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メディアアワード「4Gamer大賞&優秀賞」の結果を発表!――TGSで4Gamerが選んだタイトルは「Evolve」と「Never Alone」の2作品
ちなみに,このメディアアワードとは,「未来のスターを発掘しよう! 新しいゲームを応援しよう!」という趣旨で行われたメディア合同企画のこと。各編集部それぞれの視点で新規タイトル,インディーズゲームタイトルをノミネートして,会場のブースにて各媒体のロゴをあしらった“ノミネートシール”を貼っていき,会場に訪れる人の参考にしてもらい,後日,その中から「大賞」「優秀賞」をそれぞれの媒体で発表してみよう――というものです。
そんなわけで本稿では,今年の新規タイトル,そしてインディーズゲームの中で4Gamerがとくに注目&選出した作品はこれ!という――「4Gamerアワード」の受賞作品を発表してみます。
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ルーキー部門
大賞:Evolve
優秀賞:Bloodborne
優秀賞:D4(XboxOne)
優秀賞:World of Warships
優秀賞:オリとくらやみの森
大賞:Evolve
最近は続編モノばかり。新規タイトルが少ない!――などと言われがちな昨今のゲーム業界。しかしながら,国内のみならず海外でも大きな注目を集める「Bloodborne」をはじめ,「バイオハザード」シリーズで知られる三上真司氏が手がけるサバイバルホラー「サイコブレイク」,Kinectを駆使して進める推理ADV「D4: Dark Dreams Don’t Die」など,非常にハイレベルなゲームが多かったのがルーキー部門でした。
そんななか,4Gamer編集部が最も注目したタイトルが,あの「Left 4 Dead」の開発元Turtle Rock Studiosが放つ最新作「Evolve」です。
本作は,ハンター4人vsモンスター1体という戦いを,どちらも人間が操作して行うという異色のマルチプレイゲーム。コンセプトレベルで「これは面白そう!」と思わせるゲームデザインの秀逸さと,そのユニークさをきちんとシステムに落とし込んでいる素晴らしさ。この2点が今回の大賞受賞の大きな決め手となりました。思い返せば,以前「Left 4 Dead」が,マルチプレイというもののあり方を一段引きあげたように,本作も,マルチプレイの今後を提示する一本になりそうな予感がします。
至極単純な話ですが,例えば,「モンスターハンター」でモンスター側を人間が操作できたら面白そうでしょ?という説明で,首をかしげる人はそんなにいないと思うのですが,そういう,誰もが理解しやすいシンプルかつ強力なコンセプトを示せている/形にできている「Evolve」は,間違いなく“発明”に類する作品になれるポテンシャルを秘めています。4Gamerとしても,自信を持っておススメできる楽しみなタイトルです。
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優秀賞:Bloodborne
「Bloodborne」は,今年のTGSでもっとも注目されていた作品の1つなので,今さら細かい説明は不要でしょう。グラフィックスやサウンドの素晴らしさもさることながら,とにかくアクションゲームとしての“手触り”が素晴らしいのが大きな特徴。会場で実際に遊んだ人は,本作の完成度の高さを実感したことでしょう。発売日が待ち遠しい一本です。
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優秀賞:D4: Dark Dreams Don’t Die
オリジナルタイトルらしい“挑戦と冒険心に溢れたタイトル”ということなら,「D4: Dark Dreams Don’t Die」が最大の注目作だったと思います。アドベンチャーゲームでKinectを前提にしたインタフェース&ゲームデザイン,さらに1シーズンめを1500円で配信,その後も2シーズン,3シーズンと都度配信していくという,連載形式のビジネスモデル。どこを切っても,“無難”という二文字からは縁遠いプロジェクトなのが凄い。また,それを実際に形にしてしまうのには,本当に驚かされます。
ちなみに本作は,TGS期間中に突如として配信開始がアナウンスされ,すでにストアで購入可能。Xbox Oneを持っているという人は,ぜひ本作を遊んでみてください。
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優秀賞:World of Warships
最近は4Gamerで記事にするたびに大きな注目を集めている「World of Warships」。アニメ「蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-」とのコラボレーションが発表されたことでも話題となっていますが,ゲーム自体も非常にしっかりと作り込まれているのが特徴。「World of Tanks」が日本市場でも一定の成功を収めた今,さらに相性がよいと思われる海軍もの――とくに,昨今は某タイトルの影響もあってテーマ自体への注目度もやたら高いとあっては,俄然,本作の盛り上がりに期待したいところです。
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優秀賞:オリとくらやみの森
「オリとくらやみの森」も,大賞に推してもおかしくないい作品です。幻想的なグラフィックスや音楽は,オリジナル作品の中でも群を抜いたクオリティ。のみならず,内容についても,今回出展されていた試遊版を遊ぶだけでも何か感動してしまうほどの出来映え(※参考記事はこちら)であったことから,今回の受賞と相成りました。
ちなみに本作は,日本のアニメ――中でもジブリ作品に影響を受けているらしく,言われてみれば,どことなくそんな空気感も漂っているかも?という印象。とにかく雰囲気や世界観が素晴らしい作品なので,「ICO」や「風ノ旅ビト」のようなゲームが好きな人は要注目でしょう。
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インディーズ部門
大賞:Never Alone
優秀賞:One Upon Light(PS4)
優秀賞:Gangs of Space
優秀賞:AirShip Q
大賞:Never Alone
今年は100タイトル以上の出展があったインディーズゲーム。インディーズとは思えない作り込まれたゲームから,商業では作りづらい奇抜なアイデアのゲームまで,さまざまなタイトルが居並ぶなか,4Gamer的に「これだ!」と思った一本は,PlayStationブースのプレミアムラウンジで展示されていた「Never Alone」です。
本作は,アラスカの先住民族に伝わる民話/伝承をテーマにしたアクションアドベンチャーゲーム。北極圏の厳しくも美しい白銀の世界を舞台に,プレイヤーは「娘(ヌナ)」と「ホッキョクキツネ」を切り替えながら,ステージに仕掛けられたギミックを乗り越えていく。本作の特徴は,兎にも角にも,その雰囲気の良さ,世界観の素晴らしさでしょう。それこそ,タイトル画面からして「おっ」っと思わせるオーラを放っており,「ICO」や「Limbo」,「風ノ旅ビト」といったゲームにも通じる何かを感じさせる作品です。
ゲーム自体はそれほど奇抜なものではなく,あくまでオーソドックスなアクションパズルといった印象ですが,吹雪の時には吹き飛ばされないように踏ん張りながら,吹雪が止んだ隙に移動をしたり,特殊な能力を持つキツネを使ってヌナを導いたりなど,用意されたギミックはシンプルながらよく作り込まれている雰囲気です。
ただ,本作が何よりもユニークなのは,「ゲームを通じて現代の子供達に寓話を伝える」「ゲームを通じて文化を伝える」という,プロジェクトしての試みでしょう。時代によって,講談師や紙芝居,絵本,漫画,テレビなど,さまざまな形で伝えられる民話/伝承。現代において,アラスカの文化を伝え残すにはどうすればよいか。テクノロジーに囲まれた現代の子供達にアプローチするために,ゲームという媒体を選んだ――というのは,興味深い制作背景でしょう。
実際,本作は,アラスカの原住民コミュニティの協力のもと,族長達に話を聞き,彼らと共に設立した会社との共同開発の形を取っているとされています。インスピレーションを受けましたとか,そういう次元じゃない本格派っぷりを評価して,今回の大賞に推させていただきました。
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優秀賞:One Upon Light(PS4)
「一定時間以上,光に当たったら死ぬので,光を避けてゴールまで行く」だけという,シンプルなルールが特徴的な本作。光に当たるとモノの数秒で死んでしまう虚弱体質の主人公は,どことなくスペランカーを彷彿とさせます。とにかくアクションパズルとしてのギミックが素晴らしく,光に当たらないようにモノを動かし,影を作って移動したり,移動する物体(の影)の動きに合わせて進んだりと,頭をひねりながらプレイしていく感覚は秀逸。また,ゲームの途中からは,「影を固定する」という特殊能力も加わり,さらにアクション性とパズル性が組み合わさったプレイフィールへと変貌します。2014年10月にPSNでの発売が予定されているとのこと。注目してほしい一本です。
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優秀賞:AirShip Q
クラウドファンディングを開始したときにはすでにゲームも座組もある程度整っていたことから,当初は,「あまりインディーズらしさが感じられないゲームだな」と正直思っていたのですが,実際に話を聞いてみると,「実は2年半ずっと手弁当で作っていました」という,筋金入りのインディーズゲームだったのが,「AirShip Q」というタイトルです。「作りたいから作る」という信念の一貫性が,インディーズのインディーズたる所以。クラウドファンディングをあくまでもゲームを磨き上げるために利用しているというあたりが,本作のポイントでしょう。
また,「国産のサンドボックスゲーム」という,日本のゲーム会社があまり挑戦していない分野に取り組んでいるというのも大きな特徴。「マインクラフト」でも「テラリア」でもない,新しいタイプのサンドボックスゲームを目指していくとのことで,期待も込めて優秀賞に選出させて頂きました。
ちなみに本作のメインプログラマー/ディレクターを務める中嶋謙互氏は,知る人ぞ知る日本のオンラインゲーム市場の黎明期を支えた開発者の一人。4Gamer的には懐かしくもあり,そんな氏の新しい挑戦という意味でも,応援したくなる作品なのです。
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優秀賞:Gangs of Space
「Gangs of Space」は,宇宙を舞台にしたMMO 2Dシューティング。日本に住むフランス人のGuillemot Matthieu氏らが,「こんなゲームが遊びたいと思っていたけど,どこも作らないから自分で作った!」という,これまたインディーズらしい作品です。
ちなみにMatthieu氏は,もっと自由にゲームを作りたい!と,3年前にとあるゲーム会社を辞め,それからずっと手弁当で(しかもフルタイムで)本作を作り続けているというのだから,その覚悟と根性たるや半端ではありません。
ゲーム自体は,EVE Onlineを彷彿とさせるようなMMOベースのシステムを背景にしながら,シューティング部分は日本の「弾幕ゲー」っぽい雰囲気も併せ持たせた形。なんでも,Matthieu氏自身が「怒首領蜂」などの大ファンで,あれをMMOにして遊べたらどんなに楽しいか,というのが本作を作り始めた動機の1つだという。実際の運営は多大な苦労も伴なうでしょうが,ぜひ正式サービスまでこぎ着けてほしい(現在はαテスト中)ところです。
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というわけで,以上が4Gamerが選んだTGSの注目タイトルと,その理由でした。今年のTGSでは,このアワードが企画されていたこともあり,例年にもまして新作とインディーズに注目して見て回っていたのですが,なかなかどうして,面白そうなゲームがたくさんあるじゃないか!というのが,取材を終えた後のストレートな感想。読者の皆さんにおきましては,今回紹介した作品に注目してもらいつつ,今後のゲームプレイ/購入の参考にしてもらえれば幸いです。
“TGS 2014 ゲームの電撃アワード”の各部門受賞タイトルを発表。出展タイトルのなかから最優秀賞に選ばれたのは?(電撃オンライン)
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