インタビュー
見る夢は「ストIII 4th」? “総師範KSK”と“こくじん”タッグが挑む,「ストリートファイターIII 3rd OE」カプコン綾野APインタビュー
本作は,名作と呼び声の高いアーケード用格闘ゲーム「ストリートファイターIII 3rd STRIKE」のコンシューマ機移植版。その発売に合わせ,4Gamerでは東京・新宿のカプコン本社に取材を行い,同社のアシスタントプロデューサー綾野智章氏に話を聞いた。その模様は一足先に「こちら」の記事の動画にて紹介しているが,今回は同日に行ったインタビューをお伝えしていこう。
なお今回のインタビューには,本作の長年のプレイヤーである総師範KSK氏とこくじん氏にも同席していただいた。プレイヤーから見た本作の魅力から,カプコン格闘ゲームのこれまでと,そして未来についてまで。本作のプレイヤーはもちろん,カプコン格闘ゲームファン必見のインタビューとなっているので,チェックしてほしい。
「ストリートファイターIII 3rd STRIKE ONLINE EDITION -Fight for the Future-」公式サイト
※略称凡例:「ストリートファイターIII 3rd STRIKE」=「ストIII 3rd」,「ストリートファイターIII 3rd STRIKE ONLINE EDITION -Fight for the Future-」=「ストIII 3rd OE」,「ストリートファイターIV」=「ストIV」,「スーパーストリートファイターIV」=「スパIV」,「スーパーストリートファイターIV ARCADE EDITION」=「スパIV AE」,「スーパーストリートファイターII X」=「スパII X」,「ストリートファイターZERO2」=「ZERO2」,「ストリートファイターZERO3」=「ZERO3」
10年越しに甦える「ストリートファイターIII 3rd STRIKE」
「スーパーストリートファイターIV」シリーズのアシスタントプロデューサーとして知られている綾野さんですが,本作「ストIII 3rd OE」には,どのように関わっているのか,まずお聞かせただけますか。
綾野智章氏(以下,綾野氏):
「ストIII 3rd OE」ではアシスタントプロデューサーとして,日本での展開のケアを行っています。実は本作は海外主導で開発されたタイトルなので,開発に直接携わっているわけではないんですよ。ただ「ストIII 3rd」自体は,僕自身もアーケード版の当時からプレイヤーとしてかなり遊んでいまして。個人的にも気になってたんです。
4Gamer:
え,プレイヤーだったんですか。ちなみに持ちキャラは?
綾野氏:
トゥエルヴでしたね。ただ,メインはトゥエルヴなんですけど弱いので(笑)。ついほかのキャラに浮気しちゃうんですよね。レミーとか。
こくじん氏:
だから,なんでそういうキャラばかり使うんですか(笑)。
総師範KSK氏:
変なキャラばかり使うんだもん,綾野さん。ハカンとか。ねぇ。
綾野氏:
いやいや,単に新キャラが好きなんですよ。そう見えるのは,カプコンが変なキャラばかり追加するからで。やってたといっても,KSKさんやこくじんさんに太刀打ちできるようなレベルではないですよ。今でいうところのエンジョイ勢ですね。
4Gamer:
では話を戻しまして。ストIII 3rd OEの開発に至るまでの経緯をお聞きしたいです。先ほど本作は,海外主導のプロジェクトとおっしゃってましたが。
綾野氏:
そうですね。海外では「スパII X」や「MARVEL VS. CAPCOM 2」のHDグラフィックス版がすでにリリースされているんですが,その中でストIII 3rdも,という声がかなりありまして。それでプロジェクトが立ち上がりました。
総師範KSK氏:
もう10年以上前のゲームですもんね。
綾野氏:
ですね。ストIII 3rdのコンシューマ版だと,ドリームキャスト版やPlayStation 2版などがすでにあるんですが,ハード転換期にもなるので。アーケード版の基板だって,そろそろ危ないかもしれない。なので,ここで最新版を出しておいたほうが,プレイヤーの皆さんにも末永く遊んでもらえるのかな,と。開発の経緯というと,こんなところですね。
4Gamer:
しかも旧基版仕様とお聞きしています。あの豪鬼の頭蓋破殺の……。
総師範KSK氏:
投げ無敵が。
綾野氏:
それはあえて残してますね。もちろん致命的なバグなどは修正してますが,10年経った今リリースするなら,やっぱりプレイヤーさんから一番支持されているバージョンでないと。開発的には思うところはあるんですが,旧基板での面白い試合も,たくさん見せていただきましたし。
4Gamer:
プレイヤー的には,豪鬼のアレがあるのとないのでは,相当違いますかね?
違いますね。あるとすごく面倒くさくなります。でも,あの投げ無敵はあっていいんじゃないかな?
総師範KSK氏:
ないと豪鬼がだいぶ弱くなっちゃうもんね。
綾野氏:
後のバージョンでは投げ無敵はなくなっているので,開発としてはバグという認識だと思うんですけど。でもどこまでがバグなのかって,言いだすと難しいんですよ。キャンセル必殺技だって,最初はバグみたいなものだったわけで。でももう戦術の一部になっちゃってますから。
こくじん氏:
移動投げとかもそうですよね。でもあれは残しておいてほしいです。
綾野氏:
そのあたりも含め,バランス調整などもあえてしていません。プロジェクトの方向性としても,いかにアーケード版を忠実に再現するか,というところに重きを置いていますから。
こくじん氏:
さっきのトゥエルヴとかは,ちょっと強くしてあげてほしかったけど(笑)。春麗とユンは,もう悪役でいいと思いますよ。
総師範KSK氏:
強いキャラを弱くする調整は,もういまさらいらないよね。それをヒューゴーとかが,大会で倒していくのが,やっぱりカッコいいわけで。弱いキャラをちょっと上げてあげるっていうのは,確かにあっても良かったかもしれないけど。
HDグラフィックス化,オンライン対応などにまつわる苦労話
4Gamer:
ではちょっと視点を変えて。10年越しの移植ということもあって,HDグラフィックス化などで苦労があったんじゃないかと思うんですが,このあたりはいかがでしょうか。
綾野氏:
元のドット絵からHDグラフィックス化するにあたってフィルタ処理を施しているんですが,ここは結構苦労してますね。同じようにHD化を施したタイトルはほかにもありますが,そういう場合って,普通1回フィルタを通すだけなんですよ。でも本作に関しては,個々のキャラクターがベストな状態になるように,それぞれ別のフィルタがかけられているんです。
4Gamer:
つまり画面に2体のキャラクターがいたら,2回フィルタがかけられている?
綾野氏:
プラス背景で都合3回ですね。そこの調整は,ひとつひとつ手作業による職人芸で。納得のいくまで細かいパラメータをいじっていくという。苦労した点でいえば,そこが一番手間のかかったところかもしれません。
4Gamer:
オンライン周りについてはいかがですか。ストIII 3rdというと,1フレームの読み合いが熱いゲームですよね。正直なところ,あれをオンライン対戦で再現するのは,難しい気がするんですが。
綾野氏:
そこはやっぱり,どうしても環境に依存してしまう部分ではあります。ただGGPOというミドルウェアを採用することよって,コンボとかはかなり生っぽい感覚で遊べると思いますよ。
4Gamer:
環境というのは,つまり対戦相手との間のping,ということでいいんですか?
綾野氏:
そうです。あとは帯域の広さとかですね。十分な速度と帯域さえあれば,単発ヒット確認……までは難しいかもしれませんが,お互いに納得した戦いはできるはずです。設定の中に「GGPOディレイ」という項目があるんですが,これはオンライン時のボタンの反応速度を変化させる設定です。そこを“0”にすると,もうちょっとアーケードに近い感覚になりますよ。ただまあ,理論的にもラグを完全になくすことはできないので,アーケード版とは違う「ONLINE EDITION」として見てもらったほうがいいかもしれませんね。オンラインならではの立ち回りっていうのを,ぜひ研究していただいて。
そうすれば,アーケードと家庭用でプレイヤーの棲み分けもできてくるかもしれないですしね。
4Gamer:
そのほかのウリの要素についても聞いておきたいんですが,なんでもリプレイをYouTubeにアップできるとか。
こくじん氏:
え,そうなんですか?
綾野氏:
ありますよ。リプレイをYouTubeにアップロードするメニューがあって,それを押すと自動でエンコードして掲載してくれる。
4Gamer:
これはYouTubeに公式チャンネルのようなものがあって,そこに掲載される形ですか?
綾野氏:
PlayStation 3版では,ユーザーが自分のアカウントにアップロードすることができます。Xbox 360版では、公式チャンネルにアップロードされます。
こくじん氏:
それはスゴい。僕みたいな売名勢が……。
総師範KSK氏:
売名し放題だな(笑)。
綾野氏:
さっきプレイしていただきましたが,ウメハラさんのブロッキングを再現できるチャレンジモード課題とか,ギャラリーモードとか。一人でいろいろやり込める要素も用意しています。さっきのウメハラくんのブロッキングを再現するのとか,ギャラリーもかなりのコンテンツ量があるので,ぜひ見てみてほしいですね。
ストIVを契機に盛り上がった格闘ゲームシーン
4Gamer:
YouTube対応の話がありましたので,少し話を広げてみたいんですが,今は格闘ゲームを見て楽しむ人達が増えていますよね。そのあたりって,メーカーさん的にはどう考えてらっしゃるんでしょうか。
綾野氏:
個人的には全然ありだと思うんですけどね。むしろ感謝したいくらいで。もちろん著作権的な問題というのはありますが……。
4Gamer:
でも少なくともストIII 3rdに関しては,最初からそういう機能があるわけですよね?
総師範KSK氏:
そう,そこ切り込んでいってくれたのが嬉しいんです。今までは半ば黙認みたいな状態になっているところで,逆にカプコンさんが公式で取り入れてくれたっていう。考えてくれているんだなって感じました。
綾野氏:
そうですね。だからストIII 3rd OEに関しては,どんどんYouTubeにアップロードしていってほしいです。おかげさまでストIVはかなり盛り上がってくれていますけど「ストIIIっていつ出たの?」って思ってる人,結構いると思うんですよね。そういう人達にも,動画を通して届いてくれたら嬉しいです。
4Gamer:
スパIVに出てるキャラクターもいますよって。本当は順番が逆ですけどね(笑)。じゃあ格闘ゲームシーン繋がりということで,プロゲーマーについてはいかがでしょうか。ウメハラさんを皮切りに,ストIV以来どんどん増えてきていますが。
綾野氏:
メディアに露出して,多くの方に知ってもらう機会が増えるという意味では,アリなんじゃないかと思いますよ。プロゲーマーだけじゃなくて例えば,かよポリスさんなんかも,いわゆるゲームメディア以外のところに出て,ゲーマー以外にアプローチしてくれてるじゃないですか。ウメハラさんも,なんか本の帯とかやってたり(笑)。
4Gamer:
あれはちょっと面白いですよね。一般のメディアに登場する機会も,確かに増えています。
綾野氏:
ただメーカーとしては,声の大きなプレイヤーの意見に惑わされないように,というのは強く意識するところですね。例えばウメハラさんがリュウ使っているので,リュウを強くしようとか,そういうことは絶対にないです。プロゲーマーといえども1人のプレイヤーなので,そこは逆に開発としては見誤らないように。
4Gamer:
そこの線引きは難しそうですね。特定のキャラクターに肩入れするのは論外としても,プロゲーマーが求めるような競技性に特化していくと,一般人には手が出せないゲームになってしまうケースもありますし。
綾野氏:
確かに競技性に特化していくのも一つの選択肢ではあるんですが,やっぱり多くのプレイヤーに触ってもらってこそのゲームなので。FPSなんかに比べると,まだまだ全然ね。層の厚さが違いますよ。
4Gamer:
ではカプコンさん自身が,プロ化の流れを推し進めるようなことはない?
綾野氏:
うーん,それはやっぱり違うかなと思います。お抱えみたいになっちゃうと,なんだか健全じゃない感じがして。プロ野球の例で言えば,球団を運営しているのは,野球と直接関係ない企業ですよね。その感覚だと,やっぱりプロっていうのは,第三者的に発生するのが正しいあり方なんじゃないかと。これはカプコンではなく,綾野個人の考えですけど。
実は3rd勢だった綾野AP。その格闘ゲーム遍歴は?
4Gamer:
話がちょっと前後するんですが,先ほど綾野さんご自身がストIII 3rdのプレイヤーだったとおっしゃってましたよね。ちょっと格闘ゲーム遍歴をお話しいただいてもいいですか?
こくじん氏:
あ,それ聞きたいです。
綾野氏:
遍歴ですか。最初はやっぱりアーケードのストIIで,中学生くらいですかね。ゲームセンターに入り浸ってて,よく先生に怒られてました(笑)。
4Gamer:
なんだか身に覚えがあるお話しで(笑)。
綾野氏:
そのあと「ダッシュ」「ターボ」と進みつつ,そうこうしているうちに「ヴァンパイア」が出て,後は「X-MEN」「ヴァンパイアハンター」「X-MEN VS. STREET FIGHTER」「ヴァンパイアセイヴァー」と,カプコン格闘一筋でしたね。
「X-MEN」ではオメガレッドを使ってたんですが,スーパージャンプって何のためにあるんだろうって,当時ずっと思ってて。後の「X-MEN VS. STREET FIGHTER」で,それが「エリアルレイヴ」としてシステム化するわけなんですが,そこでスーパージャンプの意味が明確になったんですよね。ゲーム作りとはかくあるべし,みたいなものを学んだ気がします。
4Gamer:
カプコン以外のタイトルは,全然プレイされなかった?
綾野氏:
触るだけは触ってましたよ。「キング・オブ・ファイターズ」に「バーチャファイター」「鉄拳」と。あの当時って,格闘ゲームの新作が沢山あったじゃないですか。でもどれを触っても,カプコンだけ裏切らないな,みたいな感覚があったんです。当時は社員でもなんでもなかったのにね。
総師範KSK氏:
ちなみにカプコンの格闘ゲームの中で,一番好きなのは?
綾野氏:
それはもうストIII 3rdですね。それこそ,今でもオリンピックの種目にでもなればと思っているぐらいで(笑)。初代のストIIIが出た時が高校生で,2nd→3rdと進むうちにどんどん面白くなっていって。のめり込んでいるうちに,大学にいっちゃったのかな。
総師範KSK氏:
え,高校生ですか。じゃあ,僕等と同じぐらいの世代ですね。
綾野氏:
同じ地域に住んでたら,きっと同じゲーセンに集まって,同じゲーセンで暮らしてたでしょうね。それで母親からの電話がゲームセンターに掛かってくるんです。「うちの子はいませんか」「いますけど」みたいなね(笑)。
こくじん氏:
ありそう(笑)。でも綾野さんが「ストIII 3rd」推しってのは,ちょっと嬉しいです。
綾野氏:
ヴァンパイアだとセイヴァーが好きですけど。ストリートファイターの中ではストIII 3rdが一番。ZEROだったらZERO2が好きです。ZERO3じゃなくて,ZERO2がいいんですよ。
4Gamer:
ああ,それ分かります。なんかZERO3になると,システムが凄く複雑になってしまって……。
綾野氏:
そうそう。IZM(イズム)って何? って(笑)。でもそこが魅力でもあるんですよね。オリコンを取るか,スパコンを取るか。みたいな。
総師範KSK氏:
ZERO3かあ。僕はあれにあまり馴染めなくて。当時はBET50(ベットハーフ)って昔あったゲームセンターで,ウメハラくんとかオオヌキ(ヌキ)くんとかのプレイを,ベガ立ちして見てましたね。すげえな〜って言いながら。そこでプレイには入っていけなかったな。
4Gamer:
以前のインタビューでは,ウメハラさんはZERO3が最高っておっしゃってましたね。逆にストIIIはあまり好みでないとか。
総師範KSK氏:
ウメハラくんとかは,ブロッキングとかシステムの影響力が強いゲームが,好みじゃないらしいですね。あとストIIIって,ブロッキングのお陰で,一つの状況に対して,100%の安定行動が存在しないゲームじゃないですか。上級プレイヤーの中には,それを好まない人も多いみたいなんですよ。
4Gamer:
あと,その当時の環境ってのも,やっぱりありますよね。ゲーセンに行きやすい生活スタイルかどうかとか。モチベーションがあっても,やり込むのが難しい環境かもしれないし。
綾野氏:
ああ,それは大きいですね。ZERO3とかの時期になると,自分も大学生になっちゃって,生活環境が変わりました。周りにゲームセンターがない地域に下宿していたんですよ。ゲームセンターに行くには,そのために遠くに出かけなくてはならなくて。そのうえに大学が楽しかったので,なんとなく疎遠になってしまいました。だから高校生の時にやり込んだ,ZERO2の思い出補正は強いかもしれません。ZERO3はZERO3で完成度高いゲームなので,そこは人それぞれかなと思いますね。
4Gamer:
では,ストIVが登場して,綾野さんご自身にも格闘ゲームの熱が戻ってきたと。
綾野氏:
戻ってきましたね。家に帰る前にゲームセンターに寄るっていう生活が,また帰って来たのが嬉しいです。高校生当時とは違って勤務地も新宿なので,ゲームセンターにもすごく恵まれた環境で。それで新キャラクターは何を使おうかなって考えて,ストIVではルーファス,スパIVではハカン,というわけです。
じゃあぜひハカンを「ストIII 3rd」にも追加していただいて……。
綾野氏:
いやいや出ないですから(笑)。あくまで移植なので。
総師範KSK氏:
それはずっと夢なんですよね。今のストIIIに新キャラが増えたらどうなるんだろうって。
綾野氏:
夢の話をするなら,「ストIII 3rd セカンド」をいつか作ってみたいんですよね。4thじゃなくて「ストIII 3rd」のセカンドを。いや別に名前は4thでもいいですけど(笑)。
総師範KSK氏:
4th! それは昔から出ないのかなぁって,ホント思ってますよ?
こくじん氏:
今のカードシステムでね。まぁ家庭用でもいいんですけど。ストIII 3rdの進化版やってみたい。
4Gamer:
それはストIVみたいな3Dグラフィックスでも構わない?
総師範KSK氏:
ブロッキングの読みあいさえあれば。あの操作感覚が変わらなければ,3Dグラフィックスでも,もう全然。
綾野氏:
いやいや,そこは出すならドットでしょ。って俺が言うのかそれ(笑)。もうむちゃくちゃですけど。
4Gamer:
小野P(ストリートファイターIVプロデューサー 小野義徳氏)だって「ヴァンパイア」が〜,とか言ってますしね(笑)。
こくじん氏:
ハカンはストIIIの中だとどうなるんですかね。
綾野氏:
油のエフェクトをどうするのかとか,いろいろ問題がありそうですよね。ただ3Dグラフィックスを否定するわけではないので,3DグラフィックスのストIIIも,やっぱりみてみたいですね。
カプコン格闘,次の10年に向けて
4Gamer:
ではそろそろまとめということで。ストIII 3rdファン,そして格闘ゲームファンの皆さんにメッセージをお願いします。
綾野氏:
そうですね。今回ストIII 3rd OEを1番に買っていただけるプレイヤーさんって,やっぱり十年来のストIIIファンが多いと思うんですよ。そういう人のために,新しい機能――トライアルの課題とか,ギャラリーモードなども沢山入っていますので,ぜひ触ってみてください。もう知ってるからいいや,とか言わずにね(笑)。
4Gamer:
今回初めてストIII 3rdをプレイするという,好奇心旺盛な方へはどうですか?
綾野氏:
YouTubeの動画でストIIIを知った人,あるいは,ストIVから格闘ゲームに入ってきた人も,今回は初歩的なところからトライアルが用意してあるので,それで練習してもらって,オンラインの海に乗り出して行ってほしいですね。やっぱりかつての格闘ゲームの盛り上がりの中で,その一つの頂点になったタイトルだと思うので,ぜひその魅力を知っていただきたいです。
4Gamer:
KSKさん,こくじんさん,最後に何か聞き逃したこととか,ありますか?
総師範KSK氏:
ストIII 3rd OEで,イベントやってもいいですかね?
綾野氏:
むしろ,それはぜひGODSGARDENさん,NSBさんで盛り上げていただければ。
こくじん氏:
マジですか! じゃあネットで段位戦とかやろう。GODSGARDEN支部とNSB支部とかで……。
総師範KSK氏:
それはアツい(笑)。やろうやろう。
綾野氏:
段位戦。このあいだの対談を拝見したんですけど,強さの指標はいろいろあっていいと思うんですよね。BPにはBPの良さがあると思うし,段位には段位の良さがある。だから強さの指標が複数あって,その中でプレイヤーさんが納得のいくものを,その都度選んで貰えればいいんじゃないか。作り手の側からは,そんな風に思いましたね。
総師範KSK氏:
今のPP,BPシステムに,さらに段位がつくような? ストIII 3rd OEではもう無理かもしれないですけど,それをスパIV AEでぜひ!
ええっ,バランス調整はー!?(悲鳴)
総師範KSK氏:
そこはなんとか,間に合わせる方向で(笑)。いや段位戦システムがあったら,家庭用もまた全然違う盛り上がりになると思うんですよ。
綾野氏:
じゃ,じゃあ……あと5年くらい待ってください(笑)。
総師範KSK氏:
よし,じゃあそれまでは俺らが盛り上げるしかないな。
こくじん氏:
それかっこいい。がんばりましょう。
4Gamer:
はい,カプコン格闘の新たな展開に期待しています。本日はありがとうございました。
「ストリートファイターIV」の発売以来,再び再燃を開始したカプコン格闘。その中で流れの中で,名作との呼び名の高い「ストIII 3rd」が復活を遂げたことは,シリーズファンの筆者としても嬉しい限りだ。原点回帰を目指したといわれるストIVとは違い,当時の最先端,そして対戦ツールとしての“彼岸”を目指した本作には,ストIVとはまったく違った魅力を詰め込まれている。本部中でも触れているように,ストIVから格闘ゲームに入ったプレイヤーには,個人的にもぜひストIII 3rdを体験してほしいと思う。
なお,インタビューの収録後に配信が開始された本作では,「ランクマッチの接続にかかる時間が長い」「特定のプレイヤーのDisconnect率が異常に高く表示される」などの問題が報告されている。カプコンによれば,これらの問題については近くアップデートパッチをリリースし,対応して行く予定とのことだ。
「ストリートファイターIII 3rd STRIKE ONLINE EDITION -Fight for the Future-」公式サイト
――2011年8月22日収録
- 関連タイトル:
ストリートファイターIII 3rd STRIKE ONLINE EDITION
- 関連タイトル:
ストリートファイターIII 3rd STRIKE ONLINE EDITION
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