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[G-Star 2010]「CABAL II」の存在をESTsoftのブースで確認。「CABAL ONLINE」の続編は「CryENGINE 3」で開発中。CEOのKim氏にその概要を聞いた
韓国釜山で開催中のゲームショウ「G-Star 2010」の商用(B2B)エリアにあるESTsoftのブースで「CABAL II」の文字を発見した。ちょうどブース内にいたESTsoftのCEO,Jang-Joong Kim氏から話を聞けたので,ここに紹介しよう。
CABAL ONLINEとCABAL IIの物語は連続しているわけではなく,世界観は別のものになるとKim氏は説明してくれた。もっとも,つながりがまったくないわけではないらしい。
残念ながら詳しいことは教えてもらえなかったが,Kim氏は,CABAL ONLINEとCABAL IIの関係を,ファイナルファンタジーシリーズにたとえる。つまり,それぞれの世界観はまったく異なるが,FFはやはりどの作品もFFというわけだ。
内容については,それ以上詳しくは教えてもらえなかった。なにしろ,CABAL IIはまだ正式に発表されておらず,このB2Bエリアで得られた情報が,そもそも初出――Kim氏によるとメディアに話すのも初めて――なのである。
現在言えるのは,CABAL ONLINEにはいろいろな独自要素が盛り込まれていたが,CABAL IIはそれに負けないくらいの新要素を実装する,ということだけだそうだ。
制作開始はおよそ3年前で,Kim氏によれば,一般に公開するにはまだ1年ほどの開発期間が必要だろうとのこと。ということは,2011年のG-Starで我々の前に登場する可能性が高い。
取材における最大の驚きは,本作がドイツCrytekが開発した最新の「CryENGINE 3」で開発されているということだ。「ArcheAge」など,いよいよ「CryENGINE 2」で制作されたMMORPGが出てくるのかと思っていたのに,来年にはもうCryENGINE 3のMMORPGが発表されることになりそうだという,韓国ゲーム業界の新技術に対する貪欲さには,驚くほかない。
Kim氏によれば,もともとは「Snake Engine」(“CABAL ONLINE I”において,独自開発したゲームエンジン)で制作していたのだが,CryENGINE 3の登場後すぐに開発環境を移行し,現在はゲームエンジンの研究/最適化を行いながら作業を進めているという。CryENGINE 3の最大の特徴は,PCだけでなく,PlayStation3,Xbox 360への対応も容易であることだ。そういうゲームエンジンを使用している以上,マルチプラットフォーム化を視野に入れている可能性は高い。
またKim氏は,CABAL ONLINEは日本でも良い反応だったと前置きしたうえで,2011年内の完成度にもよるが,日本で何かCABAL IIに関する動きがあるとすれば,2012年以降になるだろうと話す。時間的に見て,韓国でのサービスインに前後する形で,日本での展開が発表されるのかもしれない。
CABAL IIにはまた“Social Network MMORPG”と名付けられたコンセプトもあるという。CABAL IIでは,従来にも増してプレイヤー同士の協力と連帯が重要な要素であると位置づけられており,具体的には,ソーシャルネットワークサービス(SNS)に似たシステムを考えているようだ。ただ,SNSが現在発展途中であることもあって,CABAL IIの方向性はいくらか流動的になりそうだという。
最後にKim氏は,CABAL ONLINEは開発よりも,パッチやバグフィックスなど,公開後の開発費のほうが多くなってしまったと話し,CABAL IIではそうならないよう,最初から高い完成度を目指して制作すると続けた。FFシリーズのファンであるらしいKim氏は「CABALシリーズが,オンラインRPG界のFFと呼ばれるくらいに頑張りたい」と抱負を語ってくれた。
現時点ではスクリーンショットなどのアセットはなく,実際に動いているところも見られなかったのだが,CryENGINE 3を使用した,MMORPGがどのような形で登場するのか楽しみだ。来年の今頃には新情報が出ているかもしれないので,続報を待ちたい。
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CABAL II
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