「無双OROCHI2 Ultimate」は来年のお正月まで遊べる大ボリューム！ スペシャルトークショーレポート

　コーエーテクモゲームスは，2013年9月14日，東京・池袋の「ヤマダ電機 池袋LABI1 モバイルドリーム館」において，同社が9月26日の発売を予定している「無双OROCHI2 Ultimate」（以下，Ultimate。PlayStation 3/PS Vita）のトークショーを開催した。
　集まった数多くのファンを前に，Ultimateのプロデューサーである鈴木亮浩氏と，ディレクターの野田洋司氏が制作秘話などを明かした。

「無双OROCHI2 Ultimate」公式サイト

　「無双OROCHI」シリーズは，「真・三國無双」シリーズと「戦国無双」シリーズの武将達が共演するアクションゲームだ。時空を超えて集った三国志と戦国時代の英雄達が，なみいる敵をなぎ倒す，一騎当千の爽快さが大きな特徴となっている。
　「無双OROCHI2」は2011年にPlayStation 3版とXbox 360版が発売され，その後，PSP版の「無双OROCHI2 Special」，Wii U版の「無双OROCHI2 Hyper」へと展開したタイトル。
　今回の「無双OROCHI2 Ultimate」では，5人の武将がパーティを組んでダンジョンを攻略する新モード「アンリミテッドモード」に加え，多数のコラボキャラクターが話題となっている。例えば「DEAD OR ALIVE 5」の「かすみ」，「ソウルキャリバー」シリーズの「ソフィーティア・アレクサンドル」，そして「アトリエ」シリーズの「ステルク」こと「ステルケンブルク・クラナッハ」などが登場するのだから，メーカーの枠を越えた夢のコラボといえそうだ。

　イベントでは，まず鈴木氏と野田氏が登壇。初公開となる「Ultimate」のオープニングムービーの上映後，トークが始まった。

「無双OROCHI2 Ultimate」のプロデューサーである鈴木亮浩氏（右）とディレクターの野田洋司氏（左）

　鈴木氏は「『無双OROCHI2』はPlayStation 3版を最初に，さまざまな機種で展開しました。後発機種ではキャラクターを追加したりもしたのですが，PlayStation 3版を買った方々から“追加キャラクターを使いたい”という多数の要望をもらったのが，今回のUltimateを開発することになったきっかけです。さらに，新キャラクターや新たなストーリー，そして新モードなど，たくさんの追加要素を入れたことから，『Ultimate』（究極）というタイトルを付けました」と，開発の経緯と，タイトルに込められた思いを語った。

本日初公開となった，「無双OROCHI2 Ultimate」のオープニングムービー。三国志と戦国時代の英雄達が集合して，無数の敵と激突する

　Ultimateの見どころの一つとなっているのが，前述した，さまざまな作品からのコラボキャラクターだ。中でも，ソフィーティアが参戦したことが大きな話題となっている。
　ファンとして気になるのは，彼女の参戦にまつわる経緯だろう。それについて鈴木氏は「当社グループには，鯉沼（久史氏）というバンダイナムコゲームスと親しいプロデューサーがいます。彼が取り持ってくれた縁でバンダイナムコゲームスのプロデューサーの方とお話しさせていただいたんですが，そのとき，『ソウルキャリバー』シリーズのキャラクターが『無双』に出たら面白いんじゃないか？　と盛り上がったことが今回コラボのきっかけです。たくさんのキャラクターがいるシリーズなので，候補も多かったのですが，最初のコラボでもあるので，日本国内で一番人気のあるキャラクターを選ぶべき，ということでソフィーティアが選ばれました」とコラボキャラクター選定の秘密を明かした。

野田氏による，ストーリーモードのプレイの模様

　3人のキャラクターがチームを組み，助け合いながら戦うのが「無双OROCHI」シリーズの特徴だ。野田氏は「『無双OROCHI』シリーズは『真・三國無双』シリーズや『戦国無双』シリーズとはまた違ったアクションを楽しめることがコンセプトとなっていました。3人のキャラクターを切り替えて攻撃するスイッチコンボがその一例ですが，これを昇華させたのが『Ultimate』の新要素，トリプルラッシュです。
　1人めが敵を打ち上げ，2人めが空中で連続攻撃を加え，3人めが打ち落とすという爽快なアクションになっています。うまくやれば，打ち落とした敵に対して，さらにトリプルラッシュを入れることも可能で，トリプルラッシュを繰り返したあとに合体技でトドメを刺せば，敵からまったく反撃を受けずに勝てます」と，アクションの爽快さをアピールした。

野田氏による「アンリミテッドモード」のプレイの模様。5人でパーティを組んで出口を目指すことが目的だ。マップは，いくつかの戦場を組み合わせてランダム生成される。長く滞在していると「瘴気」レベルが上昇して敵が強くなるが，良いアイテムを入手できるようにもなる。また，一定時間ごとにプレイヤーを狙ってくる武将が出現するなど，波乱に富んだ展開が楽しめるようだ

　UltimateはPlayStation 3版とPS Vita版が同時発売されることに加え，セーブデータを共有できる「クロスセーブ」や，機種間で協力や対戦を楽しめる「クロスプレイ」に対応しているが，開発はかなり大変だったようだ。
　野田氏は「今回は，PlayStation 3版とPS Vita版を同時発売するということで，両機種用のデータを同時に作らなければならず，作業量が倍になってしまいました。プログラマーが足りなくなり，予定どおりの発売も危ぶまれましたが，私自身もプログラマーに復帰して，なんとか間に合わせました。今でこそこうして笑っていられますが，2か月前にはそんな余裕はなかったですね」と開発の苦労を明かした。
　予定どおりに同時発売され，クロスセーブやクロスプレイを楽しめるのも，野田氏や開発スタッフの苦労のおかげというわけだ。

　最後に野田氏と鈴木氏は「ストーリーモードでは前作の後日談と前日談が語られますし，アンリミテッドモードやデュエルモードといった遊び方もあります。それぞれのモードがゲーム1本分くらいのボリュームがあり，すべて合わせれば来年のお正月まで遊び続けられますので，ぜひ楽しんでください」（野田氏）。
　「やり込み要素に主眼を置いたのが，Ultimateです。当初はもう少し小さなプロジェクトだったんですが，結局，予定の2〜3倍のボリュームになりました。これまでのシリーズではK.O.数のカウントは9999までだったんですが，今回は桁を一つ増やしました。ぜひ何万人もK.O.してください」（鈴木氏）とUltimateのボリューム感をアピールし，トークショーを締めくくった。

ステルクはガストから太鼓判を押された再現度
ソフィーティアは乱舞終了時のカメラワークに注目

イベント終了後，鈴木氏と野田氏に話を聞くことができたので，その模様をお伝えしよう。

プロデューサーの鈴木氏

ディレクターの野田氏

4Gamer：
　よろしくお願いします。今回，「ソウルキャリバー」シリーズのソフィーティアや「アトリエ」シリーズのステルクなど，コラボキャラクターが話題となっていますが，コラボでの苦労話を教えてください。

鈴木亮浩氏（以下，鈴木氏）：
　今回のソフィーティアは，初の社外コラボとなります。どんなコラボでも苦労するのが，原作のイメージを尊重しつつ再現することと，版権元さんとの監修作業のやりとりですね。3Dモデルの外見やアクションなどの動き，ストーリーモードでのセリフ回しや役割など，たくさんの要素に関して何度もやりとりをします。気を使いますし，時間もかかりますね。

ソフィーティア・アレクサンドル

4Gamer：
　ソフィーティアのココを見てほしい！ というポイントはありますか。

鈴木氏：
　私自身，ソフィーティアは好きなキャラクターです。原作の技を再現しているのはもちろんですが，中でも乱舞を見てほしいですね。乱舞が終わったあとのカメラアングルやソフィーティアの表情が，原作の勝利ポーズを再現したものになっているんです。

4Gamer：
　一番苦労したコラボキャラクターは誰ですか？

野田洋司氏（以下，野田氏）：
　やはりステルクですね。オリジナルの絵柄がいわゆるアニメ風なので，これをそのまま無双シリーズに持ってくると，どうしても違和感が生じてしまうんです。だからといって，ただリアルにしたのでは原作ファンに対して申し訳ない。絵柄の“落としどころ”を探りつつモデルを作るのは大変でしたね。

ステルケンブルク・クラナッハ

鈴木氏：
最初は原作に忠実な絵柄のモデルを作っていましたが，無双キャラクターと並べるとやはり違和感が生じてしまったので，少しリアル寄りにしてあります。

野田氏：
　ただ，その苦労の甲斐あって，ガストさんからも“これは大変よくできています”と太鼓判を押してもらいました。

鈴木氏：
　「アトリエ」シリーズの主人公であるメルルやトトリを出そうかという話もあったんですが，ガストさんとお話をするうち“彼女達が「無双」の世界で敵に攻撃するのはイメージに合わないんじゃないか”ということになり，残念ながら実現しませんでした。

野田氏：
　ステルクの必殺技である「ガイアブレイク」で月を斬るところなどは，原作のテイストをうまく表現できていると思いますので，ぜひ見てください。

会場にはPlayStation 3とPS Vitaの試遊台が用意され，来場したファンがゲームを楽しんでいた

4Gamer：
　「無双OROCHI」シリーズは毎回，たくさんのキャラクターが登場しますが，今回はどれくらいのキャラクターがいるんでしょうか。

鈴木氏：
　140人以上ですね。

4Gamer：
　その中でオススメのキャラクターといいますと。

鈴木氏：

「無双OROCHI2 Ultimate プレミアムBOX」付属のオリジナルポストカードは，人気イラストレーターの山田章博氏がイラストを担当。絵の輪郭が浮き上がる，エンボス加工になっている

　私はソフィーティアです。原作に存在する豊富な技の中から無双シリーズに合うものをピックアップし，さらにバンダイナムコゲームスさんにチェックしてもらったうえでの，技のセレクションになっています。アクションも楽しい，非常にオススメのキャラクターですね。

野田氏：
　強さを求める方には，本作オリジナルの新キャラクター「応龍」がオススメです。格好良さという点では，ステルクですね。

4Gamer：
　では最後に，読者にコメントをお願いします。

野田氏：
　今回は「無双OROCHI」シリーズの世界の謎が解けるかもしれませんので，まずはストーリーモードをじっくり楽しんでください。「アンリミテッドモード」や「デュエルモード」はそれぞれ何か月も遊べるものになっています。お腹いっぱいになっていただけるだけのボリュームは用意しましたので，ぜひお友達やご家族と楽しんでください。

鈴木氏：
　PlayStation 3とPS Vitaのクロスセーブやクロスプレイに対応しています。両機種での協力，対戦も可能ですし，家ではPlayStation 3，出先ではPS Vitaといった遊び方もできます。ぜひ，よろしくお願いします。

4Gamer：
　本日は，どうもありがとうございました。

「無双OROCHI2 Ultimate」公式サイト