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[GDC 2013]「Battlefield 4」は2013年秋発売。17分にもおよぶプレイムービーでまずは圧巻のグラフィックスを確認だ
Battlefield 4の存在が最初に明らかにされたのは,2012年7月のこと。同年10月にリリースされる予定だった「Medal of Honor: Warfighter」(PC/PS3/Xbox 360)の限定版を購入すると,Battlefield 4のβテストに参加できるという形で(関連記事),その名前が明かされたのだ。「Battlefield 2」から「Battlefield 3」までは約6年の間隔が空いていたので,ナンバリング最新作がそんなに早く登場するのかと,驚いた人もいるだろう。
さて,今回の発表会場となったメトレオンは,開催中のGame Developers Conferenceの会場であるMoscone Center(モスコーニセンター)の真正面にある施設だ。制作されることは明らかになっていたものの,対応機種やゲーム内容などは依然として秘密のベールに包まれたままだったBattlefield 4。思わせぶりなティザームービーが公開されるなど,事前の盛り上げは十分という感じだったこともあり,メディアの注目度もきわめて高かった。
まず壇上に立ったのは,EA DICEのPatrick Soderlund氏。Soderlund氏は「Battlefield 4について,多くを語るのはやめておきます,まずは見てください」と来場者に向かって述べ,ムービーを公開した。
場面は水没した車の中。4人の兵士がおり,1人が足を何かに挟まれて動けない状況だ。このままでは全員助からない,と身動きのできない兵士が主人公に銃を渡し,フロントグラスを撃ち抜いて脱出してくれという。それを聞いた若い兵士が,主人公に「そんなことをしたら,こいつが死ぬからやめろ!」と叫ぶ,緊迫したシーンとなっていた。
というわけで,公開されたのはシングルプレイのワンシーンで,ムービーではなく,EA DICEの担当者が実際にプレイしてみせたものだ。プリレンダの映像ではなく,実際のゲームシーンである。
シングルプレイの主人公の名前はRecker。足を挟まれて身動きできない兵士はDunn,そして若い二人の兵士は,PacとIrishであることが会話から分かる。Irishは黒人兵で,DunnはBoss Manとか呼ばれていたので,おそらく指揮官だろう。
と,ここで時間が巻き戻り,彼ら4人は何らかの特殊任務を帯びてアゼルバイジャン共和国の首都・バクーに潜入したアメリカ軍特殊部隊であることが明らかにされる。任務は成功したものの,敵軍に追われているようだ。ここで,1人遅れていたIrishを助けるために,最初の戦闘が発生する。Reckerの立った二階の窓から,Irishを追ってくる敵に対して攻撃をするのだが,特徴的なのは多数の民間人が歩いていることだろう。最初の銃声が轟くと,彼らはクモの子を散らすように逃げていくのだが,その様子は実にリアル。もしかしてマルチプレイにも民間人が,という雰囲気がなきにしもあらずだが,想像しすぎだったらごめんなさい。また,襲ってきた軍用犬をIrishがナイフで倒す場面も見られた。
その後,敵に追われつつ,救出ヘリコプター「Firebird」と落ち合うために工場の跡地に向かうRecker達。ゲーム画面は,メトレオンの大スクリーンに映し出されていたのだが,グラフィックスは前作に輪をかけてクオリティが高い。とくに,空中を飛び交う無数の鳥,風になびく建築中のビルのビニールシート,水たまりの様子など,細かい部分の描写が非常にリアルだ。
ここでの戦闘では,主人公Reckerが仲間に合図を送り,仲間達が制圧射撃を行っている間に,敵の背後に回って撃ち倒すところ,そして,ヘリコプターに敵の位置を教えて空中から支援攻撃をしてもらうところが見られた。いずれも,主人公が左手をグッと握るような仕草をしたあと,指示を出した仲間や敵の上にマーカーが付くというメカニズムになっており,シングルプレイでも,マルチプレイのような戦略的な戦いが可能になるようだ。
やがて,4人は敵を倒して降下してきたFirebirdに近づくが,そのとき敵の攻撃ヘリコプターが出現して,Firebirdは墜落。彼らのいたビルも吹き飛ばされる。本作のゲームエンジンは,Battlefield 3の「Frostbite 2」から,新たに「Frostbite 3」になっているのだが,ここでは,オブジェクトの破壊機能である「Destruction」によって,ビルの外壁が崩れ落ちながら,柱や鉄筋は残るという凝った壊れ方が再現されていた。
崩れ落ちる建物の瓦礫に飲まれながら,地上に落下するという凄絶なアクションシーンが続き,気づいてみると,大きな瓦礫に足を挟まれたDunnが動けない状況。「足を切れ」という彼の命令に従って,Reckerはなんとか彼を助け出すが,さすがにこのときは会場のあちこちからうめき声が上がったようだ。これに限らず,兵士達の表情は豊かで,仕草も非常にリアル。Battlefield 4では,こうした「人間のリアリティ」の追求が一つの重要なポイントになるようだ。
脱出に失敗したうえ,Dunnが重傷を負うというダメージを受けた彼らは,そこに走ってきた民間人の車を奪取して,沖合に油田櫓の見える海岸線を疾走する。フロントグラスに飛び散る波しぶきの描写が見事で,ティザームービーやティザーサイトで予告されていたとおり,水の表現にもかなりの力が入っているという印象だ。
ここで,再び襲ってきた敵の攻撃ヘリコプターをグレネードランチャーでなんとか始末するが,彼らを乗せた車も海中に転げ落ち,冒頭のシーンに戻るのだった。
たたみかけるようなアクションの連続であり,月並みな表現で恐縮だが,まるで映画を見ているような雰囲気だ(場所も映画館だったし)。
なお,デモプレイは,最後に小型の高速艇で空母に突入するような場面や,アジア系女性と思われるキャラクターが映り,それを背景に「Russians are royal to Admiral Chang」(ロシア兵は,チャン提督に忠実だな)という,Battlefield 4の世界観を物語るようなIrishのセリフが重なって,そこで終わった。今回は姿を見せなかったものの,中国の存在がキーになることは間違いないだろう。
デモプレイ終了後, EA DICEのPatrick Bach氏が簡単なゲームの説明を行った。Bach氏によると,Battlefield 4は,新しい「バトルフィールド」の幕開けであり,そこでは,キャラクター達が演ずる人間ドラマが描かれるのだという。Frostbite 3でリアルになった人物造形により,プレイヤーはキャラクターへ,これまで以上に感情移入できるそうだ。
マルチプレイにおいても,今回のシングルプレイで見られたような,さらにリアルで進化した戦いが楽しめるとのこと。今のところ詳細は未発表だが,続報が入り次第お伝えしたい。
なお,Electronic Artsの発表によると,欧米での発売は2013年秋が予定されている。すでに日本国内でもPCダウンロード版の先行予約が始まっており,価格は通常版が6600円(税込),デジタルデラックス版が7600円(税込)だ。公式サイトを見る限り,プラットフォームはPCとPlaystation 3,Xbox 360だが,次世代ゲーム機への対応がどうなるのかは気になるところである。
「Battlefield 4」公式サイト
Game Developers Conference公式サイト
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(C) 2013 Electronic Arts Inc. Trademarks belong to their respective owner. All rights reserved
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