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Gearbox Softwareの最新作「バトルボーン」。先行プレイ&開発スタッフインタビューから分かった新ジャンル“ヒーローシューター”の魅力を紹介
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印刷2016/03/24 00:00

プレイレポート

Gearbox Softwareの最新作「バトルボーン」。先行プレイ&開発スタッフインタビューから分かった新ジャンル“ヒーローシューター”の魅力を紹介

 2Kから2016年5月19日に発売予定の「バトルボーン」PC / PS4 / Xbox One)。“ヒーローシューター”と呼ばれる本作は,「ボーダーランズ」シリーズで知られるGearbox Softwareの最新作で,FPSをベースにMOBAやアクションゲームの要素をミックスしたハイブリッドな内容となっている。

 今回4Gamerでは,リリースに先駆けて「バトルボーン」のストーリーモードおよびマルチプレイモードの一部をプレイする機会を得たので,その概要とインプレッションをレポートしよう。
 また記事の後半では,デベロッパであるGearbox Softwareの開発スタッフに対するインタビューを掲載しているので,本作が気になるという人はぜひご一読を。

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「バトルボーン」公式サイト



二つのストーリーミッションと,マルチプレイの「侵入」モードを体験


 「バトルボーン」のプレイアブルキャラクターは,外見や能力が異なる全25体のヒーロー“バトルボーン”である。彼らはそれぞれ固有の能力を持っており,あるバトルボーンはシューター寄り,別のバトルボーンは近接アクション寄りといったように,まったく異なる戦い方を得意としている。

 本作の世界には5つの勢力が存在し,各勢力に5人ずつのバトルボーンが所属している。例えば,「ラスト・ライト・コンソーティアム」(LLC)は科学力を駆使した戦い方を得意としており,自然派の「エルドリッド」は,自然治癒の力に長けているといった具合だ。

25体のバトルボーンは,それぞれ個性的な外見および能力を持っている
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 バトルボーンはプレイ中に,その戦果に応じてレベルアップしていく。このレベルは,ミッションもしくは対戦ごとにリセットされ,ゲームスタート時には必ずレベル1から始まる。最高レベルは10だ。
 また,各バトルボーンはレベルアップするたびに,「ヘリックス・システム」にアクセスすることでユーザーインタフェースの左右に表示されるスキルのいずれかをアップグレードできる。もちろん,自分のプレイスタイルに合わせた選択が可能だが,チームの状況を見て臨機応変に選んでもいい。
 さらに,レベル5になると「アルティメットスキル」をアンロックできる。これは各バトルボーンに固有のもので,いかに早く習得するかが戦局の鍵となるほど強力だ。

ヘリックス・システムを開いている最中も,ゲームはリアルタイムで進行している。敵の攻撃を受けることもあるので,スキルをアップグレードするタイミングには気を付けよう
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 ゲームの舞台となるのは,正体不明の敵「ヴァレルシ」によって壊滅の危機に瀕している宇宙最後の星「ソーラス」。5つの勢力は,宇宙に残された資源をめぐって戦いを繰り広げていたが,ヴァレルシの襲撃によって今まさに宇宙に終止符が打たれようとしているため,ソーラスを守るべく一致団結してこれに立ち向かうことになった……のだが,どうやら勢力ごとに思惑が異なる模様。例えば,エルドリッドや「ピースキーパー」は「この世界を守らなければ!」という使命に燃えている反面,LLCは利権や金銭といった損得勘定から参戦するといった感じだ。

 また,25人のバトルボーン以外にもさまざまなキャラクターが登場し,ストーリーを盛り上げていく。その中には,ヴァレルシ側に寝返る人物もいるという。
 こうして描かれる本作のストーリーは,非常に濃密な内容となっており,1ミッションが連続テレビドラマの1話ぶんに相当するとのこと。

 本作のストーリーモードでは,最大5人の協力プレイを楽しめる。複数プレイヤーで遊ぶ場合は,タンク,ヒーラー,アタッカーといったように,チーム内の役割を意識してバトルボーンを選ぶことが重要となる。

ミッションまたは対戦ごとにバトルボーンを選択する。制限時間があるので,チーム内でのロール(役割)が分散するよう,事前に打ち合わせをしておいたほうがいいだろう
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 ストーリーモードでは,チーム全員で共有する「リスポーンチケット」が与えられ,これをすべて消費した状態で全滅すると復活できなくなり,ゲームオーバーとなる。ただし,敵に倒されてから一定時間内に味方に救援(救援ボタン長押し)してもらえば,チケットを消費することなくその場で復活できる。

 リスポーンチケットはミッション開始時に5枚与えられるが,マップ上のどこかに隠されているチケットを発見すれば適宜補充できる。激戦ポイントでは味方の救援が間に合わなくなることもあるので,万が一に備えて可能なかぎりリスポーンチケットを温存しながらミッションを進めたいところだ。

敵に倒されると瀕死状態になる。この状態で仲間の助けを呼び,救援してもらえれば,リスポーンチケットを消費することなく復活できる
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 今回プレイできたストーリーモードのミッションは2種類あり,そのうちの1つ「レネゲード」は「カルダリアス」というNPCを救出するため,マップ上に数か所配置された防衛コアを順番に守り抜くというディフェンスミッションだった。敵の集団は,コアを破壊するべくウェーブ状に攻めてくるので,それを順次撃破し,規定数のウェーブをクリアしたら,次のコアへと向かうことになる。

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 ミッションが進むほど,敵の襲撃は激しさを増していき,1か所でもたもた応戦していると,逆方向から攻められたりもする。そのためミニマップを見ながら素早く対応することはもちろんだが,応戦が間に合わないことを見越して,コアの周囲にタレットやトラップを設置したり,ドローンを召喚したりすることも重要となる。これらは,ヴァレルシのポータルを破壊すると入手できる「シャード」を消費することで設置や召喚が可能だ。

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 もう一つのミッション「虚無の果て」は,爆弾を搭載した大型メカ「セントリー」を護衛しながらマップ上を進み,ヴァレルシのポータルが開くことを阻止するというエスコートミッション。セントリーはシャードを消費して強化すると,さまざまな能力を発揮するようになる。
 またレネゲード同様,マップ上の随所にタレットなどを設置するポイントが用意されているので,例えば激戦ポイントでは,セントリーとタレットのどちらにシャードを使うかといった判断を迫られることもある。

大型メカ「セントリー」を護衛しつつ,敵を倒していく
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 さらにこのミッションには,チームの中から二人を選んでギミックを解除しなければならない場面も用意されていた。筆者のチームは,タンクとアタッカーの二人で,何とか状況を打破できたのだが,あとから考えればどちらか一方はヒーラーだったほうが良かったかもしれない。

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 いずれのミッションも,キャラクターデザインや画面構成から受けるカジュアルなイメージと異なり,FPSとして極めて本格的な内容だ。ところどころに,油断すると全滅しそうになるポイントが用意されており,危うくリスポーンチケットが足りなくなりそうになったりと,適度な緊張感を保ちつつ,チーム内で声を掛け合いながら協力プレイを楽しめた。

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 また,本作には3種類のマルチプレイモードが用意されており,今回はその中から「侵入」モードをプレイできた。ちなみに,侵入モードのプレイアブルバージョンは,これが世界初公開とのことだ。
 このモードは,最大5vs.5で対戦する形式で,MOBAの要素を前面に打ち出している。基本的なルールは,味方のミニオンを護衛しつつ敵陣に攻め込み,拠点となるセントリーを制圧したチームが勝利となるというもの。

侵入モードでは,味方のミニオンを護衛しながら敵のセントリーを制圧していく
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 セントリーには,双方のチームの陣地をつなぐルートの途中に設置された「フォワードセントリー」と,各陣地に設置される「ベースセントリー」の2種類がある。セントリーはまずシールドを破壊する必要があり,これにはミニオンによる攻撃が極めて有効なのだが,反面,彼らは非常に弱い存在だ。したがって,いかに敵のミニオンを破壊しつつ,味方のミニオンを守りながら前線を押し上げていくかが重要なポイントとなる。
 また,プレイ中に入手できるシャードを積極的に消費してタレットを設置したり,ドローンを召喚したりすることも,勝利への大きなカギとなる。

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 侵入モードでは,当然ながらストーリーモードよりもさらに戦略/戦術を意識したチーム編成が重要だ。本作では一人称視点を採用しているため,俯瞰視点のMOBA以上に,敵味方の位置を意識したり,互いに声を掛け合って連携したりする必要があるだろう。
 ちなみに今回は初プレイということもあり,筆者はよく分からないままキャラクターの概要や見た目を優先してバトルボーンを選んでしまったのだが,下記のインタビューにあるとおり,初心者であれば近接アタッカーの「フィービー」や,FPSに近いプレイフィールの「オスカー マイク」が比較的扱いやすいとのことなので,参考にしてほしい。

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Gearboxテイストあふれるプレイフィールと個性豊かなキャラクターが魅力


 先行プレイ終了後,「バトルボーン」のアートプロデューサーを務めるサラ・ローサ氏と,アートディレクターのスコット・ケスター氏に,本作についていくつか質問をぶつけてみたので,その模様を以下に掲載しよう。

「バトルボーン」アートディレクター スコット・ケスター氏(左)と,アートプロデューサー サラ・ローサ氏(右)
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4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。今回,初公開となったマルチプレイの侵入モードですが,一人称視点のMOBAという趣になっています。これは世界的なMOBAブームを受けてのことでしょうか。

スコット・ケスター氏(以下,ケスター氏):
 あらためて説明しておくと,「バトルボーン」にはタイプの異なる3種類のマルチプレイモードがあります。一つめは,おっしゃるとおりMOBA寄りの侵入モード,二つめはFPS寄りの「占領」モード,そして3つめは両者の中間にあたる「溶解」モードです。

サラ・ローサ氏(以下,ローサ氏):
 「バトルボーン」の開発チームには,さまざまなクリエイターがいます。そしてゲームを開発するうえで,RPGやシューターなど多数のジャンルから影響を受けていますので,MOBAもその中の一つということです。必ずしもMOBAがブームだから,ということではないんです。

4Gamer:
 なるほど。しかし,そうは言ってもプレイヤーの多くは,侵入モードをMOBAの一つと認識して遊ぶことになると思います。「ほかのMOBAタイトルとは,ここが違う!」という侵入モードの特徴を教えてください。

ローサ氏:
 まず一つは,ご覧になればお分かりのとおり,一人称視点の部分ですね。FPSのカラーが強く出ています。

ケスター氏:
 一言で表現するのはなかなか難しいのですが,「Gearboxのテイストが色濃く盛り込まれたMOBA」と言えるんじゃないでしょうか。たとえばゲームバランスの取り方や,銃を撃つときのタイミングなど,ゲーム中のいろんな部分がGearboxならではのものになっています。プレイしてみて,そういったGearboxらしさを感じ取っていただけると嬉しいです。

4Gamer:
 侵入モードは「『ボーダーランズ』シリーズのファンなら,すぐ親しめるMOBAに仕上がっている」と解釈してもいいでしょうか。

ケスター氏:
 そう思いますよ。実際,「バトルボーン」の開発スタッフのほとんどは,「ボーダーランズ」に関わっていましたから。間違いなく,「ボーダーランズ」ファンに楽しんでいただける内容です。

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4Gamer:
 分かりました。
 それでは,少し前に実施されたクローズドβテスト(以下,CBT)に関していくつか教えてください。CBTでは,どんな反響が寄せられましたか。

ローサ氏:
 良い評価も,悪い評価もありました。たとえばゲームバランスの面では,「フィービーが強すぎる」という意見がありましたね。そういったフィードバックを受けて,ゲーム全体に調整を施すことができたので,有意義なCBTだったと言えます。

ケスター氏:
 CBTでは選択できるバトルボーンを制限していたので,「なぜ,このキャラが使えないのか。もし使えたなら,もっとプレイするのに」という,ある意味ポジティブなクレームもありました。
 もちろんリリース後も,そういったプレイヤーの皆さんの意見やリクエストは適宜反映していきます。

4Gamer:
 CBTでは,どのバトルボーンがテスターに人気でしたか。

ケスター氏:
 実は各バトルボーンの利用率が驚くほどフラットだったんです。強いて挙げるなら,フィービーとオスカー マイクの2体の利用率が高かったですね。

ローサ氏:
 クセの強いバトルボーンの中では,フィービーは近接攻撃キャラということもあって扱いやすいんです。

ケスター氏:
 またオスカー マイクは典型的なFPSキャラで,普段シューターをプレイしている人なら比較的すぐに操作に慣れることができます。

4Gamer:
 確かに今回の先行プレイでも,その2体の活躍が目立っていた印象があります。

ケスター氏:
 ええ,「バトルボーン」を初めてプレイするのであれば,この2体のどちらかを選ぶといいかもしれません。

ローサ氏:
 バトルボーンを選ぶときには,「普段,どんなジャンルのゲームを遊んでいるのか」ということを意識することも大きなポイントとなります。たとえばRPGが好きな人であればヒーラー/サポートの「ミコ」やトリッキーな「オレンディ」,格闘ゲームが好きな人であれば格闘要素の強い「ラース」といった感じです。

4Gamer:
 それでは,お二人のお気に入りのバトルボーンを教えてください。

ローサ氏:
 「カルダリアス」です。このバトルボーンは,動きが速く,近接攻撃も遠距離攻撃もバランス良くこなせるので,ヒットアンドアウェイに向いていて,うまく立ち回ることができるんです。

ケスター氏:
 個人的にはラースや「エル ドラゴン」といった近接攻撃キャラが好きです。あとは「ガルト」が好きなんですけれど,なかなか思うようにトラップを仕掛けられないんですよね……。目下,うまくプレイできるようになりたいバトルボーンです。
 全体的には,そのときの気分に応じていろんなバトルボーンを使っていますよ。

ケスター氏がお気に入りだというエル ドラゴン(上段)とガルト(下段)
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4Gamer:
 25体のバトルボーンはそれぞれ個性的な外見をしていますが,もっともビジュアル的にこだわったのはどれでしょう。

ローサ氏:
 「シェイン&オーロックス」ですね。このバトルボーンは,2体で一組のキャラクターなので,ビジュアル的にもゲームプレイ的にも苦労しました。

ケスター氏:
 例えばシェインが武器を投げると,それに合わせてオーロックスも動くんです。またスキルの「フェッチ」は,オーロックスが前方にいる敵を異空間に引きずり込み,シェインの目の前まで連れてきて攻撃するというものですが,それらを3Dグラフィックスとして再現するのは本当に大変でした。まさにトリッキーなバトルボーンです。

シェイン&オーロックス
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4Gamer:
 実は私もビジュアル的には,シェイン&オーロックスにもっとも惹かれたんです。その一方で,ビジュアルから「絶対クセがあるだろうな」とも予想できたので,今回はプレイをあきらめたのですが。

ケスター氏:
 ああ,そういう感想は嬉しいですね。僕達は,プレイヤーの皆さんに「こういうキャラなのかな?」と想像していただけるビジュアルを意識していますから。たとえばラースは「刀を持っているので,近接攻撃が得意な剣士だろう」とか,身体の大きなキャラクターは「タンクとして敵の攻撃の矢面に立つのが向いているだろう」とか。

いかにも固そうなケルビンは,その外見に違わずタンク向きのバトルボーンだ
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4Gamer:
 「バトルボーン」のリリース後,DLCなどの形で新しいバトルボーンが追加される予定はありますか。

ローサ氏:
 可能性はあります。残念ながら,この場で具体的なお話はできないのですが……。

ケスター氏:
 実は開発チームでは,毎日のように新しいバトルボーンのアイデアが上がっている状態なんですよ。

ローサ氏:
 その一方では,現状の25体で考え得る要素を一通りカバーできているということもあるんですよね。

4Gamer:
 分かりました。続報に期待しています。
 それでは「バトルボーン」に注目している日本のゲーマーに向けてメッセージをお願いします。

ローサ氏:
 すでにお伝えしているとおり,「バトルボーン」は5月19日に発売されます。25体の個性豊かなバトルボーンを用意しましたので,ぜひいろんなキャラクターで遊んでください。たとえばミコはヒーラーなので,自分のタイプじゃないと思う人もいるかもしれません。でも,実際にプレイしてみると,予想と違う魅力に気づき,意外にハマることもあるんです。ぜひエンジョイしてください。

ケスター氏:
 繰り返しになりますが,「バトルボーン」の開発には多くの「ボーダーランズ」スタッフが参加しています。日本の「ボーダーランズ」ファンは,ぜひ期待してください。

4Gamer:
 ありがとうございました。

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