。
と,仰々しい前置きとなったが,ファミコン時代を体験したゲーマーの多くが知っている,あの「いっき」が,約25年の時を超え,PS3用ダウンロード専用ソフトとして奇跡の大復活を遂げる。その名も「いっき おんらいん」だ。今回はサンソフトにお邪魔して,開発中の“ほぼ完成版”を先行体験させてもらう機会を得たので,ファーストインプレッションをお届けしよう。
「いっき おんらいん」公式サイト
ファーストタッチで抱いた印象は,かなりオリジナル版を踏襲しているな,ということ。画面外から敵が放った弾(鎌や手裏剣など)がいきなり飛んできてヒヤリとするのもそうだし,画面が自分を中心にスクロールするので敵と急に出くわしがちなのもそう。本来はパワーアップアイテムであるはずの竹やりを取ると,飛び道具が撃てなくなり,むしろ弱体化するのも実に懐かしい。プレイしながら思わず笑ってしまうくらいに「いっき」そのままで,当時のプレイ感覚がよみがえる。
フィールドのあちこちに存在するトラップ(転がり落ちる丸太や足止めをするもぐらなど)が,それをさらに助長する。とにかく「アッ!」と思った瞬間に死んでしまう展開が多く,ボイスチャットからはプレイヤーの悲鳴が幾度となく聞こえてきた。ちなみに今回は,東京支社のスタッフおよび「いっき おんらいん」開発チームに協力してもらい,計8人で対戦プレイをしたのだが,例えば2対6といったハンディキャップマッチも可能だ。
かといって,対戦ゲームとして成立していないかというと,そんなことはない。画面右下には,敵味方の動きを察知できるレーダーが用意されているので,ゲームに慣れてくれば,それを頼りにチームで連携を取るようなシリアスな戦い方もできるだろう。残機がなくなったプレイヤーが味方の救出を待つ「捕虜システム」のおかげで,劇的な逆転劇を体験することもあった。さらに,FPSにインスパイアされたかのような多彩なルールも,なかなかに考えられている。以下では,「みんなでいっき」(マルチプレイ)モードのルールごとの解説をしていこう。
意外と“対戦ゲーム”しているルールの数々
■すたんだーど
フィールド内に散らばる小判12枚,すべてを集めるのが目的。すべての小判を味方チームが集め,10秒間守り切ると勝利となる。相手チームのプレイヤーを倒すことで小判を奪えるのだが,小判はプレイヤーごとに所持しているため,多くの小判を持ったプレイヤーが倒され,一発逆転となるケースもあった。
■きゃぷちゃあ・ざ・米俵
敵陣近くに置かれた四つの米俵を奪い合う対戦ルール。米俵に触れて持ち上げ,自陣に持ち帰るとポイントとなる。ただし,米俵は重いため,担いでいる間はプレイヤーの移動速度が遅くなる。運び役のプレイヤーを,ときには自分の体を犠牲にして守るといった,役割分担が勝敗を分けるカギとなりそうだ。
■ですまっち
ルール名のとおり,ひたすら敵を倒していく問答無用の戦い。一定数の味方を倒される,または味方チームが全員捕虜になると負けとなってしまう。ここまでの三つのルールでは「捕虜システム」が適用されるので,いかに味方の数を減らさないようにするかも重要となる。
■じきそれぇす
ほかの三つのルールとは,毛色の違った遊び。縦に長い迷路状のマップを進み,悪代官がいるゴールまでいちはやくたどり着き「直訴」するのが目的。プレイヤーの着順ごとに点数が入り,チームの合計点が高いほうが勝ちとなる。敵プレイヤーを攻撃することもできるので,競馬やショートトラックスケートのような“どこで仕掛けるか”という駆け引きが楽しめる。
なお,それぞれのルールで,自分の周囲のみしか見えないピープホールや,敵の攻撃に3回まで耐えられる「かんたんモード」のオプション設定も可能で,対戦にアクセントを加えられるようにもなっている。
真の「いっき」は,このゲームからはじまる!?
また,「東海道五十三次」や「水戸黄門」など,当時のサンソフトの魅力(のひとつ)であった,いい意味での脱力感までもが見事に受け継がれているのは,おっさんゲーマーにとっては懐かしく,ナウでヤングなプレイヤーにとっては新鮮に感じることだろう。
いずれにせよ,大勢のプレイヤーがひとつのフィールドで激突するゲームとなった本作。農民達が立ち上がり,集団で戦う迫力が味わえるという,真の意味での「いっき」へと生まれ変わったと言えるのではないだろうか(うまくまとまった!)
- 関連タイトル:
いっき おんらいん
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