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[CES 2017]Qualcomm,次世代ハイエンドSoC「Snapdragon 835」の概要を明らかに。消費電力は25%下がり,GPU性能は25%向上
Samsungの10nm FinFETプロセス技術で製造される(関連記事)次世代プロセッサは,現在のハイエンドSoCである「Snapdragon 821」「Snapdragon 820」と比べて35%小さいパッケージに,約30億個のトランジスタを集積したものになるという。統合するCPUは8コア仕様の「Kyro 280」だ。
搭載製品が市場に登場するのは2017年前半の予定となっている。
また,微細化に伴う消費電力の低減もアピールポイントの1つで,Snapdragon 821およびSnapdragon 820と比べて,Snapdragon 835では消費電力が25%減ることになるという。同時に,Qualcommの急速充電技術「Quick Charge 4」をサポートしており,これに準拠した端末であれば,5分間の充電で5時間の通話が可能になるそうだ。
もう1つ重要なのは,Snapdragon 835の内蔵するGPUコア「Adreno 540」が,既存のQualcomm製GPU――おそらく「Adreno 530」――と比べて,25%の高速化を達成するとされているところだ。強化を果たしたGPU性能を活かして,QualcommはSnapdragon 835で,とくにVRやAR対応製品への応用を強く訴求していく意向を示している。
また,VRやAR絡みでは,ヘッドマウントディスプレイ(以下,HMD)の動き検出で利用できる,6軸自由度で低遅延のモーショントラッキング機能や,主にVR用の3D出力と,ハイレゾ出力に対応するサウンド機能も統合しているとのことである。
採用事例としてQualcommは,Snapdragon 835を搭載するOsterhout Design Group(ODG)製でVRおよびARに対応する HMD「R-8」を,カンファレンスで披露している。
そのほかSnapdragon 835の特徴としては,統合するLTE対応モデムとして新型の「X16 LTE modem」を採用し,Gigabit級の無線通信を可能になった点と,高速無線LAN規格「IEEE 802.11ad」に対応する点,光学ズームと手振れ補正機能付きカメラ機能を統合した点,生体認証に対応するセキュリティ機能を統合した点が挙げられる。
2017年中には,Snapdragon 835を搭載する端末が続々と出てくることだろう。今後の動きに注目したい。
Snapdragon 835の製品情報ページ(英語)
Qualcommによる当該プレスリリース(英語)
Qualcomm公式Blogの当該ポスト(英語)
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