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「GAME SYMPHONY JAPAN 23rd CONCERT 〜PlayStationを彩るJAPAN Studio音楽祭2017〜」レポート。PlayStation名作の楽曲をオーケストラが演奏。トロ&クロやパラッパ,ピポサルも登場!
今回の公演では,ソニー・インタラクティブエンタテインメントジャパンアジア(以下,SIE)のJAPAN Studioが過去に送り出してきたタイトルから厳選された16作品より,それぞれの代表曲を志村健一氏の指揮のもと,東京室内管弦楽団が演奏した。本稿ではその模様をお届けする。
コンサートは全3部構成で,それぞれカテゴリに分けられたタイトルの曲目が演奏された。またタイトルごとに趣向を凝らした演出が施され,来場者を大いに楽しませた。
物販ブースも盛況。またPlayStation関連のアパレルを販売するコスパも出店していた |
ロビーにはトロとキトゥンのイメージイラストのパネルも |
「GAME SYMPHONY JAPAN 23rd CONCERT 〜PlayStationを彩るJAPAN Studio音楽祭2017〜」
公式サイト
GAME SYMPHONY JAPAN 23rd CONCERT
〜PlayStationを彩るJAPAN Studio音楽祭2017〜
●第1部 全ての物語はここから始まる
「I.Q Intelligent Qube」より
オープニングコーラス,前兆,第1の潮流,黄道,危機の訪れ
「アークザラッド」より
「アークザラッド」のテーマ
「ポポロクロイス物語」より
ピエトロの旅立ち
「ワイルドアームズ」より
荒野の果てへ
「俺の屍を越えてゆけ」より
花
●第2部 音楽とキャラクターたちの競演
「サルゲッチュ」より
オープニングムービー,タイムスリップムービー,こだいのはらっぱ
「勇者のくせになまいきだ」より
すべてのはじまり,こんかいのお題,さわやかな朝のダンジョン,なまいき勇者あらわる,みごと勇者を撃退
「パタポン」より
パタポンの伝説,ギョロッチのテーマ,ずんじゃかホイ!〜凱旋〜
「どこでもいっしょ」より
テーマ曲(「どこでもいっしょ」オープニングバージョン),News BGM Ver.3,news_End
「LocoRoco」より
ロコロコのうた
「パラッパラッパー」より
パラッパ登場,たまねぎ先生のカンフー・ラップ,ムースリーニ先生の教習ラップ,カエル先生の売口上ラップ,ニワトリ先生のお料理ラップ,トイレ・ラップ,クラブパーティー・ラップ
●第3部 PlayStationと共に広がるJAPAN Studioの世界
「ICO」より
prologue,impression,Castle in the Mist,heal,ICO -You were there
「ワンダと巨像」より
プロローグ 〜古えの地へ,荒ぶる邂逅 〜巨像との戦い〜,蘇る力 〜巨像との戦い〜,復活の予兆,エピローグ 〜残されし者たち〜
「人喰いの大鷲トリコ」より
Overture: Lore,Forest,Sentinel II,Victorious,Finale I: Apex,Finale II: Escape,End Titles: The Last Guardian Suite,Epilogue
「GRAVITY DAZE /重力的眩暈:上層への帰還において、彼女の内宇宙に生じた摂動」より
万有引力の法則,オルドノワ,反抗と殲滅
「GRAVITY DAZE 2 /重力的眩暈完結編:上層への帰還の果て、彼女の内宇宙に収斂した選択」より
GRAVITY DAZE 2,アンジェ,レベル4,GRAVITY DAZE/重力的眩暈(Ending Ver.)
●アンコール
「パラッパラッパー」より
ファニー・ラブ,クラブパーティー・ラップ
第1部は「全ての物語はここから始まる」と題し,初代PlayStationを代表する5タイトルの楽曲が演奏された。最初の演奏は今年で発売から20周年を迎えた「I.Q Intelligent Qube」だ。合唱隊による「オープニング・コーラス」から,少しずつテンポが上がっていく選曲で,キューブが迫ってくる緊張感を演出していた。
続いてはPlayStationで生まれた人気RPG「アークザラッド」「ポポロクロイス物語」「ワイルドアームズ」「俺の屍を越えてゆけ」の4タイトル。それぞれを象徴するメインテーマと呼べる楽曲の演奏だ。
「ピエトロの旅立ち」(ポポロクロイス物語)では“ジュリエッタ柴田”こと奥山佳恵さん,「花」(俺の屍を越えてゆけ)ではピアニストの樹原涼子さんという,それぞれ原曲を歌った本人が,オーケストラをバックに歌唱を披露。
ポポロクロイス物語のヒロイン,ナルシアの衣装で登壇した奥山さんは,約20年前にスタジオでの収録時に歌って以来のとのことでかなり緊張していたが,当時と変わらない歌声を披露していた。
一方の樹原さんは,俺屍シリーズのイベントなどでもおなじみの存在であり,オーケストラをバックに歌ったことについて「凄く気持ちよかった」と述べる。花はゲーム完成前から存在していたもので,この曲を初披露したライブでゲームデザイナーの桝田省治氏が「この曲をちょうだい」と懇願,主題歌として採用されたのだという。
そしてワイルドアームズの「荒野の果てへ」は,口笛ミュージシャン早川章弘さんによる口笛による異色の演奏が行われている。口笛を主旋律としたこの公演のオーケストラアレンジは,岩垂徳行氏の手によるものだ。
樹原涼子さん |
早川章弘さん |
続く第2部「音楽とキャラクターたちの共演」では,ロビーでのグリーティングにも登場したPlayStationの顔ともいえる人気キャラクターたちが登場するゲームをフィーチャー。どれもオーケストラ演奏があまりイメージできない楽曲のタイトルがそろい,そのギャップがそこはかとない面白さを生み出していた。
注目は「勇者のくせになまいきだ」と「パラッパラッパー」だろうか。前者は原曲と同様に,リコーダーやピアニカ,タンバリンの奏者がステージに立ち,オーケストラをバックに素朴な音色がホールに響くという,誰もがこれまで味わったことのない体験となったはず。
後者はなんとラップとオーケストラのコラボレーションだ。東京混声合唱団のソリストがパラッパと先生達の声をそれぞれ担当し,ゲームと同様のラップバトルを展開。ゲーム中のメイン楽曲全曲をメドレーにて演奏している。
ほかにも指揮者の志村氏が演奏の最後にネットでピポサルを捕まえた「サルゲッチュ」,ゲームと同じパーカッションであのリズムを再現した「パタポン」,「どこでもいっしょ」の演奏で指揮台に乗るトロクロや,「LocoRoco」の東京少年少女合唱隊による「ロコロコのうた」など,賑やかに楽しめる演奏が繰り広げられた。
上田文人氏がゲームデザインを担当した「ICO」「ワンダと巨像」「人喰いの大鷲トリコ」,そして外山圭一郎氏がディレクターを務めた「GRAVITY DAZE」「GRAVITY DAZE2」より厳選された合計25曲の作品ごとのメドレーで,このパートだけでも一つのコンサートが実現できそうなボリュームとなっていた。
前半のICOやワンダと巨像は,PlayStation 3でのHDリマスター化などがあったとはいえ,共に発売から10年以上が経過している作品であり,これまで演奏されてきた楽曲同様に懐かしさも感じられる。ICOのギターによる美しい旋律や,ワンダと巨像の戦闘時の勇壮な楽曲など,当時のゲームプレイを思い出す展開だ。
続く人喰いの大鷲トリコは,多くの来場者がつい最近ゲームの中で聴いたであろう楽曲であり,「Sentinel II」での戦慄を覚えた人も多いはず。また曲の終盤,壁に眼光を表すスポットライトが映し出され,トリコの鳴き声が響くという小粋な演出がファンを驚かせていた。
第3部後半のGRAVITY DAZEの演奏前には,外山氏と作曲家の田中公平氏が登壇。開演前のプレトークとともに“舌”好調な田中氏は,コンサートミストレスにコメントを求めるなどの無茶振りを見せつつも,同作は「自分を育ててもらった懐かしさも感じる作品」と述べ,これまでどこにもなかった世界観を音楽で新たに構築するが大変だったと,曲作りの苦労を語っている。その楽曲は「自分の代表作です」と力強く宣言すると,客席は大きな拍手で讃えた。
演奏にはトランペット奏者のEric Miyashiro氏も参加。楽曲は本作のヒロイックな部分が色濃く出たチョイスで,Eric氏をはじめとする金管セクションの音色が冴える,コンサート自体のクライマックスを飾るにもふさわしい内容となった。
志村健一氏,外山圭一郎氏,結さん(MC),田中公平氏 |
Eric Miyashiro氏 |
「GAME SYMPHONY JAPAN 23rd CONCERT 〜PlayStationを彩るJAPAN Studio音楽祭2017〜」
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- ライター:稲元徹也
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