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[TGS 2013]「KNACK」はコアゲーマー向けの高難度モードと,誰でも遊べる仕組みの両方が用意されたアクションゲーム。プレゼンテーションをレポート
本作のアイデアは,Pixar Animation Studiosのような特徴的なキャラクターと,アクションゲームと組み合わせることにあったという。そして生み出されたのが,体のサイズをさまざまに変えられるヒーロー「ナック」だ。彼は,拾ったパーツを自分の身体の一部にできるという特殊能力を持っており,70cmのマスコットから,10メートルのモンスターにまで変化する。また,パーツの素材には,セキュリティシステムをすり抜けられるクリスタル,すぐに大きくなれる代わりに太陽の熱で溶けてしまうつらら,燃えることでギミックを動作させられる木など,さまざまなバリエーションが用意されている。本作には,これらの能力を駆使して進み方を考える,パズルのような要素も盛り込まれているという。
また,本作は「クラッシュ・バンディクー」などを遊んでいたコアゲーマーと,ライトユーザーの両方を想定して開発されており,前者に向けては非常に難しいハードモードが,後者に向けては誰でも簡単にクリアできるイージーモードが用意されているとのことだ。
説明の後は,TGS 2013の試遊版を使ってのゲーム紹介が行われた。本作は,非常にシンプルで分かりやすい操作方法が採用されているが,適当にボタンを連打してクリアできるようなバランスではなく,敵との間合いや攻撃タイミング,攻撃パターンなどを読んで立ち回る必要のある,奥深いアクションになっているのだと,渡辺氏は述べる。
しばらく進むと,赤い箱がマップ上に現れ,それを破壊すると,ナックが少し大きくなった。本作の世界では,「レリック」と呼ばれる,古代遺跡から発掘された物質がさまざまなものの動力に使われており,ナックはこれを吸収することで,より強く,大きくなっていく。ちなみに,この「吸収して大きくなる」というのは,細かなレリックのパーツ1つ1つが,物理シミュレーションでナックの身体に取り込まれており,これはPS4のスペックを活用して実現しているそうだ。
さらに試遊版では,人間サイズのナックや,車や戦車を投げ飛ばせるほど巨大化したナック,セキュリティをすり抜けるクリスタルのナック,つららで巨大化したナックなど,さまざまなパターンを確認できた。
この後は,試遊版には入っていない,開発中のステージも見せてもらえた。撮影は禁止とされていたので写真はないのだが,敵であるゴブリンが設置した対空砲を破壊し,工場やコブリンの街を越えて,飛行機で脱出するというシーンとなっていた。
ここで興味深かったのだが,難度がハードモードになっていたらしく,プレイしていたのがマーク・サーニー氏であったにも関わらず,途中で何度か倒されていたということだ。敵の攻撃を1回食らうだけで半分以上の体力をもっていかれたり,回避しづらいように敵が連携攻撃をしかけてきたりと,見ているだけでもかなり難度は高そうに感じた。
また,Co-opの様子もここで披露された。本作のCo-opでは,二人目のプレイヤーが「ロボナック」とって一緒にプレイできる。ロボナックはゲーム中のいつでも参加が可能で,逆にいつでも抜けることもできるそうだ。ロボナックは倒されてもすぐに復活し,とくにリスクもないので,ゲームが苦手な人と一緒に楽しめるとアピールされていた。
あるいは,ロボナックはステージ上で集めたレリックをナックに飛ばし,回復する能力もあるので,逆にうまい人がロボナックを操作し,ナックをサポートしてあげるような遊び方もできるという。
ひととおりプレイを見せてもらった後,2人への合同インタビューの時間が設けられた。最後に,その模様を掲載しよう。
渡辺祐介氏(以下,渡辺氏):
北米での発売が11月15日に迫っており,マスターアップ直前なので,ほぼ完成しています。日本語ローカライズに関しても,だいたい終わっています。
――主人公のナックのデザインは,どのように生まれたのでしょうか。
渡辺氏:
あのデザインを作るのは,長く険しい道のりでした。PlayStation 4ならではの表現をするために,どういうキャラクターを作ればいいのかということを最初に考えたとき,物体の集合体でキャラクターを作ったら面白いのではないかという意見がでました。そのため,初期のデザインは今のナックとは程遠く,「物体の集まりでキャラクターは作れるのか」という検証をしていました。
なんでもいいから,決まった数のパーツを使ってキャラクターを作ってくださいという感じです。
渡辺氏:
その次は,その物体にキャラクター性を持たせるために,テーマを考えました。そのとき出てきたのが「フレンドリービースト」というテーマで,これがナックのデザインのベースになっています。テーマと同時に,小さなキャラクターが大きくなっていくというコンセプトも決まり,細かなパーツでできたヒーローができあがっていったのです。
ただ,ナックに使われている5000個のパーツのデザインは,すべて手作業で行ったので,アーティストは「二度とやりたくない」と言っていましたが……(笑)。
――5000という数字がでましたが,そのパーツ数の制限はどこからでたものなのでしょうか。
渡辺氏:
テレビに収まるサイズのキャラクターをパーツの集合体で描いたときに,どのぐらいあれば密度がでるのかを考えた結果,5000個となっています。
――ゲームのボリュームはどのぐらいになりますか。
サーニー氏:
プレイヤーのスキルや難度にもよりますが,10時間から11時間半ぐらいになります。
渡辺氏:
アイテムコンプリートなどのやりこみ要素も含めれば,より長く遊べるかと思います。
――本作の見どころを教えてください。
サーニー氏:
ストーリーでしょうか。実を言うと,本作のストーリーはナックではなく,博士(Dr.バーガス)とルーカス(バーガスの養子。彼のアシスタントをしている)の関係がメインなんです。博士は,ルーカスを反抗期で半人前の少年だと思っているのですが,ルーカスは博士が子供っぽいから注意したいだけで,一人前だと認めてほしいと思っています。その関係がどうなるのか,製品でどういったストーリーが描かれるのかを,楽しみにしていてください。
Dr.バーガス |
ルーカス |
――本作はJAPANスタジオで開発されていますが,キャラクターデザインは海外タイトルのような雰囲気を受けます。このデザインはどう生まれていったのでしょうか。
渡辺氏:
多くの人が楽しめるタイトルにしたかったので,なじみやすさが絶対に必要だと考えていました。そのために,温かみや柔らかさのある,Pixar Animation Studiosのようなキャラクターをイメージしてデザインしています。ちなみに,デザインの指揮をしていたのは,マークさんですが,デザイン自体は日本人が行っています。どこの国っぽいデザインというのは,あまり意識していません。
――さきほどのプレイの中で,「ラチェット&クランク」を彷彿とさせるステージギミックがあったのですが,そういった要素は多いのでしょうか。
サーニー氏:
そういうわけではないのですが,ステージの作り方としては,「クラッシュ・バンディクー」の逆と言えるかもしれません。クラッシュ・バンディクーは,敵との戦いよりも,ステージギミックをメインにしていたのですが,KNACKは敵との戦いを中心にしています。
――KNACKの発売を待っているゲーマーに,メッセージをお願いします。
渡辺氏:
やっと日本でゲームを紹介し,触ってもらえる機会を作れましたが,まだ発売まで時間があります。今後は,世界観やストーリーなどを少しずつ紹介していければと思っているので,楽しみにしていてください。
「KNACK」公式サイト
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