プレイレポート
[E3 2013]「Wolfenstein: The New Order」のプレイアブルデモをBethesdaブースで体験。シングルプレイに特化し,古き良きFPSを現代に蘇らせる一作
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「古き良きFPSを現代の技術で蘇らせる」
Wolfenstein: TNOの開発は,Zenimax Media傘下のMachineGamesが担当しており,そのゲームエンジンには同じくZenimax Media傘下のid Softwareが独自開発した「id Teck 5」が使用されている。
タイトルからも分かるように,Wolfenstein: TNOは,id Softwareが1992年にリリースした「Wolfenstein 3D」を起源とするWolfensteinシリーズの最新作である。第1弾と同じ1992年に続編が発売されたのち,第3弾となる「Return to Castle Wolfenstein」(PC)が2001年に,第4弾の「Wolfenstein」(PC / PlayStation 3 / Xbox 360)が2009年に発売と,かなりのインターバルを設けて続いてきたシリーズだ。
シリーズ全編を通じて主人公を努めてきたB.J. Blazkowiczが,今作でも主人公に据えられている。第二次世界大戦終了直後から長い昏睡状態にあったB.J. Blazkowiczが目を覚ますと,彼の――前作までの――活躍にもかかわらず,世界はナチスドイツが支配していた……というのが,本作のストーリーラインである。
本作のコンセプトは,古い(オーソドックスな)スタイルのFPSを,最新の技術で制作することだという。BFGと同じく,ロンドンを舞台としたミッションがプレイアブルな状態で展示されていたのだが,難度を低めに設定しても,これがかなり難しい。恥ずかしながら何度も倒されてしまった。
この「難しさ」の最大の理由は,昨今のFPSでは一般的となった「体力の自動回復システム」が採用されておらず(※正確を期すと,ほんの少しだけ自動回復する),回復の手段としてヘルスパックを使うしかないからだ。
また,敵そのものもかなり手ごわく設定されており,手持ちの武器では歯が立たないことがしばしばあった。テンポ良く戦えているのに,相手次第では逃げるという判断が必要な場面さえあった。この手応えから,「そういえばそうだったなあ」とかつてのFPSを思い出すオールドゲーマーもいるかもしれない。最初は「なんだこれ」という向きも多かった体力の自動回復は,相当画期的な発明だったわけだ。
上記のような難度もあって,Wolfenstein: TNOではマップの探索がかなり重要になってくる。持ち歩ける弾丸もそれほど多くない印象なので,あちこち寄り道をしてはアイテム探しに精を出すことになるだろう。
しかし,寄り道の途中では,ときに意外なお宝に出会うこともある。例外もあるが,Wolfensteinシリーズの大きな特徴の1つは財宝探しである。
本作にも,マップのあちこちにさまざまなアイテムやお宝が隠されている。普段,物資の乏しい生活を送っている人ほど,こうした財宝やアイテムを発見したときの喜びはひとしおとなるはずだ。
また,シングルプレイに特化しているところもWolfenstein: TNOの特徴と言えるだろう。昨今のFPSは当然のようにマルチプレイモードが用意されており,E3などのイベントにおける海外メディアからの質問には,マルチプレイの有無を問うものが多い。つまり,マルチプレイを実装するか否かは,開発元や販売元にとってかなり難しい判断なのだ。
しかし本作においては,シングルプレイ専用であることを喜んでいるユーザーも多いとのこと。取って付けたようなマルチプレイを用意するぐらいなら,シングルプレイに力を入れてほしいというわけである。2007年に発売されたシングルプレイ専用FPS「BioShock」(PC / PlayStation 3 / Xbox 360 / Mac)が,シリーズを重ねて世界的な大ヒット作となった例もあり,これが吉と出るか凶と出るかは,また1つの見どころとなるかもしれない。
ある意味でよくある世界観や,エキセントリックな悪役,Wolfenstein 3Dに登場したようなナチスのロボット兵器,そして,id Teck 5が描き出すハイレベルなグラフィックスと,“つかみ”はオッケーな印象。完全日本語化も予定されているので,発売次期など,国内展開の詳細が発表されるのを楽しみに待とう。
「Wolfenstein: The New Order」公式サイト
4GamerのE3 2013特設ページ
- 関連タイトル:
Wolfenstein: The New Order
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ウルフェンシュタイン:ザ ニューオーダー
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Wolfenstein(R): The New Order™は1960年代の仮想世界に基づくフィクションです。各名称、登場人物、団体、場所、事象は架空のもの、またはフィクションに基づく描写によるものです。本作品のストーリーとコンテンツはナチス政権の信念、イデオロギー、事象、行動、党員、行為を解釈、称賛、是認を意図するものではなく、またナチス政権による戦争犯罪や虐殺、その他人権に反する犯罪を矮小化する事を容認するものではありません。