「VOCALOID 初音ミク」とのコラボレーションで生まれた,セガのリズムゲーム「初音ミク Project DIVA」シリーズ。2009年7月にPSP用ソフトとしてスタートしたこのシリーズは,バーチャルアイドルとしての“初音ミク”の人気と共に大きな広がりを見せ,PlayStation 3版,PlayStation Vita版,そしてアーケード版も登場するなど,さまざまなプラットフォームで展開。今ではセガの看板タイトルの一つといっていい存在になっている。
その最新作であるアーケード版
「初音ミク Project DIVA Arcade Future Tone」が,
2013年11月下旬に稼働開始予定だ。初代の稼動から3年を経ての大規模アップデートとなった今作は,セガの最新基板
「Nu(ニュー)」の採用によるグラフィックスの強化に,新デバイス
「タッチスライダー」の導入によるゲームプレイの一新と,さまざまな点でブラッシュアップが施されているのが特徴だ。
4Gamerは,そのプレイフィールをお伝えするべく,セガの開発部署にお邪魔して稼働直前に控えた同作をプレイさせてもらった。新要素はもちろん,本シリーズを初めてプレイする人に向けたポイントなども合わせて紹介していくので,本作の稼働を心待ちにしている人は,ぜひ参考にしてほしい。またプレイ動画も合わせて掲載しているので,そちらも要チェックだ。
新アーケード基板「Nu(ニュー)」による美麗なグラフィックスと新デバイス「タッチスライダー」
新要素が多数加わり生まれ変わった「初音ミク Project DIVA Arcade Future Tone」。まずは注目のポイントをまとめて紹介していこう。
新要素の一つ目は,セガの最新アーケード基板「Nu(ニュー)」を採用したことにより,より美しくなったグラフィックスだ。ポリゴン数やテクスチャ容量が増加したことで,服装などのディティールが細かくなったほか,キャラクターモデリングデータも
Ver.2.0にリニューアル。表情にも豊かな感情表現が現れるようになった。
さらに,キャラクターが画面に3人まで同時に登場できるようになり,これまでのデュエットに加え,キャラクターがトリオで出演する楽曲PVが追加。逆光表現などの演出面も強化され,これまで以上に迫力のあるゲームプレイが楽しめるようになっている。
美しくなったキャラクター達が高解像度の画面で動き回る。実際に体験してみると,その迫力は段違いだ
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もちろん初音ミク以外にも「鏡音リン・レン」や「巡音ルカ」などのキャラクターも出演。さらに今作から「重音テト」が新キャラクターとして登場している
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新収録曲「アンハッピーリフレイン」では,VOCALOID3人による,バンドスタイルの映像が流れる。トリオでも処理落ちなどもなく,快適なプレイが可能だ
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本作の追加要素の一つである「PV分岐ターゲット」演出。虹色に光っているアイコンに合わせて対応するボタンを押すと,PVの演出が変化してゲームを盛り上げる
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二つ目は,新デバイス
「タッチスライダー」の追加と,それにともなう新たなアイコンの登場だ。本作の筐体に用意された4つのボタン――[△][□][×][○]の奥に配置された,この横長のタッチパネルは,画面に「スライドアイコン」が現れたとき,指定された方向にスライド操作することで成功となり,さらにキラキラとした音で楽曲が彩られる。高難度になると,ボタンの操作と同時にスライド入力が複雑に織り交ざる場面もあり,本作の攻略に欠かせない新要素となりそうだ。
虹色に光る綺麗なデバイスが特徴の「タッチスライダー」。軽く撫でるだけでしっかり反応してくれる
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 矢印の形をしたメロディアイコンが「スライドアイコン」。矢印の方向にタッチスライダーを短くなぞればクリアとなる |
 長い矢印の繋がりが「チェーンスライドアイコン」。始点から終点まで,タッチスライダーをなぞり続けよう |
新要素の最後は,モジュールカスタマイズ機能の追加だ。
これは映像に登場するキャラクターに,ゲーム中に入手できるさまざまなアイテムを装着できるというもの。カスタマイズアイテムは,「頭」「顔」「胸元」「背中」の4か所に装着が可能なので,アイテムを集めて,自分好みのキャラクターにコーディネートしよう。
最大3人分のカスタマイズが可能なので,色々装着をして自分だけのVOCALOIDユニットを作ってみよう
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カスタマイズで「ネコミミ」を追加したゲーム画面がこちら。ゲームの腕だけではなく,いかにVOCALOIDを可愛くカスタマイズできるかも本作の醍醐味だろう
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もちろん,本作の稼働に合わせた
新楽曲の追加も行われる。稼働時から遊べるのは5曲となるが,今後のアップデートでどんどん増える予定とのことなので,楽しみにしておこう。
■稼働時収録曲
 キャットフード Music & Lyrics by doriko Illustration by nezuki |
 Fire◎Flower Music & Lyrics by halyosy / Arranged by halyosy & is Illustration by iXima |
 アンハッピーリフレイン Music & Lyrics by wowaka Illustration by wowaka |
 FREELY TOMORROW Music & Arranged by Mitchie M Lyrics by Mitchie M/ЯIRE Illustration by Mitchie M |
 Weekender Girl Music by 八王子P / Lyrics & Arranged by kz Illustration by TNSK |
 「Weekender Girl」プレイ画面 |
「初音ミク Project DIVA Arcade Future Tone」の基本的な遊び方
新作のポイントを押さえたところで,ここからは「初音ミク Project DIVA」シリーズを遊んだことのないプレイヤーのために,ゲームの基本的な遊び方について紹介していこう。
本作は,楽曲のリズムに沿って流れてくる
メロディアイコンが,画面上の
ターゲットアイコンに重なるタイミングでボタンやタッチスライダーを操作し,“歌うようにプレイする”リズムゲームだ。正確に操作することで,画面下にある
クリアゲージが上昇し,楽曲終了時にクリアゲージが規定の達成率を越えればクリアとなる。メロディアイコンがターゲットアイコンを通り過ぎてしまったり,押したタイミングが悪かったりするとミスになり,クリアゲージが上昇しないだけでなく,
ライフゲージが減少していく。このライフゲージが0になると楽曲は強制終了してしまうので気をつけよう。
画面下部にある水色の線がSTAGE CLEARのラインを越え,尚且つライフゲージを残して楽曲を完走すればクリアとなる
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■ゲーム開始までの流れ
 (1)コインを投入してゲームがスタートすると,楽曲選択画面となる。自分が遊びたい楽曲をタッチして決定したら,次は画面下部の「モジュールセレクト」ボタンを押して,モジュールセレクト画面へ移動しよう |
 (2)曲名の下に表示される「3人設定」などの表示は,デュエットやトリオに対応した曲を示している。曲名左に矢印アイコンが付いているものは,新要素のスライドアイコンが登場する楽曲だ |
 (3)モジュールセレクト画面では,ゲームに登場するキャラクターの服装を選ぶことができる。アイテムのカスタマイズもこの画面から行えるので,好みのアイテムをチョイスしよう |
 (4)あとは楽曲選択に戻って決定ボタンを押せばゲームスタートだ。新収録曲の「キャットフード」では,新モジュールの「ピエレッタ」が雰囲気にピッタリ。いろいろなカスタマイズで楽曲に挑戦してみよう |
楽曲が始まると,リズムに合わせてメロディアイコンが流れてくるので,対応したボタンを押して演奏をしていく。ボタンの押し方は自由だが,筐体左側の二つ([△][□])を左手で,右の二つ([×][○])を右手で押すのが,ポピュラーなプレイスタイルだ。高難度になると流れてくるオブジェのパターンも複雑になり,それぞれのボタンを片手で捌くのは困難になってくるので,左手で[×],右手で[□]をカバーするなど,押し方のバリエーションを増やして対処しよう。
メロディアイコンが出現すると,ターゲットアイコンに時計の針のようなマークが現れ,0時方向から右回りに回転していく。この時計の針が一周したときにボタンを押すとCOOL判定となるので,目と耳の両方でタイミングを測り,リズムよくボタンを押していこう。なお新要素の「スライドアイコン」は,矢印の示す方向に向かい,タッチスライダーを横になぞればクリアとなる。短いスライドアイコンは短くなぞり,長いスライドアイコン「チェーンスライドアイコン」は,長くなぞることで大量得点が獲得できる
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まずはボタン配置を覚えることが上達への近道。左手の小指 or 薬指で[△],左手の親指で[□],右手の親指で[×],右手の小指 or 薬指で[○]で担当するのがオススメ
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 初心者用の難易度EASYでは,メロディアイコンは[×]と[○]の2つしか登場しない。楽曲中に訪れる「チャレンジタイム」のみ[△][□]が追加されるが,このときはミスをしてもゲージが減らないので気楽にプレイできるはずだ |
 難度が高くなるとメロディアイコンのパターンに「同時押し」や「HOLD」などの要素が追加される。なかでも「HOLD」は対応したメロディアイコンを押し続けることで、大量得点を獲得できる。可能な限り押し続けて高得点を獲得しよう |
最後に,実際のゲーム開始からプレイの終わりまでの流れをムービーにしてみたので下に掲載しよう。これまでの解説を踏まえたうえで,美しくなったグラフィックスやタッチスライダーの使い方など,新作のプレイフィールを少しでも感じ取ってもらえれば幸いだ。
※YouTube版は「こちら」。
(コラム)「DIVA.NET」を使って「初音ミク Project DIVA Arcade」をより楽しく
これから本作を始めるプレイヤーにオススメしたいのが,「DIVA,NET」を活用したゲームプレイだ。セガのアーケードカードシステム「Aime」と連動したこのDIVA.NETでは,手持ちのスマートフォンなどで自分のスコアやランキングが確認できるほか,取得済みのモジュールやスキン,称号などの設定が可能。さらにゲーム中で獲得したポイント(VP)を使って,新たなモジュールやスキンが購入できる。
本作のプレイヤーであれば,基本的には無料(一部に課金要素あり)で利用できるので,継続してプレイするときには,ぜひ登録して利用するといいだろう。
DIVA.NETの利用にはSEGA IDの取得が必要となる。そのほか詳細な情報については,公式サイトを確認てほしい
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カスタマイズをやり込むのもよし,本気でスコアを狙うのもよし
セガにお邪魔し,稼動前の本作を体験できた今回の取材。新曲を一通りプレイさせてもらったのだが,一新されて美麗になったグラフィックスには,とくに驚かされた。この感動は誌面ではなかなかお伝えすることができないので,普段リズムゲームを遊ばない人も,稼働後に本作を見かけたら,ぜひその美しさをその目で確認してもらいたい。
なおロケテストではタッチスライダーの反応が気になるという意見も多かったとのことだが,これにはかなりの調整が加えられ,自信の新デバイスになっているとのこと。本作のプレイヤーは大いに期待していてほしい。
「初音ミク Project DIVA Arcade Future Tone」は,
2013年11月下旬に稼働開始予定だ。前作までのプレイヤーはもちろん,アーケード版をプレイしたことのない人にもオススメなので,ぜひ最寄りのゲームセンターに足を運んでみるといいだろう。とくにPSPやPlayStation VitaなどでProject DIVAシリーズを遊んでいる人は,大画面で動きまくるミクさんを,ぜひその目で確認してほしい。
「初音ミク Project DIVA Arcade Future Tone」カウントダウンキャンペーン実施中
現在稼動中の「初音ミク Project DIVA Arcade」では,きたる「Future Tone」に向けたカウントダウンキャンペーンが開催されている。1曲遊ぶごとに獲得できるキャンペーンチケットを集めると,稼働後の「Future Tone」の専用称号・アイテムなどが入手できるという内容だ。以下に入手できるアイテムのリストを掲載しているので,手に入れたいアイテムがある人は,予習も兼ねてゲームセンターを訪れてみよう。
■交換可能なアイテムリスト
アイテム名 | 交換必要枚数
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デコレーション称号(前)「もうすぐ」 | 3枚
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デコレーション称号(前)「カミング」 | 3枚
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デコレーション称号(前)「あと少し」 | 3枚
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デコレーション称号(後)「待ってて」 | 3枚
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デコレーション称号(後)「間近」 | 3枚
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デコレーション称号(後)「直前」 | 3枚
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称号プレート「星空」 | 5枚
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称号プレート「テクノ」 | 5枚
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スキン「どっとねっとミクさん[BLUE]」 | 6枚
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カスタマイズアイテム「ミニシルクハット」 | 8枚
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カスタマイズアイテム「狐しっぽ」 | 8枚 |
 ミニシルクハット |
 きつねしっぽ |
※画像・仕様は開発中のもので製品版と異なる場合があります。