プレイレポート
シリーズ初の俯瞰視点型アクションシューティングとして開発されたXbox 360版「Halo: Spartan Assault」のプレイフィールをお届け
「Halo: Spartan Assault」公式サイト
「Halo」シリーズとは,人類と異種族同盟「コヴナント」との間に勃発した戦争を描いたFPSシリーズだ。とくに重厚なSFストーリーや世界観が高く評価され,世界中に多くのファンを抱えている。初代XboxおよびXbox 360を代表する人気シリーズであり,ナンバリングの4作品のほかにも,サイドストーリーを描いた「Halo 3: ODST」や「Halo: Reach」,唯一のRTSとして第1作の前日譚にあたる「Halo Wars」が登場。さらには小説やコミック,アニメーションといった,さまざまなジャンルのスピンオフ作品が展開されている。
「Halo: Spartan Assault」は,こうしたスピンオフ作品の一つである。プレイヤーは人類最強の兵士「スパルタン」となって,「Halo 3」と「Halo 4」の物語の間に起きた“ある戦い”をスパルタンオプス プログラムのミッション――それもシリーズ初の俯瞰視点型アクションシューティングとして追体験していくことになる。操作するキャラクターは,「Halo 4」で司令官を務めていたサラ・パーマー中佐と,コミックシリーズ「Halo: Initiation」に登場するエドワード・デイヴィスだ。
プレイヤーが挑むステージのミッションは,フィールド内の敵を殲滅するという王道的なものだけではなく,味方を護衛する,フィールド内に設置された敵兵器を破壊するなど多岐にわたる。フィールドに出現したコヴナント軍と戦闘を繰り広げながら,こうしたミッションを達成すれば次のステージに進めるというわけだ。
俯瞰視点型アクションシューティングというクラシカルなシステムを採用していることもあり,基本アクションは「敵を狙って撃つ」「移動して敵の攻撃を回避する」の2つ。FPSであるシリーズ作とはシステム自体が異なるものの,左スティックが「キャラクターの移動」,右スティックが「照準の移動」,右トリガーが「射撃」といった操作方法については,従来の「Halo」シリーズにかなり近い。「Halo」に限らず,FPSやTPSのプレイヤーならば,すぐにマスターできるだろう。
また,照準を合わせるときは多少アバウトでも,その方向にいる敵を自動的に狙えるほか,マガジンの概念がなくリロードが不要なので,なんとなく連射しているだけでも次々に敵を倒す爽快感が味わえる。
基本アクションはシンプルだが,プレイヤーが選べる武装の種類は豊富だ。射撃武器やグレネード,特殊能力「アーマーアビリティ」などは,「Halo」シリーズのおなじみのものが用意されている。どのタイミングで何を選択するのかによって,戦略が大きく左右される。
とくに射撃武器は「Halo」シリーズにおける特徴もそのままで,例えばハンドガンはシールドを持たないグラントを一撃で葬り去れる。ニードラーを7発連続で撃ち込むとスーパーコンバイン(爆発)を起こす,プラズマガンのチャージショットは乗り物の動きを停止させる,といったあたりもしっかりと再現されている。エナジーソードやグラビティハンマーといった近接武器が使えない(敵は装備しているが奪えない)のは残念だが,「Halo」らしさが随所に活かされているので,ファンであれば思わずニヤニヤしながら楽しめることは間違いないだろう。
Xbox 360版だけの新要素としては,Xbox Liveを介した2人用のオンライン協力プレイモードを搭載。このモードには,キャンペーンとはまったく異なる5ステージが用意されており,プレイヤーは寄生生命体「フラッド」との戦闘を繰り広げる。フラッドは圧倒的な大群となって押し寄せるため,コヴナント以上に手強く激しい戦いになる。
なかにはスパルタンの背中に取り付いてダメージを与え続ける個体もいるが,こうなると取り付かれた当人はどうすることもできない。つまり,フラッドを撃退するにはプレイヤー同士の連携が必要不可欠なのだ。
ステージ数は少なめだが,いずれもキャンペーンよりも難度が高く,クリアしたときの達成感は格別。パートナーとの連携がうまくいかないとなかなか先に進めないものの,シンプルなゲーム性や比較的プレイ時間が短いこともあり,見知らぬプレイヤーと遊んでも十分に楽しめる印象だ。
ここまで紹介してきたように,「Halo: Spartan Assault」は気軽に楽しめる作品ではあるが,長時間プレイしているとちょっと気になる点も出てくる。
例えば,本作のやり込み要素は,いわゆるスコアアタックになっている。そして高スコアを狙うためには,ゲームプレイによって獲得できるXP,もしくは課金要素のCRと引き換えにして,初期装備をアップグレードすると有利になる仕組みだ。なかでも,獲得スコアがアップする「スコアブースター」は必須と言っていい。
しかし,ミッションをクリアすることで獲得できるXPは少なく,特定の追加条件を達成した場合でも手に入るXPは十分な強化にはまだ足りない。理想的な状態でスコアアタックに挑戦するためには,XPを貯めるための“作業”が必要になってしまうのだ。課金するのが近道かもしれないが,リプレイ性を高めるための要素と思われるだけに,もう少しバランス調整に気をつかってほしかったという気はする。
また,ステージの初期装備は固定されているうえ,アップグレード可能な武器がスナイパーライフル,スパルタンレーザー,ロケットランチャーの3種類しかないのも,ちょっともったいないと感じた。それこそ「Halo 4」のマルチプレイのように,ランクアップに応じて初期装備を自由にカスタマイズできれば,さらに遊びの幅も広がったのではないだろうか。
最後は,とても個人的な意見になってしまうが,「Halo」らしさを象徴する要素である「ジャンプしたときの独特の浮遊感」が味わえないことが残念だった。そもそもFPSではないのだから,無理な注文だとは分かっているのだが,ジャンプして頭上から敵を狙い撃つという,スパルタン特有のカッコイイ戦い方をなんとか再現してほしかった。
とはいえ,1429円(税抜)という低価格にしてはボリュームがあり,随所に光る「Halo」らしさを堪能できる本作は,「Halo」ファンであれば,ぜひ遊んでほしいタイトルだ。爽快なアクションシューティングゲームとしての完成度は高く,往年のアクションゲーマーにもおすすめしたい。
さて,本作のようなスピンオフ作品がリリースされると,今後の展開にも期待してしまうというもの。そんなわけで,筆者を含む「Halo」ファンの皆様におかれましては,ひとまず本作を楽しみつつ,「Halo 5」ではないかと噂されるXbox One向けの新作(もちろん,Xbox One本体の国内発売も)に思いを馳せる……というのはいかがでしょうか。
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