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Qualcomm,次世代ハイエンドSoC「Snapdragon 8 Gen 1」を発表。GPU性能が最大30%向上
Qualcommは,Snapdragon Tech Summit 2021の開催に先立ち,製品の命名規則を変更すると予告していた。これまでのSnapdragonシリーズでは,「Snapdragon 888」といったように,製品名の末尾に付く3桁の数字で,その製品のグレードを表していた。しかし,この世代からグレードを表す1桁の数字と世代番号を組み合わせたものに変更するという。
Snapdragon 8 Gen 1は,CPUコア「Kryo」やGPUコア「Adreno」に加えて,画像処理用のImage Signal Processor(以下,ISP)や,通信モデムを集積したプロセッサである。ただ,CPUコアやGPUコア,ISPなどの詳細は明らかになっていない。
主な仕様は表のとおり。
Snapdragon 8 Gen 1 | Snapdragon 888 | |
---|---|---|
製造プロセス | 4nm | 5nm |
CPUコア | Kryo | Kryo 680 |
CPU物理コア数 | 未公開 | 8 |
CPU最大 |
2.995GHz | 2.84GHz |
GPUコア | Adreno | Adreno 660 |
ISP | Spectra | Spectra 580 |
カメラ | 1億800万画素(シングル), |
8400万画素(シングル), |
統合型DSP | Hexagon | Hexagon 780 |
APIサポート | OpenGL |
OpenGL |
メモリコントローラ | LPDDR5 3200MHz |
LPDDR5 3200MHz |
統合型モデム | Snapdragon X65 5G | Snapdragon X60 5G |
通信仕様 | 5G,下り最大10Gbps | 5G,下り最大7.5Gbps |
新たなKryoは,型番やコア数などは未公表であるものの,最も性能が高いプライムコアにArm製のCPU IPコア「Cortex-X2」を採用しているという。これにより,従来比製品と比べて,性能が1.2倍になっただけでなく,30%の電力効率改善を実現したそうだ。一方,GPUコアについて,Qualcommは例によって詳細を明らかにしていないのだが,こちらも従来比で1.3倍に性能が向上しつつ,25%の省電力化を果たしたとのこと。加えて,Qualcommが「Adreno Frame Motion Engine」と呼ぶ新機能により,従来製品と同じ消費電力の場合,2倍のフレームレートで描写が可能だという。
統合する5G対応モデム「Snapdragon X65 5G」は,3GPPが策定する5Gの標準仕様である「Release 16」に対応し,世界で初めてダウンロード時の理論値で10Gbpsという高速伝送を可能とした。
Snapdragon 8 Gen 1では,ISPの強化も大きなポイントだ。18bitのデータ入力に対応しており,従来製品の4000倍ものデータを処理できるようになったという。これにより,HDRに対応した8K解像度の動画撮影も可能になるそうだ。加えて,低電力で駆動する「Always-On ISP」を追加することで,カメラを使った顔認証に要する電力を削減できたという。
また,サウンド機能では,Bluetoothベースのワイヤレスサウンド伝送ソリューション「Snapdragon Sound」が,44.1kHz/16bitの信号をロスレスで伝送する「aptX Lossless」に対応したのが見どころだ。
ゲーマー向け機能群「Snapdragon Elite Gaming」は,第4世代となった。Snapdragon 8 Gen 1の性能を生かして,デスクトップPCと遜色ないレベルのボリュームレンダリングが可能で,霧や煙といったエフェクトをリアルに表現できるのが特徴であるという。
QualcommのSnapdragon 8 Gen 1製品情報ページ
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