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アナログゲーム,西の祭典「ゲームマーケット2013大阪」。日本ボードゲーム大賞2012受賞作も発表されたイベントの模様をフォトレポートで紹介
アナログゲームメーカー・アークライトの主催による同イベントは,東京では春と秋の年2回が開催されているが,2012年3月より大阪でも開催されることとなり,多数の来場者を集めている。大阪での第2回目となる今回は,会場も前回の倍の広さとなり,1800人以上のアナログゲームファンが集結した。その模様を,写真と共にお伝えしていこう。
「ゲームマーケット2013大阪」公式サイト
日本ボードゲーム大賞2012受賞作など,人気ボードゲームがよりどりみどり
100以上のブースが出展し,多数の新作タイトルがお披露目された今回のゲームマーケット2013大阪。まずはその中から,筆者の注目ブースを紹介していこう。
人気サークル・カナイ製作所との合同出展となったワンドローのブースでは,新作のダイスゲーム「JIGORO」を発表。特殊なサイコロを使っての心理戦を繰りひろげる,2人用の対戦ゲームとなっている。またカナイ製作所のカナイセイジ氏とのコラボによる,トレジャーハンターものの新作「ロスト・レガシー」も準備中だとか。
新作ダイスゲーム「JIGORO」。コンポーネントはダイスとダイスケース,そしてゲーム用のお札のみというシンプルな構成 |
カナイ製作所の必殺風の時代劇カードゲーム「成敗」。ゲームマーケット2012秋ではテスト版だった同作だが,今回はしっかりした製品版となった |
ちなみに「Love Letter」は,500円で販売できるゲームという縛りでゲームをデザインする「500円ゲームズ」という企画から生まれたもので,使用するコンポーネントが16枚のカードのみというのが特徴のタイトルだ。受賞したカナイ氏に,受賞のポイントを聞いてみたところ,「ロングゲームの合間に遊べる手軽なゲーム――これを海外ではフィラーというのですが,そこが評価されたのかな,と思います」とのこと。また受賞については「色々な方に遊んでいただけて本当にうれしいです」と喜びを語っていた。
なお,先に触れた新作「ロスト・レガシー」は,この「Love Letter」のシステムを発展させたものになるそうなので,そちらもお楽しみに。
オインクゲームズブース
東京に拠点を置くボードゲーム制作チーム・オインクゲームズのブースでは,「人狼に使えるカード」や「dibdib」などの発売済みタイトルがイベント限定価格で販売されていたほか,京都で活動するアイドルユニット「やおよろズ(8,000,000’S)」とのコラボで,彼女達に教えてもらいながら,同社のゲームを体験できるというサービス(?)が行われていた。
ちなみに今回参加したやおよろズの4人のメンバーは,全員ボードゲーム好きということで,好きなタイトルを聞いてみたところ,「ディプロマシー,あとアーカムホラーやりたい」「dibdib」「レジスタンス。人の死なない人狼というがイイ!」「アダムとイヴ。いちゃいちしたい」など,かなりガチ寄りな解答が返ってきた。
なおこの秋には,彼女らとワンドロー,そしてTANSAN FABRIKが組んだ新作コミュニケーションカードゲーム「恋おちアイドル」を制作予定とのこと。キャッチコピーは「妄想フレーズでアイドルは恋に落ちる」だとか。
ボードゲームのお店「道」ブース
なかでも,ゲームを通して動物の習性などを学べるというHUCH!&friendsのボードゲーム「ファウナジュニア 日本語版」がイチオシとのことで,同作のイラストを手がけたドイツ人イラストレーター,Peter Nishitani氏も会場に来場し,サイン会が行われた。
現在は福岡に在住する同氏だが,仕事はインターネットを介してドイツのメーカーと行っているそうで,「ファウナ」のほか,ドイツで2010年の年間最優秀賞(子ども向けゲーム部門)を受賞した「ドラゴン・ディエゴ」など,多くのタイトルでイラストを担当している。ファウナの制作について話を聞いてみたところ,「ファウナはジュニアで180種類,元のファウナを合わせれば,500種類以上の動物のイラストを描きました。きちんと正しいイラストを描かなくてはいけなかったので,図鑑や写真などで,ずいぶんと調べましたね」と笑いながら答えてくれた。対象年齢は6才以上とのことなので,子供と一緒に遊ぶゲームを探している人は,ぜひ挑戦してみよう。
こちらが「ファウナジュニア 日本語版」。より大人向けの「ファウナ 日本語版 」も発売中だ。名作 |
「ファウナジュニア 日本語版」の裏蓋にサインするNishitani氏。イラスト付きで,購入者も喜んでいたようだ |
JIGG Kansai&Cafe Meepleブース
日本国内に在住する外国人ゲーマーの集まりというJIGG(ジャパンインターナショナルゲームギルド)が,2013年春に京都にオープンするボードゲーム・カフェ「Cafe Meeple」との合同ブースで出展。JIGG関西支部でよく遊ばれているという海外ゲーム「スターウォーズXウィング」などを展示していた。
近郊のボードゲームファンは,オープン後も足を延ばしてみるといいかもしれない。
展示されていた「スターウォーズXウィング」のミニチュア |
マーヴェルキャラクター達が活躍するボードゲーム「Legendary」 |
TANSANFABRIK&賽苑ブース
「ヒットマンガ」「ファブフィブ」などで知られるゲームクリエーターチーム「TANSANFABRIK」と大阪のゲームメーカー「賽苑」の合同ブースでは,缶バッジ型ゲーム「Hoooooi!!(ホーイ!)」が販売されていた。缶バッジに描かれたキャラクターを使ってじゃんけん勝負するという,ユニークなゲームだ。
そのほかのブース
大阪の老舗ゲームショップサンセットゲームズのブース。オススメは「10days in Africa」 |
可愛いフィギュアで戦う海賊ゲーム「Pirates versus Pirates」 |
奇妙なマークでイメージを伝える「Squint」 |
タイルの組み合わせで見事に「Hug」を表現! |
名古屋の輸入ボードゲームストア・バネストのブース。今回も開場直後から多くの客で賑わっていた。未訳ゲーム「The Doge Ship」は,ベニスの施政者,ドージェになって,ガレー船を建造するゲーム |
バネスト店長の今回のオススメ,「The Manhattan Project」。名前から分かるように原爆を作るゲームだ |
Second Honorの「Dice&Dragons」。ダイスを振って成長していくRPG風ゲーム。 |
School of Forestの制作するゲーム用木製ブロック。障害者の自立支援を行うNPO法人「森の学校」が製作している |
日本全国からボードゲームファンが集結
このように,多数のサークルが参加して盛況となった今回のゲームマーケット2013大阪。日本全国からボードゲームファンが集まるということで,現地のボードゲームファンが中心となって,複数のゲーム会や懇親会が開催されていた。筆者も前日から大阪入りして,新大阪で開催された有志のゲーム会と,大阪日本橋にあるアナログゲーム専門店・キウイゲームズの懇親会に参加させてもらったが,ゲームマーケットに出展される新作がいち早く楽しめるなど,充実した時間を過ごすことができた(ゲーム会の幹事を務めたWEBラジオ「ボードゲーム研究室!」のカワサキ氏,キウイゲームズの山崎店長らに,ここで感謝を述べたい)。
ニコニコ超会議2で開催予定の「超嘘つき村の人狼」。数百人規模の人狼とは,いったいどうなってしまうのだろうか |
懇親会でお会いしたドロッセルマイヤーズの渡辺範明氏によれば,現在は4月27日に幕張メッセで行われるイベント「ニコニコ超会議2」(関連記事)で行われる数百人規模の「人狼」イベント「超嘘つき村の人狼」を,氏が中心となって企画中だという。「かなりシステムは変えますが,人狼らしさを知ってもらえるべく準備中です」とのことなので,こちらも楽しみにしておこう。
次回の「ゲームマーケット2013春」は,2013年4月28日,東京・有明の東京ビッグサイト(西3スペース)での開催となる。運営を手がけるアークライトの山上新介氏によれば,現時点でブース数は223,うち40前後が新規申し込みだったとのこと。これまで浅草で開催されていたゲームマーケットと広さ的には変わらないそうだが,待機列を作るスペースに余裕ができたため,一般参加者にとっては,幾分か参加しやすいイベントになるようだ。
2012年の「シド・マイヤーズ シヴィライゼーション ボードゲーム」のスマッシュヒットや,ニコニコ超会議などを通して盛り上がりを見せるボードゲーム。2013年は,ボードゲーム業界全体にとっても,飛躍の年になるのかもしれない。
「ゲームマーケット2013大阪」公式サイト
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