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Imagination,Vulkan 1.0対応の新世代GPU IPコア「PowerVR Series8XE」を発表
競合他社の製品と比べて,
PowerVR Series8XE(以下,Series8XE)では,1クロックで4ピクセルを処理できる「PowerVR GE8300」と,1クロックで2ピクセルを処理できる「PowerVR GE8200」という2製品がラインナップされるという。ただ,各製品の詳細なスペックは,今のところ公表されていない。
公開されたブロック図を見ると,大まかな要素は現行の「PowerVR Series7XE」(以下,Series7XE)と大きくは変わっていないようだ。ただ,Series7XEではオプション扱いであった「Tessellation Co-Processor」が図面上からなくなり,それに代わってロスレス画像圧縮機能の最新版である「PVRIC3」と,H.265デコード用のビデオストリーミングハードウェアである「YUV 10-bit」という2つの機能がオプションとして用意されたのが目を惹く違いといえようか。
一方で,シェーダユニットである「Unified Shading Cluster Array」(以下,USC)のブロック図を見る限り,USC自体の構造は,Series7XEと変わっていないようだ。1基のUSCで16パイプラインを備える構成が標準となったようだが,それよりも少ないパイプライン構成も可能と思われる。
そのほかに,ハードウェア仮想化機能やセキュリティ機能のサポートも特徴に挙げられているのだが,ブロック図にこれらは記載されていない。
Series8XEがターゲットとする機器としては,ローエンドからミドルレンジのスマートフォンやタブレット端末,車載コンピュータや4Kテレビ,IoT機器やウェアラブルデバイスなどが挙げられている。そのため,日本のゲーマーが手にする製品で,Series8XEを搭載するものは,あまりなさそうに思える。
ただ,ハイエンドなGPUを必要とするゲーム機や高機能な車載コンピュータは,Series8XEの対象から外れているので,今後はそうした製品も対象とするPowerVR Series8の上位モデル――通例に従えば「PowerVR Series8XT」――も登場するだろう。日本のゲーマーにとっては,上位モデルが登場してからが評価の対象になるといったところだろうか。
Imaginationによる当該プレスリリース(英語)
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