「London」世代のモバイルGPUか。AMD，28nmプロセス世代の次世代GPUを披露し，向こう数か月以内に市場投入と予告

28nmプロセスルールを採用した次世代GPUのチップを披露するMatt Skynner氏（Corporate Vice President and General Manager, GPU Division, AMD）

　台湾時間2011年10月5日，AMDは，台湾・台北市のホテル「Le Meridien Taipei」において，技術カンファレンス「AMD Fusion 11 Taipei（7th Annual Technical Forum ＆ Exhibition）」を開催。その場で，28nmプロセス技術を用いて製造される次世代GPUを披露した。

　AMDでグラフィックスビジネスを統括するMatt Skynner（マット・スキナー）副社長は，「AMDはこれまでもグラフィックスチップで最先端プロセスをリードしてきた」と振り返り，「28nmプロセスルールを採用した次世代グラフィックスチップを数か月以内に市場投入する」として，「Dragon Age II」を動作させるデモ――ムービーの可能性もある――も公開している。

AMDのGPUはこれまでも他社に先駆けて最先端プロセスを採用してきたとSkynner氏は振り返る

28nmプロセスルールを採用したGPUをどこよりも早く市場投入すると宣言

　Skynner氏は，今回披露したチップの詳細を「次世代グラフィックスチップ」と述べただけで，そのコードネームすら明らかにしていない。そのため，公開されたチップが「Southern Islands」シリーズなのか，そのモバイル版にあたる「London」シリーズなのかは不明だ。

Eric Demers氏（CTO and Corporate Vice President, Graphics Business Unit, AMD）

　ただ，「Intel Developer Forum 2011 San Francisco」期間中，AMDでグラフィックスアーキテクチャの開発を統括するEric Demers（エリック・デメル）CTO兼副社長に話を聞いたところ，氏が「28nmプロセスのモバイルGPUを年内に出荷する」と述べていたこと，そして，披露されたチップのサイズから予想するに，Radeon HD 6600Mシリーズの後継となるノートPC向けGPU「Chelsea」（チェルシー，開発コードネーム）と見ておくのが妥当かもしれない。

GPUパッケージのクローズアップ。チップサイズからすると，Radeon HD 6600Mシリーズの後継製品だと思われる

次世代アーキテクチャを採用したフラグシップ製品も数か月のうちに市場投入するとのこと。ただ，2011年6月時点でのスケジュールからは後退している気配だ

　なおSkynner氏はセッション中，「次世代アーキテクチャを採用したフラッグシップ製品も数か月以内に市場投入する」と，Southern Islands世代の上位モデルを投入するスケジュールについても言及していた。6月の「AMD Fusion Developers Summit 2011」では，Demers氏が「Caymanのときと同様に遅れる可能性はあるものの，2011年内の市場投入を計画している」と述べていたが，それと比べると，状況はやや後退気味な印象を受ける。

Intel Developer Forum 2011 San Franciscoの会期中，AMDは会場近くのホテルで，28nmプロセス技術を用いて製造される次世代モバイルGPUを用いたデモを披露していた

AMD公式Webサイト