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[COMPUTEX]AcerはG-SYNC HDR対応液晶ディスプレイ2製品を出展。4Kモデルの「Predator X27」は国内展開もありそうだ
そんなわけで,本稿ではAcer特設ブースに展示されていたゲーマー向け製品の中から,注目の液晶ディスプレイ2機種を紹介したい。
Predator X27
G-SYNC HDR対応4Kディスプレイは2モデル展開
最初に取り上げるのは,ゲーマー向け液晶ディスプレイの「Predator X27」だ。実のところ,本製品はCOMPUTEX TAIPEI 2017における筆者のレポート記事でも一度紹介したことがある。その製品が,1年かけてようやく発売間近になったというわけだ。
G-SYNC HDRとは何かについては,筆者の連載記事でレポートしたとおりだが,簡単にまとめると,NVIDIA独自のディスプレイ同期技術「G-SYNC」を,HDR表示に対応させたものだ。そしてPredator X27は,G-SYNC HDRに対応した現状では数少ない製品の1つである。
なお,連載記事では,AMDのHDR表示向け技術「FreeSync 2」との比較も含めてG-SYNC HDRを解説しているので,未見の人は,ぜひ参照してほしい。
Predator X27の画面サイズは27インチで,解像度は3840×2160ドットの4K。液晶パネルはIPS型で,応答速度は4m,垂直リフレッシュレートは最大144Hzに対応する。液晶パネルには量子ドット技術を採用しており,sRGB色空間カバー率は100%,AdobeRGB色空間カバー率は99%,DCI-P3色空間カバー率は90%であるという。
HDR表示は「HDR10」対応で,現行世代のGPUを搭載するWindows 10ベースのPCはもちろん,PlayStation 4シリーズやXbox Oneシリーズといったゲーム機や,4K Blu-ray(Ultra HD Blu-ray)の再生機との接続も可能だ。ただ,G-SYNC HDRが機能するのは,当然ながら同機能に対応するNVIDIA製GeForce GPU搭載PCと接続したときに限る。
バックライトは直下型の白色LEDで,最大輝度は1000nit(=1000cd/m2)。これはハイエンドの液晶テレビと比較しても,同等かそれ以上の明るさと言えよう。映像フレーム内の明暗分布に連動してバックライトLEDの輝度を変調するエリア駆動(ローカルディミング)にも対応する。エリア駆動の画面分割数は384と,これまたハイエンド液晶テレビと同等以上だ。
ここまでに述べたPredator X27の仕様は,ASUSTeK Computerが6月中に国内発売予定というゲーマー向け液晶ディスプレイ「ROG Swift PG27UQ」(以下,
それでは,事実上の姉妹機のようなPG27UQと,Predator X27の違いはどこにあるのか。
1つは,Tobii Technology製の視線追跡デバイスを内蔵するモデルがラインナップ予定であるという点。ブースに実機はなかったのだが,担当者によれば,ディスプレイ下部に設けた張り出し部分に視線追跡デバイスを内蔵するそうだ。
2つめの違いは,ディスプレイの上側と左右に可動式の板「Predator Shield」を取り付けられるという点。
ディスプレイに視界を遮る板を付けるといえば,BenQのゲーマー向け液晶ディスプレイが「Shield」と称する板を採用していることを思い出す人もいるだろう。BenQの製品は,ディスプレイの左右だけに板を取り付けているが,Predator X27では,左右だけでなく上側にも板を取り付けているのが分かりやすい違いである。Acer担当者によれば,Predator Shieldは「没入感を高めるための装備」であるということだ。
ちなみに,Predator Shieldの上面中央には,上下に開閉するハッチのような部分がある。これは何かと聞くと,ユーザーが自前のWebカメラを組み付けるための機構ということだが,ブースの担当者も「どうやって使うのかよく分からない(笑)」とのことであった。
発売時期は2018年6月下旬から7月の予定で,北米におけるメーカー想定売価は2000ドル程度とのこと。日本での発売も計画されているそうだ。
Predator X35
G-SYNC HDR対応でアスペクト比21:9の湾曲モデル
G-SYNC HDR対応ゲーマー向け液晶ディスプレイのもう1機種が,「Predator X35」である。35インチサイズで解像度3440×1440ドット,アスペクト比21:9の湾曲型ディスプレイだ。実はこちらも,2017年のCOMPUTEX TAIPEI 2017で披露されたことがあるので,覚えていた人もいるかもしれない。
IPS液晶パネルを採用していたPredator X27とは異なり,Predator X35は,VA型液晶パネルを採用している。応答速度に優れるVA型液晶パネルの特性を生かし,垂直リフレッシュレートは最大200Hzを謳う。公称の液晶応答速度は4msとのこと。
アスペクト比21:9の液晶ディスプレイでは定番の湾曲デザインとなっていて,曲率は1800R(=半径1800mmの円を描くカーブ)ときつめのカーブを描く。
Predator X35も直下型バックライトを採用しているのだが,注目すべきは,エリア駆動の分割数だ。Predator X27の384に対して,Predator X35は512というものすごい数になっている。解像度的には,Predator X27に及ばないPredator X35だが,画面サイズが大きいために,このような仕様になったのだろう。
また,色空間カバー率なども公表されていなかったが,こちらも量子ドット技術採用で色域を拡張しているとのことなので,Predator X27に近いスペックは有しているのではないだろうか。
世界市場での発売時期は7月以降を予定。価格は未定とのことだが,スペックから考えれば,Predator X27と同程度の2000ドルは下らないだろう。
AcerのPredator X27製品情報ページ
AcerのPredator X35製品情報ページ(英語)
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