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[E3 2014]低重力の浮遊感がたまらないFPS「Borderlands: The Pre-Sequel」のプレイレポートと開発者インタビューをお届け
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印刷2014/06/14 00:00

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[E3 2014]低重力の浮遊感がたまらないFPS「Borderlands: The Pre-Sequel」のプレイレポートと開発者インタビューをお届け

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 Borderlandsシリーズの最新作となるFPS「Borderlands: The Pre-Sequel」PC / PS3 / Xbox 360。以下,The Pre-Sequel)が,E3 2014の会場にプレイアブルで出展されていた。本稿では,同作のプレイレポートと,開発者へのインタビューをセットでお届けしよう。

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 「Borderlands」PS3/Xbox 360)と「Borderlands 2」PC/PS3/PS Vita/Xbox 360)の間をつなぐ物語が描かれる本作では,惑星パンドラの月を舞台に,低重力を生かしたガンアクションを楽しめる。

 プレイアブルなキャラクターは4人で,Borderlands 2からリンチウッドのシェリフだったNISHA(ニーシャ)とWILHELM(ウィルヘルム)の二人,BorderlandsのDLC「The Secret Armory of General Knoxx」に登場したATHENA(アテナ),そしてシリーズではおなじみのCLAPTRAP(クラップトラップ)となっている。
 The Pre-Sequelでは,この4人がHyperionの成長に貢献すべく奮闘するという,ナンバリングタイトルとは逆の視点のストーリーが展開され,あのHandsome Jack(ハンサム・ジャック)が冷酷な暴君へと変貌していく姿を見ることができるのだ。

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 なお,本作のタイトルにある「Pre-Sequel」(プリシークエル)とは,Sequel(続編)とPrequel(前編)の単語を組み合わせた造語だ。あえて訳すなら「続編(=Borderlands 2)の前日譚」といったところだろうか。

「Borderlands: The Pre-Sequel」公式サイト

4GamerのE3 2014特設ページ



低重力がやみつきになりそうな新感覚のFPS


 さて,今回のデモ機で使用可能だったキャラクターは,アテナとウィルヘルムの2人となっていた。アテナは持っている盾で敵の攻撃を吸収でき,ウィルヘルムは攻撃用と防御用のドローン2台を操れるというのが特徴。ちなみに,筆者はウィルヘルムでプレイした。

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 マップは,マグマの見える大きなクレバスや高い塔が印象的な月面。今回のデモ向けに用意されたマップらしく,これといったストーリー要素は確認できなかった。
 ゲームが始まると,いきなりクレバスが行く手をさえぎっていたので途方にくれてしまったが,意を決してジャンプすると,バックパックからジェットが噴射されて,クレバスを楽々と飛び越えることができた。ジャンプ時は月面の低重力らしい独特の浮遊感があり,飛んでいるだけでもなんとなく楽しくなってしまう。

 なお,ジャンプ中にCrouch(しゃがみ)ボタンを押すと,地面に向かってヒップドロップができる。高い位置であるほど与えるダメージが大きく,敵キャラクターを吹っ飛ばすことも可能だ。

 プレイ中に気を付けなければいけないのが,酸素の残量だ。酸素が減ると体力が徐々に減るうえに,ジャンプができなくなってしまう。マップのあちこちにある酸素を供給できるスポットで補給したり,酸素のある建物の中に一時避難することが,戦略上重要になってくる。野外に隠れての待ち伏せや狙撃がやりにくいシステムなのは,FPSとして見ると興味深いポイントだ。
 ちなみに,ヘッドショットを決めたときは,敵のヘルメットが壊れて窒息死するという演出になっていた。確かに,宇宙服の丈夫なヘルメットなら,この演出のほうがそれっぽいなと,妙に納得させられた。

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 プレイは10分程度だったが,Borderlandsシリーズらしい爽快感を保ちつつも,新しい要素がうまく採り入れられているのは十分に確認できた。低重力や酸素制限といった要素だけでも,ほかのFPSとは一味違ったプレイフィールになっており,今からリリースが楽しみである。


「Borderlands: The Pre-Sequel」開発者インタビュー


 デモの終了後,Gearbox Softwareでプロデューサーを務めるJames Lopez(ジェイムス・ロペス)氏と,2K AustraliaのリードデザイナーであるJoe Eschiler(ジョー・エシラー)氏に,短い時間ではあるが単独でインタビューする機会に恵まれたので,その内容をお伝えする。

Gearbox SoftwareのJames Lopez氏(写真左)と2K AustraliaのJoe Eschiler氏(写真右)
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4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。
 まず,「Borderlands: The Pre-Sequel」が制作されることになった経緯を教えてください。

James Lopez氏(以下,Lopez氏):
 話が決まったのは確か,Borderlands 2の拡張パック「Tiny Tina's Assault on Dragon Keep」の制作を始めたばかりの頃だったと記憶しています。その頃Gearboxでは,スケジュールがすでに埋まってしまっていたので,2K Australiaに開発の話を持ちかけたんですよ。

4Gamer:
 今回,なぜパンドラの月を舞台にすることになったのですか?

Joe Eschiler氏(以下,Eschiler氏):
 シリーズのファンの中に,「月に行ってみたい」という声が多かったのがきっかけですね。
 制作にあたって設定を考える際に悩みどころだったのが,Borderlands 2でパンドラの地域の多くをすでに旅していましたし,拡張パックもぶっ飛んだ設定のものが多いという点です。
 月であれば,低重力と酸素の制限という,新しいゲームプレイと舞台を用意できますし,我々の「シリーズに新しい息吹を吹き込もう」という意気込みにピッタリだと思い,決断しました。

4Gamer:
 Borderlandsが土色の荒野ばかりだったことから,Borderlands 2ではさまざまな環境を用意する趣向が凝らされていました。月面が舞台の本作は,白や灰色ばかりの世界になりそうにも思えるのですが,そこはどう対処するのでしょうか?

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Eschiler氏:
 詳しくはまだ話せませんが,もちろん,その点はいろいろと考えています。
 パンドラの地上から,月の地表にマグマが露出しているのは見えましたが,誰もパンドラの月について,それ以外のことを知らないというのは,我々にとって幸運でした。さまざまな仕掛けを用意しているので,ゲームがリリースされたら,ぜひプレイして確かめていただきたいです。

4Gamer:
 今回プレイしたマップは,ゲーム中のどういうシーンで登場する場所なんですか?

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Lopez氏:
 あのマップはゲームの序盤に出てくる場所で,「Moonshot Base」という月面基地に向かうために,プレイヤー達が月面を移動している,というシーンになります。
 ストーリーとしては,パンドラから月に戻れなくて困っているハンサム・ジャックが,プレイヤーキャラクター達4人を基地に派遣して,事態を把握しようとしているところです。

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4Gamer:
 武器はどのくらい登場するのでしょうか。

Eschiler氏:
 バジリオン以上ですね(笑)。
 既存の武器カテゴリと属性はもちろんありますし,月面ということを意識して,武器カテゴリと属性にLazer(レーザー)とCryo(冷凍)の2種類を追加しました。この2つを組み合わせれば,アイスビームのような攻撃も可能になります。敵がゆっくりと凍っていって,最後は氷の花火みたいに破裂するのは見ものですよ。

※無数を意味する造語

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4Gamer:
 低重力や酸素制限といった要素も,ゲームシステムに大きく影響していますよね。

Eschiler氏:
 低重力という世界設定がゲームデザインに大きく影響するのは,企画当初から予想していました。レベルデザインするうえでは,ジェットパックで高くジャンプして敵の頭上から攻撃したり,攻撃を受けるとはるか彼方まで吹っ飛ばされたりと,普通とはかなり異なるアプローチが必要でしたね。
 酸素が制限される環境も,酸素ボンベをジェットパックとして利用するからボンベが空になるとジャンプできなくなるとか,亀裂から酸素が吹き出す場所があって補充できるとか,ゲームとしてのアイデアは,非常にうまくまとめられたのではないかと思っています。

Lopez氏:
 酸素の補充は,プレイヤーのストレスにならないように気を遣ったポイントですね。本作はBorderlandsシリーズの作品ですから,気ままに楽しくプレイしてもらうのが第一ですし。

4Gamer:
 そこに関しては,リアリティよりもプレイフィールを重要視したわけですね。
 ちなみに,ストーリーの設定上,ゲーム開始当初のハンサム・ジャックは,まだ悪の道に進んでいないそうですが。

Eschiler氏:
 ええ。世界のために良いことをしようと彼なりに考えているので,善良であるかどうかはともかく,悪人ではありません。

4Gamer:
 でも,Vaultの財宝を盗んだ後の話なんですよね。それでも悪人ではないと?

Eschiler氏:
 確かにそのとおりではありますが,本作の開始時点では,ジャックは「人のためになろう」「英雄になろう」という意思を持っていて,まだ簡単に人を殺すような性格の人間ではないんです。
 詳しくは,ゲームをプレイしてじっくりと楽しんでもらいたいのですが,生来からBorderlands 2で描かれたような狂気的な人物ではなく,このゲームで描かれる物語が彼を根本から変えてしまった,と言えば分かりやすいでしょうか。

Lopez氏:
 このシリーズは,コミカルな人物描写で人気を集めているところがありますが,無法な世界における人間性の維持や変化といった,シリアスな部分にも焦点を当ててきました。本作でも,そうした描写をしっかりと描いています。

4Gamer:
 発売を楽しみにしています。本日はありがとうございました。

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