プレイレポート
「ボーダーランズ プリシークエル」の魅力と新要素を紹介。酸素を噴射して低重力のパンドラの月を縦横無尽に飛び回ろう
本作は,1作めからの特徴でもあるトゥーンレンダリングで描かれた世界や,底抜けに明るい登場キャラクター達,そして武器の自動生成システムといったシリーズの魅力が余すことなく詰め込まれており,従来作をプレイしたことのない人でも楽しめる一本になっている。
またゲームの舞台を低重力の“月”にしたことで,縦横無尽に飛び回るスポーツ系FPSのような爽快感が生まれ,移動や戦闘のテンポが従来作と比べてぐっと上がっているのも見逃せないポイントだ。
本稿では,そんなシリーズ最新作「ボーダーランズ プリシークエル」の魅力を,まとめて紹介していこう。
「ボーダーランズ プリシークエル」公式サイト
元暗殺者から半身機械人間まで。相変わらず個性豊かなプレイアブルキャラクター達
惑星パンドラの月を舞台とした本作では,「ボーダーランズ」で主人公達が探し当てた財宝を盗み,それを資金として巨大軍事産業ハイぺリオンの支配者になった「ハンサム・ジャック」が物語のキーパーソンだ。
ハンサム・ジャックは「ボーダーランズ2」で悪役として登場するのだが,ではいったい何が彼を悪に染めたのか。1作めと2作めの間に起きた出来事が,本作で明らかになっていく。
プレイヤーは,ハンサム・ジャックに雇われた傭兵として,彼の野望を成し遂げるための手助けをすることになる。ここでは,本作のプレイアブルキャラクターである3人と1機を紹介しよう。
○グラディエーター の「アテナ」
エリート兵士であるアテナは,子供の頃から暗殺者として訓練されており,現在はどんな依頼もこなす傭兵として活動している。彼女が所持しているブレードの付いた円盤状のシールド「Aspis」は,攻撃を跳ね返したり,ダメージを吸収したりでき,いざとなればフリスビーのようになげて相手を切断することも可能だ。
○ロウブリンガーの「ニーシャ」
他人を傷つけることを楽しむ元バンディットのニーシャは,ゲームの主人公としては珍しい純粋な悪人だ。銃の腕前は確かで,彼女のスキルツリーの1つ「ファン ザ ハンマー」を極めると,2丁のピストルを構えることができる。その姿はまさに西部劇のガンマンといった感じで,ムチを使った近接攻撃も特徴の1つだ。
○エンフォーサーの「ウィルヘルム」
身体の半分が機械化しているウィルヘルムは,とある事件を起こして惑星パンドラに逃げてきた傭兵だ。「ボーダーランズ2」では,序盤のボスとして登場しており,その時はすでに全身が機械になっていた。
本作では,「ウルフ」と「セイント」という2機のドローンを従えており,これらは戦闘時に,ウィルヘルムをサポートする強力な助っ人となる。
○フラグトラップの「クラップトラップ」
シリーズ3作めにして,ついにプレイアブルデビューを果たしたクラップトラップは,上級者向けという位置付けのキャラクターだ。したがって,ゲーム開始時に彼を選択すると「本当にこれでいいの?」「クラップトラップだよ?」といった警告が何度も表示される。
パンドラ全域で嫌われているクラップトラップだが,ファンからはウザいけれどもどこか憎めないマスコットキャラとして愛されているのも事実。ゲーム内では,仲間とハイタッチしてお互いの能力を高めあったり,何が起きるか分からない特殊スキル「VaultHunter.exe」を駆使して,協力プレイを盛り上げてくれる。
ちなみに本日(2014年11月12日)配信のDLC第1弾「Handsome Jack ドッペルゲンガー パック」を購入すると,ハンサム・ジャックの“影武者”が,プレイアブルキャラクターに追加される(関連記事)ので,興味のある人は導入しておこう。
本作のストーリーは,1作めの主人公達に捕まってしまったアテナが,ハンサム・ジャックの傭兵として過ごした日々を語る形で進行していく。なぜアテナは捕まっているのか,肝心のハンサム・ジャックはどうなったのか。気になる人はゲーム本編で確かめてほしい。
酸素を排出して縦横無尽に飛び回る浮遊感抜群のゲームプレイ
冒頭でもお伝えしたとおり,本作はパンドラの月を舞台にしている。したがって,プレイヤーは重力から解放され,縦横無尽に飛び回ることが可能なのだが,同時に無酸素という環境に悩まされることになる。酸素がない状態ではHPが徐々に減り,やがては死亡してしまうからだ。
酸素供給の問題は,新アイテム「O2キット」で解消されるものの,酸素の貯蓄量はO2キットの性能に左右されるうえ,ロボットであるクラップトラップ以外のキャラクターは,時間経過とともに酸素を消費していく。
よって,プレイヤーは常に酸素残量を気にしながら行動しなければならず,一見すると酸素の概念は,プレイヤーの行動を制限するお邪魔な要素にも見えるが,それだけではない。
実はO2キットには,貯蓄されている酸素を外に排出する機能も備わっており,これを利用することで,高くジャンプしたり,空中移動したりできるのだ。その操作感は,「Quake III: Arena」や「Unreal Tournament」といったスポーツ系FPSに近く,戦闘はもちろん,移動すら楽しく感じてしまう。
空中から急降下して地面に衝撃を与え,周囲の敵を攻撃する「スラム」も面白いアクションの1つだ。スラムの衝撃にはO2キットに付与された属性が与えられるので,新属性であるクリオ(氷)が付いたO2キットでスラムをすると,周りの敵が凍りつき,これがまた気持良かったりする。
また本作には,お馴染みの2人乗りビークルはもちろん,低重力であることを活かした空飛ぶ乗り物「スティングレイ」が登場する。これは1人用の乗り物なのだが,そのぶん機動性が高く,フィールド上にある巨大な裂け目も難なく飛び越えることが可能だ。
「ボーダーランズ」シリーズは,ランダムに生成される装備を集めて,その性能を吟味しながらキャラクターを強化していく,いわゆる“トレジャーハント”(以下,トレハン)がエンドコンテンツとなっている。
エンドコンテンツ入りしたプレイヤーは,最高レア度かつ高性能の装備を求めてひたすらダンジョンを攻略することになるのだが,そういった装備のドロップ率は極端に絞られているため,簡単には出てくれない。
とくに武器に関しては,照準器の見やすさや,反動,連射速度など,実際に使ってみないと体感的に分からない部分もあるため,とりあえず拾っておこう思考が働いてしまう。そのため,気付いたらバッグの中がいらない装備で埋まっているなんてことは,ざらにあるのだ。
前作までは,不必要な装備は売るか捨てるかそもそも拾わないか,といった選択肢しかなかったが,本作ではそこにメスが入り,不要な装備を再利用する装置「グライダー」が新たに登場した。
この装置は,同じレア度の装備を3つセットして起動することで,新しい装備を精製するという仕組みになっており,運が良ければセットした装備よりもレア度の高いものが入手できるというわけだ。
バッグの中のゴミを処理できて,かつレア装備が手に入るかもしれないとなれば,使わない手はないだろう。トレハンにおけるモチベーションの維持にもつながるので,今後のシリーズ作品にも採用されることに期待したい。
最大4人の協力プレイでは,相変わらず装備の取り合いになってしまうものの,気の知れた友達とワイワイやるぶんには十分に楽しめる。また,クラップトラップの魅力が最大限に活かされる場(関連記事)でもあるので,装備はいいからとにかく騒ぎたいという人は,オンラインに飛び込んでみるといいだろう。
低重力下での酸素を使ったアクションが多く用意され,従来作とは一味違ったゲームプレイが楽しめる「ボーダーランズ プリシークエル」は,シリーズ未経験者はもちろん,前作をやり込んだという人にもオススメできる作品だ。ちょうどハンサム・ジャック(影武者)もプレイアブルとして追加されたので,この機会にぜひ遊んでみてほしい。
「ボーダーランズ プリシークエル」公式サイト
- 関連タイトル:
Borderlands: The Pre-Sequel
- 関連タイトル:
ボーダーランズ プリシークエル
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(C)2014 IPerion, LLC. Published and distributed by 2K. Gearbox and Borderlands, and the Gearbox Software and Borderlands logos, are registered trademarks, The Pre-Sequel is a trademark, and all are used courtesy of Gearbox Software, LLC. 2K, 2K Games, 2K Australia, and their respective logos are trademarks of Take-Two Interactive Software, Inc.
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- Borderlands: The Pre-Sequel 日本語版 [オンラインコード] [ダウンロード]
- Digital Video Games
- 発売日:2014/10/30
- 価格:¥7,000円(Amazon)