プレイレポート
「STARHAWK」はマップ上に建造物を設置できる「ビルド&バトルシステム」が挑戦的な1作。パブリックβテストのプレイレポートを掲載
ゲーム内容も,ボタン1つで建造物や兵器を作り出せる「ビルド&バトルシステム」をはじめ,最大32人(16対16)で楽しめるマルチプレイに対応するなど,WARHAWK経験者でも注目すべき点は多い。
そんな本作では発売に先駆けて,1月31日から3月27日までの期間中,パブリックβテストが行われていた。本稿では,作品の概要を紹介しつつ,パブリックβテストのプレイレポートをお届けしよう。
「STARHAWK」公式サイト
最大の特徴はマップ上に建造物を設置できる「ビルド&バトルシステム」
銀河の片隅に位置する「ダスト星」。そこでは,宇宙の荒野の開拓者である「リフター」達が,遠く離れた故郷のために,貴重な資源「リフトエネルギー」を掘り続けていた。
その一方で,リフトエネルギーに汚染され,かつては人間だったと想像することができないほど凶暴化してしまった種族「アウトキャスト」も,生きていくためにリフトエネルギーを必要としており,リフター達との攻防を繰り広げていたのだった……。
本作の操作はオーソドックスなTPSのスタイルを踏襲しているので,基本的に家庭用ゲーム機でFPSやTPSをプレイしたことのある人なら,それほど困ることはないと思う。
ただし,ゲームシステム面はほかのTPSとはひと味違う。本作には,「ビルド&バトルシステム」という,機能,見た目ともに特徴的で,さらに使いこなせるかどうかがゲームの勝敗に直結する,重要な要素が用意されているのである。
ビルド&バトルシステムとは,ボタン1つで,攻撃から身を守れる「防御壁」や,敵歩兵を自動で攻撃してくれる「自動銃座」,遠隔地にリスポーンポイントを設置できる「アウトポスト」といった,さまざまな施設や兵器をマップ上に設置できるシステムのことだ。
ゲーム中に[△]ボタンを押して建設したいユニットを選択し,設置場所を決定すれば,空から突然建物が落ちてきて建築開始,ものの数秒で設置されるという,便利なシステムである。その種類は,攻撃に使えるもの,防衛に使えるもの,さらには装備や乗り物を配備できる施設など多種多様。パブリックβテストでは,以下のような建物や兵器が選択できた。
- 防御壁 壁を設置して敵を足止めできる。アップグレードすると,味方を識別して扉を開閉してくれる「ゲート」になる。
- サイドワインダーパッド ホバーバイクのような乗り物「サイドワインダー」を配備できるようになる。武装は搭載されていないが,地上を高速で走行できるので,移動に便利。
- レーザーバックガレージ 戦闘車両「レーザーバック」を呼び出せる施設。レーザーバックは3人まで搭乗できるので,歩兵の輸送に適している。
- 自動銃座 接近してきた敵を自動で攻撃してくれる銃座。
- ウォッチタワー 狙撃用の高い塔。塔の頂上にはスナイパーライフル「LR-3 レールガン」とその弾薬が置いてある。
- アウトポスト 自軍のリスポーンポイント代わりになる塔。これをうまく建てておくと,敵地や前線へ素早く復帰できる。
- 補給バンカー 高い火力を持つ「M.A.W ロケットランチャー」など,歩兵用の武器が格納されたバンカー。窓には中から撃った弾のみが通り抜けるシールドが展開されており,防御施設としても使える。
- バルチャーステーション 歩兵用装備「バルチャーパック」を呼び出せる施設。バルチャーパックを使えば歩兵でも飛行が可能になる。
- ロンチパッド 二足歩行のロボット「ホーク」を呼び出せる。ホークは強力な重火器を搭載しているだけでなく,飛行形態に変形しての高速移動も可能という,ロマン溢れる逸品。
- レーザー砲 レーザーで近寄ってきた敵の乗り物を攻撃してくれる砲台。プレイヤーが乗り込んで直接操作することも可能。
- ステーション 2人乗りの「オックス重戦車」を使えるようになる施設。オックス重戦車は足は遅いが,分厚い装甲と高い火力を誇る頼もしい兵器。
- シールドジェネレーター 周囲に敵からの攻撃を防ぐシールドを発生させられる塔。主に周囲の施設を守るのに使う。
なおビルド&バトルシステムを活用するには,リフトエネルギーが必要となる。設定的には貴重なエネルギーのはずなのだが,ゲーム中はリスポーンポイントの近くにいると少しずつ獲得できるほか,敵を倒したりマップ上のリフトバレル(タンク)を破壊したりしても得られるため,「資源がなくなって何もできない」というようなことにはなりにくい。
ただ,強力な施設を使うには,そのぶん多くのリフトエネルギーを消費しなければならないので,各施設の性質を理解し,有効なタイミングや場所でうまく設置する戦略性が求められる。
例えば筆者のように,たいして敵がこない場所に自動銃座を設置したところで,エネルギーの無駄遣いにしかならない,というわけだ。寂しい。
説明からはなんだか難しそうなシステムに感じてしまうかもしれないが,リフトエネルギーは味方と共有しているものではなく,自分が自由に使えるものなので,とくに失敗を恐れる必要はない。自分がホークに乗りたいからロンチパッドを設置する,味方の攻撃を後押しするためにアウトポストを置く,自動銃座やレーザー砲を複数置いて重要拠点の守りを固めるなど,慣れないうちはあれこれ使ってみて,コツを掴めばいいのではないかと思う。いちおう,設置できる施設はチームで最大32個までという制限があるが,不要だと思ったら撤去してしまえば問題ない。
効率よく施設を使う術を覚えてしまえばこっちのものだ。ビルド&バトルシステムを駆使して,STARHAWKでしか味わえない戦略性を楽しもう。
パブリックβテストでのゲームルールはTDMとCTF
マルチプレイのゲームルールにも触れておこう。パブリックβテスト時点で選択できたのは,「チームデスマッチ」(以下,TDM)と「キャプチャーザフラッグ」(以下,CTF)の2種類となる。
まずTDMは,FPSやTPSのマルチプレイではオーソドックスなルールなのであえて説明する必要はないかもしれないが,リフター側とアウトキャット側に分かれて倒した敵の数を競うモードだ。ビルド&バトルシステムで武器や乗り物を用意して,とにかく数多くの敵を倒すことを目指す。
ホークやオックス重戦車などの強力な乗り物を効果的に使えれば,そのぶん敵を倒せることだろう。
一方,CTFもスポーツ系FPSなどではメジャーだが,ミリタリー系タイトルなどを主に遊ぶ人にとっては,あまりプレイしたことのないルールだろう。こちらは敵の基地に設置されている旗を奪い,それを自軍の基地まで持ち帰ることでポイントを得て,最終的なスコアを競うルールだ。旗を持った状態で倒されるとその場に旗を落としてしまい,それを敵に回収された場合は,再び敵の基地まで取りに行かねばならない。
逆に,当然敵もこちらの旗を取りに来るので,チームメンバー全員でうまく旗の奪取と防衛の両方をこなしていくのがポイントだ。
例えば,サイドワインダーやレーザーバックを使えば,敵の基地にたどり着くまでの時間を大幅に短縮できるし,たとえやられてもアウトポストを使えば,素早く戦線に復帰可能だ。オックス重戦車を使えば,敵地の砲台や防御壁もその火力で粉砕できる。
そうこうしているうちに,ついに筆者も旗の奪取に成功。今度はその旗を自軍基地に持ち帰らなければならないわけだが,その緊張感もまたやみつきになる。自分がやられると敵に旗を奪還されてしまうので,「大役を任された!」という責任感がのしかかってくるのだが,それだけに,自軍に無事持ち帰ったときの達成感は格別だ。
もちろん,自分が旗を持つのではなく,旗を持って戻る味方を援護する,というのも有効。CTFに慣れない人は,うまい人が旗を持ち帰る様子を確認しながら,アシストに徹するといいかもしれない。
防衛時のポイントとなるのも,やはりビルド&バトルシステムの活用だ。防御壁やゲートで敵の足を止めたり,レーザー砲台を配備して敵のホークを撃ち落としたり,逆にこちらもホークの飛行形態を駆使して各地の戦線へ急行したりと,やるべきことと設置すべき施設は盛りだくさんである。
ちなみにパブリックβテストは,アップデートによって途中から最大32人での対戦が可能になったのだが,人数が増えると,よりオフェンスとディフェンスのチームワークが重要になってくる印象だ。人が増えたということは,そのぶん生み出されるリフトエネルギーも増えているわけで,各種施設も多く設置されることになる。そのため,旗の奪還にはオフェンス要員の連携が重要になり,旗の防衛にはディフェンス要員の適切な施設配備が重要になるというわけである。
以上のように本作のマルチプレイは,ビルド&バトルシステムによって,非常に工夫しがいのある内容になっている。銃の撃ち合いだけでは勝てず,いかに有効な施設や兵器を呼び出し,自軍が有利に戦える状況を生み出せるかが重要になるこのバランスは,STARHAWKならではのものだ。パブリックβテストは終了してしまったが,5月10日に発売される製品版では,ぜひストーリーだけでなくマルチプレイにも挑戦してみてほしい。
「STARHAWK」公式サイト
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