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「Crysis 3」のプロデューサーにインタビュー。三部作の最後を飾る本作は,シングルプレイからマルチプレイまでマキシマムパワー全開
今回,そんなCrysis 3のプロデューサーを務めるMike Read氏に話を聞く機会を得たので,以下にその内容を掲載した。廃墟となったニューヨークに作られたナノドームを舞台に,主人公とエイリアン,そして傭兵部隊の,三つ巴の戦いが描かれる本作。果たしてどのような展開を迎えることになるのか,気になる人はぜひどうぞ。
「クライシス 3」公式サイト
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。まず,今回の「Crysis 3」で三部作は完結すると考えていいのでしょうか。
Mike Read(以下,Read氏)氏:
一応そうなりますが,これでCrysisの世界――我々はCrysisユニバースと呼んでいますが――それが終わりになるわけではありません。2007年に最初の「Crysis」をリリースするとき,CrytekのCEOであるCevat Yerli氏が三部作で行こうと決めて,それに沿って開発を進めてきたわけですが,今後もCrysisの世界は広がっていくと思います。ただ今回は,これまでの5年間で得たさまざまな知識と経験のすべてを,Crysis 3に詰め込んでいます。
4Gamer:
なるほど。ところで開発状況はいかがですか。
Read氏:
順調です。あと4週間ほどでゴールデンマスターの宣言が出せると思います。
4Gamer:
昨日(12月11日)の試遊では,例えばサイコがナノスーツを着ていなかったりと,いくつかの疑問というか,新発見がありました。キャラクターとしては,例えば「Crysis 2」のアルカトラズがどうなったのかとか,Crysisの主人公だったノーマッドがどうなったのかなども気になります。
Read氏:
そうですね,実はノーマッドはスピンオフのコミックスで殺されてしまっているのです。ご存じでしたか? また,アルカトラズに限らず,これまでの作品に対するいろいろなヒントがCrysis 3に散りばめられているので,従来作のファンはそれらを見つける楽しみもあります。
4Gamer:
今回のサイコの役どころは,どんな感じでしょう。
Read氏:
ナノドームが建設されたとき,サイコはCryNetの傭兵部隊であるC.E.L.L.に捕らえられてスキニングラボに送り込まれます。そこは,ナノスーツを着ている人からそれを剥ぎ取る場所で,かなりの苦痛を伴います。そのためサイコは,C.E.L.L.に対して相当な怒りを覚えており,スキニングラボを抜け出したあと,ドーム内の反乱勢力と合流し,彼らと共に戦うことになります。
4Gamer:
プロフェットはそこに,どう絡んでくるんですか?
Read氏:
プロフェットもC.E.L.L.に捕らえられていたんですが,サイコが彼を逃がします。プロフェットは,前作での体験の影響もあって,未来のビジョンが見えるようになっています。というわけでCrysis 3には,世界の終わりを食い止めようとする戦いと,サイコと組んでC.E.L.L.と戦うという,2つのストーリーの流れが存在しているのです。
4Gamer:
うーん,ちょっと難しそうですね。
Read氏:
まあ,口で説明するとそう聞こえるかもしれませんが,ゲームの流れはシリーズ従来作よりもつかみやすくなっていると思います。また,「パフォーマンスキャプチャー」という技術を使い,表情を含めた実際の演技や特徴をゲーム内に取り込んでいますので,登場するキャラクターもより深みのある存在になっています。
4Gamer:
それにしても,今回は面白いロケーションになっていますね。
Read氏:
そうですね。Crysisが描いたジャングルと,Crysis 2の舞台になったニューヨーク。パワーアップしたCryENGINE 3によって,これらを同時に描き出せるようになりました。Crysis 3の開発にあたっては,できるだけマップを多様化することが一つの目的になっていて,そのためにこうした背景が選ばれたわけです。ナノドームの中には,平原があり川が流れ,場所によってはジャングルのようになっています。
多様化は,アクションについてもそうで,プレイヤーに選択の幅を与えることが重要だと考えており,ステルスでもコンバットでもゲームを進められるように,マップやAIを練り込んでいます。
4Gamer:
PC版のシングルプレイは,かなり手強かったです。
Read氏:
アクションは,「出てきた敵を撃っていく」という単純なスタイルではなく,予想不可能な状況を作り出すことを目標にしています。次に何が起きるか分からないわけで,それに対応できるように,ナノスーツの機能も見直しており,アーマーやクロークに加えて,ハッキング機能なども付け加えられました。面白いものになっていると思いますよ。
4Gamer:
それなりに高いスペックのPCが必要になるでしょうね。
Read氏:
最高のクオリティを求めるならそれは仕方ないですが,「CryENGINE 3」はスケーラビリティの高いゲームエンジンですので,DirectX 11環境でさえあれば,普通のPCでもストレスなくプレイできますよ。
4Gamer:
マルチプレイの新モードである「Hunter」も,昨日のテストプレイを見る限り,メディアからは好評を得たようですね。
Read氏:
ありがとうございます。これまでCrysisシリーズのマルチプレイは,必ずしも高い評価を得られなかったので,Crysis 3では,これまでのモードを見直し,ルールやペースなど,さまざまな改善を施しています。中でもHunterモードにはかなり時間をかけました。
開発中,一般のテスターを呼んでプレイしてもらったのですが,プレイ中は誰一人として口を開こうとせず,シーンとしたままでした。それを見て,「どうやらつまらなくて,会話をする気も起きないようだ。これはダメかな」と思ったのですが,プレイ後,彼らのおしゃべりは止まりませんでした。Hunterは緊張感の高いモードであり,彼らは会話も忘れて熱中していたということだったんです。
4Gamer:
非対称での戦いというのも珍しいですよね。とはいえ,テストプレイを見ると,「Airport」マップが広いせいか隠れ場所も多く,C.E.L.L.側を全滅させるのはなかなか難しいようでした。
Read氏:
Hunterに限らず,現在もテスターから多数のフィードバックを受けて,調整を続けています。今回はAirportでしたが,ほかのマップで遊んでもらえれば,また違った印象を受けるでしょうし,最大参加人数が16人に増えるPC版でも,雰囲気が異なるかもしれませんね。また,今回はスプリントでエネルギーを消費しませんが,これもプレイヤーからのフィードバックによって調整した部分です。Hunterモード以外も,できるだけプレイしやすいものになるよう,いろいろと見直しをしていますので,期待してください。
4Gamer:
分かりました。では,最後に読者にメッセージをお願いします。
Read氏:
Crysis 3は,シリーズのファンでも新しいプレイヤーでも,どちらでも楽しめるFPSです。ストーリーには深みがありますが,入りやすく,またゲームのシステムも理解しやすくなっています。多くのプレイヤーからの意見をできるだけ取り入れて制作していますので,Crysisシリーズに詳しいというベテランプレイヤーの人でも,新しい発見があると思います。
4Gamer:
本日はどうもありがとうございました。
「クライシス 3」公式サイト
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(C)2011 Electronic Arts Inc. Trademarks belong to their respective owners. All rights reserved.
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