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MMORPGはここからが勝負――「ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア」ローンチ直前,プロデューサー兼ディレクター吉田直樹氏インタビュー
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印刷2013/08/27 00:00

インタビュー

MMORPGはここからが勝負――「ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア」ローンチ直前,プロデューサー兼ディレクター吉田直樹氏インタビュー

メインストーリーをクリアしてから始まる熾烈な戦い

エンドコンテンツもローンチから充実!


4Gamer:
 先ほど,MMORPGがつまづく理由として,エンドコンテンツの不足を挙げられていましたが。新生FFXIVではローンチ直後に,どれくらいの数のエンドコンテンツが実装されるのでしょうか。

画像集#021のサムネイル/MMORPGはここからが勝負――「ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア」ローンチ直前,プロデューサー兼ディレクター吉田直樹氏インタビュー
吉田氏:
 大きく分けると6つですね。複数のレリックウェポンが欲しいとなると,違ってくるんですけど。でも,ローンチ直後のMMOで,ここまでエンドコンテンツが用意されている作品は,あまり多くないと思います。そのうちの一つ,「大迷宮バハムート」に関しては,最初のパッチが来るまでに何人がクリアできるかな……というレベルの難度に仕上がっています。

4Gamer:
 エンドコンテンツへの挑戦は,旧FFXIVでLv50のキャラクターを持っている人でもメインストーリーが終わってからになるんですよね。

吉田氏:
 ええ,メインストーリーが終わってからです。ただ,すでにレベルを上げきっている人達は,新しいゲームでいきなりレベル50のキャラクターを渡された状態になるんですが,これは申し訳ないことをしてしまっているなと思うんですよ。

4Gamer:
 それは,どういった理由なのでしょうか。

吉田氏:
 新生FFXIVでは,ほぼすべてのクラスやジョブで旧FFXIVとは戦い方が異なります。ですから,レベルが上がるにつれて,アクションを順番に覚えてもらえるよう意図的にデザインしていますが,旧FFXIVでLv50のキャラクターでは,それが体験できません。

4Gamer:
 なるほど。確かに,いきなり最強キャラクターを渡されても,すぐには使いこなせないですよね。

吉田氏:
 本当はアクションを修得した順に,その範囲でできることを考えればよく,そして,レベルが上がれば,覚えたアクションをロジックに加えていく,と段階的に試せます。しかし,いきなりすべてを持っていると,そもそもどのロジックが正しいのだろう? と迷うと思うんです。

4Gamer:
 各アクションの使い勝手だったり,試行錯誤して身体で覚える部分がすっ飛ばされるわけですからね……。

吉田氏:
 ですから,ストーリー中に発生するソロ専用のバトルコンテンツなどは,レベルシンクを利用して練習し,ダンジョンも最初の低レベル帯のものから順に攻略していただければと思います。たとえレリック武器を持っているとしても,総合的なダメージ量は武器だけで出るものではありませんから。

4Gamer:
 それは,数値以外の部分で,ということですか。

吉田氏:
 スキルの使い方だったり,位置取りだったりですね。とくにインスタント系のアクションは,移動中も使えるのが特徴ですが,側面や背面に回り込むときに,インスタント系の攻撃を入れながら移動できる人と,それが身についていない人とでは,トータルのダメージが全然違います。

4Gamer:
 細かなダメージでも,積もれば大きいですし。

吉田氏:
 ええ。例えば黒魔道士や巴術士は,敵の範囲攻撃を避けていると(立ち止まる必要のある)通常の魔法が詠唱できません。しかし,そんな戦いが10分に及ぶようであれば,インスタントスペルをうまく使った場合,2.5秒のグローバルクールタイムがあっても,与ダメージに大きな差が生まれます。
 このような感じで,新生FFXIVのアクションを使いこなせるようになってから,エンドコンテンツにチャレンジしてもらいたいですね。

4Gamer:
 旧FFXIVのプレイヤーにとっては,新しい戦い方に慣れることが,最初の目的になりそうです。ところでコンテンツに関しては,アイテムレベルでヒエラルキー(階層)を分けるということですが,コンテンツごとの入場条件の判定は,どのようになるのでしょうか。

吉田氏:
 実はローンチ時のエンドコンテンツでは,必要な難度ではないということで,アイテムレベルの制限をまだ行っていません。

4Gamer:
 では,いざ制限が入るとすると,例えばプレイヤーが装備しているアイテムレベルの平均値で判定されるのでしょうか。

吉田氏:
 そうです。アクセサリも含めて,全装備のアイテムレベルの平均値になります。ですが,ローンチ時は制限がありませんから,エンドコンテンツに対してもコンテンツファインダーが使えます。コンテンツファインダーでマッチングしたパーティでクリアできるかどうかは別問題として,練習したいプレイヤーもいると思いますから。

4Gamer:
 それは,ありがたいですね。

吉田氏:
 ただし,大迷宮バハムートだけはファインダーを使えません。ここは最高難度のコンテンツとして,知り合い同士でチャレンジしてもらうつもりでデザインしています。
 あとフェーズ3では,イフリートなどの単発バトルものは失敗すると即解散になっていました。それを,すべてリトライできるようにしました。また,クリア後も,少し余韻を楽しめるようにしています。
 シナリオ的には間が空くというか,流れるように進まなくなってしまうんですが,プレイヤー同士がお礼をしたり,健闘を称え合ったりと,言葉が交わせるシチュエーションを作りました。

4Gamer:
 以前は,クリアしたらすぐに解散してしまって,言葉をかけるのは難しかったですからね。
 イフリートの話が出たので,蛮神戦についても教えてください。旧FFXIVでは「イフリート」「ガルーダ」という順番で,ステップアップしながら戦っていきましたが,新生FFXIVから追加されるタイタンは,強さとしてガルーダより上という位置づけになるんでしょうか。

吉田氏:
 そういうわけではなく,また強さの順番も一律にはなっていません。シナリオ上では,第七霊災が明けてすぐの状況では,ガルーダがもっとも凶暴だと言われています。ですが,エンドコンテンツとしての難度だったり,ドロップする装備のアイテムレベルだったりは,必ずしもガルーダが一番上とは限らないです。
 それにガルーダ戦は,多くの旧FFXIVのプレイヤーが体験していますから,そもそも攻略法が分かっているコンテンツを最上位に持ってきてしまうと,歯ごたえがなくなってしまいますし。

画像集#016のサムネイル/MMORPGはここからが勝負――「ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア」ローンチ直前,プロデューサー兼ディレクター吉田直樹氏インタビュー

4Gamer:
 ということは,旧FFXIVでの基本的な戦い方は踏襲できるんですか。

吉田氏:
 エンドコンテンツの最初の入口になっている「真イフリート」については,少しいじった程度で,ほぼ変えていません。ですが,「真ガルーダ」については結構変えていますよ。例えば,フェーズの順番を入れ替えたり,分身を呼ぶフェーズにもう一つアイデアを盛り込んだり,ワンパターンでは済まないようになっています。

4Gamer:
 うう,真ガルーダはまた手強い相手になりそうですね。

吉田氏:
 とはいえ,序盤はとにかく羽根をしっかりと処理しましょう,という点に変わりはないです。エリアルブラストが発動したあとから,だんだんと「あれ,なんか違う?」となっていくでしょうね(笑)。

4Gamer:
 ガルーダが起こす西風を避けるのがすごく苦手で大苦戦だったんですが……そのあたりも健在ですか?

吉田氏:
 そのあたりは少し違っています。プレイ感というか,旧FFXIVで見られた一手ミスったら終わりというものとは異なるのです。「シビア」のポイントが旧FFXIVとは全然違いますから,ガルーダの場合には簡単に即死するようなことはありません。

4Gamer:
 おお,それは助かりますね。

吉田氏:
 きっとジワジワと……真綿で首を締められているかのように全滅していくんじゃないでしょうか。

4Gamer:
 結局,全滅するのか……(笑)。

吉田氏:
 あとガルーダは,エフェクトが見やすいように調整をかけてます。タイタン戦も,プレイヤーからどんな反応が返ってくるか楽しみですね。

画像集#017のサムネイル/MMORPGはここからが勝負――「ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア」ローンチ直前,プロデューサー兼ディレクター吉田直樹氏インタビュー
4Gamer:
 満を持してのタイタン戦ということで,かなりの難度になりそうなイメージがあるんですが。

吉田氏:
 そうは言っても,「真」のつく蛮神討滅戦は難度でいったらノーマルモードという考え方ですから。ローンチ後の最初のパッチ,内部では「2.1」と呼んでいますが,そこで「極イフリート」「極ガルーダ」「極タイタン」を実装予定ですので,それが本当のハードモードになります。

4Gamer:
 どんな戦いになるのか,いまから楽しみです。ところで,蛮神にモーグリの名前が出てきていませんよね。

吉田氏:
 モーグリに関しては,2.1で実装予定です。ですので,ローンチ直後はいません。パッチのたびに,何かしら新しい蛮神が出てくると思っていていただければと思います。旧FFXIVでも見たことのない蛮神がどんどん出てきますので,楽しみにしていてください。
 あ,でもモーグリは新蛮神という扱いにはしていませんよ。もともと蛮神じゃありませんから。

4Gamer:
 ああ,そういえばそうでしたね(笑)。ともあれ,モーグリの登場も楽しみにしています。
 ところで,イフリート戦はスタンを利用して,「エラプション」や「光輝の炎柱」といった技を止めることができました。これは新生FFXIVのエンドコンテンツでも有効なのでしょうか。

吉田氏:
 むしろエンドコンテンツになると,みんなでそうした役目を担当していかないと,戦いがまわらなくなりますよ。絶対に止めないと壊滅! という技もありますので。

4Gamer:
 ええー! ガルーダの脅威が軽減されたと思ったら(笑)。でも,オーディンは,きっとそんなイメージですね。

吉田氏:
 だからタンクやDPSの人は,敵のキャストバーをしっかりと見ておかなくてはなりません。また単なるスタンで止められるものもあれば,沈黙でなければ止められないものもあります。沈黙の場合は,タイマー的に一人でまわせるものではないので,一番が誰,二番が誰と,あらかじめ順番を決めておく必要はあるでしょうね。さらにマクロを組んでおいて,事前に危険を知らせたりだとか。

4Gamer:
 旧FFXIVでもそうでしたが,やはりそうした戦術は必須になってくるわけですか。

吉田氏:
 そうですね。でも,エンドコンテンツは新生FFXIVの大きなストーリーがいったん区切りを迎えてから始まるので,ちゃんとステップを踏んでいます。一足飛びに高難度の戦闘があるわけではありません。まずは入門として,真イフリート討滅戦をやっていただくわけです。

4Gamer:
 そのあたりは,8人パーティのコンテンツになるんですよね。

吉田氏:
 はい。メインストーリーの終盤から8人パーティでのバトルになります。8人パーティのコンテンツはすべて,2タンク,2ヒーラー,4DPSという構成でバランスをとっていて,コンテンツファインダーではその構成でマッチングされます。単純に4人パーティの戦力が2倍になったと思ってください。
 その分,ヒール量も2倍にしなければいけないだけのダメージを受けるバランスになっています。当然DPSについても数が増えた分,2倍のダメージを叩き出さないと倒せません。

4Gamer:
 先ほど白魔道士と学者は一人ずついたほうがパーティの底力になると話していましたが,コンテンツファインダーでは,そういった形でマッチングされるのでしょうか。

吉田氏:
 ええ,されます。フェーズ3でもDPSがそうでしたが,できるだけクラスが被らないようにしています。ですから,格闘士が2人だったり,弓術士が2人だったりといったことは,ほどんどなかったと思います。

4Gamer:
 ああ,そういえば……。

吉田氏:
 それは8人パーティでも同じで,タンクはナイトと戦士だったり,剣術士と斧術士だったり,別々のクラス/ジョブになるようにマッチングします。ただマッチングはスピードが命なので,「すぐに2人揃わない!」となったらタンクが剣術士2人だったり,斧術士2人だったりということもありえます。ヒーラーについても同様ですね。そこをどうしてもこだわりたいのであれば,プレイヤーでパーティを組んでください,という考え方になっています。

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