プレイレポート
「シムシティ」のβテストをレポート。あなたも人々の幸福を願う,素晴らしい市長を目指そう
「シムシティ」公式サイト
2013年1月18日に掲載した記事でもお伝えしたように,そんなシムシティの待望のβテストが日本時間の1月26日〜28日にかけて実施されたので,テストの内容について簡単にお伝えしたい。
あらかじめ伝えられていたようにゲームは英語版で,1時間ほどのプレイが可能だった。また,本作の非常に大きな特徴である,オンラインでほかのプレイヤーとの共同作業を行う,「マルチシティ」のフィーチャーも試すことはできないとのこと。というわけで,個人的には,2012年8月にケルンで開催されたGamescomや,12月にシドニーに行われたElectronic Artsのプライベートイベントで使われたデモ版だろうと思っていたのだが,βテストはもっと進んだビルドになっており,これまでに比べてグラフィックスが細かくなったという印象を受けた。ユーザインタフェースそのものに大きな違いは感じられなかったが,アイコンの数は増えたようだ。
βテストは,プレイ開始後1時間が経過すると終了するという仕様で,起動すると,プレイヤーはまず,チュートリアルに挑むことになる。都市開発の舞台となるのは海沿いの小さな街,Summer Shoals。市庁舎の前にプラカードを持った市民が集まり,しきりにシュプレヒコールを繰り返している。市庁舎をクリックすると,市の管理者だという女性,Eva Stantonが話を聞かせてくれるが,彼女によると,どうやら前の市長が街を中途半端な状態にしたまま姿をくらましてしまったので,あなた(つまりプレイヤー)の力が必要だというのだ。なるほど。
市民らの話す言葉は「シムズ」シリーズでおなじみのSimlish,いわゆるシム語らしく,英語かと思って一生懸命聞いてみたが,何を言っているのか分からなかった。筆者の英語力に問題があるのかもしれないが,まあ,それはともかく,Evaの忠告に従ってまずは道路を敷き,街と幹線道路をつないでみよう。
以前も書いたように,製品版では,10種類ほどの“リージョン”から一つを選ぶことになるという。一つのリージョンに複数の街を作ることが可能で,リージョン内にあらかじめ用意された16種類のエリアに,自分の街を築いていくわけだが,βテストでは決まったエリアしか選べず,あまり広くはない。決められたエリアを出て街を広げることはできないため,シムシティと聞いてイメージする「摩天楼の建ち並ぶ100万都市」の建設は難しそうだ。ただ,リージョン全体で100万都市は可能かもしれない。ちなみに,Summer Shoalsの人口は2500人ほど。
ともあれ,これに限らず,少なくともβ版に関して言えば,市庁舎のEvaや市井の住民の話を聞き,彼らの要望をかなえるという形でゲームを進めていくことになっている。シムシティの従来作(といっても,さまざまなバリエーションがあるので,「第1作の系列作品」という感じだが)は,こちらがアクションを起こし,それに対するレスポンスを見て,次のアクションを探るという流れだったが,本作では方向性が逆になっているようだ。とはいえ,いくら敏腕市長といえども住民の要望をすべてかなえることはできないだろうし,また,将来を見すえて,例えば税率の引き上げなど,住民のイヤがることもしなくてはならないかもしれない。そのあたりのせめぎ合いも期待できそうだ。
さらに,Evaの言葉に従って電力供給のため,火力発電所のスイッチを入れたところ,何の反応もない。おかしいなと思ったが,実はこれ,ほかの街から買った石炭を積んだトラックが到着するのを待たなければならなかったのだ。こうした演出はあちこちに施されており,例えば風力発電所の場合も建てただけでダメで,作業員が集まらなければ稼働しないなど,ライブ感にはなかなかのものがある。
例えばゴミは,街にゴミ処理場を建てるのではなく,隣町であるLucky Shoresからゴミ回収車がやってきて,毎朝回収してくれる。水道もポンプを建てるのではなく,Lucky Shoresから供給されるというアンバイで,冒頭にも書いたように,βテストでマルチシティはできないが,ほかの街との関わり方の片鱗を見ることはできた。こうした関係性はグラフィカルに分かりやすく表現され,いつでもチェックできる。調べてみると,Summer Shoalsの住民の多くがLucky Shoresに働きに出ているらしい。また,Lucky Shoresを訪れて,街の様子を見学することも可能になっており,人口約4500人のLucky Shoresは,カジノを中心とした,観光客のホットスポットであるという。
というあたりで,チュートリアルパートは終了。1時間という制限付きだが,以降は自由に街作りができるようになった。上にも書いたように,各ゾーンの設定が行えるのは,道路沿いに限られるため,まず幹線道路と街をつなぎ,与えられたエリア内に道路をひきまくってみた。そして住宅地と商業地区,そして発電所を設置したところ,そこで当初の資金である5万シムオリオンが尽きてしまった。重要なインフラである「水道」がないため,住民の幸福度は下がる一方。家をクリックすると,水道の蛇口をひねる音に続いて,ため息が聞こえてくるありさまで,人口は減り,税収もそれに伴って減少し,ますます新規施設の建設が難しくなってくる。心を鬼にして税率を上げようかと思ったが,税金のコントロールには市庁舎を建てる必要があるので,それもできない。というわけで,はい,やり直し。あとさき考えないと,ひどいことになるといういい見本だ。とほほ。
今度は,もっとコンパクトに道路を敷設し,発電所もコストの安い風力発電を採用したところ,街は無事に発展しはじめた。
時間制限があり,建てられる施設も限られていたため,あまりいろいろと試すことはできなかったが,最新のシムシティの持つ魅力は十分に伝わってきた。一つの街だけでなく,リージョン全体を発展させていくというシステムは面白そうだし,全員で力を合わせるというマルチプレイも興味深い。シムシティを知らないという人でも,ぜひ試してほしい雰囲気の本作。発売までには,まだいろいろと情報が出てくると思われるので,続報も楽しみにしてほしい。
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