イベント
[COMPUTEX]AVerMediaが4K/HDR/60fps録画対応のキャプチャカード「Live Gamer 4K」を出展。国内発売は7月の予定
AVerMediaブースで,両製品の実機を詳しくチェックできたので,早速レポートしたい。
Live Gamer 4K
まずはLive Gamer 4Kから見ていこう。
Live Gamer 4Kは,PCI Express Gen.2 x4接続に対応した拡張カード型のビデオキャプチャデバイスである。日本も販売中の「Live Gamer HD 2」(国内ではAVerMedia C988)の後継製品に相当するものだ。国内発売は2018年7月の予定で,メーカー想定売価は3万9000円前後(※税込か税別かは未確認)とのこと。
製品名に“4K”とあることから想像が付くとおり,Live Gamer 4Kにおける最大の特徴は,ゲーマー向け製品では業界初となる,4K解像度のHDR映像を60fpsでキャプチャできる点にある。つまり,ハイエンドのゲーマー向けPCやPlayStation 4 Pro(以下,PS4 Pro),Xbox One Xなどが出力する4K/HDR/60fpsのゲーム映像を,PCでそのまま録画できるのだ。
また,Live Gamer 4Kは,HDMI入力された映像を遅延ゼロでパススルー出力する機能も搭載している。4K/HDRのビデオ信号だけでなく,サウンド信号もパススルーできるとのことだった。
Xbox One Xは,単体で4K/HDR/60fps映像を録画できるのだが,PS4 Proはできない。PS4 Proユーザーにとっては,非常に魅力的な製品ということになるだろう。
2018年6月8日11時頃追記:AVerMediaより,録画解像度とフレームレートの組み合わせに関して,当初の説明よりも高いスペックでの録画が可能であったという訂正がありましたので,該当する記述を修正しました。
なお,先代同様,Live Gamer 4Kはハードウェアエンコーダを搭載していない。エンコード処理はPCのCPUによるソフトウェアエンコードか,GPUやCPUが内蔵するハードウェアエンコーダを利用する必要がある。そのため,推奨動作環境は高めに設定されており,CPUはCore i5-6000番台以上,GPUは「GeForce GTX 1060」以上で,PCのメインメモリはデュアルチャネル接続の8GB以上であるそうだ。
PC側のビデオキャプチャソフトには,AVerMedia製品ではおなじみの「RECentral 4」を使用する。
録画時に設定できるビットレートは,最大で250Mbps。コーデックもH.264だけでなく,H.265(HEVC)も選択できる。サウンドコーデックはAAC限定となるが,サラウンドサウンドの録音にも対応するそうだ。
Live Gamer 4Kの製品ボックスには,映像編集ソフトとしてCyberLink製「PowerDirector 15」の機能限定版も付属するという。ただ,機能限定版であるため,HEVCコーデックの編集には対応していないそうだ(※市販のフル機能版は対応済み)。
録画したHDR映像は,Windows用の一般的なメディアプレーヤーでは再生ができないそうで,別途サードパーティのHDR映像対応メディアプレーヤーを使う必要があるとのこと。AVerMediaでは,「madVR」や「PotPlayer」といったメディアプレーヤーアプリを推奨するとのことだった。
Live Gamer Ultra
新製品の下位モデルとなるLive Gamer Ultraは,解像度1920×1080ドットのHDR映像を60fpsでキャプチャできるUSB接続型ビデオキャプチャデバイスだ。非HDR映像であれば,4K/30fpsや1080p/120fps映像の録画も行えるという。なお,4K/HDR/60fpsのパススルー出力には対応しているそうなので,4KテレビとPS4 ProやXbox One Xを組み合わせている人も安心だ。
こちらも国内発売は2018年7月を予定しており,メーカー想定売価は約3万3000円前後(※税込か税別かは未確認)となっている。
USBの規格にある「USB Video Class」に準拠しているので,Windows 10では特別なドライバーソフトをインストールする必要がないのも利点であるという。ただ,不要なのはドライバーソフトだけで,なんらかのキャプチャソフトが必要である点に変わりはない。
Live Gamer Ultraもハードウェアエンコーダは搭載していない。録画にはCPUベースのソフトウェアエンコードか,GPUやCPU内蔵のハードウェアエンコーダが必要となる。
AVerMediaブースで見かけたそのほかの製品
発売時期や価格は未定だが,PW510以外は日本での販売も検討しているとのことだ。
今回のCOMPUTEXにおけるAVerMediaの目玉は,やはり4K/HDR/60fps録画に対応したLive Gamer 4Kだ。一方で,下位モデルのLive Gamer UltraもHDR録画に対応しているので,一定の訴求力はあると思う。無印PlayStation 4やXbox One Sも,フルHD/HDR/60fps出力に対応しているからだ。
あくまでも筆者の主観だが,最大30fpsで構わないので,Live Gamer Ultraでも4K/HDR録画に対応していればよかったとは思う。PCとの接続がUSB 3.1 Gen.2なら,4K/30fpsであれば帯域幅は足りそうだ。4K/HDR映像となると,60fpsでの出力には力不足というPCやゲーム機は多いので,4K/30fpsでも録画のニーズはあると思うのだ。Live Gamer Ultraで4K/HDR/30fps録画に対応できれば,さらに価値が高まるとAVerMedia担当者に力説しておいたが,どうにかなるだろうか。
ちなみに,AVerMedia担当者によれば,デバイス単体で録画が可能なAVT-C878シリーズの4K対応版も開発中であるとのこと。年内発表は難しいようだが,2019年のCOMPUTEXあたりになれば,後継機がお目見えするかもしれない。今から楽しみだ。
AVerMedia日本語公式Webサイト
COMPUTEX TAIPEI 2018取材記事一覧
- 関連タイトル:
AVerMedia
- この記事のURL: