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「Crysis 3」シングル/マルチプレイの試遊が「EA Asia Showcase 2012」で実施。公開された新エリアの戦闘はきわめつきに過酷だった
「クライシス 3」公式サイト
プレイヤーが操作する主人公プロフェットが敵の攻撃をかいくぐり,かつての部下サイクス,通称サイコと落ち合うまでの一連の流れがプレイできたのだが,死んだはずのプロフェットがなぜ生きているのか,サイコはなぜナノスーツを着ていないのかといった,ストーリーに関連することはプレイしていても分からず,担当者に聞いても答えてくれない。当たり前ですか。
シングルプレイが用意されていたのはPC版で,クライシスの記事ではもう書かなくてもいいじゃんという雰囲気さえ漂ってくるが,やはり最初に目に付くのはグラフィックスだ。
Crytekが独自に開発したゲームエンジン「CryENGINE 3」の描き出すグラフィックスは,天上から差し込む光や水の反射が,コンクリートの壁に複雑な光の模様を作るところなど,相変わらずのハイパーぶりで,とどまるところを知らない。
もっとも,そんなハイレベルなグラフィックスを楽しむには,それなりのPCが必要であり,会場に置いてあったPCのスペックを聞いたところ,CPUにCore i7-3770K/3.5GHz,メインメモリが16GB,そしてGPUがGeForce GTX 680搭載グラフィックスカード×2のSLI構成だった。個人的に所有しているPCが「貧弱な坊や」にしか見えないが,それだけのことはあり,すごい映像がなめらかに動いてくれる。
プレイした感覚は……はまりました。イベントは,各メディアがそれぞれ決められた時間でプレイし,全員が終わったら好きな試遊台でプレイを継続できるというダンドリになっていたのだが,筆者は真っ先にCrysis 3まで飛んでいってゲームを続けてしまったのだ。
マップにはさまざまなオブジェクトがあるため,敵であるC.E.L.L.の兵士がきわめて視認しづらい。ナノスーツのサーチ機能を使えばある程度は分かるのだが,それでも,どこからともなく飛んできた弾丸で割とあっけなくやられてしまい,全般的に難度は高めだ。倒されるとまた最初からスタートなので,心が折れてプレイを中断してしまうメディアが続出したのだが,どうしたわけだかやめられなくなってしまったのだ。
またアサルトライフルは,威力はあるが敵に気づかれるので,ステルスで行く場合サイレンサーの装着は必須だ。敵のロボット銃座に対しては,ショットガン風の武器が効果的だが,装填弾数が少なく,すぐにマガジンの交換を要求される。姿を消せるクロークモードを多用し,あるときは慎重に,あるときは大胆にって,うわ,まじか。ここでやられるか,という感じだ。クロークモードでも,敵の正面に立てば認知されるので,もともと頭がいいことで評判のAIはさらに手強くなった印象である。繰り返しになるが,グラフィックスの雰囲気は最高で,きっと技術に詳しい人が見れば,「おお!」と声が出てしまうに違いない。
構内を必死になって抜けると,続いて丈の高い草が生い茂るオープンスペースで,エイリアンと戦うことになる。ここは,草に身を隠して駆け抜けるのが個人的にはベストな戦法だと思うが,その先にはサイコが待っている。彼と無事に落ち合ったのち,次々に襲ってくるエイリアンを連射式のグレネードランチャーで,文字どおり次々に破壊し,続いてサイコとともに疾走する列車の屋根に乗り,包囲網を突破すると,デモは終了となった。エイリアンを木っ端微塵にし,木の枝を吹き飛ばし,大きな土煙をあげるのがあまりにも気持ちがよく,調子に乗ってグレネードランチャーを撃ちまくっていたら弾切れになってしまったが,意外にもエイリアンは素手でもなんとかなるレベルだった。
などと,いかにもすんなり事が運んだように書いているが,実際は何度も失敗してはやり直し,うまくいってもやり直すぐらい熱中してしまった。発売されたら,ぜひもう一度挑戦してみたいが,その前にPCを買い換えたほうがいいのだろうか。
マルチプレイは,Crysis 3に実装される「Hunter」モードがプレイできた。試遊スペースに並んでいたのは10台のXbox 360。ちなみにCrysis 3のマルチプレイの最大参加人数は,PC版が16人,コンシューマ版が12人と発表されている。
Hunterモードは,クロークモードの使用制限がないナノスーツを装着し,武器としてボウを持ったHunterが,一人でC.E.L.L.の兵士を相手にするというものだ。ポイントは,C.E.L.L.の兵士が倒されると,次はHunterとしてリスポーンすること。1マッチは2分で,それを5マッチ繰り返して,スコアを競うことになる。
Huterは移動がかなり速くジャンプ力も抜群,しかも静かに敵を倒せるボウを使うという強みがある。しかし,クロークモードとはいえ近づけばなんとなく見えるし,弓はそう簡単には当たらない。試遊に使われた「Airport」というマップはかなり広く,C.E.L.L.の兵士が必死になって隠れれば,そう簡単には見つからないかもしれない。
C.E.L.L.側で戦った場合,最初は人数的に有利だが,一人倒され,二人倒され,だんだんとHunterの数が増えていくという状況はかなり緊張する。5マッチすべてで最下位を獲得してしまった筆者に言われても説得力はないだろうが,かなり楽しい。コンシューマ機向けにCryENGINE 3の最適化も進んだようで,高画質のグラフィックスである割に,気持ちよく動いていた。
「Crysis」「Crysis 2」では必ずしも高い評価を得られなかったマルチプレイだが,Crytekはそれを払拭するために,Crysis 3では相当作り込んできたようだ。シングルともども,製品版でのプレイが楽しみだ。
最後に,Crysis 3のプロデューサーであるMike Read氏がイベントで行ったプレゼンテーションについて,内容はおおむね既報となるが,簡単にまとめておこう。
Crysis 3の舞台は,エイリアンに襲われて崩壊したマンハッタンだ。全体が,CryNetという民間企業が作ったナノドームに覆われているが,内部には木が生い茂り,川が流れ,場所によっては,まるで熱帯のジャングルのようになっている。Crysisで描かれた南の島のジャングル,そしてCrysis 2の舞台となったマンハッタンが同時に描かれるわけだ。
Crysisシリーズ三部作の最後の作品となるCrysis 3だが,ストーリーについては未発表部分が多い。主人公は上記のように,Crysisに登場したプロフェットで,前作で死んだはずだが実は生きていたという設定。そういえば,Crysisでもエイリアンにさらわれたあと颯爽と再登場し,「あははは,オレがあれくらいで死ぬと思ったか」ですべての問題を解決していた人物なので,多少のことでは驚かないほうが良さそうだ。
マルチプレイでは,12種類のマップと8種類のゲームモードが用意されており,上で紹介したHunterモードが新たに実装された。ほかのモードは,Crysis 2を踏襲することになるようだが,テストを繰り返した結果,さまざまな改善が施されたという。各種スキルが得られるPerkシステムも用意されており,組み合わせは100種類以上とのこと。
もちろん,多数の新武器/兵器が登場し,ナノスーツの機能もリファインされている。そんなCrysis 3の日本での発売日は,冒頭にも書いたように2013年3月7日が予定されている。
「クライシス 3」公式サイト
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(C)2011 Electronic Arts Inc. Trademarks belong to their respective owners. All rights reserved.
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