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2020年にはインターネットにつながるデバイスが300億台!? IoT時代を見据えたARMの戦略をレポート
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印刷2013/12/05 17:53

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2020年にはインターネットにつながるデバイスが300億台!? IoT時代を見据えたARMの戦略をレポート

Cortex-A
 スマートフォンやタブレット端末に適した低消費電力のCPUアーキテクチャを開発し,そのIP(設計)をSoC(System-on-a-Chip)メーカーに販売するビジネスによって,SoC市場を制した英ARM。そのARMは2013年12月6日に,東京品川で技術シンポジウム「ARM Technology Symposium 2013 Japan」の開催を予定している。
 その前日である2013年12月5日,ARMの日本法人であるアームは報道関係者向けの事業戦略説明会を開催した。説明会では,同シンポジウムに合わせて来日した,ARM本社にてグローバル&コマーシャルディベロップメントを担当する上級副社長のAntonio J. Viana(アントニオ・J・ヴィアナ)氏と,同じくセグメントマーケティング担当副社長を務めるIan Ferguson(イアン・ファーガソン)氏が登壇し,同社のグローバル戦略を説明した。
 正直に言えば,4Gamer読者にはあまり関わりのない話がほとんどだったのだが,SoC市場の覇者が,今後の市場をどう捉えているのかが見えてくる内容ではあったので,おおまかにレポートしたい。


ARMが予想する2020年は,IoTとセンサーがキーとなる


Antonio J. Viana氏(Executive vice president,Commercial and global development,ARM)
 Viana氏とFerguson氏が説明したARMのグローバル戦略のポイントを,ざっくりとしたキーワードでくくると,「2020年」「Internet of Things」(意味は後述。以下,IoT)「センサー」の3つになるだろうか。

 説明会のトップバッターとして登壇したViana氏は,最初のキーワードである2020年をテーマに,同社の戦略を説明する。氏は冒頭で,「2020年,世界人口は80億に達すると見られている」と述べ,「80億の人口は,我々に新たなビジネスチャンスをもらすだろう」と,力強く語った。
 「世界人口80億」なんて聞くと,筆者などは思わず気が遠くなるというか,人口増大がもたらす悪い事象のほうが思い浮かんでしまうものだが,そうした事象までもひっくるめて,2020年にはIoTの重要性が今以上に増すので,多くの業種に新たなビジネスチャンスが生まれる,というのがViana氏の主張である。

 IoTという言葉はARMに限らず,ここ最近はIntelなども使っているキーワードで,IT業界全体の流行語(※いわゆるバズワード)になっているが,要はあらゆるものがインターネットでつながるシステムや世界のことを指している。
 日本ではかつて,“あらゆるものにプロセッサが入り込む”といった意味を持つキーワードとして,「ユビキタス」という単語があちこちで用いられていたが,その意味では,ユビキタスを今風に言い換えたキーワードと言えるかもしれない。

物流とエネルギー分野,医療に教育といった分野が抱える問題に,IoTが革命を起こすであろうとViana氏は期待を示した
Cortex-A
 Viana氏が述べるところによると,そのIoTこそが人口の増加し続ける世界において,物流やエネルギー分野,医療や教育といったさまざまな分野の問題を解決し,イノベーションを起こしていくのだという。
 当然ながら,そうしたIoTを実現する機器には,機能や性能はともかくプロセッサが欠かせないわけで,そこで出番となるのがARMのアーキテクチャというわけだ。

Ian Ferguson氏(Vice president,Segment marketing,ARM)
 では,そうした2020年に向けて,ARMはどのようなビジネスを展開していくのかを,Ferguson氏が説明した。
 Ferguson氏によると,2020年には80億人によって300億のインテリジェントな機能を持つデバイスが使われるようになると,ARMでは予測しているのだという。そうした中でとくに重要性を持つのが,3つめのキーワードである「センサー」となる。

2020年には,300億のインテリジェントなデバイスが使われるようになるという。スライドに挙げられているような,街路灯や腕時計といったデバイスも,それぞれがインテリジェントな機能を持ち,インターネットにつながるようになる
Cortex-A
 たとえば,腕時計のように身につけるようなデバイスであれば,温度や加速度,GPSといったセンサーが入るだろうし,すでに入っている製品も珍しくない。また,Ferguson氏が例として挙げた街路灯であれば,照度や温度,消費電力を測るセンサーが搭載されると考えられる。
 身につけるデバイスは直接インターネットに接続する場合もあるが,スマートフォンやタブレット端末をハブとして,接続するケースもあり得る。現在ある製品でいうなら,いわゆる「スマートウォッチ」や,リストバンド型の活動量計といったものが,それに当たるだろう。

 さて,ARMでは,センサーの管理や制御といった用途に使うプロセッサには,組み込み機器向けのCPUコアである「Cortex-M」シリーズを提案している。また,通信機能を持つデバイスには,リアルタイム制御を重視したCPUコア「Cortex-R」シリーズや,4Gamer読者にもお馴染みのアプリケーションプロセッサである「Cortex-A」シリーズを,より高い処理性能を必要とするサーバーやネットワークインフラに対してはCortex-Aシリーズを提供すると,Ferguson氏は述べている。

 これらプロセッサの使い分けについて,Ferguson氏は「Cortex-Aを使うメインプロセッサがスリープ状態にあっても,センサーの情報はCortex-Mで処理する」といった役割分担をさせることで,システム全体の電力効率を引き上げるというアイデアを一例として示していた。各種のデバイスやセンサーが集めた情報を「リトルデータ」としてCortex-Aベースのサーバーシステムに集約し,「ビッグデータ」化するイメージだ。

 ここでのポイントになるのが,ARMはプロセッサIPを手がけているという点である。どんな分野の企業でもARMからプロセッサIPを買って自社製品に組み込めるので,たとえばセンサーを手がける企業がCortex-Mシリーズを買ってセンサーと統合するということも可能だ。IoTに向けてIntelなどもプロセッサのバリエーションを増やしているが、プロセッサ製品を手がけるIntelよりもARMの方が幅広い分野に応用される可能性があるというのがARMの強みだろう。

Cortex-A
300億のデバイスが存在する2020年に,Cortex-M,Cortex-R,Cortex-Aでそれぞれの領域を狙うというのがARMの戦略だ
Cortex-A
Cortex-Mは各種センサーの生データを取り込んで前処理する「Sensor Hub」にも使われていくと想定されている

サーバー分野でARMアーキテクチャのプロセッサや関連製品を手がける企業の一例。3つに分かれているうち,左にある企業ロゴがプロセッサメーカーで,お馴染みAMDのロゴは筆頭にある
Cortex-A
 ところでFerguson氏は,ARMでサーバー向け製品部門を立ち上げた張本人だそうだ。それもあり,スピーチの最後では,インフラを担うサーバー分野にも話を広げた。64bitアーキテクチャである「ARMv8」を実装した製品が,2014年にはサーバー向けに次々と投入されるという見通しを示した氏は,「2014年はARMにとって素晴らしい年になるだろう」とも語っている。

 今回の説明では,64bitアーキテクチャのARMv8は,主にサーバー向けと位置付けられていた。しかし,iPhone 5sやiPad Air,iPad mini with Retina Displayに搭載された「A7」プロセッサが,すでにARMv8を採用しているという,コンシューマ分野での実績もある。ARMの64bitアーキテクチャが,今後のコンシューマ向け製品,とくにタブレットや2-in-1デバイス,スマートフォンなどにどう影響してくるのか。2014年はそこも注目すべきポイントになるかもしれない。

ARM Technology Symposium 2013 Japan 公式Webページ

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