5周年を盛大に祝うイベントが開催される「戦国IXA 千万の覇者」。運営チームにイベントの詳細を聞いてみた

　スクウェア・エニックスのスマートフォン専用ゲーム「戦国IXA 千万の覇者」（iOS / Android。以下，千万の覇者）は2017年4月23日，iOS版の配信開始から5周年を迎える。ゲーム内では毎年，周年イベントが行われてはいるが，今回は特設サイトを立ち上げるなど，例年以上に大掛かりな企画となっているらしい。
　そこで，プロデューサー山下英貴氏，ディレクター早乙女真哉氏，プランナーの安藤さとみ氏の3人に，どのようなイベントになるのか，気になるその内容を中心に，いろいろ聞いてみることにした。

（左から）ディレクター早乙女真哉氏，プロデューサー山下英貴氏，プランナーの安藤さとみ氏

「戦国IXA：千万の覇者」5周年特設サイト

例年以上に時間を掛けて周年イベント企画を立案

4Gamer：
　本日はよろしくお願いします。来月には5周年ですね（※収録は2017年3月24日）。おめでとうございます。

山下英貴氏（以下，山下氏）：
　ありがとうございます。千万の覇者を楽しんでくださっているプレイヤーの皆さん，そして大勢のスタッフに支えられて，5周年を迎えることができます。
　長くサービスを続けてきたタイトルですので，新しい楽しみを見つけてもらえるように，毎年新たな試みに挑戦し続けています。これからも，この方向性で運営を続けていくつもりです！

4Gamer：
　なんだか，いきなり締めの言葉みたいですが（笑）。今回の周年イベントは相当気合が入っているようですので，そのお話を聞かせてください。

山下氏：
　はい。5周年という節目を祝うと同時に，千万の覇者をプレイしてくださっているお客様への感謝の気持ちを，分かりやすい形でお見せしたいと考えたんです。ですから，本作では初めて，特設サイトを作って盛り上げていくことにしました。

4Gamer：
　毎回特別なイベントやキャンペーンを行っていましたが，今回はこれまでとは一味違う，と？

山下氏：
　違いますよ。長く準備してきて，ゲーム内のイベントだけでなく，コラボなどゲーム外に波及するような企画も盛り込んでいますから。
　まずは，5周年用に直良さん（元スクウェア・エニックスアートディレクター直良有祐氏。現在，IZM design works）に描いていただいた武田信玄と上杉謙信のキービジュアルを見てください。


　千万の覇者のスタート時も信玄と謙信をフィーチャーしていましたが，5周年のために，あらためて2人を登場させました。剣が交わるところが5周年ということで“V”の字になっている構図なんですよ。


4Gamer：
　あ！ なるほど（笑）。確かに千万の覇者といえば，信玄と謙信の2人というイメージが強いですよね。信玄と謙信は衣装違いで何パターンかあると思うのですが，あえて初期のパターンにしてあるところにも，こだわりを感じます。

山下氏：
　そういっていただけると嬉しいです（笑）。なお，普段はプラットフォームごとに周年イベントを行うのですが，今回はシリーズ全体で祝おうということで，Yahoo/dゲーム/ameba/TSUTAYAオンライン，すべてのプラットフォームが対象で，特設サイトは4月6日にオープンします。

「戦国IXA：千万の覇者」5周年特設サイト

安藤さとみ氏（以下，安藤氏）：
　信玄と謙信ということで，4月6日の同日開始する大型イベントも川中島の戦いをテーマにしています。

4Gamer：
　確か，サービス開始初期のイベントが川中島でしたよね。これは原点回帰といいますか，初心に戻るという意味も？

山下氏：
　そうですね。あのイベントをリニューアルして再登場させることで，当時からのプレイヤーさんには“懐かしい”と感じてもらえると思います。私自身，サービス開始当初から千万の覇者に関わっていますが，制作の過程でそうした懐かしい気持ちが出てきて，あらためて千万の覇者の魅力がどこなのかを考え直したりもしました。

早乙女真哉氏（以下，早乙女氏）：
　今はなくなってしまった仕様などもこのイベントで復活しますので，ずっとプレイしてきた人達の間で，昔話に花が咲くかもしれません。

4Gamer：
　公式サイトで「新年のごあいさつ」として，今年の抱負が掲載されていましたよね。そこ“同窓会”というワードがありましたが，そういうことなんですね。納得しました（笑）。

早乙女氏：
　久しぶりに戻ってきた人でも，いま残っている人に「久しぶり」と気軽に声を掛けられるようにしたいなと思っているんですよ。これはシステム的にも，フォローできるようにしています。

4Gamer：
　分かりました。話を戻しますが，川中島の戦いが周年イベントのメインになるのでしょうか？

山下氏：
　はい。「川中島合戦〜龍虎相搏つ〜」という合戦イベントが4月6日に開戦します。ちなみに，報酬となるカードは，山本勘助をリメイクしたものになっています。

早乙女氏：
　私はサービス開始当初，千万の覇者のチームではなくて，個人的にプレイしていたんですよ。「このカード欲しいよね」と，仲間と話していた記憶があります（笑）。サービス開始当初から千万の覇者を知る人にとっては，嬉しい一枚になってくれると思います。

4Gamer：
　カードの能力も気になるところですが……？

安藤氏：
　以前よりも良くなっていますよ（笑）。

4Gamer：
　それはありがたいです。

山下氏：
　シナリオも追加しているので，イベントそのものを楽しみつつ，勘助の入手を目指してほしいです。ちなみに今回は，川中島ということで，冒頭から謙信か信玄のどちらかを選んで進む形式になります。

早乙女氏：
　以前は武田軍しか選べなかったのですが，今回は上杉軍でも遊べます。

4Gamer：
　エンディングは，両方を見られるんですか？

早乙女氏：
　いえ，選んだほうだけになりますので，どちらにつくのかを悩んでいただければ。

4Gamer：
　以前に武田軍を遊んだ人は，上杉軍を選ぶ人が多いような気もします。

夢幻曼荼羅などの人気コンテンツをイベント用にアレンジ

4Gamer：
　ほかに行われる5周年でイベントがあれば教えてください。

安藤氏：
　「夢幻曼荼羅」の特別バージョンを公開する予定です。

4Gamer：
　前回のインタビューで実装すると話されていたコンテンツですよね。夢幻曼荼羅自体の評判はいかがですか？

安藤氏：
　コストや属性に制限，縛りがある曼荼羅を出したのですが，評判が良くて多くのプレイヤーさんに遊んでいただけています。とりわけ，属性縛りの曼荼羅は「自分には不得意な属性だけど先に進めたい」と，頑張って部隊を作ってくださるプレイヤーさんが多かったのが印象的でしたね。

4Gamer：
　とりあえず手元に置いていたカードに，活躍の場が与えられたのは大きいかもしれません。個人的には，曼荼羅のボスとして，福本さん（※）が描く宝蔵院胤舜が登場したとき（関連記事）のインパクトが大きかったです（笑）。

※……「賭博黙示録カイジ」などで有名な漫画家の福本伸行氏

安藤氏：
　インパクトありますよね（笑）。最上階には，福本先生が描いた斎藤道三が待ち構えていたりして，ゲーム外でも大きな話題になりました。そうして，曼荼羅を盛り上げるべく千思万考してきた流れで，5周年イベントとして，プレイヤーの皆さんを楽しませられるような夢幻曼荼羅を提供したいと考えたんです。

4Gamer：
　どんなアイデアが採用されたのでしょうか？

安藤氏：
　えー，今回同席している運営スタッフの3人がボスとして登場します（笑）。こちらが，実際に登場するカードで，3つのステージがあり，それぞれのステージのボスとして一人ずつ登場するんですよ。


4Gamer：
　PC版の戦国IXAでもプロデューサーがカードになって，プレイヤーに攻撃されるというシチュエーションがありましたよね（笑）。

安藤氏：
　ええ。最初はあのような強敵にしようかとも考えたのですが，普通に倒せるくらいの難度にしました。日頃の不満を運営チームにぶつける感覚で，叩いてください（笑）。

山下氏：
　倒すことができれば，カードを入手できるので，ぜひ遊んでみてください。純粋な武将カードではないので，リーダーカードにして戦うのはオススメできませんが（笑）。

早乙女氏：
　前回のインタビューのときの写真を元にイラストを描き下ろしましたので，気になる方はそちらもチェックしてみてください（笑）。

4Gamer：
　そうなんですか（笑）。まさに身体を張ってイベントを盛り上げようというわけですね。

早乙女氏：
　盛り上げるといえば，電子書籍のhontoさんとのコラボも行います。hontoさんも今年の5月で5周年を迎えるので，同じ5周年の千万の覇者とコラボが実現したんです。

4Gamer：
　なるほど。具体的にはどんなコラボが行われるのでしょうか？

山下氏：
　千万の覇者でチュートリアルを突破すると，hontoさんで使える電子書籍クーポンコード500円分がもらえ，hontoさんに新規登録して戦国IXAにちなんだ193円分を使うと，千万の覇者で使えるアイテムがもらえるというものです。あと，千万の覇者をモチーフにしたブックカバーもダウンロードできたりします。


安藤氏：
　加えて，豪華声優陣を起用した“朗読劇”も予定しています。千万の覇者はシナリオが好評ということもあって，まだプレイしたことのない人を含めて，多くの方にシナリオを読んでほしいと考えていまして，それを実現するには音声を付けるのが最善だろうと。

4Gamer：
　公開はいつごろを予定しているんですか？

安藤氏：
　声優さんのスケジュールの関係もあって，4月後半から5月頭くらいの予定です。シナリオについては，ゲーム内で公開した本能寺の変のワンシーンとなるので，お楽しみに。

4Gamer：
　hontoさんとのコラボということなので，千万の覇者の特設サイトと，hontoさんの公式サイトの両方で朗読劇を聞けるということに？

安藤氏：
　はい。ぜひ千万の覇者特設サイトやhontoさんのサイトをチェックしてみてください！

仲間と会話が弾みそうなネタを特設サイトで提供

4Gamer：
　5周年イベントの情報をまとめると，4月6日に特設サイトがオープンし，同時に川中島と夢幻曼荼羅のイベントがスタート。少し遅れて朗読劇が公開されるということですね。

安藤氏：
　あと，5周年イベントがスタートしてから2週間後に，完全新規のイベントを行います。12月に行ったアンケートで「遊びたいイベントは？」という質問をしたところ，個人で遊ぶイベントと同盟員と一緒に遊ぶイベントの2つがほぼ同率で一位だったので，個人でも同盟でも遊べるイベントをテーマに開発を進めていました。

4Gamer：
　どのような内容になったのでしょう？

安藤氏：
　簡単にいうと“箱庭”タイプのイベントです。まず背景を選び，ゲーム内で手に入る素材でアイテムを作って背景に飾っていきます。

4Gamer：
　アイテムを飾ることによって，プレイヤーはなんらかのメリットが得られるんですか？

安藤氏：
　アイテムは家などの施設になります。イベント期間中に施設を作ったり，レベルアップさせることも可能です。施設を作ると，獲得銭や獲得討伐ポイントの量が増えるなどのお得な効果がついていて，イベント終了後から一定期間はその効果が続きます。


4Gamer：
　いわゆる自分だけの村を作るイメージですね。背景のどこに配置するかで効果が変わったりはしますか？

安藤氏：
　配置で効果が変わるといったことはありません。効果がない，本当に飾りでしかないアイテムもあるので，見た目にこだわって作るのも良いと思います。なお，ほかのプレイヤーの村に出かけて「採掘」で素材を手に入れることもできるので，ちゃんと村作りをしたほうがいいですよ。

早乙女氏：
　素材の組み合わせによっていろいろなアイテムができるので，仲間と情報を交換しながら楽しんでください。ちなみに，今まではイベントの記録を残してこなかったのですが，今回からはアルバムのような形で記録しますので，あとあと後悔のないように遊んでみてください（笑）。

4Gamer：
　ああ，まじめに村を作っとけば良かった……と（笑）。この箱庭タイプのイベントですが，タイトルは決まっているのでしょうか？

安藤氏：
　千万（ちよろず）パラダイスということで「ちよぱら」というタイトルです。実はスクエニの箱庭系のゲームで「くまぱら」（iOS / Android）というゲームがありまして，そちらをオマージュしました（笑）。

4Gamer：
　確か，王道くまゲームというジャンルで発表された……あのゲームですか？ その謎っぷりが一部で話題になっていましたけど。

早乙女氏：
　千万の覇者の元スタッフが関わっているタイトルなんですよ。興味がある人は，くまぱらもチェックしてみてください（笑）。

山下氏：
　さらに，これまでの千万の覇者の歩みを“振り返る”動画を用意します。これは先ほどもお話ししましたけど，今回の周年イベントのポイントは，千万の覇者をプレイしてくださっている皆さんに懐かしいと思っていただけることなんです。

安藤氏：
　具体的には，数字にこだわって振り返る動画を編集したものになります。ひとつだけネタばらしをすると，いままで何枚のイラストを出したのか，といった内容ですね。

4Gamer：
　ゲームの特性上，イラストはかなりの数出してますよね。どのくらいの数なのか気になります。

安藤氏：
　その答えは，ぜひ動画をチェックしてみてください（笑）。

山下氏：
　運営チームですらビックリする数字です。一枚一枚イラストレーターさんと打ち合わせしながら大切に作ってきて，その積み重ねがこんな数字になるとは……と。これからもイラストの数はどんどん増えていきますが，プレイヤーの皆さんに喜んでもらえるような，記憶に残るような作品を提供していきたいとあらためて感じました。

安藤氏：
　関連したキャンペーンとして，引き放題ガチャといいますか，特設サイト上で引けるガチャを用意します。こちらでは，自分がほしいカードが出て決定するまで，ガチャを好きなだけ回せるというものになります。

4Gamer：
　事前登録などで最近よくある仕組みですね。回し放題ということは，上位の天や覇のカードも？

安藤氏：
　さすがに，最上位の覇はありませんが，強力な天カードを4種類用意しています。ただ，1人1枚となりますので，何度もガチャを引いて，カードを吟味して手に入れてください。

4Gamer：
　ちなみに，どんな天カードが入っているのでしょうか？

安藤氏：
　織田信長や豊臣秀吉などの有名武将を選びました。個性のあるカードを用意したので，みなさんが必要だと思った一枚を選んで獲得してください。

早乙女氏：
　引き放題ガチャとは別に5周年記念のガチャもありまして，こちらは新規のカードが一気に8枚増えます。対になっている2枚合わせると，合戦のイメージが浮かび上がる仕掛けになっています。信長と光秀の2枚で，本能寺の変といった感じですね。

4Gamer：
　カードの能力だけでなく，ビジュアルも含めて楽しめそうです。イベントの内容を聞くと，現役プレイヤーはもちろん，カムバックする人も，新規で始める人も楽しめるような盛りだくさんな5周年イベントといった感じですね。

山下氏：
　現役のプレイヤーを大事にすることは言わずもがなですが，我々としては新規プレイヤーの獲得も重要視しています。今回の5周年イベントでは，朗読劇でシナリオに興味を持っていただいて，そのまま川中島のイベントをプレイしてほしいと考えています。

4Gamer：
　千万の覇者の面白さは，どちらかというと同盟など仲間と協力して楽しむ部分にあって，その面白さにたどり着くにはある程度のプレイが必要じゃないですか。いま新規で始めると，なかなかそこまでたどり着けなかったりして，もったいないと感じることがあります。

山下氏：
　そうですね。同盟というコミュニティはやはり大事だと感じていて，先日，同盟を探しやすくする目的で検索項目に“雰囲気”や”プレイ時間帯”を追加しました。まずは，シナリオを中心に一人で遊んでいただき，慣れたころに同盟に加入してほしいです。同盟に入ることで遊びの幅は格段に広がりますので。

安藤氏：
　千万の覇者の同盟の方は，本当に優しいですよ。年末のアンケートで，千万の覇者に期待することを聞いたところ，「新規の人を大事にしたい」との声が一番多かったくらいです。我々としては，そうした要望を大事にし，今後のイベントや企画につなげていくつもりです。

4Gamer：
　分かりました。では最後に，4Gamarの読者に向けてメッセージをお願いします。

安藤氏：
　無事5周年を迎えることができそうです。ですが，自分達のアイデアだけでここまで来られたわけではありません。千万の覇者は，皆様あってのタイトルですので，皆さんの声を真摯に聞き，皆さんと一緒に遊び，これからも盛り上げてまいります。6年めもよろしくお願いします。

早乙女氏：
　盛大に5周年を祝うイベントを開催いたします。これは，今後も精一杯千万の覇者の開発/運営を頑張っていくという意思表示であると同時に，現在休止している方々へのメッセージでもあります。
　どこかでイベントの告知を見つけ，「まだ千万の覇者は頑張っているんだ」と，かつて一緒に遊んだ仲間達とゲーム内で再会して昔話で盛り上がる。そんな同窓会のような時間を提供することができれば幸いです。

山下氏：
　5周年を迎えられるのは，千万の覇者を遊んでくださっている皆さまのおかげです。ささやかですが，感謝の意味も込めて5周年のイベントを用意させていただきました。運営スタッフ一同，引き続き千万の覇者をより良くするために精進します。

4Gamer：
　本日はありがとうございました。

「戦国IXA：千万の覇者」5周年特設サイト

「戦国IXA 千万の覇者」公式サイト