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[GDC 2017]ハンドトラッキング付きVRは無条件に楽しい。Qualcommブースで「Snapdragon 835」+Leap Motion搭載VR HMDを体験
そんな展示のなかから,本稿では新型のVR HMDを紹介したい。
GamesIndustry.bizの記事で取り上げていたQualcomm製の開発者向けVR HMDキット「VR Development Kit」(以下,VRDK)のデモが,Expo会場で披露されていたのだ。もちろん,Qualcomm製のハイエンドSoC「Snapdragon 835」を採用した最新版で,Leap Motionのハンドトラッキング技術を組み合わせたものである。
残念ながら,Snapdragon 835の性能を感じさせるようなデモは行われていなかったのだが,VR HMDに組み込んだLeap Motionの動作が分かるデモを体験できたので,その概要をレポートしたい。
外形をよく見ると分かるように,VRDKの前面には,あらかじめLeap Motionを使うことを前提にしたくぼみが設けられており,ここにLeap Motionのセンサーユニットが組み込まれていた。VR HMD内に一体化するのではなく,あくまでも後付けの体裁だ。USBケーブルでセンサーユニットをVR HMD本体に接続している様子も分かるだろう。
VRDKの前で指を動かすと,VR画面内に表示された手が,同期して動く。当然ではあるが,非常に反応がいい。とくに,指1本1本の動きがそのまま反映されるという意味では,Leap Motionのハンドプレゼンスはいまだに業界最高レベルだといえる。
デモの内容は,VR空間内でオブジェクトを作り出し,それをつまんだり投げたりできるという簡単なものだった。
左右の手の親指と人差し指でつまむ動作(※OKマークのようにリングを作る)をすると,指先に○印がついて,手の間にオブジェクトが生成される。そのままオブジェクトを引っ張ると,大きさが変わり,指を離すと手から分離するようになっている。生成されたオブジェクトは,手でつかむことが可能だ。お手玉したり,投げたりといったことは自由自在である。
左の手のひらを上に向けると,左小指の下側にメニューが開いて,アイコンが並ぶ。これは,作るオブジェクトの形状を選ぶメニューで,3種類の形状から,作りたいものを右手の指で選択する仕組みだ。
どんなデモだったのかは,以下の動画を見てもらうと分かりやすい。
Qualcommのターゲットであるモバイル用途では,とくに手で持つゲームパッドやコントローラなしでハンドプレゼンスが体験できるというのは,非常に大きな意味を持つはずだ。
VRDK自体は,オールインワンタイプの単体VR機器ではあるが,技術そのものはスマートフォンへの展開も十分に可能なものなので,Leap Motionを組み込んだDaydream対応VR HMDの登場も,夢ではないかもしれない。今後の展開に期待しよう。
Qualcommの開発者向け情報サイト(英語)
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