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[TGS 2010]小野P,なんでユン・ヤンを選んだんですか?――PVも解禁の「スーパーストリートファイターIV アーケードエディション」,プロデューサーに直撃インタビュー
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印刷2010/09/22 00:00

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[TGS 2010]小野P,なんでユン・ヤンを選んだんですか?――PVも解禁の「スーパーストリートファイターIV アーケードエディション」,プロデューサーに直撃インタビュー

画像集#007のサムネイル/[TGS 2010]小野P,なんでユン・ヤンを選んだんですか?――PVも解禁の「スーパーストリートファイターIV アーケードエディション」,プロデューサーに直撃インタビュー
 「こちら」の記事で第一報をお伝えした,12月中旬に稼働開始予定の「スーパーストリートファイターIV アーケードエディション」。発表があった「闘劇'10 FINAL」の会場にて,本作のプロデューサーである,カプコンの小野義徳氏に,短い時間ながらも話をうかがうことができたので,インタビューを掲載しよう。
 新キャラクターにユンとヤンが選ばれた理由をはじめ,気になるPC版についてなど,根掘り葉掘り聞いてみたので,同作に期待しているファンはぜひチェックしてほしい。

 なお,会場で上映されたプロモーションムービーも解禁となっているので,合わせて掲載している。一つ目はアーケード版のプロモーションムービーで,ユンとヤンがそれぞれの妙技を披露していくという内容だ。とくにウルトラコンボの「揚炮」(ユン)と「雷神魔破拳」(ヤン)の演出は必見だ。

 もうひとつのムービーは,PlayStation 3版とXbox 360版に今秋追加予定となる新アレンジコスチュームのプロモーションムービー。こちらの見どころはなんといっても,ジュリのセクシーなコスチュームだろう。いずれも高画質版を用意しているので,ムービーがすり切れる(?)まで再生して,2010年秋の配信開始を楽しみにしてほしい。

 さらには12月の稼働に向けた,最終ロケテストの開催も決定している。日程は9月22日と23日の二日間だ。場所は「タイトーステーションBIGBOX高田馬場」「クラブセガ新宿西口」という,いずれも格闘ゲームの対戦が非常に盛んな店舗となっている。どちらも猛者ども揃いの激戦区なので,腕に覚えありというプレイヤーは,ぜひこの最終ロケテストに参加してみよう。

画像集#003のサムネイル/[TGS 2010]小野P,なんでユン・ヤンを選んだんですか?――PVも解禁の「スーパーストリートファイターIV アーケードエディション」,プロデューサーに直撃インタビュー

「スーパーストリートファイターIV」公式サイト



ユンとヤンを選んだ理由って?

「闘劇'10」会場にて小野プロデューサーに直撃インタビュー


白龍の飛翔
ユン(YUN)
祖父に叩き込まれた中国拳法を駆使して戦う、香港の若き格闘家。
同じ店で働いていた春麗の後を追い、新しい世界に飛び込む。経験は浅いが天性の格闘センスを持つ。ヤンとは双子の兄弟。
画像集#005のサムネイル/[TGS 2010]小野P,なんでユン・ヤンを選んだんですか?――PVも解禁の「スーパーストリートファイターIV アーケードエディション」,プロデューサーに直撃インタビュー
4Gamer:
 まずはやはり新キャラクターについてお聞きしたいと思います。今回ユンとヤンが新キャラクターとして登場することになりましたが,彼らを選んだ理由はなんでしょうか。

小野氏:
 ズバリ,日本での「ストリートファイターIII」(以下,ストIII)シリーズの人気が,抜群に高いということですね。コンソールで「スーパーストリートファイターIV」PS3 / X360)(以下,スパIV)をリリースした時は,アーケード版が出せないということが既に決まっていました。なので海外でのキャラクター人気をベースにした部分があるんですが,今回のアーケードは完全に日本向けです。

4Gamer:
 なるほど。つまり日本のプレイヤーに人気のあるキャラクターを選んだと。確かにユンとヤンは,ストIIIでも人気キャラクターでした。ところでユンといえば,やっぱり気になるのは“幻影陣”だと思うのですが,今回,幻影陣の性能はどうなんでしょうか。

小野氏:
 今回のバージョンはあくまでテストで,どんな使われ方をしているかまでは,僕はまだ見られていないんですけど。でも基本的にはダッドリーやいぶきと同じように,「ストIII」と同じではないけれど,「ストIII」と同じように楽しんでもらいたい,というのがコンセプトです。


疾走する青龍
ヤン(YANG)
祖父に叩き込まれた中国拳法を駆使して戦う、香港の若き格闘家。双子の兄であるユンに付き合って旅に出る。兄とは対照的に沈着冷静な性格で、相手の動きを読む深い洞察力が武器。
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4Gamer:
 あの幻影陣の,「アイ! アイ! アーイ!」って煽りは,やっぱり盛り上がるポイントですよね。

※幻影陣を使ったコンボにつきものの,定番の煽り文句。ストIIIの大会でよく見ることができる。

小野氏:
 そうですね(笑)。そういった楽しみ方は,ちゃんと引き継ぐようにチューニングしています。

4Gamer:
 今回,幻影陣はスーパーコンボ扱いですよね。ということは,前にみたいにものすごいゲージ回収率なんてことは……。

小野氏:
 ないない。ないです(笑)。

4Gamer:
 ヤンについても,いやこれはユンとヤン両方なんですが,ウルトラコンボの演出に,かなり力が入ってるように見えました。“雷神魔破拳”なんか,対空にも使えそうなロック技になっていて,使いやすそうなうえ,すごく格好良くなってますね。

※初段がヒットすれば,演出に入ってヒットするタイプの必殺技。

小野氏:
 初代の「ストリートファイターIV」(AC / PC / PS3 / X360)からそうなんですが,思い出にちゃんと刺さるものを狙って作っています。スケボーもローラーブレードも,実はストIIIにはあまり出てこないんですけどね。そこをちゃんと見せてあげることで,彼らのキャラクター性は引き出してあげたいかな,と。


4Gamer:
 ゲームバランスの調整についてお聞きしたいのですが,一部のキャラクターなんかは,一目で分かるくらいに変わっているようです。今回の調整は,どんな方向性で考えているのでしょうか。

小野氏:
 スパIVのコンソール版って,僕は悪くないバランスだと思ってるんですが,その中でちょっと未練があったのは,全体的に丸くしすぎたんじゃないか,という部分です。あれが強いとかこれが強いとかって,微妙にはあるんですけど,明確なヒール役が居なくなってしまった。

4Gamer:
 前作のサガットみたいな?

小野氏:
 そう。だからそこをちょっといじって,もう少しデコボコがでるように調整しています。あれ,これ弱くなっちゃったけどどうすればいいんだ? とか,このキャラ使ってたら,また性能に頼りすぎとか言われちゃうんじゃ? みたいなのを,あえて狙いたいなと。

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4Gamer:
 アベルやフォルテ,ローズのウルトラコンボなんか,一部では糞ウルコン(強すぎるウルトラコンボ)なんていわれてたりしますけど,これらについてはどうですか?

小野氏:
 うーん,いわれてみれば確かにそうだなと,1か月くらいまで思ってたんですけどね。でも欧州トーナメントでウメハラくん※を抑えて優勝したローズが出てきてですね。

※ストリートファイターシリーズなどで有名な,スタープレイヤー。現在は日本で唯一の,格闘ゲームのプロゲーマー。

4Gamer:
 あぁ,それ見ました!

小野氏:
 じゃあやっぱりこのままいいじゃん,っていう(笑)。

4Gamer:
 なるほど(笑)。ではそこはあえてデコボコとして残すと。

小野氏:
 そうですね。とくにアベルなんかは,下手にいじると強くなりすぎる可能性があるので,今のベースを崩さないように考えています。

4Gamer:
 ちなみにユンとヤンは発表されましたが,追加キャラの方はまだ……。

小野氏:
 ……ウフフ♡,ってことにしといてください(笑)

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ところでPC版ってどうなったの?


4Gamer:
 ちょっとアーケード版から離れてしまうんですが,PC版はどうなったんでしょうか。

小野氏:
 PC版については,実はいろいろなところでコメントとかツイートを出してるんですけどね。無印ストIVのPC版については,とても成績が良くて,PCゲームとしては,全世界でものすごく売れたんですね。でもそれと同時に,不正コピーもナンバーワンという不名誉な称号をいただいてしまって。

4Gamer:
 それは……痛いですね。

小野氏:
 コピーされるってことは,ポジティブに考えると,それだけ普及しているってことでもあるんですが,やっぱり暗い部分はあって。その地域では,ストリートファイターはタダなんだ,って思われかねない,と。なので「スパIV」に関してはIPの保護を考えて,ちょっと一回足踏みした形になります。

画像集#008のサムネイル/[TGS 2010]小野P,なんでユン・ヤンを選んだんですか?――PVも解禁の「スーパーストリートファイターIV アーケードエディション」,プロデューサーに直撃インタビュー

4Gamer:
 ということは,PC版は望み薄ということでしょうか。

小野氏:
 残念ながら今のところは予定はないですね。何故ほかのタイトルはPC版が出ているのに,スパIVだけ駄目なのかというと,前作があまりにも売れすぎて,あまりにもコピーされすぎたから。なのでよっぽど素晴らしいプロテクトとかソリューションが出てきたら,状況は変わってくるかと。じゃあSteamとかだけでもいいからやってくれよって言われると思うんですけど,今度はSteamで買えない人にとって不公平感がある。

4Gamer:
 状況が変われば,今後ないとも限らない?

小野氏:
 実際そこのType X2で,DirectXベースで動いてるわけですからね。ものはあるんですよ。99%できているのに,あと1%が届かない。そんな状況です。

※アーケード版で使用されている「TAITO Type X2」基板はPCベースのため,PCとの互換性が非常に高い。


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4Gamer:
 わかりました。ちなみにType X2といえば,先日発表されたタイトーのアーケード用コンテンツ配信システム「NESiCAxLive」についてはどうお考えですか?

小野氏:
 あれはちょうど発表の日に,僕らにも情報が来まして。これからどうなるのか見守っていきたいというのが正直なところです。

4Gamer:
 ということは,カプコンの参入もありえる?

小野氏:
 うーん,僕の個人的な考えでいえば,あの従量課金制というのが,果たして上手く機能するか疑問に思っていますね。オペレーターさんにとっても負担になるし,パブリッシャーにとってもあまりうま味がないのではないかと。オペレーターさんは値段の設定が自由にできなくなりますし,僕らにとっても,いつになったら開発費が回収できるのか分からない。1年後2年後って話になると,それではとても新作を発表できない。あくまで僕の個人的な考えですけどね。

4Gamer:
 なるほど。開発費を考えると,厳しいと。

小野氏:
 開発費は昨今どんどん高騰してますからね。だから,今のこの疑問が払拭されるまでは,少なくとも僕のプロデュースではないかな,と思っています。僕達はやっぱり,利益を出すことで,次を作り出していかなきゃならならい。それが文化を残すってことなので。

4Gamer:
 分かりました。本日はお忙しい中,ありがとうございました。



12月中旬の稼働に向けての最終ロケテストを実施!!


『スパIV AE』の最終ロケテストが急遽開催決定。これが最後の開催となる予定なので見逃せないぞ!

【開催日時】9月22日(水)〜23日(木)
【開催店舗】
タイトーステーションBIGBOX高田馬場
(http://www.taito.co.jp/gc/details/tokyo/tokyo/sgc00379/)
東京都新宿区高田馬場1-35-3 BIGBOX 6F

クラブセガ新宿西口
http://location.sega.jp/loc_web/cs_shinjukunishiguchi.html
東京都新宿区西新宿1-12-5

※ロケテストデータはクリア予定、日は近日公開予定

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SUPER STREET FIGHTER IV ARCADE EDITION
(スーパーストリートファイターIV アーケードエディション)

■アーケードビデオゲーム
■ジャンル:対戦格闘
■対応基板:TypeX2
■仕様:1レバー+6ボタン
■稼働時期:2010年12月中旬予定
■プレイ人数:1〜2人
http://www.capcom.co.jp/sf4/
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