ニュース
[COMPUTEX]NVIDIA,「GeForce GTX 560M」を発表。GeForce 500Mシリーズ初のGTXモデル
GTX 560MはTSMCの40nmプロセス技術で製造され,192基のCUDA Coreを搭載。メモリインタフェースは192bitで,最大では容量3GBのGDDR5をグラフィックスメモリとしてサポートできる。
動作クロックはコア775MHz,シェーダ1550MHzで,メモリは最大2500MHz相当(実クロック625MHz)。最大では60GB/sのメモリバス帯域幅を確保することになる。下の表1は,同じく192 CUDA Coreを搭載した「GeForce GTX 460M」および従来のシリーズ最上位モデルたる「GeForce GT 555M」とスペックを比較したものだが,CUDA Core数だけでなく,動作クロックも大幅に引き上げられているのが分かるだろう。
同社によれば,「Duke Nukem Forever」をプレイするとして,「GeForce GT 540M」(以下,GT 540M)搭載のノートPCだと,解像度を1366×768ドットに設定したうえで,テクスチャとシャドウの設定を順にLow,Mediumに指定し,さらにアンチエイリアシングを無効化すると30〜40fpsの確保が可能。これに対してGTX 560Mの場合は,解像度1920×1080ドットで,テクスチャやシャドウの設定をUltraとし,アンチエイリアシングを有効化しても,55〜65fpsのフレームレートを維持できるという。
GT 540M(左)とGTX 560(右)で,Duke Nukem Foreverのプレイにどれだけの違いを示したスライド。(96 CUDA Core仕様の)GT 540Mと違って,GTX 560Mでは,1920×1080ドットで,各種グラフィックスオプションを高めに設定して55〜65fpsを確保できるとのこと | |
こちらは「Crysis 2」で解像度1980×1080ドットに設定し,30〜40fpsのフレームレートを維持しようとすると,どういう画面になるかをGT 540(左)とGTX 560M(右)で比較したもの。各種グラフィックス品質を高くした「Gamer」設定を選択できるのがGTX 560Mの強みとされる | |
GTX 560Mでは,主要タイトルにおいて,グラフィックス設定を最大に指定しても平均30fpsのフレームレートが得られるとされる(左)。右はDirectX 11アプリケーションで「Radeon HD 6870M」より高速というスライドだ |
NVIDIAでノートPC向けGPUビジネスを統括するRene Haas(レネ・ハース)ジェネラルマネージャーによれば,OptimusからGPUを無効化した状態でオフィス系の作業を行えるようなバッテリーが搭載されている場合,GPUを有効化してDuke Nukem Foreverをプレイしてもバッテリーは2時間持つとのこと。また,そのときのフレームレートは(Optimusを利用しない環境と比べると若干落ちるものの)平均50fpsを確保できるという。
GTX 560M搭載のノートPCは,この夏にも主要なノートPCベンダーから登場する見込み。現時点で明らかになっているそのラインナップは下に示したスライドのとおりだが,ASUSTeK ComputerやMSIの製品は,COMPUTEX TAIPEI 2011の会場で展示されることが期待されよう。また,Dellの「ALIENWARE M18x」はSLI構成でGTX 560Mを搭載するのが明らかになっており,こちらもなかなかの注目製品といえる。
2011年後半には「GeForce GTX 485M」の後継が登場
位置づけが変わりつつ「MX」も復活?
GTX 560Mに合わせて,NVIDIAは,GeForce 500Mのロードマップを公表した。さらに,下位モデルのバリエーションモデル追加も発表しているので,これらも紹介しておきたい。
まずロードマップのほうだが,それによると,同社は2011年後半に,「GeForce GTX 485M」の後継となるフラグシップGPUを投入する計画だ。
GT 520MXの製品イメージ |
GT 520MとGT 520MXの比較。GT 520MXでは動作クロックが引き上げられている |
GT 520MXとGT 520Mの主なスペックは表2で比較しているとおり。コア&シェーダクロックは約22%,メモリクロックは約13%引き上げられている計算だ。NVIDIAはこれにより,ローエンドの単体GPUを搭載したノートPCにおけるグラフィックス性能の底上げを図る。
PCゲーム市場では今後,「Crysis 2」のDirectX 11対応パッチや,キャラクターの描画にレイトレーシング技術を応用した「EVE Online Incarna」,サーバー側にPhysXベースの衝突演算処理を実装した「Age of Conan : Rise of the Godslayer」などのリリースが控えている。単体GPUの重要性はますます高まるため,ラインナップの強化が必要,ということなのだろう。
競合はすでに最上位モデルまで出揃っているが,そんななか,シリーズ初のGTX型番となるGTX 560Mがどういった立ち位置を確保できるか,今後に注目していきたい。
DirectX 11対応タイトルや3D Visionに対応したタイトルの拡充などにより,ノートPCでも単体GPUの性能は重要性を増していくというスライド |
Verde DriverによってノートPCのグラフィックス性能を向上させていくNVIDIA.同ドライバは今年2月の時点で2500万ダウンロードに迫ったという |
→NVIDIAのGeForce製品情報ページ
→GeForce GTX 560M製品情報ページ
→GeForce GT 520M製品情報ページ
「COMPUTEX TAIPEI 2011」関連記事はこちら
- 関連タイトル:
GeForce 500M
- この記事のURL: