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発売日も決定した「LOLLIPOP CHAINSAW」完成披露パーティーをレポート。日笠陽子さん,喜多村英梨さんらゲスト出演者へのインタビューも掲載
「LOLLIPOP CHAINSAW」は,アメリカ西海岸の“サン・ロメロ ハイスクール”を舞台に,ゾンビハンターの末裔にしてチアリーダーでもある女子高生・ジュリエットが,大量発生したゾンビを斬り倒していくというアクションゲーム。PS3版とXbox 360版で主人公の声優が異なっていたり,CERO「D」(17歳以上対象)とCERO「Z」(18歳以上のみ対象)のレーティング違いバージョンを同時に発売したりといった取り組みも注目されている作品だ。
完成披露パーティーには,グラスホッパー・マニファクチュアの須田剛一氏をはじめ,本作でボイスアクターを務めた日笠陽子さん,喜多村英梨さん,渡辺明乃さん,ROLLYさん,スネオヘアーさんら,スペシャルゲストも多数登壇した,ステージの模様をレポートしよう。
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パーティーでは,最初に角川グループホールディングス 代表取締役社長の佐藤辰男氏が登壇し,来場者に向けて挨拶。佐藤氏は,本作が設立から3年を迎えた角川ゲームスのオリジナルタイトル第1弾となることに触れ,グローバルに展開して50万本,100万本という販売本数を記録し,角川ゲームスの第一歩を記したいと,意気込みを語った。
角川グループホールディングス 代表取締役社長 佐藤辰男氏 |
角川グループホールディングス 取締役会長 角川歴彦氏 |
続いて,角川グループホールディングス 取締役会長の角川歴彦氏が,スピーチを行った。
本作のクリエイティブディレクターを務めた須田剛一氏が,舞台裏で「100万本売るんだ」と鼻息荒く語っていた,と角川氏はコメント。
また,「100万」という数字について,「100万売るということは,社会的存在として認知されたり,メディアとして一人歩きする数字」だと前置きし,「LOLLIPOP CHAINSAW」が100万本を達成した暁には,あらためてこの場所で100万本記念パーティーを開きたいと抱負を述べ,スピーチを締めくくった。
日本で2012年6月14日に本作が発売されることが発表されたほか,北米,欧州,豪州,アジアの各地域でも,6月3週に一斉に発売されるとのこと。また安田氏によれば,「中南米,中近東,アフリカ諸国など,コンソールゲーム市場の存在するすべての国・地域で『LOLLIPOP CHAINSAW』の発売が決定している」とのこと。
本作の開発は,角川ゲームスが設立して間もない2009年4月頃にスタートしたそうだ。海外展開で業務提携しているワーナー・ブラザースとは,「ゲームは品質がすべて」という合意のもと,開発初期からユーザーテストを実施するなど,さまざまな形でサポートを受けていたと述べていた。
安田氏は,「日本発のオリジナルゲームが日本だけでなく世界でも成功してほしい」という想いのもと,さまざまな関係者に尽力してもらったことで,今日のタイトルの完成があると強調し,プレゼンを締めくくった。
GDC 2012から帰国したばかり(関連記事)の須田氏はまず,土産話として,アメリカでのプロモーションの話題を提供。「キュートで,ポップで,車体に腕とか耳とか肉片の付いた」プロモーション用のワゴン車をワーナー・ブラザースが製作し,テキサス州オースティン,ボストン,ボルチモアなど各地を回る予定なのだそうだ。
須田氏からは,ゲーム内容のプレゼンも行われ,チェーンソーによるアクションや,独特な「チアアクション」などの基本要素をあらためて紹介した。
なお,ジュリエットが連れている(?)生首の彼氏・ニックについて須田氏は,「詳しくは言えないが,実は彼もアクションの要素として大活躍する」と明かした。
須田氏は最後に,「発売の暁には,1人1本買っていただいて,ぜひ自宅でポップコーンとピザを食べながら,コントローラをベチャベチャにして『LOLLIPOP CHAINSAW』を遊んで下さい」と,アメリカンなジョークでスピーチを締めた。
そのあと,日笠陽子さんと喜多村英梨さんのお二人が,ステージに登壇してトークを行った。先に書いたとおり,「LOLLIPOP CHAINSAW」では,ゲーム史上初(?)のダブルキャスト制を採用しており,主人公のジュリエットを,PS3版は日笠さん,Xbox 360版は喜多村さんが演じているのだ※。
ジュリエット役(PS3版)の日笠陽子さん |
ジュリエット役(Xbox 360版)の喜多村英梨さん |
司会進行役を担当した渡辺明乃さん |
※「こちら」の記事にあるように,ストーリーモードをクリアする,もしくは“PREMIUM EDITION”の初回限定特典「パーフェクト・アンロックコード」を使えば,いずれのバージョンでも,日笠さんと喜多村さんの声を自由に選択できるようになる。
喜多村さんは,ジュリエットの役作りについて,「ジュリエットの天真爛漫なところによって,勢いのある作品になるんじゃないかと思って,自分の持っている“勢い”の引き出しから演じさせていただきました」とコメント。
一方の日笠さんは,「アニメっぽくならないよう,ちゃんと一人の人間として演じられるように気をつけて,喜怒哀楽をちゃんと表現するようにしました」と述べた。
ちなみにお二人は,この場で初めてお互いが演じたジュリエットの声を聴いたらしい。日笠さんは,「同じキャラクターであっても,人によって見せ方が変わるのが面白いので,ぜひ両方のバージョンで遊んでみてほしいです」と話していた。
次に,本作のプロデューサーを務めた角川ゲームスの設樂昌宏氏が登壇。設樂氏はまず,「LOLLIPOP CHAINSAW」は“おバカ”なゲームであるとコメント。たとえば,本作に最初に登場するゾンビの第一声は生理現象にまつわる下ネタであることをはじめ,セリフ回しなどで“おバカ”要素がたっぷり詰まっているそうである。
ここで,本作でボスの声を演じたスペシャルゲスト,ROLLYさんとスネオヘアーさんが登壇して,3人でトークセッションを行った。なお,ROLLYさんとスネオヘアーさんのボイスは“スペシャルアーティストシークレットボイス”という扱いで,主人公ボイスの切り替え同様,ストーリーモードクリア後か,「パーフェクト・アンロックコード」で利用可能になる。
ちなみにROLLYさんは,挨拶のとき「先ほどお巡りさんに捕まりまして,ゴールド免許が一瞬のうちにパアになりました」と話し,場内が騒然となった。普段は安全運転を心がけているそうだが,会場へ急ぐあまり交通違反をしてしまったとのこと。交通違反はもちろん良くないことだが,なんともROLLYさんらしい(?)エピソードだ。
「LOLLIPOP CHAINSAW」プロデューサー 設樂昌宏氏(角川ゲームス) |
ROLLYさん |
スネオヘアーさん |
スネオヘアーさんは,今回演じたゼッドについて「すごくカッコいいですよね。子どもの時,こういうミュージシャンになりたかったです」とコメント。なお,演じた感想としては「“メス豚”とか汚い言葉を言うので,心が痛みましたね。あと喉がやられました」と話していた。
ジョーズィーを演じたROLLYさんは,「ジョーズィーは黒人のキャラクターですから,ジミ・ヘンドリックスみたいな低い声にしなきゃいけないと思い,鏡の前で練習してから演じました」と述べていた。
また,ジョーズィーのセリフは歌うように喋っているものが多いそうで,こうしたフレーズは,オクターブの低い声と高い声の2バージョンをレコーディングし,その2種類の声をオーバーダビングで重ねたものを,ゲーム内で使用しているとのこと。
また,既報のとおり,本作のコラボコスチュームに「学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD」「これはゾンビですか? オブ・ザ・デッド」「デッドマン・ワンダーランド」「魔乳秘剣帖」の登場キャラクター達の衣装が登場する。
中でも,2012年4月から放映される「これはゾンビですか? オブ・ザ・デッド」については,日笠さんがメインキャストとして出演していることもあってか,「これはゾンビですか? オブ・ザ・デッド」プロデューサーの蜂谷誠一氏が登壇。「ゾンビものでチェーンソーを持った女の子」という繋がりから,今回のコラボにつながったとコメントしていた。
また蜂谷氏からは,3月9日に本編1〜6話を一挙に上映するイベント「宇宙最速!めっちゃ6話までダンシンオールナイト」や,日笠さんも出演するステージイベント「これはゾンビですか? めっちゃフェスティボー!」の開催が2012年9月23日に決まったことが告知された。
最後に安田氏が再び登壇し,今春には全国主要都市を中心に体験会を開催することをはじめ,「このゲームの魅力をさらにお伝えしていくための新たな取り組みも,まだまだ用意している」と,今後の「LOLLIPOP CHAINSAW」のプロモーション展開を語った。
パーティーの合間には,登壇者へのメディア合同インタビューも行われたので,本稿の締めとして掲載しよう。
――まずは,須田さんにお聞きします。「LOLLIPOP CHAINSAW」は,主人公のダブルキャスト,CEROレーティングが異なるバージョンを発売という業界的に珍しい取り組みを行なっていますが,これはいつ頃決まった話だったのでしょうか?
須田氏:
Z指定とD指定という2種類のレーティングで出すというのは,もともと,角川ゲームスさんが開発のかなり初期段階からイメージとして持っていらっしゃったんです。
ダブルキャストについては,去年の早い段階には構想ができてました。すごく面白い提案でしたし,本当の意味での「プラットフォームの価値」みたいな部分も含めて,業界初の試みになっていますので,僕も期待しています。ぜひ両方買ってほしいなと思っています(笑)。
――出演者の皆さんは,「LOLLIPOP CHAINSAW」を初めて見たとき,どういう印象を持ちましたか?
日笠さん:
新しいゾンビゲームだなと思いました。ゾンビゲームは恐ろしいイメージだったんですけど,私でもできそうなくらい,ポップで可愛いゲームになっていると思いました。
喜多村さん:
非常にゲーマー心をくすぐるビジュアル面だったり,サウンドもすごいカッコいいですし――何よりジュリエットちゃんのセリフ一つ一つが刺さるので,演じていて,とても楽しかったです。これは早く皆さんに遊んでほしいゲームだなと思いました。
ROLLYさん:
全般的に,女性陣のファッションが,とてもファッショナブルでオシャレなのが興味深いですね。「自分でも着てみたいな」と思わせるような,チャックがここ(下腹部)まであるジャンプスーツとか。
なので,遊んでいる人のお家が6畳の和室のアパートだったとしても,画面の中は限りなくハリウッドに近いという,ゴージャスなゲームだなと思いました。
スネオヘアーさん:
すごく激しい内容なので,大丈夫なのかな? と思いました。
渡辺さん:
私は以前,角川ゲームスさんのカンファレンスで,ナレーションをやらせていただいた関係で,「LOLLIPOP CHAINSAW」は発表前から知っていたんです。当時から「出たい出たい」と言っていたら,本当に出演させていただけました(笑)。
また,今回の完成披露パーティーでは司会の大役をいただけて,いろんな意味でご縁が繋がった作品だなと思いました。
――渡辺さんが,マリスカ以外のキャラを演じられるとしたら,誰を演じてみたいですか?
渡辺さん:
ジュリエットです。自分がゲームをやるものですから,やはり倒されるよりは倒したいという気持ちがあります。以前,マネージャーに「私,ジュリエット役はどうかな?」と言ったら「それはどうかな?」と返されて。「そうだよねえ」と(笑)。
――スネオヘアーさんは,今回演じたゼッドというキャラについて,どういう印象を持ちましたか?
スネオヘアーさん:
激しい部分もあるんですけど,自分に共通しているところを感じますね。ああいう風に生きてみたい,というか。
――ROLLYさんは,ジョーズィーとご自身で似ている部分はあると思いますか?
ROLLYさん:
ジョーズィーという奴はとてもナルシストで,ものすごく自信家でございました。その部分は,ある意味私と共通する部分がございます。
また,そこに見え隠れするオカマっぽさと,ちょっとナヨった感じ,そういったところもちょっと自分と似ているところがあるなあと思いますね。
――もし,皆さんが「LOLLIPOP CHAINSAW」の世界にいたとして,生き残れると思いますか?
日笠さん:
私はちょっと生き残れなさそうな気がするんですけど,キタエリさんは生き残れそうな気がします。そんなキタエリさん,どうですか?
喜多村さん:
そうですね,ぶちのめしてやりますよ!
ゾンビゲームとかで遊ぶのは好きなんですけど,実際にそうなったら,戦わずに逃げるルートとかを探すと思います。で,死んじゃったら「しょうがないかー」と諦めます。
ROLLYさん:
ゾンビになったほうが得なのか,そのまま頑張ったほうが得なのか,即座に計算して,ゾンビになったほうがいい場合は,なるべく痛くないように,なるべく早く,ゾンビになります。
スネオヘアーさん:
僕もすぐダメになりますね。
渡辺さん:
私は最後まで生き残る! ……と言いたいところですが,たぶんステージ1の最初に走ってきて,チュートリアルでやられるくらいのゾンビになっていると思います(笑)。
――ありがとうございました。
「LOLLIPOP CHAINSAW」公式サイト
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